映画メモ 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
閃光のハサウェイを観た
2021年、村瀬修功監督作。劇場で観て大満足した記憶も新しいが、Netflixで発見。2回目を見たので脚本観点でどんな話だったか考えてみた。
ストーリー分析
主人公の変化
誰にも自分がマフティーだとバレていないハサウェイがスタート地点。政府高官の顔を見ておきたいという理由で乗り込んだシャトルで出会ったギギとケネスの間に人間関係が生まれ、最終的にケネスからハサウェイの正体に疑念を抱かれるところがゴール地点(ギギには出会った時点でマフティーとバレたが)。本作は3部作のひとつめということでキャラクターの顔見せと出会いが描かれた。主人公自身が大きく変わった感じはしないが全体を通せばこの出会いが大きな意味を持つ事になるのだろう。
ジャンル分析
ジャンルは"スーパーヒーロー"。腐敗した地球連邦の政府高官暗殺を行う組織マフティーのリーダーであるハサウェイ。自身の理念と周囲の見方、非情になりきれない自分自身に葛藤する姿が描かれる。その人間くささが共感を呼ぶ。
GOODだと感じたポイント
大人の魅力を強調する画
ポイントポイントで超クローズアップが繰り返し使われている。ハサウェイやギギの耳元での囁きや政府高官の愛人の汗ばんだ胸元など大人の魅力を強調し、短い時間でハサウェイがギギのこと気になっちゃうのも仕方ないわな、っていう部分に説得力を持たせてた気がする。
市街地でのモビルスーツ戦
市街地のモビルスーツ戦が地べたにいる人間視点で展開される。もし本当にモビルスーツが存在したらこんな感じになるという観客視点での共感と、死が近づいてくる緊迫感が作品の魅力になっていたと思う。
ハサウェイの人間くささ
例えば非情なテロリストならマフティーがダバオに攻撃を仕掛けた時にギギは無視して逃げてしまえばよかったはずなのにそうしなかったところ。タクシーの運転手にマフティーは1000年後のことを考える余裕がある暇な奴らと言われて気にしちゃうところ。ハサウェイの人間くささを感じさせる部分をちゃんと見せていて良かった。
最後に
物語全体を通せば序盤にあたる本作だが脚本としてはスーパーヒーローのパターンで綺麗に楽しめる作りになっていた。完結までとても楽しみ。