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映画『君たちはどう生きるか』みてきた

なぜこの映画を映画館で観ようと思ったのか、あまり自分でもわかっていないということが正直なところだ。
ジブリの映画を映画館で観たのは千と千尋の神隠しまでだし、それ以降はハウルを家で観たかくらいで特段に思い入れがあるわけではない。
千と千尋の神隠しって2001年だからもう20年以上前のことだ。それまでの作品はテレビでよく見ていたし、もののけ姫にはとても感銘を受けたことを覚えている。でも私はジブリどっぷりの人生を歩んできたわけではない。
それなのになぜ観に行ったかというと村上春樹の『街とその不確かな壁』を読んでいて(大事に読みすぎてまだ読み終えていない。。。)私が子供のころ大きく影響を受けた人たちの作品があと何回体験できるかわからないということがある。
この映画は前情報が全くなかったために、私のところには前情報が全くないという情報が届いた。普通に宣伝をしていたら素通りしていただろう看板に目が留まったという感じだ。そこで何か普通ではないということを感じ取ったのだろうと思う。何か普通じゃないなら行ってみよう。天邪鬼なだけかもしれない。
私自身がどう生きるかを毎日悩んでいることもあったかもしれない。同名の小説、漫画は読んでいないが何かリアルタイムで時代の巨人のひとりから何かを受け取れるかという期待があった。
結局、この映画をリアルタイムで観たよという体験をしたかったのかもしれない。
実際に観てみて先人が何かを私たちに残してくれたという感じは全くなかった。何かすごいものが目の前で繰りひろげられているようだが、私の感性ではわからないという感じだった。
ものすごい高いクオリティの短編悪夢をくっつけて何度も見ているような感覚が近かった。
いつからか私はなにかしらの作品からメッセージを受け取ろう、メッセージを読み取ろうとしすぎていたのかもしれないと帰りの車の中で考えていた。
国語の試験を受けているのではないのだから、そんなものは読み取らなくてもいいのだ。
ただ、体感してなんかすごかった、それでよいのだと思った。
映画の内容としては、自分でもインコを家で飼っていて鳥がすきな私はすごい描写のアオサギやペリカンのアニメーションに感動しつつ、鳥がひどいことになっている描写にショックを受けた。猫にも犬にもひどいことをしないでほしいが、鳥にもしないでほしい。あと、インコの描写が他の鳥に比べて荒いのがすごく気になってしまった。セキセイインコも可愛くかいてよ。
この映画を観たことは一つのターニングポイントかもしれない、若いころに好きだったもの(映画、本、音楽)だけではなく、これからのものにどれだけ時間をさいてみていくか。無限ではない時間を何に使うかを考えてしまうようになるのが少し怖いということが残った。
数年後に『君たちはどう生きるか』をリアルタイムで観たよと思うことがある。それは私にとってかけがえのないものの一つになるだろうと思う。


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