
音楽制作の最前線を知る!Symphony Studio 発売記念セミナー Presented by Apogee レポート
こんにちは!Xylomania Studio アカデミア班です!
今回は12/5(木)にLush Hubで行われた
「音楽制作の最前線を知る!Symphony Studio 発売記念セミナー Presented by Apogee」のレポートをお届けします!
Symphony Studio
Symphony StudioはApogee Electronicsから新しく発売されたオーディオインターフェイスです!
1.低価格・高品質
高品質なAD/DAコンバーターとDSPを搭載しながら、他では考えられないほど手頃な価格です。特にDolby Atmosなどのイマーシブ環境を構築する際には、2x12モデルでは7.1.4ch、8×16モデルでは9.1.6chといったシステムにも対応でき、導入コストを抑えることができます。
2.シンプルな構成
AD/DAとDSPのみというシンプルな構成になっています。ADATやMADI、ワードクロックやDANTEを必要としない方にとって、買ってUSB-Cで繋げばすぐに使えるこのシンプルな構成はお手軽で導入しやすいのではないでしょうか!
3.ゼロオーム・ヘッドフォン出力
ヘッドフォンとインターフェイスのヘッドフォン出力のインピーダンスを限りなく低くすることで、ヘッドフォン本来の音をそのまま再現できるようになります。ヘッドフォンの性能を最大限に引き出し、余計な歪みや色付けが加わらず、モニターにぴったりです!
このデバイスがどのように音楽制作の可能性を広げるのか、今回のセミナーではその一端が解説されました。こちらの詳細なインタビュー(Media Integration, DTMステーション)もぜひご覧ください!
今回のセッティング

使用機材
PC:Mac Book Pro (M4 Pro 14inch)
オーディオインターフェイス:Apogee Symphony Studio 8×16
モニタースピーカー:Focal ALPHA EVO 50+SUB ONE (7.1.4ch)
スピーカー配置
サイド:90度・後方:135度・上方:33度
LCR間距離:2m・サイド間距離:1.8m・後方距離:2.5m
音響調整
ベースマネジメント:45Hz以下
音量:82dBCで調整
タイムアライメント:SoundID Reference
新しく発売されたSymphony Studioの音が良く、今回はFocalのALPHA EVOというエントリーモデルのモニタースピーカーでAtmos環境を構築しました。
日本の建築は欧米に比べて天井が低いことが多く、標準的な仰角45度配置は難しいケースが少なくありません。そのためやや緩やかな角度ですが、できる限り理想に近い配置を行いました。
上方のスピーカー設置には通常業者に依頼することがおおいですが、今回はロックオンの「今シブトラスセット」を使って、カスタムし、自分たちで設置しました。
💡Dolby Atmos環境を初めて組む場合には、1.4-1.5m程度の円を基準に配置するのがおすすめです!
テーマ:「スピーカーの出音調節」
今回はイマーシブ・オーディオの制作ワークフローの中でも、「スピーカーの出音調節」の重要さに焦点をあてて解説しました。音楽制作においてどのようにコンテンツの音の中身を作るかと同じくらい、スピーカーから再生される音に気を配ることは重要です。
1.Dolby Atmos music curve

Dolby Atmos Music Curveは、映画用とは異なり、音楽を聴くリスニング環境に最適化された音響バランスの基準で、EQ(イコライザー)のようなものです。このカーブを使うことで、スピーカーの種類や部屋の環境に関わらず、制作した音楽を意図した通りにリスナーに届けることができます。日本ではまだ馴染みが薄いですが、音楽制作のクオリティを向上させるためにぜひ試してみてください。
💡SonarworksのSound IDははじめからdolby music curveが搭載されていて、導入しやすいのでおすすめです!
Amazon MusicとApple Musicへのカーブ調整の違い
Amazon Musicでは、Dolby Atmos Music Curveをそのまま適用するか、微調整するだけで十分です。一方、Apple Musicは高音と低音が強調される「ドンシャリ傾向」の音質が特徴的で、Music Curveとの相性があまり良くないように感じます。そのため、Apple Musicではこのカーブを再調整して適用する必要があると考えます。

2.オブジェクトLFE
古賀さんのDolby Atmos Mixでは「オブジェクトLFE」(古賀命名)という仕組みを使って、LFE(低周波成分)を1つの「オブジェクト」として配置することができます。このメリットは、特定の機器や再生環境でLFEがサポートされていない場合でも、低音が失われる問題を回避できることです。例えばゲーム機のバイノーラル再生ではLFEチャンネルがカットされる可能性もあります。オブジェクトLFEを作ることで、どのような環境でも安定した低音再現を保証できます。安心!
💡オブジェクトLFEで送る低周波数はジャンルによって異なりますが、古賀さんは60-80Hz以下を設定することが多いそうです。これを参考に、制作するコンテンツに最適な設定を見つけてみてください。
おまけ:タイムアライメントをアナログで調整するには
スピーカーを設置し、音を調整したい。
Smaartが使えず、Sonarworksの処理はいつまでたっても終わらない😭
そんなときに役立つのがアナログタイムアライメントです!
手順
1.スパイク音をひとつずつスピーカーから再生
2.リスニングポイント中央のマイクで録音
3. 目で波形を確認してスピーカー位置を微調整
以上です。シンプル!
特別なツールを使わなくても、音のズレを正すことができます。ぜひ試してみてください♪
💡調整の鉄則
スピーカーの調節には鉄則があります。それは…
「アナログ領域での調整を優先する」こと!
例えばこのアナログタイムアラインメントも、まずスピーカーの位置を動かして音のズレを修正します。どうしても調整しきれない部分にのみ、DSPのディレイを使って微調整します。
はじめからEQなどの信号処理で音を調整するのではなく、まずスピーカーそのもの場所を調整するという基本を徹底してください!
まとめ
今回はスピーカー調整の重要さについて詳しく取り上げました。
映画館など限られた特殊な環境に限らず、イマーシブ・オーディオが家庭でも気軽に楽しめるようになりました。どのような環境でも意図した音を届けるためには、Dolby music curveや細かいDSP調整などを導入して音楽制作を行うことは重要です。
このnoteを読んだみなさま、今日から導入してみてください!

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