
『base lab.』 来店レポート 〜名古屋の街並みと珈琲、そして立体音響〜
こんにちは!
前回の記事に引き続き、Xylomania Studio アカデミア班による、名古屋市にある中部電力 MIRAI TOWER内のカフェ『base lab.』の立体音響についてのレポートをお届けします!
↑前回のレポートはこちら!
base lab.
栄駅より徒歩3分の中部電力 MIRAI TOWER (旧名古屋テレビ塔)3階にある、古賀さんが作曲家/サウンドプロデューサー・空間オーディオアーティストのKOSENさんとライブサウンド・エンジニアの橋本敏邦さんと共同で立体音響空間を制作・リニューアルを担当した、まさに唯一無二の体験ができるカフェです。
↓base lab. HP

今回、実際に足を運んでみました!
圧倒的没入感。
カフェで聴ける立体音響というキャッチコピーで、エンタメ寄りのプロジェクトなのかと想像していたので、『楽しむぞ』という気持ちで来店。
注文して商品が出来上がるまでの間、聴こえ方を探るために店内を歩いてみる。
店内の端から端まで、繊細で透明感のあるアンビエントライクな音楽が空間を満たしていて、それでいて支配しすぎていない、寄り添うような優しいサウンドというのが第一印象。
前回の記事で記述したSPAT Revolutionを使った合計24個のスピーカーから構成される音響と、SPAT特有の自由な定位表現で空間を余すことなく使うことで、違和感のない自然な空間デザインを実現しています。
音楽と環境音の距離感、バランスが絶妙で環境音と音楽が違和感なく同居しているのはもちろん、お客さんの声や物音も音楽の一部に聴こえるほどに、心地の良い余白がありました。
それぞれの音が自然に絡み合って空間を作り上げているのはとても新鮮で、これは完全に新感覚!!
このカフェに展開された空間はエンタメの域を超えた芸術作品であり、イマーシブオーディオの一種の完成系だなと耳で、肌で感じました。

魅せられる音の数々
base lab.のBGMは各曲に日本各地の環境音が使用されており、主に鳥の声や波の音などが使われているのですが、鳥の声は鳥の声でも違いがあって、その違いで夜の情景や森の中にいる様な感覚になるのが面白い。
筆者は昼の時間帯に来店したので、音が夜の情景になった時は視覚と音の間に不思議な乖離と心地良さを感じました。
音だけで景色をも変えてしまうほどの没入感を実現しているのは、全曲通して楽器、環境音どちらも音色の雰囲気が統一されており、曲が切り替わっても自然とそのまま聴くことができるほど洗練されているからだと思います。
リズムが効いている曲や、アコースティックな曲など、幅広いジャンルの曲があるのですが、そのすべてをbase lab.という空間を崩さないままに表現しているように感じました。
曲間を環境音で繋ぐのも、効果的で筆者的に心に刺さるアプローチでした。
波の音ひとつでも、独特の粒感が繊細に聴こえた上で、耳が痛くない優しい音色に仕上がっており、曲の中で使う音の選択や処理の仕方にもこだわりと工夫を感じます!!
余談ですが、珊瑚だと粒感が独特な音、砂だとナチュラルな波の音、などの様に波の音は録った場所の砂の質感によって違いがあるそうです。
日本各地の自然の音がひとつの場所(カフェ)にパッケージされていると考えるとワクワクしますね。
リバーブの質感も、空間に溶けていく様な抜けの良いものだったり、硬めの質感のものまで、場所によってのリバーブの違いを感じることができます。
"立体"音響
定位、この話題は外せません!
この店は座る場所で聴こえ方や空間の印象が大きく変わります。
なので、筆者は景色で席を選ぶのではなく、音で席を選ぶという初めての体験をしました笑、まさにこのカフェでしか出来ない体験です。
どの場所で聴くも違った良さがあり、そこでしか得られない発見があります。
1つ例をあげますと、まずスピーカーが近い場所とそうでないところでは、やはり楽器や環境音の明瞭さに違いがでます。
音の詳細を知りたいときは、スピーカーの下。
定位の動きやリバーブの質感に注目したい時は、スピーカーから距離をとってみる、などの分析的な聴き方もありだと思います!
まとめ
「base lab.」のレポートいかがでしたしょうか?
こんなクオリティの高い立体音響空間が、名古屋のシンボルでもある旧テレビ塔にあるなんて、なにかロマンの様なものまで感じますよね。
これは体験するほかないです!
音楽が好きな人も単純にカフェが好きな人も、どんな人でも楽しめる、落ち着いて過ごせる。
そんな空間でした。
以上でbase lab.のレポートを終わります。
最後まで読んでくれた方々、ありがとうございました!!
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