自滅的日常
遮光カーテンを絶えず閉め切った部屋で、頭痛と共に起床する。
この所の余りに不安定な気候で、どうにも脳が思う様に動かせない。私が私である最たる、証拠であり私が私である上で最も重要な器官であるのに、どうにもエラーを起こしてばかりである。
豪雨の清々しい憂鬱を孕んだ雨音が、鼓膜を突き刺し、重苦しい湿度が身体の重量を倍以上に膨れ上がらせてくる。
憂鬱は、陰鬱は、この世のありとあらゆる不安は、朝に凝縮されてみぞおちの辺りに、鉛の様にのしかかってくる。朝というものが、太陽光の有無関わらずどうにも好きになれない。
最上限の絶望感とそれを変換した飲酒欲求に苛まれる時間だ。しかし、重要なのは時間ではない、そもそも時間という概念は信用ならない。朝というものの持つ独特の清々しさや清涼感のあるイメージが、喉元を緩やかに締め上げてくるのだ。
慌ただしさと、社会構図を嫌でも見せ付けてくる人混み、そうして、ハラワタの中で言い様の現せぬ不安がぐるぐると肥大しながら渦巻いてくる。
マズローの欲求階層説に基づいて、飲酒への言い表せない精神的渇望は、どの階級に組み込まれるのであろうか。最早どの階層にも入り込めない、階層外の下劣な欲求なのであろう。逃避と麻痺への欲求。
絶えず、脳への麻酔薬を求めている。
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