映画メモ 『エリジウム』
エリジウムを観た
宇宙ものの映画をいろいろ観てみようかなと思い立ち、スペースコロニーが登場する映画を探したところ「エリジウム」に辿り着いた。2013年、ニール・ブロムカンプ監督作。
ストーリー分析
主人公はどう変化したか
一般人である主人公が突然余命5日になり、自分が助かるために超富裕層が住むスペースコロニーを目指すが思いがけず重要な情報を入手し、最後は自分が死ぬことで多くの命を救うことを選択することとなる話。
あらすじ
地球の汚染が進んだ末に貧富の差が二極化した時代が舞台。超富裕層はスペースコロニー"エリジウム"に移民し、地球には貧困層が住むようになった中、主人公は地球でエリジウムに憧れる少年時代を過ごす。大人になった主人公は盗みの前科持ちになっていて工場で奴隷のように働いていた。そんななか、工場で事故にあい大量の放射能を浴びた結果、突然余命5日となってしまう。自分が助かるためにはエリジウムにある医療用ポッド(スペースコロニーでは医療も大きく発達しているのだ!)に入るしかないと考えた主人公は違法シャトルでエリジウムに難民を送っている組織のリーダーであるスパイダーと交渉。富裕層の持つ資産につながる情報を手に入れることを交換条件に主人公は自分が勤めていた工場の会社の社長を襲撃し脳から情報を入手した。しかしそこにあった情報は暗号化されていたエリジウムの再起動プログラム。情報入手の過程で手負いになった主人公は少年時代に憧れていた少女フラムに傷の手当てをしてもらうが、彼女に白血病の娘がいることを知る。自分の脳に重要情報があることを知った主人公は違法シャトルではなく追ってきたエリジウム側の敵に直接交渉。自らの脳を人質に、同じく人質となっていたフラムと娘とともにエリジウムへ連行される。エリジウムに着陸したが敵が追ってきて医療用ポッドに入る暇はない。後を追ってきたスパイダーと合流しエリジウムの再起動プログラムを書き換え全ての人をエリジウム市民とすることでの解決を行うが、主人公の脳からデータをダウンロードすると脳の持ち主は死んでしまうことがわかる。最後の選択を委ねられた主人公は死を選び、フラムの娘は完治。エリジウムと地球の分断もなくなって医療用シャトルが地球へ向かっていった。
ジャンル分析
「難題に直面した平凡なやつ」パターン。地球で暮らす一般人を主人公とすることで観客が感情移入しやすくなっている。またほっとくと死んでしまうという原始的欲求を組み合わせてなぜやるのかという意味づけをおこなっていた。
Goodだと感じだこと
かっこいいデザイン
エリジウムのデザインはシド・ミードらしい。さすが巨匠。主人公とライバルが身につける強化外骨格もSFらしくていい感じだった。
最後に
ストーリーはこうしてみると王道を行っている気がするけど、めちゃくちゃ面白かったかというとそこまでの感想は抱けなかったというのが正直なところ。一つ一つの映像やデザインはかっこよかったはずなので、それだけではいけないという学びになる。どうすればよかったか考えてみたけど、ぱっと思いついたところでは人が簡単に死にすぎだったような気がした。社長を襲撃するときに主人公の友達が殺されてしまったところとか、最後主人公がキーボードを押して死ぬところとか、けっこうあっさり進行して共感が追いついていない感じがした。おそらく自分がもう一歩泣かせる演出があるほうが好みなんだと思う。それが何なのかわからないけど、見つかると自分の好みの演出を理解できそうだ。