「ラジオで流れる曲」にトキメキやすい理由を考えてみた
中3の夏、ラジオが好きになった。
私が一番好きなバンド、BUMP OF CHICKENの影響だ。
BUMP目当てで聞いた「SCHOOL OF LOCK!」から、私の音楽の世界は広がった。
私にとって、ラジオはテレビ以上に、私と新たな音楽とを繋いでくれる存在となった。
それまでも、テレビを見ていて「この曲いいな」と思うことはあった。
音楽番組で、アーティストが歌っているのを見て好きになったり、流れてきたCMソングが、なんとなく耳に残ったり。
でも、ラジオを聞くようになってから、好きな曲や、好きなアーティストが、それまでの何倍、いや、何十倍にも増えた。
私の場合、テレビから流れる曲は、サラッと聞き流してしまうことが多い。
基本的には、テレビを「ながら見」しているからだろう。
よほど好きな番組を除けば、大抵BGMぐらいの感覚で、テレビをつけている。
そのため、テレビを見ていても、特別印象に残る曲は、毎日そんなに出てこない。
しかし、ラジオでは、「あ!この曲めっちゃ好き!」と心が動くことが、とても多い。
一体、なぜ私は、ラジオから流れる曲に、こうも惹かれてしまうのか。
この事について、しばらく思いを巡らせていたのだが、私の中で、考えがまとまったので、ここに書き留めたい。
私が、ラジオから流れる曲に、トキメキを感じやすい理由。
それは、
「ラジオから流れる曲には、ストーリーがある」
からだ。
ラジオというのは、大抵の場合、パーソナリティが曲紹介をする。
自分の大好きなパーソナリティが紹介する曲というのは、やはり特別だ。
選曲に関しては、スタッフが決定権を持つ場合や、リスナーからのリクエストで決まる場合もあるが、パーソナリティ自身が選曲する場合も多い。
そうなると、曲の前に、パーソナリティが「なぜこの曲をかけるのか」という、エピソードトークを話しがちである。
例えば、「仕事で上手くいかなかった時、この曲に救われた」とか、「この曲を聞く度に、初恋のあの人を思い出す」とか。
それを聞いたリスナーは、今、その曲がかけられる意味を知る。
そして、考える。
私の大好きなパーソナリティは、この曲のどこに惹かれたのか。
この歌詞が表すことって何だろう。
この曲が伝えたいことって何だろう。
もう、曲を聞く時点で、ストーリーが一つ乗っかっているのだ。
先ほど述べた「SCHOOL OF LOCK!」なんて、正にそうだ。
私が聞いていた当時は、やましげ校長とやしろ教頭が先生だったが、毎日、悩んでいる生徒達に向け、お二人が、熱い言葉を投げ掛けてくれる。
ゲストの先生達が、自身が作った曲が生まれた背景や、曲に込めた思いを語る。
そして流されるその曲には、もうストーリーがある。
適当に、そのへんからCDを一枚持ってきて、ランダムにかけた一曲とは違うのだ。
私達リスナーは、電波を通して、そのストーリーごと曲を受け取る。
そして次は、私達が、その曲のキャンバスに、自分の絵の具でストーリーを描いていくのだ。
誤解の無いように、一つだけ言及しておくが、私は、物心ついた頃から、テレビが大好きだ。
学生時代に学校から帰宅した時、社会人になって仕事から帰宅した時、それから主婦になった今、買い物から帰宅した時、まず真っ先に、テレビをつけるのが日課である。
その時間帯に、どんな番組をやっていようとも、とりあえず、テレビをつける。
その上で、面白い番組が無ければ、ラジオを聞くこともあるし、他の趣味に時間を費やすこともある。
私の生活の中心には、ずっとテレビがあるのだ。
そして、ラジオを聞くようになってからは、ラジオもテレビに負けない存在感で、私を支えてくれている。
頼もしい二本柱だ。
今でも、テレビがキッカケで好きになる曲はある。
しかし、魅力的なストーリーのある「ラジオで流れる曲」には、もっともっとトキメキを感じずにはいられないのだ。
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