私選 #315な本 Legenders編
今回はLegendersです!
★Legenders
ポプマスで曲を引いてなんとなく設定しててなんやこれカッコいい……となったのが恐らくきちんとした出会いだったはず。2年くらい前の話なのにどうしてそんなにおぼろげなのか。
CD買ったらドラマパートでいい声の男たちが真面目に海の生き物しりとりを始めて笑ってしまったのが印象的。
ユニットカラーがブルーグレーてのもなんかいいですよね。渋くて。
🟡北村想楽
のんびりと歯に衣着せぬ喋り方。いい。
筆っぽい白黒ツートンカラーの髪、定期的に切ったときの白黒の割合の変化がやや気になります。
お仕事で容疑者やりがち(サイスタの街角探偵ガシャ&通常のお仕事)でニヤニヤしてしまう。
さんざっぱら言われてることと思いますが、両隣があまりに高身長なために小柄に誤認されるの、ハイローの村山さんみたいだな……。
連城三紀彦「戻り川心中」(光文社文庫)
大正時代の天才歌人・苑田岳葉は2回心中未遂事件を起こし、ふたりの女を死に追いやり、その情死行を歌に遺した後自害した。岳葉が愛したのはふたりの女のうちどちらだったのか、そもそも真に愛したものとは。藤、桔梗、桐、白蓮と花にまつわる短篇集。
連城三紀彦、文章があまりに美しいんですよ。特にこの1冊は読んでいるだけで花の香りが漂ってきそう。
美しい文章と歌とミステリ。花と恋愛が主なテーマであり、色街の話もあるので19歳の男子に似合うと言っていいかはともかくとして、読んでてほしい。
高田崇史「QED 百人一首の呪」(講談社文庫)
百人一首カルタのコレクターとして有名な会社社長・真榊大陸が自宅で殺された。彼の手には文屋朝康の札が握りしめられており、ダイイングメッセージと思われたが捜査は難航。一方、成り行きで巻き込まれることになった薬剤師・桑原崇は百人一首に込められた謎を解き明かしていく。百人一首の謎と真榊家の事件との関係とは。
歌といえば百人一首、百人一首にまつわるミステリといえばこちら。という理由で選出。
「百人一首の呪」では百人一首に向き合ってるものの、シリーズ全体では事件のスケールが徐々に大きくなって全国の寺社を巡ることが増えて、伊勢神宮で一つの節目を迎えるあたりもポイントが高い。
シリーズ全体として日本史や寺社の学説を踏まえたロマンを語るものなので、「タタルさん、面白いことを考えるねー」と言いながら読んでいてほしいな、という願望があります。
🔵葛之葉雨彦
あまりわかってない頃にプロミと3rdの無料配信を観てて「なんやようわからんけど声のいい人がおる」「お前さんて何なんすか」と思っていたところ、立ち絵が癖すぎてビックリした。でも前を閉めるかもうちょっと襟ぐりのあるインナーを着てほしい。
いや会社が違いませんか? ATLUSではなく? デビルサマナーではなく? いやどちらかというとベルベットルームの住人ではなく???
そして私はバンナムの水色の髪の男に弱い(テイルズならファンタジアのチェスターとグレイセスのヒューバートが刺さった)ので、完全なる敗北。
モバエムのリメショガシャで爆死して以来、ログイン画面で金難の相を指摘してくるあたりめちゃくちゃ悪い男じゃないですか? 悔しい。何の話だ。
宮内悠介「盤上の夜」(創元SF文庫)
旅先で四肢を失い、囲碁を知ることで日本へ帰ることが叶い、棋士となった灰原由宇。「星が痛い」と表現するほどに碁盤で触覚が繋がった彼女は、その独自の感覚を磨くために世界各国の触覚に関する言語を殖やして強さを得る。その姿は碁打ちとしてあまりにも鮮烈で清く、孤独だった。その孤独の果てに、由宇は姿を消す……。
囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋の5つの盤上(卓上)遊戯をめぐる短篇集。
趣味に「囲碁」が入っているのと、そこに言葉がまつわるので似合いそうかなと選出。
ゲームを突き詰めた果てに抽象や人を超えた領域に触れるような熱さと静謐さがあると思う。
私はこの手のゲームに疎いので、ルールがわかる人が読むと面白さがより理解できるんだろうな。
有栖川有栖「濱地健三郎の霊なる事件簿」(角川文庫)
新宿の古びたビルの一室に事務所を構える心霊探偵・濱地健三郎。鋭い推理力と幽霊を視る能力がある彼のもとには、奇妙な現象に悩む依頼人が密かな口コミを辿ってやって来る。似顔絵を得意とする助手・志摩ユリエの手を借りながら、濱地は死者の声なき声を聞く。
いや今いちばん演じてほしくて選びました……。
だって紹介漫画として一部シーンがコミカライズされてこれですよ。
絶対似合うって……。助手の志摩ユリエを品よくからかうシーンとか本当さぁ……。
幽霊だって間違うこともあるし、声なき声が発する不明瞭な手がかりがどう繋がるかを推理するのは現世の探偵の仕事なので、幽霊が視えるから一発逆転というわけでないところがこの作品の魅力だと思う。
🔵古論クリス
2次元だからこそ許される感じの前髪だ。
ポプマスメニュー画面で突然水槽を出現させて海の生き物の話をおっ始めるのを見てかわいくてビックリした。ビックリしながらモバエムを始めたらワカメを差し入れされてさらにたまげた。
あとあなたも前を閉めて……いやウェットスーツじゃなくてその上に穿いとるボトムスの話です……。というか季節問わずウェットスーツ常用は夏暑くないのか。
有栖川有栖「海のある奈良に死す」(角川文庫)
推理作家・有栖川有栖は東京の出版社で同業者の赤星楽とすれ違う。「行ってくる。『海のある奈良』へ」と言い残して取材の旅に立った彼は、翌日に福井の小浜で死体で発見される。彼の言った「海のある奈良」とは。有栖川有栖は友人・火村英生と共に調査を開始する。
いえタイトルだけで選んだわけではなく……。
語り手の有栖川有栖が、同じミステリ作家として被害者がどういう作品を書きたかったのかを探るべく、「海のある奈良」について調べていくくだりが非常に歴史探索なんですよね。八百比丘尼伝説やお水取りなど、クリスさんからしたら仲間の二人のほうがよほど詳しそうなジャンルから「海のある奈良」に迫っていく。人魚のモチーフもありますし。
NSEの歴史番組に取り組んだみたいな感じで楽しんでくれないかな、と思います。
あと引用のところでニコニコしてほしい。
クリスさん、モバエムの寸劇でワンピース的なコミックをどっさり読んだり海洋冒険ものの小説を読んだりしてることが判明してちょっと興奮したので軽く2冊追加しますね。
青柳碧人「東京湾 海中高校」(講談社文庫)
「かつて東京湾の海底に、海流発電を利用した海中都市があった」という架空の近未来設定が既にロマン溢れる1冊。
そこに暮らしていたひとりの少女の生活と、かつて海中都市で暮らしていた化学教師の回想が交互に語られる青春小説。化学教師の朴念仁な雰囲気がまたいいんだよな……。
イーライ・ブラウン 著/三角和代 訳「シナモンとガンパウダー」(創元推理文庫)
1800年代イギリス。雇い主の貴族を海賊団に殺された料理人・ウェッジウッドはそのまま海賊船に拉致されてしまう。頭の女海賊・マボットは彼に週に一度の特別料理を作るように脅迫する。船にはまともな調理器具も食材もない中、ウェッジウッドは経験とひらめきで工夫をこらしていく……という海洋冒険ロマン。
お料理の描写も海賊の戦闘も、なんか妙に諦めの悪いウェッジウッドのユーモラスさも全て面白いしクリスさんに読んでほしい。