私選 #315な本 S.E.M編
今回はS.E.Mですよ〜!
★S.E.M
元教師たちによる宇宙モチーフ銀色全身タイツアイドル。属性が多い。よもやここから担当が誕生するとは思っていませんでしたとも。
楽曲の格好良さと振り付けの面白さの振れ幅よ。
そしてアニメのS.E.M回が好きすぎるので該当の円盤を買ったらS.E.M版ムンナイが入ってるすごいCDがついてきてのけぞった。どうなってんの。
🔵硲道夫
最初本気で名字が読めず、妙に悔しがりながら(※漢検2級所持)コピペしてググった苦い思い出が……。そしてよく知らないうちに見たカード絵が真顔でジェットコースター乗ってるやつだったので、「絶対に面白い人だ」と確信。
何より普段着バージョン、ボタンダウンシャツにネクタイですよ。衿のボタン開けてネクタイ締めてまたボタン留めてるんですよ。あそこだけで几帳面さが見て取れる。
動物に「さん」付けするし、年の離れた妹さんがいると知って「シャニの幽谷霧子ちゃんのお兄さんか?」と思ってドキドキしたけど全然違った。せっかくだしポプマスで組んでみたかったな……。
余談ですが、サイスタでというよりソシャゲで初めての天井をしたのが新年に大凶を引く硲道夫SSRでした。モバエム2021クリスマスのトナカイといい、真面目さと面白さと可愛さが揃ってるのが魅力ですね。
森博嗣「笑わない数学者」(講談社文庫)
三重県にある「三ツ星館」。12年前に庭にある大きなオリオン像が忽然と消えてまた現れたという逸話のあるその館には、偉大なる数学者・天王寺翔蔵が隠者のように暮らしている。クリスマスパーティーに招待された犀川創平と西之園萌絵は、再びオリオン像が消える現場に居合わせる。そして一夜明けてオリオン像が現れたとき、2つの死体が発見される――。
これ副題もオシャレなんですよね。MATHEMATICAL GOODBYE。硲さんに似合うミステリといえば、と考えてすぐに思いつきました。
硲さん、ミステリにありがちな変わり者の探偵役をぜひやってほしい。モバエムのお仕事だと悪役の印象が強いけど(道満とか)、名探偵のお仕事も絶対似合うと思うんですよね。
犀川先生(第一作「すべてがFになる」の時点で32歳!)も似合いそうだけど、ガリレオも観たい。閃いた時に数式をドワーッて書いてほしい。
「容疑者Xの献身」を硲さんのガリレオと信玄さんの石神でめちゃくちゃ観たい。これは3回くらいツイートした。何の話だ。
周木律「眼球堂の殺人」(講談社文庫)
天才建築家・驫木(とどろき)の建てた巨大で奇妙な私邸〈眼球堂〉。そこに招かれた各界の著名人と放浪の数学者・十和田只人。「建築学こそすべての頂点にある」と豪語し招待客と論戦していた驫木だが、一夜明けて変わり果てた姿で発見される。そして唯一の外への扉も閉ざされてしまった中、招待客が次々と犠牲になる――。
こっちも絶対似合う。読んでてわけわかんなくなるような天才同士の蘊蓄をふんだんにまぶした会話劇をとても観たい。
おまけ。絶対本棚に置いてると確信してる本。
牧野貴樹「円周率1,000,000桁表」(暗黒通信団)
本体価格314円(3.14)。価格までこだわりが凄い。
円周率暗唱、硲さんは何桁までそらで言えるんでしょうね。
🔵山下次郎
担当なんですよ。
2021年の3月にYoutubeで無料限定配信をしていたプロミ2019を「みんな同じような衣装着ててわからねぇ……」と眺めていたところ、後生大事にとっていた宝くじをもぎ取られてるどえらい面白い男が目に飛び込んできて「何だコイツは……」と思ったのが運の尽きでした。そしてポプマス→モバエム→サイスタと順番に履修することに……。
ところで兄弟の話はひとつも出てきてないと思うのですが、一人っ子で「次郎」なのか……。お父さんの名前が一郎とかそんな感じなのかな。
有栖川有栖「ペルシャ猫の謎」(講談社文庫)
臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖のコンビが活躍する国名シリーズ第5弾。あちこちに「猫」が隠れる、変化球多めの7篇収録。
どうしてもモバエムオフショットのチェンジ前のカード絵が好きすぎて、猫が可愛いミステリを一冊と思いこちらを。
著者が猫を飼っていらっしゃるのもあってか、表題作のペルシャ猫の描写がたいへんに可愛らしいのです。喧嘩別れした恋人が置いていったペルシャ猫と暮らすちょっとうだつの上がらない男、山下次郎に演じて欲しいな……。
余談ですが、有栖川有栖のシリーズの名探偵には火村英生(ひむらひでお)と江神二郎(えがみじろう)がいるのですが、315プロのアイドルにひでおとじろうが居ると知って有栖川作品好きとしては大変テンションが上がりましたね。
なのでポプマスでは他ブランドの有栖川さんとユニットを組みました。
「宮内悠介リクエスト! 博奕のアンソロジー」(光文社文庫)
人生は博奕。十人十色の「博奕」を題材にしたアンソロジー。
特に競馬を題材にした「負けた馬がみな貰う」(法月綸太郎)は、借金返済のため、競馬に負け続けると高額報酬が貰えるというモニタリングに参加する男の話が印象的。
単純に不人気の馬の馬券を買えばいいというわけではなく、「単勝オッズが10倍未満の馬券を買う」というルールが設定されただけでヒリヒリしたギャンブルになってしまう。
担当におかれましては趣味や息抜きの範疇で楽しくお馬さんライフを送っていて欲しい所存です。
西澤保彦「麦酒の家の冒険」(講談社文庫)
傷心旅行の帰りに車のトラブルが起き、無人の山荘に迷い込んだ匠千暁(タック)たち大学生4人組。そこはシングルベッドの他にはヱビスビールのロング缶とジョッキ13個がぎっしりと詰まった冷蔵庫のみという奇怪な「麦酒の家」。彼らは冷蔵庫のビール(冷えてないストックを含めるとなんと96本もある)を100円玉を積み上げつつ次々と失敬しながら、「なぜビールとシングルベッドしかない建物がこんなところに?」という謎についての推理を始める。
このカード絵見たらもうこれしかないんよ。
30代組で翻案して演じてもらっても面白そうだと思ってる。飲みながら「何故こんなところにこんな家が?」と推理合戦をやりあってほしい。
🟡舞田類
英語力全振りノリノリお兄ちゃん。漢字が苦手らしいのですが初見で硲さんの名字読めましたか?
ベスゲのディーラー役に全力でぶつかる描写で、ただのノリよしお兄ちゃんではないところを見せてもらえたのがよかった。
3人の中で唯一家族のお話が具体的に出てきてないように思うので、今後どうなるか楽しみなようなこわいような。
桃戸ハル「ミステリ仕掛けの英単語」(学研)
「犯人はこの中にいる」など、ミステリの常套句の英語が学べる一冊。例文は「5分後に意外な結末」シリーズのショートショートを英訳したものなので、堅苦しくなくミステリ英語学習の世界に入ることができる。
最初がミステリ縛りだったからって私……。いや、物語と英語学習を楽しめる本であることには間違いないのだけれども。
これについては少し反省してます。なのでここで小説を1冊選ばせてください。
青柳碧人「国語、数学、理科、誘拐」(文春文庫)
小中学生が通うJSS進学塾。ある日、塾長・加賀見のもとに塾生を誘拐したというメールが届く。身代金は5000円、全て1円玉で用意せよという奇妙な要求。受け渡しに指定されたのは5人のアルバイト塾講師。更に金の受け渡し場所を特定するヒントは各講師の担当科目である5教科の問題と、塾全体を巻き込んだ大騒動が始まる。塾生は無事に戻ってくるのか。誰が一体こんな騒ぎを起こしたのか。
学校ではなく塾ミステリなんですが、塾生の誘拐事件を軸に成績の悩みと友人関係や親子関係、「どうして勉強するのか」についての答えまで組み込んだ温かくて優しいストーリー。各講師も自分の担当教科や専門分野に誇りを持っていて、S.E.Mに通じるところがある。