6年後の答え合わせ
はじめに
私の作品を読もうとしてくださって、本当にありがとうございます。本作はXでリクエストいただいた対戦カードが自分も書きたいと思っていたものだったので、前作と同じように私がキャラクターや設定、物語のあらすじを考えたうえで、Claudeを使って作品を作ってみました。
作成までの紆余曲折(技術要素と言えるか怪しいもの)に興味がある人は[こちら](https://note.com/xxx_hack/n/n8e1fc4a7e3a2 "生成AIに闘乳(乳相撲)作品を書いてもらった")の記事を参照してください。
以下、作品を読んでいただくうえでの注意です。
実在の人物っぽい描写がそこかしこにありますが、名前が似てるだけの他人です。
ここで描かれている内容は私個人の妄想の産物ですので、そこを踏まえてお読みください。
本作品はいわゆる「闘乳」や「乳相撲」と言われる要素を含みます。そういった作品が苦手あるいは嫌な予感がする人はブラウザバックを強く、強く、おすすめします。
最後になりますが、皆さんからの「いいね」非常にありがたいです。図々しいお願いですが、批判でも構わないのでコメントもいただけるととても嬉しいです。それでは本編をどうぞ。
第1章 因縁の再会
スタジオ内に設置された特設ステージには、連続ドラマ「追憶の果て -2024-」の主要キャストが勢揃いしていた。中央付近に座る神本リオの横顔は、以前グラビアで見せていた表情とは打って変わり、役者としての凛とした空気を纏っている。一方、端の席に座る川口アイカは、役者としては初めての仕事となる本作の制作発表に、表向きは緊張した面持ちで臨んでいた。
「では、質疑応答に移らせていただきます」
司会者の声が響き、すぐに数本のマイクが上がった。
「神本さんにお聞きします。グラビアアイドルとして活動されていた頃と比べ、役者として心がけていることはありますか?」
質問を受けた神本は、一瞬だけ端に座る川口の方へ視線を向けてから、丁寧に答え始めた。
「グラビアの時代も、カメラの前で自分を表現することには真摯に向き合ってきました。ただ、役者としての今は、より深く人物に寄り添い、その人生を生きることを意識しています」
穏やかな口調で語る神本に、記者たちが頷きながらメモを取る。その様子を横目に見つめる川口の瞳に、一瞬だけ鋭い光が宿った。
「川口さん」別の記者が手を挙げる。「役者デビューとなる今作で、同じくグラビアアイドルから女優の道を選んだ神本さんと共演されることについて、どのような心境でしょうか?」
「はい」川口は正面を見据えたまま、作り笑顔で答える。「私にとって神本さんは、6年前のミスマ◯ジン時代からの先輩です。演技の面でも多くを学ばせていただきたいと思っています」
「神本さんは川口さんのことをどのように?」
「そうですね」神本は微笑みながら川口の方を向く。「グラビア時代から、とても印象に残っている後輩です」
一瞬の間。
「特にバストのサイズについては、よく比較されましたから」
会場に小さな笑いが起こる。しかしその瞬間、川口の表情が一瞬強張ったのを、神本は見逃さなかった。
「お二人の共演シーンが楽しみです」と記者が続ける。「神本さんは、グラビア時代と比べてどのように変わられましたか?」
「そうですね…」神本は言葉を選ぶように間を置く。「内面は大きく変わりました。でも、変わっていないものも…」再び川口の方へ視線を送る。「…たくさんありますね」
その言葉に込められた意味を理解したのか、川口の握る手が僅かに震えた。
質疑応答はその後も続き、和やかな雰囲気の中で制作発表は終了を迎えた。カメラのフラッシュを浴びながら、全員で記念撮影。しかし、神本と川口が並んで写真に収まる際、二人の間には確かな緊張が漂っていた。
それは、かつてグラビア界を席巻した二人の因縁が、まだ決着していないことを物語っていた。
第2章 決意と挑戦
控室の鏡に映る自分の姿を、川口は静かに見つめていた。
「お疲れ様でした」
マネージャーが差し出した水を受け取りながら、制作発表での神本のさりげない言葉の数々が脳裏を過ぎる。グラビア時代の話題を出されたことも、そして特にバストのサイズに言及されたことも、決して偶然ではないと確信していた。
「今日の神本さん、相変わらずでしたね」
「ええ…」
川口は水に口をつけながら、6年前のあるインタビューを思い出していた。
* 「twitterとかでも負けねぇといつも思っているんですけど、最近ミスマ◯ジン同期の神本リオちゃんにフォロワー数を抜かれちゃって…」(インタビュアー: 胸の大きさでは?)「……あっちのほうが大きいと思います」 *
自分の言葉が、その後の関係をより複雑にしたのかもしれない。しかし今、状況は違う。
「あの…そろそろ」マネージャーが時計を指差す。
「少し待ってください」
川口は立ち上がると、鏡に映る自分の胸元に目を向けた。Fカップとは思えないほどの存在感のある膨らみは、この数年でさらに張りと弾力を増していた。
(もう、あの頃の私じゃない)
決意を固めた川口は、マネージャーに向き直る。
「神本さんの控室に行ってきます」
「え?でも…」
「大丈夫です。ちょっとした挨拶ですから」
川口の表情は、もう迷いを感じさせなかった。
神本の控室の前で、川口は一度深く息を吸う。そして、扉をノックした。
「どうぞ」
中から聞こえた声に応えて扉を開けると、神本は鏡の前でメイクを直しているところだった。
「アイカちゃん?」神本は振り返りながら、少し意外そうな表情を見せる。「なにかあった?」
「少しお話があって」川口は扉を閉めながら一歩踏み出す。「制作発表、お疲れ様でした」
「ええ、お疲れ様」神本の目が細められる。「でも、挨拶だけでわざわざ来ないでしょ?」
一瞬の沈黙。
「私、もう逃げませんから」川口の声音が変わる。「神本さんが制作発表で仰っていた『変わっていないもの』…それを確かめ合いませんか?」
神本の表情が僅かに綻ぶ。
「まさか…闘乳?」神本が立ち上がる。「グラビアは卒業したって言ったはずよ」
「でも、変わっていないものがあるんですよね?」
「ふふっ」神本が小さく笑う。「随分と強気ね。この5年で、そんなに自信がついたの?」
「はい」川口は真っ直ぐに神本を見据えた。「あの頃とは違います。今の私なら、神本さんに勝てる」
「面白いね…」神本の目が鋭く光る。「じゃあ確かめてみようか?アイカちゃんの"成長"を」
「お願いします」
「いいよ」神本が扉の鍵を閉める音が響く。「じゃあ、準備しよ。アイカちゃんの"成長"、しっかり受け止めてあげる」
二人の視線が絡み合う。空気が張り詰める。
これから始まる戦いに、二人の心臓が高鳴っていた。一方は因縁の相手への挑戦の高揚感に、もう一方は傲慢な後輩へ制裁を加える期待に。
窓から差し込む夕陽が、始まりの時を告げていた。
第3章 試合開始 ―張り合う誇り―
「じゃあ、始めようか」
神本は上着のボタンに手をかけながら、ゆっくりと微笑んだ。川口も無言で頷き、制服を脱ぎ始める。
最初に姿を現したのは神本の黒の下着。150cmという小柄な体格からは想像できないほどの豊満なバストが、ブラジャーの中で主張している。釣鐘型の形状は、下着で支えられることで完璧な球体に近い形を作り出していた。
一方、白の下着姿となった川口のバストは、きれいなお椀型を描いていた。Fカップとは思えないほどの存在感は、その張りと弾力によってさらに強調されている。
「ふーん」神本が川口の方を見て目を細める。「随分、自信満々だね」
(確かに成長してる…でも、まだまだ私の方が上よ)
神本は内心で高ぶる感情を抑えながら、闘乳の基本となる握手代わりの乳合わせの体勢を取った。
「おいでよ」
二人の距離が縮まる。最初の接触で、お互いのバストの特徴が明らかになった。
「…!」
神本は一瞬、眉をひそめる。川口のバストから伝わる弾力は、想像以上のものだった。しかし表情には動揺を見せず、むしろ挑発的な笑みを浮かべる。
「どう?私のバストの重さ」
「十分です」川口も負けじと押し返す。「でも、神本さんこそ…私の成長、感じ取れましたか?」
「ふふっ、このぐらいで?」
言葉とは裏腹に、神本の内心は激しく波打っていた。
(このガキ…あの頃と全然違う…!でも、このチャンス逃せない…絶対に潰してどっちが上か分からせてやる!)
両者の押し合いは、一進一退の攻防に。川口の張りと弾力を活かした小刻みな攻めに対し、神本はそのボリュームで受け止めながら、隙を探る。
「なかなかやるじゃん」神本が声を上げる。「でも…」
突如、神本が全体重をかけて前に出た。川口は咄嗟にその攻撃を受け止めるも、その威力に思わず一歩後ずさる。
「これくらいで驚いてたら、先が思いやられるね」
「まだ、始まったばかりです」
川口は態勢を立て直すと、今度は自らのバストを揺らしながら神本に接近。その予想外の動きに、神本も思わず身構える。
「…!」
神本のバストに、川口の弾力のある一撃が炸裂。しかしそれは、神本のバストのボリュームに呑み込まれるように消えていく。
「甘いよ」
「でも」川口が追撃に転じる。「まだまだ、これからです!」
連続する突きのような攻撃。神本はその一つ一つを、自身の重量感のあるバストで受け止めていく。
(いい調子…このまま、私のペースに…!)
表情は余裕を保ちながらも、神本の内心は次第に昂ぶりを増していた。眼前の川口への怒りと、制裁を加えることへの期待が、徐々にその瞳の奥で燃え上がっていく。
一方の川口も、自身の弾力が神本に通用していることを実感し始めていた。
しかし―。
「そろそろ、本気でやろっか」
神本の声音が変わる。それは、これまでの穏やかさを残しながらも、どこか冷たい響きを帯び始めていた。
「私も、それを待っていました」
夕暮れの控室に、二人の因縁の戦いは新たな局面を迎えようとしていた。
第4章 激突 ―揺れる自信―
神本の態度の変化は、その攻撃にも如実に表れていた。
「これでどう!」
渾身の一撃が川口に向かって放たれる。しかし―。
「!?」
神本の瞳が大きく見開かれた。放ったはずの攻撃が、川口のバストの驚異的な弾力によって完全に跳ね返されたのだ。
「やっぱり…!」川口の顔に確信が浮かぶ。「私の今のバストなら勝てるっ…!」
勢いに乗った川口は、畳みかけるように神本へ攻め入る。張りのある形の良いバストを、まるで武器のように自在に操る。神本は次々と繰り出される攻撃に、一時は後手に回る。
「ふんっ!」
川口の右からの攻めに、神本は思わず後ずさった。その表情から、これまでの余裕が一瞬だけ消え失せる。
「まさか」神本の声が低く響く。「こんなガキのバストに…」
「どうですか?私の成長」
自信に満ちた川口の言葉に、神本の中で何かが切れた。
「ああ、そうね」
その声は、これまでの穏やかさを完全に失っていた。
「十分、確認させてもらったよ」
「え…?」
「アイカちゃんの"成長"をね」
最後の言葉に、明確な皮肉が込められていた。神本は川口との距離を詰めると、両腕を大きく広げた。
「さあ、本当の勝負…私のバストで教えてあげるよ」
「なっ…」
いつの間にか、川口は壁際まで追い詰められていた。
「逃げないよね?」神本はニヤッとする。「アイカちゃんが望んだ、真正面からの勝負よ」
観念したように川口は頷く。二人の距離が完全に消滅し、バストとバストが密着する。
最初こそボリュームで圧倒してくる神本のバストを川口のバストがその張りと弾力で撥ねつけて互角に見えたバストの押し付け合い。しかし―。
「どう?」神本の声が川口の耳元で響く。「私のバストの本当の力」
ゆっくりと、だが確実に。川口の張りと弾力を誇ったバストが、神本の圧倒的な重量の前に形を歪め始めていた。
「う…」
「あれ?」神本の口元が釣り上がる。「さっきまでの余裕は?」
「まだ…!」
川口は必死に抵抗を試みる。しかし今度は、神本のバストを弾き返すことができない。むしろ自身のバストが、徐々にその弾力を失っていくのを感じていた。
「気付いた?」神本の声が、さらに冷たさを増す。「アイカちゃんのそのバスト…もう、限界みたいだよ」
「そんな…」
汗が川口の額を伝う。もはや神本の圧力に抗うことすら困難になりつつあった。
「でも、まだこれは序の口…」
その瞬間、川口は恐怖を覚えた。神本の瞳に宿った感情は、もはや憎しみとしか言いようのないものだった。
「アイカちゃんの"成長"したバスト…丁寧に、ゆっくりと…」
一呼吸おいて、神本は最後の言葉を紡ぐ。
「潰してあげる」
川口は咄嗟にその場から離脱を図った。神本はその動きを、冷ややかな目で追いかける。
「逃げるの?」
「違います」川口は距離を取りながら答える。「まだ…まだ勝負は…!」
「ふふっ」
神本は首を傾げ、不敵な笑みを浮かべた。それは川口が制作発表で見た穏やかな表情とは、まるで別人のものだった。
「そう…でも、もう遅いから」
夕暮れが深まる控室に、神本の言葉が不吉に響き渡った。
第5章 崩壊 ―砕ける矜持―
距離を取った川口は、バストの痛みを堪えながら神本を凝視していた。
「まだ私に勝とうって思ってるの?」
神本の声には、もはや制作発表で見せていた穏やかさはない。
(まだ…まだ終わらない!)
川口は残された弾力を振り絞り、再び神本に向かって突進。しかし―。
「そんなの、通用しないっ!」
神本の反撃が、川口の動きを完全に封じる。既に弾力を失いつつあった川口のバストは、衝撃を跳ね返すことができない。
「きゃっ!」
体勢を崩した川口に、神本は容赦なく畳みかける。
「ねぇ」神本の声が冴えわたる。「自慢のバスト、もうボロボロじゃない。やっぱりおかしいよね?私のバストの方が全然すごいのに、なんで私が準グランプリで、アイカちゃんがグランプリだったの?」
「…!」
その言葉に川口は息を呑んだ。
「ずっと言いたかった」神本の瞳が輝きを増す。「バストだけは絶対に負けない自信があったのに。でも今日、やっと証明できる」
「神本さん…」
「もう遅いよ」
一歩、また一歩と神本が迫る。
「今ここで、すべてを決着つけるの」
川口は本能的に危険を察知し、最後の抵抗を試みる。しかし―。
「無駄だってば!」
放たれた一撃が、川口のバストを直撃。
「あっ…」
膝から崩れ落ちる川口を、神本は見下ろしていた。その表情には、明確な勝利の予感が浮かんでいる。
「ほら、立って」神本が挑発するように言う。「さっきまでの強気は、この程度だった?」
震える足で立ち上がる川口。しかし待っていたのは、神本の決定的な攻撃だった。
「これで終わらせてあげる!」
ドンッ!
「きゃあああっ!」
川口の悲鳴が控室に響き渡る。既に形を失いかけていた川口のバストに、神本の重量感のある一撃が炸裂。その衝撃で、川口は壁際まで吹き飛ばされた。
「じゃあ」
ゆっくりと近づく神本の表情には、確かな勝利の輝きが宿っていた。
「決着をつけましょう」
「も、もう…」
「あら、降参?」神本が小さく笑う。「でも、勝ち負けをはっきりさせるために…」
神本は川口の両肩を掴むと、壁に押し付けた。
「アイカちゃんの"自慢"のバスト、完全に潰さないとね」
「うっ…!」
二つのバストが再び密着する。しかし、もはやそれは勝負ですらなかった。
「見えるでしょ?」神本の声が高揚を帯びる。「私のバストの方が、圧倒的に上だってこと」
みるみるうちに、川口の形の良かったバストが、神本の圧倒的な重量の前に潰されていく。
「あ…ああ…」
「そう、その顔…!」神本の声に期待が混じる。「ずっと見たかったの。私のバストの前じゃ、何もできないって分かった時の表情」
「うあああっ…!」
かつて自慢だった張りと弾力は完全に失われ、川口のバストは醜く歪んでいく。その様子を、神本は満足げな表情で見つめていた。
「これが現実…私が上だってことよ」
最後の一押し。
「きゃあああああっ!」
川口の断末魔のような悲鳴と共に、その豊かだったバストは完全に潰れ、平たく変形してしまった。
暗くなりかけた控室に、神本の晴れやかな勝利の笑みが浮かび上がる。ようやく手に入れた完全な勝利の証を、彼女は心ゆくまで味わっていた。
第6章 勝者の貫禄
「はぁ…はぁ…」
床に崩れ落ちた川口の荒い息遣いだけが、静寂を破っていた。
「さて」
神本はゆっくりと川口の元へ歩み寄ると、その肩に手をかけた。
「ブラ、外してあげる」
「や…」
川口の弱々しい抵抗も虚しく、神本は容赦なくホックに手をかけ、ブラを外していく。潰されたバストから剥ぎ取られたそれは、床に投げ捨てられた。
「これがアイカちゃんの…」タグを確認しながら、神本の口元が緩む。「へぇ、F65か」
「か…返して…」
「え、返すの?」
神本は面白そうに川口を見下ろすと、両手でブラを広げてみせた。
「でも、もうアイカちゃんはこのサイズのブラ、きっとブカブカだよね」
「…」
川口は黙ったまま、自分の変わり果てたバストから目を逸らす。かつての張りや弾力は完全に失われ、平べったい肉の塊と化していた。
神本は自分のブラのホックに手をかける。「代わりに、私が着けてみようかな」
「え…?」
ホックが外れ、神本の豊満なバストが解放される。その迫力は、戦いを終えた今もまったく衰えを見せていない。
「ほら、見てよ」
神本は川口のブラをその豊満なバストに巻きつけ、無理やりホックを留めようとする。しかし、そのボリュームはアイカのブラのカップには全く収まらず、乳肉が大きくはみ出してしまう。むしろ強引に着けようとした反動で、布地が軋むような音すら漏れる。
「あれ」神本が可笑しそうに笑う。「全然入んないや。アイカちゃん、こんなちっちゃいブラつけてたんだね」
その光景に、川口の表情が更に青ざめる。
「私のブラのサイズ、気になる?」
神本は自分の脱いだブラを広げ、タグを川口に見せつけた。そこには「H65」の文字が、はっきりと刻まれている。
「見れば一目瞭然ね」神本の声が弾む。「私たちの差が」
「H…カップ…」
「ね?だから私、ずっと納得いかなかったの」
神本はゆっくりとブラを身につけ直しながら、川口に歩み寄る。
「でも、これで序列はハッキリしたわ」
視線を落とす川口の前で、神本が屈んだ。
「今日のこと、忘れないでね?」耳元で囁くように告げる。「私がアイカちゃんの上だってこと。それに…」
一呼吸置いて。
「このバストで、アイカちゃんの自慢のバストを完全に潰したってこと」
「…はい」
川口の声は、もはかすかな嗚咽のようだった。
神本は満足げに微笑むと、鏡の前で髪を整え始める。制作発表での穏やかな表情が、自然と戻ってきている。まるで、先ほどまでの一切が幻だったかのように。
「じゃ、私はこれで」
ドアに手をかけた神本は、最後にもう一度振り返った。
「あ、そうそう」
柔らかな声音。しかしその言葉は、刃物のように鋭かった。
「明日からの撮影、楽しみにしてるわ」
カチリ、とドアの閉まる音が響く。
取り残された川口は、ようやく声を上げて泣き崩れた。鏡に映る惨めな姿に、現実を思い知らされる。
もう二度と、元には戻らない。
その事実が、川口の心に深く、深く突き刺さっていた。
一方、廊下を歩く神本の表情には、清々しいまでの満足感が浮かんでいた。長年の宿願を果たし、ようやく手に入れた完全な勝利。
その証が、彼女の胸に、確かな重みとして残されていた。
エピローグ それぞれの明日へ
翌朝。
神本の楽屋には、スタッフの笑い声が響いていた。
「神本さん、昨日の制作発表の記事、すごく評判いいですよ」
メイクさんの言葉に、神本は穏やかに微笑む。鏡に映る自分の姿を見つめながら、昨日の出来事を思い返す。胸に残る充実感は、決して誇示するものではなかったが、確かな自信となっていた。
「特に演技への意気込みとか、印象的でした」
「ありがとうございます」
ブラウスの胸元がわずかに突っ張る。その感触に、神本は静かな達成感を覚えた。
一方―。
「川口さん、大丈夫ですか?」
別の楽屋で、マネージャーが心配そうに声をかける。
「はい…」
川口は小さく頷いた。制服の胸元は、昨日までのような存在感を失っている。しかし、それは致命的なものというより、何か大切なものを失った後の空虚さに近かった。
「今日は重要なシーンですからね。頑張りましょう」
「はい…」
声は小さいながらも、川口の瞳には僅かな決意が宿っていた。
昼過ぎ。
「はい、カット!」
監督の声が響く。物語の重要な転換点となるシーンの撮影が終わった。
「皆さん、良かったです」
スタッフの労いの声が飛ぶ中、神本と川口は軽く会釈を交わす。その一瞬の視線の交錯に、昨日の出来事が走馬灯のように蘇る。
しかしそれは、かつてのような敵意や憎しみではなく、ある種の了解事項として二人の間に存在していた。
「次のシーン、準備お願いします」
スタッフの声に促され、神本が川口の前を通り過ぎる。その時。
「演技、頑張ってるね」
さりげない一言。特別な意図を感じさせない、先輩女優としての自然な声かけ。しかしその裏には、昨日の出来事が作り出した、新しい関係性が垣間見えた。
「…ありがとうございます」
小さいながらも、しっかりとした声で答える川口。
神本は軽く頷くと、自分のポジションへと向かっていく。その後ろ姿に、川口は複雑な感情を抱きながらも、昨日とは違う何かを感じていた。
一つの勝負が、確かに何かを変えた。
しかしそれは、必ずしも全てを失うことではなかった。
新しい序列を受け入れながらも、それぞれの道を歩み始める二人。
その物語は、まだ始まったばかりだった。
(完)