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第101回全国高等学校野球選手権大会での送りバントがもたらした結果

今年の夏の甲子園も決勝戦を残して47試合の試合が行われました

今年の甲子園は大船渡佐々木投手の投手起用の影響もあってか、複数の投手を上手く使いながら勝ち進むチームが多いと思います

甲子園といえば、150キロを超える投手や、超高校級のスラッガーによるホームランに注目が集まりがちです。

これらの陰に隠れて、あまり送りバントは注目されません。そこで今回は送りバントについて考えていきたいと思いnoteを書くことにしました

集計には若干の数え間違いがあるかもしれませんが、どうぞ最後まで読んでいただけると助かります。使ったデータはsportsnaviに搭載されていたものを使いました。

まず今大会ランナーがいる時に行われた送りバントは200回ありました。そのうち成功は152回、失敗は48回でした「エラーやFCやセーフティーバントは成功とカウントしてます。」

送りバントの成功率は76%


この成功率が高いのか低いのかは、とりあえずおいておきます

次にランナーの状況別で見ていきましょう

ランナー1塁での試技は146回、成功が115失敗が31でした。成功率は79%

ランナー2塁では試技は20回 成功が17 失敗が3でした。成功率は85%

ランナー1.2塁での試技は34回 成功20 失敗14でした。成功率は59%

こうしてみるとランナー1.2塁での送りバントがいかに難しいのかがよく分かります。


さらにこれから先はもっと細かくみていきます。次はランナーの状況とアウトカウントべつに分けて、送りバントが成功した後の得点の有無を見ていきます

ノーアウトランナー1塁での送りバント成功は88回でその後に得点が入った回数は34回、入らなかったのが54回。得点が入る確率が38%

1アウトランナー1塁での送りバント成功は27回、その後に得点は11回、入らなかったのが16回。得点が入る確率が41%

ランナー1塁での送りバントは、アウトカウント関係なく、だいたい40%前後であった


続いてノーアウトランナー2塁での送りバント成功は17個、その後に得点は9回、得点が入らなかったのは8回。得点が入る確率は52%

1アウトランナー2塁での送りバント成功は0

次にノーアウトランナー1.2塁での送りバント成功は15回、その後に得点は12回、入らなかったのは3回。得点が入る確率は80%

1アウトランナー1.2塁での送りバント成功は3回、その後に得点は1回、入らなかったのは2回。


ランナー1.2塁での送りバントはノーアウトで80%程度の得点率であり、かなり高い水準であることがよく分かります。


*大数の法則によって試技がもっとあればまた違った結果になるのかもしれません。そこはご了承ください

ただ、だからと言って、ランナー1塁での送りバントが要らないわけではありません。相手投手の能力、次の打者の調子、試合展開など状況によっては有効な場面は確かにあります。しかし過度に送りバントに期待しすぎなのでは?と思う場面もよくみませんか?

ランナー1.2塁では確かにチャンスを広げるが、今年の甲子園を見る限り1.2塁での送りバントは難しいです。先制点が欲しいばかりにクリーンナップに送りバントをさせたり、ランナーが出たらとりあえず送りバントという作戦は少し考えものです。

さらに、これからは複数の投手で勝ち上がるのが必須になってきます。球数制限の議論が活発なので、あと数年で投球制限が導入されるでしょう。複数の投手を使うことによってある程度失点も覚悟する試合が増えていきます。そうなると、大量得点をしなければならない試合が増えてくると思われます。

これからのトレンドに合わせて、過度に送りバントに期待するのは良くありません。接戦の試合は投手を疲弊させます。1発トーナメントでは避けたいです。

日本では送りバントをしないで得点が入らなかったら攻撃が雑と言われ、バントをして得点が入らなかったら仕方ないという風潮がある気がしてなりません。ランナー1塁では送りバントしても40%の得点率だと言うのに。

これからのトレンドに合わせて高校野球も変わっていかないと思ってます。今回は送りバントを通じて甲子園の1つの側面を見ていきました。もちろん野球は色々な要素が絡むので、今回はあくまで1つの側面で楽しんでいただけたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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