「室井慎次 生き続ける者」を見てモヤモヤしたので…
ぼくの考えたさいきょうの『室井慎次 生き続ける者』のプロットを書きなぐりました。推敲していないので、誤字脱字多いです。また一晩で考えて書いたので作りが甘いです。
条件。
1・室井さんは死ぬこと(柳葉さんからのオーダー)
2・室井でスローライフものがやりたい(君塚氏や亀山Pからのオーダー)
3・踊る再始動にふさわしい物語・ファンサ?個人的に新城と室井の関係がもっと見たかった。
で、走り書きしてみた。
プロットの穴だらけ。でも、ノリだけで楽しく書きました。
ちなみに「前編」「容疑者 室井慎次」は未見です。
警視庁での組織改革に失敗した室井は警察をやめ、秋田の田舎で自給自足の暮らしをていた。
かつての仲間・新城も警視庁を追いやられ、秋田県警本部長の地位に左遷されていた。
失意の新城は秋田で腐った生活をしていて、たびたび室井のもとを訪れていた。夢は終わったと新城は語る。
一方、室井は、警察を辞めたいまもなお、過去を引きずるように組織改革案を書き続けていた。新城は室井に「すべて終わった。そんなものはもう無用だ」と苛立ちをこめつつ言うが、室井はそんなことわかっているというふうに自嘲する。
ある日、室井は、疎遠になった親戚の息子・森貴仁を養子として引き取ることになる。
貴仁の父は犯罪を犯し刑務所に無期懲役で服役していた。貴仁は素行に問題があり、施設を追い出された身分。室井はしょうがなく、貴仁を引き取る。
こうして二人の共同生活が始まるが、貴仁は事あるごとに室井につっかかる。
貴仁は警察を憎んでいて、元警察官僚の室井にも敵意を向けている。
引退しても尚、正義やルールを尊重する室井の態度が、貴仁は気にくわない。
また引退の理由も知り、室井を負け犬だと罵る。
室井はなぜ警察を憎むのかと尋ねるが貴仁は口を閉ざす。
やがて貴仁の父親が犯罪者だという噂が閉鎖的な村中に広まり、貴仁に対する苛めが始まる。孤立していく貴仁は喧嘩に明け暮れ、地元の商店で欲しくもないのに万引きを繰り返す。
石津牧場の石津や地元の盟主にして地区長の長部は、地区の治安のために、しょうがなくやっていると室井にうそぶく。
室井は貴仁をかばうが、室井もまた口数の少ない不器用な性格のため、村人たちのいじめの対象となる。
ある日、室井の家から遠くない場所で遺体が発見される。遺体はかつてレインボーブリッジ事件の犯人の一人だった。新城は室井にそのことを告げ、捜査を開始する。
すぐに村中で、殺害犯は貴仁じゃないのかと囁かれ始める。
遺体は貴仁がやって来た頃に発見されたのだから、貴仁が怪しいという根も葉もないうわさだ。
室井は偶然だと説得するが、室井と遺体の関係を知った村人たちは室井まで疑い始める。
室井は集落の地域課の警察官・乃木真守に窮状を訴えるが、取り合ってくれない。
貴仁「警察はどうせ何もしてくれない。あいつらはいつもそうだ」
貴仁は理不尽な村人や、何もしない警察に憎悪を募らせていく。
室井は貴仁の過去を調べる。彼は過去に父親から虐待を受けていた。
室井や周囲の人間に心を閉ざす貴仁は、やがて、非行の最中に、国見という男と出会い、彼の優しさや世の中の矛盾、汚さに軽蔑する思想に惹かれていく。国見はまるで、貴仁にとって、父親のように感じられた。
だが、貴仁はやがて彼らが高齢者や富裕層を狙う特殊詐欺や強盗を行う犯罪グループであると知ってしまう。
ショックを受ける貴仁だが、国見らは富を独占している人間たちから奪われた富を奪い返しているだけに過ぎないと語る。今狙っているのは長部の財産だ。
室井はそんな貴仁が少しずつ犯罪に手を染めつつあるのを何となく勘づいていく。
ある日、貴仁の父親が刑務所で自殺したとの知らせが入る。
貴仁は父親を憎んでいたが、たったひとりの家族を失ったことに激しく動揺する。
貴仁に寄り添う室井。室井は、貴仁の虐待のことを初めて尋ねる。
貴仁は室井に、苦しんでいる自分の通報も、警察は何もしてくれなかったと訴える。室井がいつも言う正義やルール、倫理は自分をなにひとつ救ってくれやしなかった。警察ばかりじゃなく、児童相談所や役所も、貴仁の訴えを聞いても何もしてくれなかった。
室井は、自分だけは決して貴仁を裏切らないと強く伝える。
室井の真摯な言葉や様々な村人からの中傷やイジメからいつでも自分を守ってくれた室井の姿を思い出し、貴仁は激しく心を揺さぶられる。
室井は、貴仁が抱く父親に対する愛憎、そして社会や実の父親の誰もから守ってくれなかった孤独を理解する。
「俺はお前の父親の代わりになることはできない。だが、俺はいつでも貴仁のそばにいる」
この日を境に、二人の関係は急速に近づいていく。貴仁自身も、自分の変化に戸惑うほどだ。
室井は、警視庁時代の自分のことを貴仁に聞かせる。
警視庁時代のこと。青島のこと。自分が果たすことができなかった約束のこと。その約束から逃げたこと。後悔。貴仁に、構想していた室井モデルのことを自嘲的に語る。
そして長部の家に強盗に入る日がやってくる。
国見は貴仁に犯行に加わるように誘う。貴仁は拒否するが、国見は、市内で発見された遺体のことを伝える。遺体は国見らの犯行グループのひとりで、グループを抜けようとしたから殺したと貴仁に教える。
いま殺されるか、一緒に強盗を行うか、決めろと脅迫され、貴仁は退路を断たれた。
長部の家に盗みに入る国見らだったが、貴仁は居合わせてしまい殺されそうになる長部を助ける。最終的に国見らを拒絶し、通報する。
国見たちは、通報を受けやってきた乃木と貴仁を拘束する。
警察官から、秋田県警の本隊がすぐにやってくると聞かされ、自分達が徐々に追い詰められていると悟る国見。
逃走を始める国見。その逃走の最中、彼らの車が、偶然、新城の車と激突する。
新城は両足に重傷を負い、歩けなくなる。
逃走した犯人は児相の入る市役所に逃げ込み、立てこもる。
国見ら犯人は貴仁、児相の松本敬子、乃木を人質にとる。
現場指揮に支障がでかねない重傷を負った新城のもとを訪れる室井。
そこで室井は国見らが貴仁を人質に立てこもっていると知る。
「無茶な頼みだとはわかっている。私に君の現場指揮のアドバイザーとして、協力させてほしい」
新城は、不敵に笑い、秋田県警本部長としてすべての責任は自分が取ると室井に伝える。
東京の沖田監理官も、自身の権限を使い、室井の参加を許可する。
決意した室井に、新城はあのコートを手渡す。
室井はコートを着る。こうして室井管理官が帰還する。
室井は新城を乗せた車椅子をひき、現場へやってくる。室井1号と室井2号による共同戦線。
いっぽう、追い詰めら自暴自棄に近くなった国見は貴仁に、乃木や松本を殺せと迫る。二人を殺せば、貴仁を殺さないでやる。何もしてくれなかった行政に対し復讐しろ。こいつらは虐待で殺されかけたお前を見殺しにしようとした人間たちだと。
貴仁は断固として、国見の要求を拒否する。
その時、SATが建物に突入する。室井の現状把握や指揮により、的確に建物を制圧するSAT。もちろんSATは高杉演じる草壁隊長だ。
しかし、国見だけは貴仁を人質にとり、現場から逃走する。
室井はカンを働かせ、ひとり指揮を離れる。そして、国見と一人対峙する。国見は警察官から奪った拳銃をもち、貴仁を人質にしている。
隙をつき、国見を取り押さえようとする室井はしかし、国見に撃たれてしまう。
かけつけた警察官らに、国見は確保される。
血だまりの中、今にも絶命しそうな室井に駆け寄る貴仁。
室井は貴仁に「無事だったか」と優しく問いかける。
「死なないでくれ…父さん」
貴仁は泣きながら室井を父と呼んだ。
秋田弁で最後の言葉を伝え、こと切れる。(強く生きろ等等)
室井の脳裏に過去の記憶がよぎる。彼が最期に見たのは、自動販売機前で青島と約束を交わしたあの時の記憶。
BGMは「Love Somebody (Jesus Version)」。
新城がやってきて、救急車を呼ぶが、室井はそのまま助からなかった。
葬儀の日。室井の家に新城ふくむ村人や様々な警察の人間が訪れる。
新城は貴仁に、室井を殺したのは自分だと悔恨の念を滲ませながら告げる。
だが貴仁の表情は悲しみを滲ませつつも、晴れやかだった。
「室井は、父は警察をやめたあとも、正義に生きて、それに殉じて死んだんです。僕は父のことを尊敬している。そして父に応えてくれたあなたのことも。父の人生は挫折の連続だったかもしれない。でも、絶対に負けなかった(敗れざる者)」
新城は室井が秋田に移住しても尚、書き続けていた室井モデルを手にしている。
室井モデルは室井が警視庁時代にキャリアとノンキャリアの垣根をなくし、そして被害者を置き去りにしない組織づくりのために制作したものだと貴仁に教える。昔、警視庁で俺たちは失敗した。だが、このモデルの実現をもう一度、秋田県警で目指すつもりだと。
貴仁は新城にお礼を言い、自身の夢を伝える。
「警察官になるために東大にいこうと思います」
「東京大学か?」
「東北大学に決まってるじゃないですか。新城さん」
新城、笑う。
「入学したら最高の教授を紹介してやる」
月日が流れた。
G-Grooveのイントロ開始。ドン、ドン…ドン、ドン…。
警視庁に登庁したひとりの男がミリタリーコートの男に声をかける。
振り向いた男は青島。
「青島分析官」
「君は・・・?」
「父の葬儀以来ですね。覚えていますか?私は室井貴仁といいます。室井慎次の、息子です」
驚きの表情を浮かべる青島。
カメラが男の顔を映す。
オールバックに髪を固めた貴仁は井のコートを着ている。
G-GROOVEのギターが流れ始める。
暗転。そしてタイトルイン『室井慎次:生き続ける者』
エンドロール。
いつもの写真で下記のようなことが語られる。
・新城の責任問題は灰島や沖田が数年かかって解決した。
・青島が室井の葬儀に訪れ線香をあげていた。
・貴仁が受験勉強している様子。