みんな夢の中にいた
また風がふきだした
まつげに光がかぶさってくる
いつだって打ちのめされている
焼ける肌が
静かな野性が
息苦しさが
名残惜しそうに引き留める
背筋にじんわり快感がのさばる
やめられないよ
「そういうのが好きで生きている」んだ
☆
好きなひとたちに対する好きな気持ちを
普段意識的に沈めているんだけど
温泉にはいったら温泉みたいに
涌き出てきてどうしようもなかった
旅行は、よかったよ
二日目に行った露天風呂
あのまま一生入ってられたな
見知らぬひとと、裸で黙って
一緒に湯に浸かってられるの最高だ
湯冷めがだいすきだから
入ってるより出てる時間のほうが長いけど
ひとりで食べるご飯と
ひとりで泊まる宿にまるで興味がないが
二日目のお宿がとてもいいところで嬉しかった
清潔で親切で暖炉があって!
ミンタロハットというゲストハウスです
山形行ったら泊まってほしい
☆
背後を記憶から思い出にするために行ったから
昨日からが今世だ
新しい日だ
身体中の肉が鳴る
膝のなかで落ちた骨
ミカエルの菱形
忘れないけど
思い出さない
のけぞる爪先がきれい
ジャンプしたらきっと
会いにいける
遠くに
高いところにさ
来世はダンサーになりたい
来来世は落語家になりたい
100 万回目は鷹になりたい
100 億回目には生まれ変わらずに済んでいたい
(という欲を100億回そこそこで拭い去れる気がしないので無理そう)
いま何回目なんだ?
目をそらすなよ
燃えるような脈動に耐えたら
たぶんもう失くしたい日にはならない