MASAMI ONISHI

言語化支援コンサルティングオフィス j-happiness 代表 キャリア支援を通して数々の内定に導いた経験から言語化支援の重要性を実感し、 ビジネス場面における言語化スキルのブラッシュアップを目的に言語化支援ファシリテーターとして活動している。

MASAMI ONISHI

言語化支援コンサルティングオフィス j-happiness 代表 キャリア支援を通して数々の内定に導いた経験から言語化支援の重要性を実感し、 ビジネス場面における言語化スキルのブラッシュアップを目的に言語化支援ファシリテーターとして活動している。

最近の記事

パワーポイントによって説明は本当に分かりやすくなったか?

教育現場でもビジネス場面でもパワーポイントは広く活用されるようになりました。すでに基本ソフトの一つとして扱われるようにもなっています。  パワーポイントを活用すると、視覚情報も追加され、「理解しやすくなる」とか、「分かりやすい」と感じる側面があります。  一方で、多くの説明を聞いてみると、パワーポイントを活用するからか、ひょっとすると、逆に「分かりにくく」なっているのではないかと感じる場面が多々あります。  以下に、なぜそのように感じてしまうのか考察してみたいと思います。少し

    • 新入職員を取り巻く現状について

      日本社会では、昨今これまでの慣習にとらわれない会社組織が増えてきました。しかし、その一方で、今なお「徒弟制」の名残りのせいか、説明するよりも「見て、やってみて、慣れる」文化がまだまだ根強いように感じます。  要は、「いろいろ口頭で説明しても分からないだろうから、まずは見て、やってみたらそのうち慣れてくる。慣れてきたらわかるようになる」という考えです。 しかも、その考えは技術習得だけではなく、人間関係の部分にまで及ぶのです。そのために、人間関係を構築する部分でも説明が不足しがち

      • 「言語化スキル」の高さとその影響

        これからの時代はしっかりとした「言語化スキル」を身につけるべきだと考えます。ちゃんと人の話を聴けて、ちゃんと自分の想いや考えを表現できる、そんな「言語化スキル」が何よりも求められる時代にいると思います。 少しだけお付き合いいただければと思います。 ①なぜ「言語化スキル」が必要かよく「言語化スキル」の話をすると、「きれいな日本語」とか「正しい日本語」のことになってしまいます。作家や学者、コピーライターを目指すのでもなければ「きれいさ」や「正しさ」は2の次、3の次でいいと考えて

        • 若い人は「コミュニケーション」能力が低い?

          「最近の若者はコミュニケーション能力が低い」とよくビジネスの場で言われます。特に違う世代の人とうまく関われないケースをよく耳にします。  でも、そもそも「コミュニケーション」って何でしょうか?私は、いろいろ定義はありますが、「互いに分かりあうために聴くプロセス」と考えます。これが、これからの時代にもっとも腑に落ちる考え方です。  一方、現状は「伝えること」というのが一般的な考え方かと思います。  その考え方では問題が多く、それにもとづいて「能力が低い」とするのは、ちょっと無理

          「魅力」とは「何を」表現すればいいか

          「言語化スキル」の中でも特に重要だと考える、「魅力」を表現することについて次のようにまとめてみたいと思います。重要で難しいわりにちゃんと学ぶ機会がありません。  学校でも社会でもちゃんと学べる場がないのです。ところが、社会人になると突然、降って湧いたように表現を求められることになります。 自己PR、志望動機、自社製品の売り込み、顧客への提案(プレゼン)など。どれもが「魅力」を言わずして成立しないことばかりです。  これらは「慣れたら」できるでしょうか?。「ある程度」はできるよ

          「魅力」とは「何を」表現すればいいか

          これからの時代に求められる言語化スキルとは?

          壮大なテーマで失礼します。 日本語ネイティブとして生まれた私はこれからの時代、ビジネスの場で「多くの人が母語である日本語を自在に使いこなせるようになってほしい」と心から思っています。  いやいや、たとえビジネスの場とはいえ、普段日本語で困ることなんてないのに何を言ってるのか、とお𠮟りを受けるかもしれません。どういうことかご説明しますので、もう少しだけお付き合いただければと思います。  これは就活・転活場面も含まれます。以下にどういうことかご説明させていただきます。少しでも共

          これからの時代に求められる言語化スキルとは?

          信頼関係を築くための就活面接の準備について

          わたしは、就活面接の準備として自分の容姿や言動から「どのように面接官に信頼してもらうか」に意識を集中させるべきと考えています。  その一方で、「質問にはどう答えたらいいか」に強くこだわる学生たちをみてきました。事実、「自分の弱みはこう答えろ」とか「短所はこう答えろ」というような、ゲームの「攻略本」のようなアドバイスは検索するとたくさん出てきます。  正直言うと、それらのアドバイスを真似ても「ほとんど意味ない」ことだと思っています。むしろ自分らしさを損なうこともあります(アドバ

          信頼関係を築くための就活面接の準備について

          「就活面接」の対策と準備について

          就活の面接はビジネス場面ではじめての「売り込む」場となります。自分自身を。だからこそ、はじめて受ける人にとっては、「戦場」に行くぐらいの恐怖かと思います。そこで、面接対策としてどんなことしたらいいのかその準備と対策を中心に述べたいと思います。そんな不安と怖さに満ちた方たちのために少しでもお役に立てたらと思います。 本日の内容は次の3点です。 ①面接官が面接で知りたいこと限られた時間と情報で面接官が知りたいと思うことは大きくわけて次の4つが考えられます。 ①意識の高さ/強さ

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          そもそも言語化はどうやってスキルアップするのか?

          そもそも人が生まれ育って、自分のことばとして使ってきた言語はどのようにしたらブラッシュアップされるのでしょうか?外国語のように多くの語や表現を覚えることでブラッシュアップするでしょうか?よく、たくさんアウトプットすればブラッシュアップされるというような意見も耳にします。  これは非常に難しい問題です。正直、「理屈としてはよく分からない」というのが正解なのだと思います。多くの語や表現を知らないといけないし、アウトプットの経験も必要でしょう。ただ、だからといって、多くの語や表現を

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          日本語ネイティブにとって「言語化スキル」のブラッシュアップは必要?

          日本語ネイティブなら日常場面で「言語化スキル」を意識することはありません。  ところが、ビジネス場面ではそうはいきません。苦手な人とも関わらないといけないし、嫌な人とも協働しないといけないこともありますから。 さらに、お客様からは信頼を得て、「動いてもらう」(買ってもらうなど)必要もあります。  そのために日本語ネイティブでも「言語化スキル」を磨く必要があります。目的は、次の2点です。  ①ともに働く人と協働する  ②顧客に動いてもらう 「協働」で大きな問題になるのが、説明が

          日本語ネイティブにとって「言語化スキル」のブラッシュアップは必要?

          「人を動かす」言語化スキルとは③(進歩的傾聴)

          ビジネスにおける「聴くスキル」には、分かち合う(同調する)ことを目的とした受容的傾聴とは別に、「進歩的傾聴」が必要だと考えます。聴きなれない表現ですが、ビジネスでは重要な聴き方です。要は、話し手の考え方に同調した上で、さらにその中に光り輝く原石のような良さを見つけるように聴くことです。  つまり、話し手の話す企画や提案の良いところを支持して、それらの良いところや価値、意義に寄り添う聴き方です。加えて、企画や提案を生み出せるマインド(心のあり方)も支持するようにします。  そこ

          「人を動かす」言語化スキルとは③(進歩的傾聴)

          「人を動かす」言語化スキルとは②

          先の投稿内容を簡潔にまとめると、次のように整理できます。 【言語化スキルに注目する理由】 ①近年、職場での関係者との人間関係をうまく築けないケースが多い(それに伴う離職も多い) ②ビジネスの基本的なタスク(ホウレンソウや調整する、上手に説明する、挨拶する、お礼を述べる、謝罪する等)が遂行できないことが一因になって①に至るケースが多い ③SNS環境の進化、不労所得の増加、非正規雇用や雇用の流動性などで言語化の経験機会が減少し、ブラッシュアップする場や機会が減少している ④ビジ

          「人を動かす」言語化スキルとは②

          「人を動かす」言語化スキルとは①

          ビジネスではこれまでの教育現場と違って、「伝える」ことを目的にして言語化してもうまくいきません。「言ったつもりだった」とか「そんなことを言った覚えはない」とか、そもそも「伝わっている」と思い込んでしまえば、言語化すらしなくなることもあります。日本では、空気を読む文化が発達していることもあり、「言わなくても分かる/分かってほしい」という思いを強く持つ人がビジネス場面でも多くいます。  しかし、それぞれが異なる文化背景、学んできた環境の違い等々を考えると、ビジネス場面で「言わなく

          「人を動かす」言語化スキルとは①

          ビジネス場面における言語化スキルについて

          私は日本国内で日本語教員として活動した後、専門学校や大学でキャリア支援を行ってきました。面談を通しての履歴書作成や本番を想定した面接のサポートなどを行うことで数々の内定に関わってきました。  しかし、中には不本意にも早期退職をしたケースやなかなか内定に至らないケースもありました。退職には至らないまでも職場でうまく行かずに苦悩しているケースも多々ありました。そして、そういったケースにしっかりと耳を傾けると、「言語化スキル」が影響しているケースが多くありました。  職場の人間関係

          ビジネス場面における言語化スキルについて