夜のすきま
朝からずっと雨。夕方止む。憂鬱。開き直る。
展覧会の搬入やった。
生きることの義務から逃げるだけの毎日を送っていると、ただぼーっと田んぼや海を見つめて過ごしたいという欲求しかなく生きていると、ひとと関係を結ぶ上で、一番面白くない人間ができあがる。
うまく関わりは持てんけど、まあそんなのは大した問題やない。へたくそなんやったら仕方ない。もうこの先ずっと、ぼうっと自然を見つめて生きるだけで満足するやろう。でもひととつながって絵を描いていたい。矛盾してる。いつも矛盾してる。心が分離している。絵を描いていると、ひととつながってゆく。あたしが頑張って繋げんでも繋がってゆくので、あたしはきっと絵を描いてええのよ、と、許された人間の一人やねん。でももう、何も成し遂げたりしなくていい、という心に従いたいよ。どんどん落ち着いてくる。ひとと関わってるといかに自分が欠陥品なのかがわかる。痛感する。後々に恥ずかしくなって後悔するがよいよ。でもいまの一生懸命やよ。恥ずかしいやつでも。なんか、自分で自分を励ましとるねえ。今日はちょっと疲れちまった。
今週中に何日もひとと会わなあかんのがめためたにつらい。穏やかでいられるのは結局、ひとりで沈黙や文化に浸っていられるときだけや。ひとと関わってしか生きていかれへんのやから、ずっと苦しいままやのんか、あたしの体よ、なんでやねんな。もっとしゃべりたい。もっとしゃべりたい。ほんまはもっとしゃべりたい!気を許した数人か、初対面の人としか、しゃべられへん。ウン。だいじょうぶ。大した問題やない。ごきげんでおろうね。
村上春樹の神の子どもたちはみな踊る、初めて読んだ。短編集ってあんまり読まへんけど、なんか本屋でふいに買ってみたの。よかった。かなりよかった。かなりかなりよかった。全部よかった。東京奇譚集も高校のとき読んだきりやけど、いま読んだら、たぶん全然ちがうやろう。