性依存症を脳科学的に考える。脳神経分類による依存症の3つのタイプ
こんにちは。性依存症当事者のSiroです。
前回記事で、性依存症といっても様々な行動パターンがあることを解説しました。
今度は依存症を脳神経的に分類して解説してみたいと思います。
1.覚醒的依存
ギャンブル依存症や覚醒剤などのアッパー系薬物依存、性的興奮を目的としたセックス依存、ハイリスクな行動への依存(窃盗・盗撮・盗聴・痴漢・露出など)が覚醒的依存に該当します。
共通するのは、恐れや辱め、リスクによって生み出される興奮です。アッパー系薬物の場合はリスクによる興奮に加え、意図的に覚醒状態を生み出すので、より興奮が強化されるのではないかと思われます。
ギャンブルであれば、負けるかもしれないという恐れ、セックスであればいけないことをしているという背徳感、薬物やハイリスクな行動であれば逮捕されるかもしれないというリスクなどです。
普通であれば、恐れや辱めやリスクというのは、人間を踏みとどまらせるネガティブな感情です。しかし、高い興奮とネガティブな感情を同時に経験してしまうと、ネガティブな感情が興奮を高めるサポート的な役割をしてしまうのです。
2.満足感依存
摂食障害(過食症)、アルコール依存症、神経抑制剤などのダウナー系薬物依存症、苦痛を緩和する目的のセックス依存症などがこれらにあたります。
これらに共通するのは、耐え難い苦痛から逃れるという目的が根底にある点です。実際に痛みを抱えていたり、心の生きづらさや経済的不安、人間関係の問題など、自分の心が壊れてしまいそうなぐらいの苦痛を緩和するために、満足感を得ようとします。抗不安剤の乱用や、市販薬の乱用もこれにあたります。
もちろん一時的な満足感では問題は解決せず、依存者は苦痛に苦しめられ続けます。そのため、行動が常態化して依存症に陥っていきます。
3.幻想的依存
幻覚作用系の薬物依存、芸術やオカルトへの異常な執着、性的妄想への依存、恋愛幻想依存がこれにあたります。
これらは脳が幻想的な恍惚が共通点であると私は推測しています。マリファナなどの幻覚作用のある薬物は、幻覚によって幻想的な恍惚状態を意図的に作り出します。芸術やオカルト・恋愛などはそれ自体はすばらしいものですが、異常に傾倒してしまうことで脳が恍惚状態に陥ります。恍惚状態に陥りたいがために、芸術や恋愛幻想に執着し、実生活が浸食されていき、依存症に陥っていきます。
以上の三つが、脳科学的な側面から見た依存症の分類です。
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