これからの人生期待なんかしてない
今日も定時。
密を避けるために、今は部署の中でも更に部屋を分けていて、昼過ぎにわたしはたまたまその部屋で一人の時間があった。
メイラックスを毎日飲み続けているせいか、毎日だるくて昼間になると眠くて、今日は気づいたら10分ほどパソコンの前で記憶を失った。
メイラックスって長時間の不安を取り除くお薬だからだるくなってしまうのね。
今日はパソコンをいじっていただけでほぼ仕事をしていない。久しぶりに、南条あやさんの卒業式まで死にませんを読みたくなって、それについて調べていたら一日終わった。ダメな社員でごめんなさい。
今期の目標は、全体では減っているのにわたしには前期と全く同じ目標をお願いされた。
少しだけ抵抗した。提案をして、抵抗をしたけれど、そのまま突き返された。
「昇格もうまくいったあんたには分かるわけないよね、この気持ち」と心の中はムカムカしたが次の瞬間には、ああそうだったわたしはいつもこうで仕方ないって受け入れていくしかないんだったと諦めの世界へ突入できた。
昨日の朝たまたま聞いた櫻坂の最新アルバムの中の最終の地下鉄に乗ってという曲の歌詞がアイドルらしからぬすぎてとても好きでヘビロテしている。
この世の中昨日の繰り返しだ
ドキドキとする何かなんて
ないってわかってしまった
ねえ それでも生きていかなきゃいけないって
結構辛いことじゃないかな
僕にはそれが耐えられない
だけど今すぐ死んだりはしない
急がなくたってそのうちみんな死ぬんだから
最後の歌詞が、「これからの人生期待なんかしてない」なのだ。
アイドルが歌うには明るくポップに絶望的で、個人的にはこんな時代もいいなあと取った。
だって、本当のところ毎日明るく元気で楽しくて仕方ない人なんて少数だろうから。
絶望ですらアイドルが軽やかに歌ってくれると、なんだか救われるよ。
毎日毎日、婚活くんとLINEするのももうめんどくさい限界になってきたかもしれない。
わたしが言葉を気にする性質だからか、ちょっとした言い回しに傷つくのだ。そんな自分がめんどくさい。あっけらかんと、まあいっか!と飛び越えていけたらいいのに。
でもこれを逃すとまた一から探すのかと思うとさらに絶望で、そんなことをいくら繰り返したってもがいたって、彼が心の真ん中にいるんだからどうしようもない。
昼間意識が飛んだとき、少し希死念慮に襲われた。もう死んでしまいたい、と思った時、彼の言葉を思い出した。
「一回会おう、心配だよ」
「大丈夫、わたし泣いちゃうから。こうやってやりとりしてくれるだけで救われるから」
「泣いていいよ。一緒に泣くし、会って、僕になんでも言って。自分のこと否定しすぎだよ」
「それはいつもだよ。わたし本当に自分のこと好きになれないし、それが通常運転だから」
「僕は本当愛してるし、嫌わないで自分のこと。悲しいよ。代わりに僕がいくらでも好きになる。りんちゃんが嫌だと言っても。夜は神経が昂るから一回バカになってみようよ。朝までつきあうよ」
なんで思い出したんだろう。もう一年以上前にしたやりとりなのに。
多分、わたしは彼に会いたいんだね。
彼の愛してるはその時その瞬間に嘘はなかったし、それをわたしだけは知っている。わたしだけ知っていたらいいね。
もう少しだけ頑張って生きてみようかな、昨日と同じ繰り返しでも。
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