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2022年 ドッグフード関連市場レポート

onedog」を運営してきたdotDでは、ペット領域での新規事業を立ち上げるため、日本国内におけるペット市場について調査してきました。

前回は「2022年 国内ペット市場レポートと最新トレンド」についての記事を公開したのですが、今回は「ドッグフード(ペット用食品)関連」の市場について調査しましたので、みなさんにシェアします👀

ペットフード・用品の業界概要

ペットフード、ペット関連用品の製造・販売を行う企業を対象とした調査では、2020年度のペット関連の市場規模は小売金額ベースで前年度比3.4%増の1兆6242億円となった見込みでした。

新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続く中、ペットと過ごす時間が増えて関連商品の需要が拡大したと言われています。
21年度は同1.9%増の1兆6543億円になる見通で、富士経済によると20年のペットフードの市場規模は前年比3.3%増の3765億円となったそうです。

ペットフード・用品の市場動向


飼育頭数について

ペットフード協会によると、2021年の犬の推計飼育頭数は前年比3.2%減の約710万6,000頭。猫の推計飼育頭数は3.7%増の約894万6,000頭。
※飼育頭数は減少しているものの新規飼育頭数は増加傾向にあります。
犬、猫合わせた飼育頭数は横ばいないし減少傾向で、ペットフード各社は機能や品質を充実した高価格商品の開発に力を入れています。
また、ペットの平均寿命は2021年で犬が14.65歳、猫が15.65歳で、10年に比べてそれぞれ0.78歳、1.30歳長くなっています。
そこでペットフード各社は高齢ペット向けの商品・サービスを拡充しています。

コロナ下で「おやつ代」が高額化

ペットフードはペットの高齢化に対応し、「13歳以上用」「15歳以上用」などシニア向けの高付加価値商品が発売され、需要を拡大しています。
犬種の体格や特徴にあわせて栄養素や素材を配合した犬種別も展開。
おやつのスナック類ではデンタルケアをコンセプトにした商品が売り上げを伸ばしています。
そして、今後は高価格で利益率が高いプレミアムフードの展開が続くとみられており、無添加やノンアレルギーなどさらなる差別化を強調したスーパープレミアムフード、プレミアムフードとエコノミーフードの中間的な準プレミアムフードなどの発売が予想されています。
(引用)https://www.nikkei.com/telecom/industry_s/0375

🦷なぜデンタルケアが大事なの…?
犬も人間と同様、歯磨きを怠ると、口臭や歯周病になってしまいます。歯周病は歯を支える土台(歯槽骨)を溶かすため、歯がぐらつき始め、最後には抜け落ちてしまいます。
その他にも歯周病は、心疾患、脳血管疾患、糖尿病など様々な疾患に関連していることがわかっており、口腔内に特異的な細菌が、心臓や肺など、その他の臓器から発見されていることから、全身に影響を及ぼすことも懸念されていることからデンタルケアが重要と言われています。

ペットフード区分

主食としてのペットフードは「総合栄養食」と言い、基本的にはペットフードと水を与えていれば必要とされる栄養素が摂取できるように作られています。

間食やおやつは本来、栄養素補給としては必要ないのですが、ペットのしつけや運動、ご褒美として与えるなど限られた量を与えることが意図されています。
目的別による分類は、「総合栄養食」「間食」「療法食」、そのいずれにも該当しない「その他の目的食」に分かれています。
(引用)ペットフード協会

これまではドライフードが一般的でしたが、フレッシュフード(分類:ウェット)と呼ばれる高単価高品質フードの流行によりドライフード以外を愛犬に食べさせる飼い主も急増しています。

ペットフードのトレンド

「人間の食品レベル」のドッグフード

3000億円市場と言われるペットフード市場の4割超を占めるのがドッグフード市場。
先ほども取り上げた通り高単価高品質の「プレミアムドッグフード」といわれるドッグフードを取り扱う企業が業績を急拡大しています。
売り上げを伸ばしているドッグフードのキーワードは、「無添加」「国産」「グレインフリー」
「人間の食品レベル」の品質を備えたドッグフードが今後のトレンドになっています。

「プレミアム市場」はオンライン販売(EC)向き

プレミアムドッグフードに明確な定義はないものの、1kgあたりの価格が1,000円を超えるものと考えている事業者が多いそうです。
現在市場に出回っているドッグフードの内、およそ半分が該当しています。1kgあたりの価格が3,000円を超えると、「スーパープレミアム」と分類される場合も多いです。
プレムアムドッグフードの中には、ペットショップチェーンやホームセンターでは取り扱っていない商品も多く、そうしたことが背景となりオンライン販売でプレミアムドッグフードの売り上げが伸びる傾向にあります。

「国産」「無添加」「グレインフリー」でサイト流入

「国産」「無添加」「グレインフリー(=穀物完全不使用)といったキーワードで検索し流入するユーザーが多いそうです。
従来のプレムアムドッグフードは、「犬に必要な栄養素」をどの程度含有しているかが注目されがちでしたが、近年は「人間が食べても大丈夫な食材」を使用していることが求められるようになってきています。
(参考)https://www.bci.co.jp/netkeizai/article/8911

ペットサプリメントの市場規模は2027年に8億2,260万ドルに達する見込み

2021年4月28日にREPORTOCEANが発行した新しいレポートによると、ペットサプリメントの市場規模は、2019年には5億9680万ドル、2021年から2027年までのCAGRは7.3%を記録し、2027年には8億2260万ドルに達すると予測されています。
ペットサプリメントは、従来のペットフードの代替品として人気があり、炭水化物が少なく、栄養が詰まっていて、味も少し甘いのが特徴です。
ペットサプリメントには、栄養素、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれています。
ペットの人間化が進み、可処分所得が急増していることから、先進国で大きな支持を得ている。さらに、消費者がペットの健康に関心を持ち、意識するようになってきていることから、健康増進、長寿、病気の予防などを目的とした製品の需要が高まると予想されています。

トレンドは免疫、ストレスケア
ペットサプリの主要な販売チャネルは、動物病院、ペットショップ、オンラインストアですが、近年では、動物病院でのシェアが拡大
治療補助や疾患の再発防止、高齢ペットのQOL向上などを目的にサプリを利用する獣医師が増えています。

獣医師専売品になるためには、臨床試験データの収集などハードルが高い分、飼い主からの信頼も厚い。
メーカー側には、自社製品の安全性、信頼性を保証できるメリットがあり、安定した販促が見込めるチャネルとなっているそうです。
ペットサプリの主な配合素材は、乳酸菌、ナットウキナーゼ、酵素、冬虫夏草、グルコサミン、コンドロイチン、アスタキサンチン、米ぬか抽出物など様々で、訴求別では、免疫賦活や腸内改善、関節サポート、デンタルケアなどがトレンドになっています。

(引用)https://www.kenko-media.com/health_idst/archives/14976

主要な競合の業績・動向(特にスタートアップ)

PETOKOTO

“もったいない” を活用して、愛犬に新鮮で持続可能なごはんを。
フレッシュドッグフード「PETOKOTO FOODS(ペトコトフーズ)」は、従来のドライフードへの疑問から開発した、私たちも安心して食べられるほど新鮮で安心な犬のごはんで、昨年度の売上は前年同期比で2,000%増加しており注目を浴びています。
事業を運営する中で、ミッションである「人が動物と共に生きる社会」を実現するためには、前提として持続可能(サステナブル)な社会が必要があると考えており、第一弾として「規格外サツマイモ」の有効活用でフードロス削減をあげています。

PETOKOTO FOODSのチキンとフィッシュレシピに使用する、サツマイモの生産農家である鹿児島県指宿市の菱田さん農家と協業し、見た目だけで人用の農産物流通から漏れ、フードロス(食品ロス)になるサツマイモを有効活用し、この食べられるのに捨てられてしまうサツマイモを有効活用することで、2025年までに約80トンのフードロス削減を共に目指している。また、サツマイモに限らず、全ての食材で検討を進めているそうです。
(引用)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000015317.html

愛犬の体調に合わせたパーソライズサプリメント『topet

topetは、2021年11月に『あなたの愛犬だけのサプリ topet (トペット)』をリリースし、獣医師とペット栄養管理士が共同開発した診断システムに回答することで、100通り以上の回答パターンから愛犬にぴったりのサプリメントをカスタマイズして提供しています。
よりパーソナライズ性を高めたサプリメントを提供するために、①豊富な回答パターン②分析結果の可視化③おすすめする理由の明確化 の3点を踏まえて、新たに『愛犬の体調分析』として分析システムを導入しています。
(引用)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000078789.html

HealthyTOKYOが ペット用CBDブランドを立ち上げ

日本のCBD界におけるパイオニア、HealthyTOKYO株式会社では、今年2022年3月22日、犬や猫のためにCBDを配合したおやつやサプリメントを製造する新ブランド『PetCBD』を発表しました。
PetCBDブランドは、HealthyTOKYOが立ち上げる5番目のCBDブランドで、ペット専用ブランドとしては初めてとなります。
CBDは、国内外の睡眠障害、不安、ストレス、ある種の痛み、リラックスを必要とする人々によく利用されています。海外のデータによると、同じようなニーズを持つ犬や猫も、これらの一般的に小さな動物用に適切に配合された製品であれば、CBDの使用による恩恵を受けることができるとされています。
(引用)https://www.atpress.ne.jp/news/303002

KINS×獣医師による愛犬・愛猫のための菌ケア「KINS WITH」

総合的な菌ケアサービスを展開する株式会社KINSでは、愛犬愛猫のための菌ケアブランド「KINS WITH」を2021年8月にリリースしています。
「KINS WITH」は、菌ケアのプロである KINS と獣医師が共同で開発した、ペットのためのトータルケアサービスです。
腸内環境の状態がわかる検査キット、サプリメントとフレーバー、コンシェルジュによるアドバイスなど、菌ケア発想によるプロダクトやサービスを提供。
(引用)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000048644.html

パーソナライズされたドッグフードサブスクリプション「Ollie

New York拠点で、2015年に設立されたパーソナライズされたドッグフードのサブスクリプション「Ollie」は、D2Cで顧客毎にセミカスタマイズしたドッグフードを販売しています。

Olleiの特徴

ペットの健康を意識し、各ミール栄養バランスが調整されています。
さらに、健康だけではなく味にもOllieは重視していることが特徴です。
ドッグフードの多くは栄養を重視するあまり、材料より成分を重視しておりますが、Ollieは鶏肉、牛肉、魚肉など人間が食べる材料をできるだけ加工せずに商品化しています。
これにより、素材本来の味をワンちゃんたちも楽しむ事ができ、さらに、商品の全ては人間がテイスティングしているので味も保証されています。

Ollieのもう一つの特徴として、パーソナライズがあります。
顧客は自分のワンちゃんのプロフィールをウェブサイト上で登録し、Ollieからおすすめのミールを提案されます。
そして、ワンちゃんが実際に食べた後に商品のフィードバックを登録することで、自分のワンちゃんの理想のドッグフードに利用するたび近づいていきます。これはワンちゃんの好き嫌いだけでなく、糖尿病などの持病に合わせたドッグフードが提供できるので魅力的です。

いかがでしたでしょうか。
ドッグフード市場が年々ペットの高齢化や家族化により、大きく変化すると共に拡大していることが分かりましたでしょうか。

引き続き、弊社では、冷凍ドッグフードの新規事業「FreshOne.」の開発も進んでいるので、ペットの健康と家族化に少しでも貢献していきたいと思っています。


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