最期の約束
愛護センターより、成猫3匹のレスキュー要請。
「安楽死や檻の中での最期は、迎えさせたくない」
愛護センターと私たち…同じ想いだからこそ、
「看取りレスキュー」は存在する。
この日レスキューした
「看取りの猫」三匹中の一匹が、
センター名「おしめ」だった。
おしめは、オムツを着用した姿で捕獲された。
自力排尿できない程に衰弱してた。
お家を脱走してしまったのか?
トイレができないくらい弱ったから
あえての遺棄だったのか?
理由は分からないけど、
オムツを着けるような人が側にいても
結果がコレなんだと…胸がしめつけられた。
レスキュー当日の朝、
おしめの容体が急変!
「呼吸停止」
おしめは、愛護センターの檻の中で
最期を迎えた。
「安楽死や檻の中での最期は、迎えさせたくない」
愛護センターと私たちの願いは叶わなかった。
誰もがそう思い落胆したが…
おしめの最期を見届けたセンター獣医師さんが
他の仕事を終えて部屋に戻ると…
奇跡的に息を吹き返した!!
センター獣医師さんから連絡をもらい、
直ぐに車を走らせた!
おしめは、老齢で腎不全末期のため
一ヶ月すら生きれない事は分かっていたけど、
おしめの最期は「今」じゃないのだろうな…
だから、力を振り絞って生還したのだろうな…
「安楽死や檻の中での最期は、迎えさせたくない」
愛護センターと私たちの想いが
さらに強くなった瞬間だった。
もう、立ち上がる力はなかった。
それでも、必死に顔を上げて声を出す。
「お家に帰りたい…」
そう訴えかけてるように思えた。
おしめの体は、最期に向け歩み出した。
苦しみのない最期を迎えれるよう
強制給餌と点滴を退いた。
3/28 AM11:26
数回の下顎呼吸がはじまり、
おしめは…永遠の眠りについた。
レスキューして僅か19時間…
足早に過ぎ去った出会いと別れ。
なぜ、あの時、愛護センターで
息を吹き返したのだろう…
なぜ、私たちは出会ったのだろう…
私たちに、何かを望んだのだろうか?
私たちに、何かを託したかったのか?
この「パチーノ」のように、
おしめも、お家に帰りたかったのだろう…
決して孤独な最期じゃなかったんだと
お花のお布団でおしめを包み込んだ。
何度も何度も、おしめを撫でた。
一緒に過ごしたのは
僅か19時間だったけど、
「いのちのはうす保護家」の仔に変わりはない。
みんなと同じ想いで最期を見送った。
あとは…
おしめが迷わずお家に帰れるよう
「パチーノ」と同じ方式で
最後までサポートすることを誓い、
想いを込めて手を合わせた。
「必ず、必ず…
お家に帰してあげるからね!!」
最期の約束を交わした。