なんのために産まれたんだろう
YouTubeショート動画の「ハッチ」について、
誤解のないよう補足させて頂きます。
1・エイズ陽性
ハッチは、おそらく生後間もない頃に
北部にある管轄保健所に収容されました。
健康な猫よりも免疫力も低く、
病気を繰り返してたと思います。
それでも殺処分せずに、
ハッチの体調が安定した生後三ヶ月目に
「譲渡対象子猫」として、
保健所→愛護センターに移送してくれました。
譲渡室に入る前にウィルス検査実施。
このとき初めてエイズ陽性判明。
ハッチが向かった先は
愛護センター奥のバックヤード…
本来ならば、エイズや白血病の猫は「殺処分」対象になります。
ですが、宮崎の愛護センターは「希望」を捨てません。
収容頭数に限界が来るまで、
エイズや白血病の猫もバックヤードで
隔離保護を続けてくれます。
「譲渡希望者が現れるかもしれない‥」と、
職員さん達は、わずかな希望を抱きながら‥
だけど現実は…
譲渡が決まるのは、子猫や健康な猫たち。
2・レスキュー要請
当保護施設「いのちのはうす保護家」には、
エイズ陽性専用のお部屋がありますが、
6畳の小さなお部屋で、猫達にストレスかけないよう
Max6匹の保護が限界です。(いつも満室)
私たちの現状を把握してる愛護センターも、
私たちに負担をかけたくないと、
よほどのことがない限りレスキュー要請を出しません。
そんな中での
「エイズ陽性の成猫をお願いできないだろうか」
愛護センターのレスキュー要請は、
よほどの緊急事態だと察し、
直ぐに愛護センターに向かいました。
それが、エイズ発症の衰弱した「ハッチ」でした。
「後天性免疫不全症候群期」
免疫機能が完全に失われた末期状態でした。
エイズ発症後は、点滴やステロイド等
できる範囲で頑張ってくれてた愛護センターを
非難するつもりは一切ありません。
3・愛情を求めたハッチ
ハッチは、生後間もない頃から
ケージの中で育ちました。
ケージが積み上げられた狭いバックヤードの中で、
一日の大半をケージの中で生きてきました。
この世に生を受けた二年という長い時間
ずっとずっと…
だけど、ハッチは人見知りすることもなく、
初めて会った私にも甘えられる子でした。
保健所も愛護センターも、多くの職員さんがいます。
多くの職員さんが、ハッチを可愛がってくれてたんだな‥
ハッチを見てそう感じました。
だけど…ハッチが愛情を受ければ受けるほど、
ハッチが愛情を感じれば感じるほど、
ハッチは淋しさや孤独感に襲われます。
愛護センターの職員さん達は、
たくさんの仕事を抱えてるため、
ハッチが求める「愛情」に
何時間も応えられない…
エイズの子は、健康な子より免疫力が低いため、
精神的ストレス→エイズ発症する確率も高くなります。
だけど、裏を返せば‥
ハッチはそれだけ愛されてきた子だと思えるのです。
ハッチは、長い時間を痛みと戦ってきました。
動物は、死期が近くなると本能的に1人になろうと
身を隠したり、皮膚が敏感になるのか
触られることを嫌がります。
それなのにハッチは‥
ずっと私と暮らしてたかのように
ひざの上に乗ってきたり、添い寝を求めてきました。
昏睡状態に入ってもなお…
4・ハッチ享年2才
レスキューした翌日
10月12日 20:45
ハッチは永眠しました。
享年2才
2年しか生きれませんでした。
2年間「自由」を知らずに育ちました。
「ハッチは何のために産まれてきたんだろう」
「ハッチはなぜ、この世に生を受けたんだろう」
ならば、エイズや白血病の子達は
殺処分することで生き地獄を
終わらせてあげた方が良いのか…?
そうは思いません。
エイズや白血病の猫たちにも
生きる権利と尊厳ある環境で
天寿を全うする権利があるんです。
そのために必要なのは、
自治体が!誰か!…ではなく、
私自身が一歩踏み出す勇気…
そう自分に説き続ける日々なのです。
動き出さなきゃ!
ハッチの死を無駄にしないためにも!
今、こうしてるときにも、
愛護センターで自由を待つ
エイズや白血病の猫たちのためにも!