夏は続かない
夏ってこんなに街も木々も鮮やかなのに、何で色濃く終わりを感じるの。
そんなことを、ずっと小さなころから考えていた。
夏が終わる曲だって、こんなに寂しくて切ないのに全部が輝いてるのにさ。
だって、夏ってだけできらきらしてるんでしょう?
それなのに、何故かカラフルに輝く街を見るたびに終わりを感じる。
私は日本で生まれて、四季のある暮らしがとても美しいものだと思ってて
日々、移り変わる花々や木々、街の色、風の温度も香りも1年通して続いていくものだと思ってた。
花々が咲き誇り、花が舞う嵐が過ぎれば新緑に入れ替わり緑が騒ぐ
秋になれば新緑が色づき変化して、木枯らしが冬を連れてくる。
じっとその張り詰めた空気を待てば、目を細める春がまたやってくる。
それの繰り返しなのに、なんで夏は終わりを感じるのだろう。
先日、珍しく風が温度をほんの少しだけ下げた日に
今夏(8月頭から)使っていたフィルムカメラを現像してきた。
そこには夏を凝縮したような青が映し出されていて、その姿に目が眩んだ
紛れもなく、あそこに夏が詰まっていた。
その姿を見せびらかしたいけど、どうしても秘密にもしていたいから
ここには載せないけれど、夏のことを思い出すときに
きっと1番に思い出す写真だと思う。
そのひとが、夏が終わるヒントをくれた。
「夏はどうしても続かない、終わるイメージが強い」
(どうしても終末や死を色濃く感じてしまう)
と前述した事を話したのも、夏がまだ終わりそうもない暑い日で
「夏休みとか、はいここで終わり!ってなるからじゃない?」と話してくれた。
そのヒントで、なるほど。って思ったことと
夏は続かないと感じていた違和感は、たぶん春から夏に新緑として移り変わるし、秋は冬に生まれ変わるし、冬は芽吹く春に続くのに
夏は終わって、秋に進むからなんだなと
マジックアワーが広がる空を、助手席から見ていた。
だから、終わりを強く感じてしまうんだな、きっと。
夏は終わるし、次の季節もくる
でもこの時感じていた絶望も光も何もかも忘れないと思う
それでも私たちは生きていかなければならない。
生きて、この日々を駆け抜けていくしかないから。
まだそっちには行かないし、できればまだ誰も連れてってほしくないよ。
お盆にはまた帰ってきてね。
すぐに酔ってしまうビールは、それまでにもう少し飲めるようにしておくからさ。
また来年、続かない夏で待っているよ。
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