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うつトンネル

うつは長くて暗いトンネルに例えられる事がある。頑張って抜け出そうとする程なかなか抜け出せない厄介なトンネルで、まるで迷路のようでもある。

私も症状が一番酷かった頃、先が見えず途方に暮れるような長く暗いトンネルや、もしくは助けを求める事すら出来ない深くて真っ暗な井戸の底にいて、さらにその中で何かに身を隠して怯えているような感じを抱いていた。


そんな、トンネルというのはマイナスイメージを連想させる薄暗い印象だけど、実際の最近作られたトンネルは中が白っぽくて明るくなっている。

LED照明が使われているらしい。
視界が良くて圧迫感も少なく感じる。

そしてうつのトンネルもまた、以前に比べて少し明るくなってきているような気もしている。


患者さんが増えている背景には、世知辛い世の中であるのもそうだけど、テレビで取り上げられたり、SNSの普及などによって精神疾患に対しての認知度が高まって理解する人が増えた事、それに伴って精神科や心療内科が受診しやすくなってきた事も関係しているのでは、と考える。

だけどまだまだトンネルの中は暗い。人知れず苦しんでいる人が沢山いる。

理解する人が増えてきた一方で、誰だってなる可能性はあるのにも関わらず”弱さ”や”甘え”からなったのだと、なかなか理解されない辛く悲しい現実もまだある…

私は、そんな辛く悲しい現実で荒んだ心を温かく包み込むように救って癒し、生きやすさを教えてくれる”道しるべとなっている人たち”の姿や言葉だったり、だんだんと認知度が高まり理解されていく事がうつトンネルの明るさに繋がっていて、その明かりを分けてもらう事で抱えている問題や生きづらさを解消するヒントを得たり、また前に向かって少しずつ歩き出すことが出来るんじゃないか、そんな事をイメージした。

人を知ることは自分を知る手がかりにもなる。
これ以上傷つかないようにと全ての人を拒絶して怯えていないで、トンネルの中を照らしてくれる人たちとの繋がりで勇気を持って明かりを受け取って、人の温かさや優しさに触れたり、新しい価値観や考え方を得ていくことも大切になる。

明かりを受け取る数が多いほど自分の周りが照らされて、見えなかった物が見えてくる。

受け取った明かりで今度は自分が同じように苦しんでいる人を照らして、明かりを分けてあげることも出来るようになるかもしれない。


そんな事を考えていたら、ふとマザーテレサが愛したという言葉を思い出した。

『暗い暗いと不平を言うよりも、あなたが進んで明かりを灯しましょう』


これから精神疾患がもっともっと多くの人に理解されるようになってうつトンネルの明かりが増えたら、精神疾患に限らずとも皆がお互いを認めて支え合っていけたら、少しでも生きやすい優しい世の中になると思う。思いたい。

先が見えなくても明るければ、迷う事なく進むことができる。うつトンネルを照らす明るさが明るい程、迷い込むことを回避出来たり、抜けられる人も増えていきそうだなとも想像した。


そして、私もこれからうつトンネルを照らすひとつの明かりに少しでもなれたら良いなと思う。


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