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InterBEE 2024 SPATセミナーレポート
こんにちは!Xylomania Studio アカデミア班です!
みなさま、InterBEE 2024は参加されましたか?
今回はInterBEE2日目(11/14・木)にホテルニューオータニで行われた
「SPAT Revolutionセミナー
FLUX:: x JBL Immersive Experience Room by Harman」のレポートをお届けします!
SPAT Revolutionセミナー
今年10月にSPAT Revolution(以下SPAT)をフル活用し、古賀さんが作曲家/サウンドプロデューサー/空間オーディオアーティストのKOSENさんとライブイマーシブ・エンジニアの橋本敏邦(T-SPEC)さんと共同で、愛知県名古屋市にある中部電力 MIRAI TOWER内のカフェ『base lab.』の立体音響空間をリニューアル。
このセミナーでは、どのように活用して特別な音体験を実現したのかを解説しました。会場は、InterBEE 2024の開催に合わせてHarman ProfessionalがプロデュースしたFLUX:: x JBL Immersive Experience Room。SPATのWFS再生で、立体音響カフェ『base lab.』で再生される自然の音とアンビエント音楽のハーモニーを実際に体験しました!
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SPAT Revolutionとは何ぞや
SPAT Revolution (以下SPAT) とは、FLUX:: EngineeringとIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)が共同で開発した、リアルタイムで音を空間化するソフトウェアです。
何がすごいの?
1.自由度が高い
SPATは、なんと入出力数無制限!
入力も出力もさまざまなフォーマットを扱うことができます。
チャンネルベース、7次までのアンビソニック、バイノーラル、トランスオーラル、MS、A-フォーマット、Bフォーマット、UHJ、Eigenmikeなど、様々なフォーマットのオーディオをそのまま入力ソースとして扱うことができます。プロセス後の出力は、ステレオ、5.1、Cube、Auro 3D、DTS、Atmos、22.2chを含む、様々なスピーカーの配置形式で出力可能です。
加えて「エクステンシブ・ソース・コントロール」と呼ばれる、各入力に対して個別に設定できるパラメータが用意されています。空間内での位置や指向方向(音の向き)、放射方向(音の広がる方向)や、音の知覚にまつわるパラメータもリアルタイムに自由自在。なんでもできちゃいそう!
2.いろんなリバーブがある
SPATには多彩なリバーブエフェクトが内蔵されています。「base lab」では全部で24個のスピーカーを用いて音空間が作られていますが、場所の雰囲気ごとにリバーブを使い分けたそう。石が使われている場所(レジ側)は石のリバーブ、木が使われている場所(ソファ側)は木のリバーブ。そしてカフェ空間全体には、あたかも建物の外にいるようなアウトドアのリバーブを使用したそう。
店内の空間デザインに合わせることでより没入感が増したことでしょう!(筆者はbase lab未体験なので、ぜひ現地で体験したいです…!)
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3.WFS(Wave Field Synthesis、波面合成)ができる
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一般的に音の定位(方向感)をコントロールする場合、パンニングという手法が広く使われています。パンニングでは、図左のように複数のスピーカー間の音量バランスを調整することで、リスナーに音が特定の方向から聞こえるように感じさせます。しかしこの手法では、スピーカーの数や配置によって再現できる定位の精度が制約される場合があります。
これに対して、SPATではオプションでWFS(Wave Field Synthesis、波面合成)という手法を用いて音の方向を制御することができます。WFSは、音が発生源から波として伝わる様子を物理的に再現する手法で、多数のスピーカーを用いて音波の波面そのものを合成します。これにより、広いリスニングエリアにおいて、より正確かつ自然な音の定位を実現することが可能です。
セミナーではWFSとパンニング(VBAP)で飛び回る鳥の鳴き声などを聴き比べ、その音の違いを体験しました。
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実際に聴いてみて
筆者は今回がSPAT初体験だったのですが、SPATを用いて変換された個々の音は非常に自然な響きと定位感を持っていました。
これまでイマーシブな環境では音楽やフィールドレコーディングが再生されることが多い印象がありましたが、今回は場所がカフェということもあり、360°のBGMを意識して音を作ったというのは非常に面白いなと思いました。
今回は「前」がある録音を使ってミックスしたとのこと。次回は「前」のない、より全方向のBGMを聴いてみたいなあと思います。これからも楽しみです!(やまぐち)
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