ら
声に
色はあると思う?
温度が
音になったら?
あなたはわたしの耳をさわる
そしてあなたは ラ と言う
頭のなかで鍵盤が鳴る
宇宙にはりめぐらされた
伏線を回収して
わたしたちここにいるんだね
出会ったことでできた伏線を
拾う旅にまた出るんだね
光と風に
なる夢ばかりみる
いつか遠い日に
約束したいくつものことを
たやすく忘れてしまうことも
きっとわたし以外
ゆるせる人はいない
ゆるせたら何もかも
忘れていいよとゆるしがきても
大丈夫きっと
きっとゆるせる
リュックには水と
詩集だけあればいい
声の色は
ずっと見えない
温度をはかる
鍵盤もない
それでも手と手を繋いで
むくんだ指で
何度も確かめあった音を
これからのいくつもの
同時に鳴る音たちのための
星にして宇宙にのこしておく