執筆スタイルを詳細に語る1
Twitter(今はXですが、以下Twitterと記載)にて時折見かける、「#字書きがいいねの数だけ詳細に語る」という、執筆に纏わる全30問に答えるハッシュタグを今回やってみました。
※なお、現在Twitter上でのいいねの数は30に満たない(12)ですが、折角なのでnoteでは全部回答しようという試みです。Twitter上よりも詳細に記載している為、複数記事に分けました。
1.視点(一人称、三人称など)の使い分け
昔、なにかの小説の指南本で「三人称=神の視点」が初心者にとって書きやすいと読んだ覚えがあります。
その為、今はもうペンネームもタイトルも覚えていない投稿作品から、比較的最近の作品まで、神の視点で書き続けた記憶があります。でも僕にとっては書きにくいと感じました。何故って、主人公の感情を描写しにくいからです。
初の商業作品であり、現在連載中の『吸血鬼作家、VRMMORPGをプレイする。』は思い切って一人称を取り入れた作品です。
この視点は主人公が知り得ない情報は地の文に書く事が出来ません。でも、その分考えている事は書きやすい。※長くなるので書きすぎ注意です。
『吸血鬼作家、VRMMORPGをプレイする。』では掲示板を使って主人公が知らない情報を読者には伝えるスタイルをとる事で、一人称のデメリットを解消しています。
ただ、一点罠がありました。ご存じの方も居るかもしれませんが、『吸血鬼作家、VRMMORPGをプレイする。』には過去編と称して鎌倉時代は江戸時代の描写が度々出てきます。
困るのです、一人称に。作中(現代)と同じ「僕」では明らかにおかしい……!
時代小説を書く予定の方は、三人称視点を選ぶ事をお薦めします、本気で。
2.句点(。)読点(、)の使い方
ひらがなが連続しているところなど音読して引っかかる時に読点を使いますが、あまり打ち過ぎるとかえって読みにくくなるので「一文に三回まで」とルールを決めています。
三回以上読点を打ちたくなる文章は、そもそも長すぎるので二文に分けるか描写を変えるなどしています。
3.記号(?!…―など)の使い方
作中で使う記号は事前に決めておきましょう(真顔
『吸血鬼作家、VRMMORPGをプレイする。』では主人公が配信を行っている為、視聴者からのコメントを表す必要があります。
WEB連載版では、この記号を当初『』で表していました。
今更ですが、本作はVRMMORPG――俗に言うネットゲーム――を主人公がプレイする内容です。その為、そのあと遠距離チャットを行うシーンが登場した際、どうしても『』を使いたくなりました。
悩みに悩んだ挙げ句、配信コメントの方を≪≫で表す事にしました。ですが、過去の投稿分を全て直す気力はありません。なので連載途中から突然≪≫へと切り替える事にしたのです。
読者さんはさぞ大変困惑したでしょう。その節は大変ご迷惑をおかけいたしました。
そういうわけで、使用する記号に関しては必ず、執筆前から、いくつ記号が必要なのかを洗い出し、事前に決めておく事をおすすめします。
じゃないと、書籍化作業の際にも『』を≪≫へ直す作業が発生するからね……!本当あれは面倒臭かった!
4.表記ルール(字下げ、改行、行あけなど)
基本的には小説のお作法に則っています(多分)。一文字目は字下げを行い、内容に変化を伴う場合は改行しています。
なのでセリフは字下げを行いません。
ただ、WEB版では「」から始まるもののセリフではない部分に関しては字下げを行っていますが、書籍版ではセリフ同様字下げが行なわれています。
また、WEB版では基本的に一行開けで執筆し、可読性を上げていますが書籍版ではしていません。シーンが切り替わる部分でのみ行あけを行っています。
5.ひらがな、カタカナ、漢字の使い分け
書籍化にあたって表記ルール一覧表として作成しどちらへ寄せるか決めた為、正直WEB版はかなり表記揺れしています。
また、擬音に関してはひらがなにしたのかカタカナにしたのか忘れて、適当にその場のノリで書いた時もありました。今は基本的にはカタカナで統一しています。ひらがなだと読みにくいので。
漢字はあまり使いすぎると固くなりすぎて読みにくいので、適度にひらがなを採用しています。また、作中で子供が出てきた際には意図的にひらがな多めでセリフを記載したりしています。
長くなってしまったのでこの辺りで。もしかすると5問ずつ、全6回になるかもしれません。