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七色のポエジー(書きとめておきたい古今東西の詩句)

第402回 夜の讃歌(ノヴァーリス)

Nur Eine Nacht der Wonne―
Ein ewiges Gedicht―
Und unser aller Sonne
Ist Gottes Angesicht.
(ただ一夜の歓喜。永遠の詩。
 そして我らすべての太陽は神の顔なのだ)
 
 ドイツの詩人、ノヴァーリス(Novalis, 1772~1801)の「夜の讃歌(Hymnen an die Nacht)」から。死者の住む神秘的な夜の闇にあこがれ、不在のものを呼び起こそうとする。
 ノヴァーリスは、ラテン語で〝新開墾地〟を意味する筆名で、本名はゲオルク・ハルデンベルク。ドイツ北西部の貴族の出身。
 ヴィッテンベルク大学で法学を学んでいたころ、12歳の少女ゾフィーと出会い、翌年婚約する。しかし、まもなくゾフィーは重病に臥し、3年後失命した。 「夜の讃歌」は、ゾフィーの死を機縁に書かれた。散文詩と行分け詩が混在し、掲出の詩句は第5節の終結部。
 絶対的な存在への領域に迫る方途をノヴァーリスは〝魔術的観念論〟と呼んだ。それは自然哲学と神秘主義を綯い交ぜになり、全体と部分が混然一体に相関するとした。


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