やばい匂いがする
やばいことって、匂うんだろうか。匂いって、本能的に「何か」を感じる部分だ。
匂いと記憶はよく交差する。
特に私の中では、「好きな人のタバコの匂い」というのが、なぜか記憶に残っている。それが、どんな匂いだったかは思い出せないのだけれど、「あの時タバコの匂いを嗅いだ」という記憶。
数年前まで通っていた美容室の担当の男の子もそうだった。彼の何が好きかは、うまく言葉にできないのだが、パーマかカラーの待ち時間の後、彼が髪を触った時に匂ったタバコの香り。「ああ、この人、今の待ち時間で吸ってきたのね」と、そう思った記憶を鮮明に覚えていて、それから、彼を指名するようになった。
ちなみに自分自身はタバコを吸うのかというと、そうではない。
タバコという単体の匂いならいいんだけど、いろんな匂いを持ち込む人がいる。会うたびに違う匂いがし、私は混乱するのだ。どれが本当なのか。毎回違う人に会っているような感覚にもなる。
やばい匂いにも敏感かもしれない。あれは一体なんの匂いなんだろう。
秋の匂いがしたと思ったのも束の間で、もう冬の匂いがしますね。
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