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面影は月のように おぼろに見え隠れ

手紙、とくに
海外からの手紙は
とくべつ。

海をはるばる越えて
ときを超えて
誰かの想いが
誰かに届く。

わたしは海外旅行に行くと
現地でポストカードと切手を買って
家族や自分宛に送る。

ポストカードが届くのは
とっくに帰国した後。

その時差というか
タイムトリップ感みたいなものに
とてもロマンを感じる。

同じようなことで
未来の自分にあてて書く手紙も
すき。

未来の日付を封筒に書いて
封をしてしまっておく。

手紙は
そういう不思議な仕掛けのようなものが
纏っている気がする。

アカシアのかおりが 今も少し漂う
母にあてた手紙 きのうみつけた
黄ばんだびんせんに そそぐ陽ざしさえぎり
雀遊ぶ影は 果てない空へ
返事はついたのですか 遠い日の異国へ
父よ あなたに似合ったでしょう 春の大連


大連慕情
作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

『水の中のASIAへ』 1981/5/21

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