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初恋

今思い出しても甘酸っぱい初恋の想い出。
この季節になると毎年思い出してしまう。
私の中のキラキラした時間。
子どもだったからこそキラキラして
子どもだったからこそ涙が出るほど片思いした
私の大切な大切な初恋。

今君が何してるなんかも知りもしない
正直言うなら、知りたくないかな。
それが初恋っていうものだと思うんだ 

保育園の頃君に一目惚れした私
君は当時からスポーツマンでほかの女の子も
君のことが好きだと言っていた。
女の子は皆おませさんなんですね。
保育園の時私は君しか見えてなかった、歳なんて
関係ないぐらい君に夢中だった。大好きだった
小さな小さな私の世界が毎日キラキラしていた。

同じ小学校に上がった。
その時も君の事が好きだった。
君は保育園の時よりモテていた。
遠い存在に感じた、少し寂しかった。
でも私は”幼なじみ”と言う特権がある。
君に話しかけられない女子を横目に私だけが
君をあだ名で呼べる。それ以上の優越感は無かったよ。

君の事を私は大々的に好きだと言った。
君のことがずっと好きだと。
君はからかうことも無く、頷くだけだったね。
他の男子からからかわれても「うるさい」って
言ってくれたね、優しいんだよ。
私はますます君に夢中になった、淡い初恋。

そんな中私は転校することになった。

高学年になってやっと君と同じクラスになれたのに
私は親の事情で転校することになった。
転校するまでの残された期間どうやったら
君と思い出が作れるかすごく考えた。
何も出てこなかった。君はいつも通り接してくれた。
長い長い帰り道も君と方向が一緒だった。
2人で歩いて帰ったり、2人で早めに登校したり。
早めの青春を味わったなあって感じ。
未だに忘れられないのは、荷物が多い中君は私を
置いていって先に帰ってしまったね。私は凄く悲しくて
1人で帰らなきゃと思って、とぼとぼ帰ってた。
そしたら君は自分の自転車を全速力でこいで私の所へ
来てくれたね。汗だくだった、ニコニコしてた。

「ほら、荷物重たいやろ?」
「…………後ろ乗れば?」

ごめんなさい、本当は2人乗りなんてダメなんだよね。
ごめんなさい、でもその時は泣きそうなぐらい嬉しくて
泣きそうなぐらい好きが溢れてたんだ。

「重たいからいいよ」
「気にしない」

ほんと、そういうとこだよなぁって今書きながら
思い出しててもふふってなってしまう。
これが俗に言う初恋キラーってやつなんでしょう。
無自覚男子恐るべし。

私は本当に好きだということを伝えたくて
手紙を書いた、そう、ラブレターってやつ。
可愛いよね、年頃だもん。若いなあ。
書いて早速私に彼の家へ行った、走った。
彼の家のチャイムを押すと同時に心臓が出そうになるほど
私の心臓がうるさかった、ドキドキした。

「これ、受け取って」
「……うん」

ちゃんと渡せた、一世一代のラブレター
その告白をした時彼に恋をして7年経っていた。

そして私は最後の登校が迫った2日前に
風邪をひいてしまった。最悪すぎる、辛かった。
家が近くだから彼が連絡帳を持ってきてくれた。

「……ちゃんと……読んだから」
「…………」

それを言うと彼は走って帰ってしまった。
読んでくれた、それだけでいい。当時の私は幼くて
付き合うなんて分からなかったし、私の気持ちが少しでも
彼に伝わってくれているならそれで良かった。

そして私は転校した。

子ども1人では行けない距離。
何度か勇気をだして電話もかけた。話をした。
だが彼も大人になる準備をする。勿論私も。
お互い連絡とることも無くなった。
彼が行くと言っていた花火大会で彼を探し回った。
勿論約束もしてなかったので会えるわけも無い。
だけど走った、彼を一目見たくて。でも叶わなかった。

毎年この時期になると思い出す初恋。
今は旦那も居て子どもも居て幸せの私。
勿論旦那にもこの初恋の話は笑い話でするし
私の1番好きな人は旦那だ。

だけど、あの頃の私は彼の事が好きで好きで
ただひたすらに彼を探して、彼のために可愛くなりたいと
願った1人の女の子だった。

初恋は叶わないという、だけどとても記憶に残る初恋だった。

そんな初恋をくれた彼も今幸せになっていて欲しい。

花火の音、蝉の声、祭りに行く子どもの声。
夏になると思い出す、私の淡い淡い初恋。

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