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サイレント

なまぬるい水を飲み下しながら、胸に詰まるのは思い出や後悔だとうっすら理解する。ひとごとみたいに思う。思い出すと何十年も前のような気がする。

未読分の江國香織作品を貪るように読んでいる。ぴったり馴染む。いまの、いまと。江國香織は夏の終わりの匂いがする。それも関係あるのかもしれない。そして、シンプルに、文章が好きだ。

この頃、ラーメンが好きになってきた。友人と一緒に腹ごしらえするとき以外、自分で選んでラーメン屋に行くことなんてまずなかったのだけど。わたしはすぐに恋人の好きなものを好きになる。ちょろい。

息をすうと、まったくこの身体はがらんどうだと気づく。同じように生きづらさを抱えた人たちと、対話するために言葉ではなく絵を選んだのではなかったか。言葉を尽くして関わろうとするな。いつも失敗する。話しすぎる。絵も描きすぎてはだめ。全部へたくそだな、わたしは

孤独が気持ち良い。さみしくて泣いてしまうたびに思い出す。色んなことを。好きな人たちに本当に好きになってもらいたい。そんな欲をいつまでも捨てられない。好きになってほしい。本当の意味で好きになってほしい。なのにこの身体は、足踏みばかりうまくなる。駅のホームでずっとひとり風に吹かれている


#日記

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