わ
口にいれたキャラメル
あまいものになって
舌のうえで
舌になって
こんやの星のかがやきになって
あしたにはなくなる
たくさんの淡い幾何学模様が
全身を冒しつくして
なにも食べるところがなくなったお前
空っぽのいぶくろ
もうすこしで飛べたのにね
あしの形をした足が
透明な膜の上をそうっと
歩いてるうちに夕日が
バカだねとあたまを撫でる
人型にながあく
のびてしまういとおしい
お前の後ろ姿
あ、
ぽろぽろ
ちぢんでく
はつねつしたパキラ
致死量になったからだに
触れて泣いていた
かよわき葉っぱの
やさしくあまい露
窓の外でことりが
なんどもだれかにあてて
さよならの練習をしてる