たまには少し 心配させたかった
わたしが生まれ育った盛岡では
冬は雪が降る。
基本的に冬に降るのは
雨ではなく雪。
それも、冬の間は、溶けて消えることなく
根雪となって、さらに上に降り積もるから
あたり一面、雪が積もっているのが
あたりまえの景色になる。
ちらついてきた雪に
恋焦がれる相手を想う歌を聴くと
ここでは雪なんか、常に降ってるよと
妙に冷めた気持ちになった。
高校時代は、しんしんと降り積もる雪の中、
付き合っていた相手の部活が終わるのを
凍えながら待っていたっけ。
指先とつま先がかじかんできたころに
急ぎ足の彼が来て
ちょっと先にある自動販売機で
ホットココアを買って持たせてくれる。
雪が降るのがめずらしい東京での暮らしが
もう人生の半分以上になってくると
そんな日々も懐かしく思い出される。
当時の彼は
今は地元で穏やかに暮らしていると噂に聞いた。
彼にとっては、雪の日の帰り道も
とくべつな思い出ではなく
日常の1ページのままなのだろうか。
雨や雪など、お天気に紐づいている恋の思い出はありますか?
思い出したことを書き出してみましょう。
(ノートや手帳の端で構いません
ひとこと書き留めておきましょう)
たぶんあなたはむかえに来ない
作詞:荒井由実
作曲:荒井由実
『MISSLIM』 1974/10/5