【蟲惑魔の森】ストラク新規考察
本稿では、2022/10/13および11/9、11/30に発表されたストラクチャーデッキ「蟲惑魔の森」に収録される新規カードの確認とその考察、それらの登場によりどのような構築が可能になるかについて述べる。
※記事内の新規カード画像は発売以降に使用
新規カードの考察
シトリスの蟲惑魔
素材・ステータス
このカード自体が素材指定のないランク4であり、(2)効果を活用して初動としても中盤以降の展開強化としても使いやすい。
ステータスも非常に優秀で、高い攻撃力により詰めのカードとしても活躍できる。
(1)効果
いつもの蟲惑魔の耐性より強力で、特に種族統一デッキに対して強固な耐性を発揮する。
(3)効果の発動条件が緩く、例えば相手が《旧神ヌトス》を墓地に送ってきた場合、ヌトスをX素材として吸収することでヌトスの効果に対する耐性を得ることができる。
(2)効果
これまでの蟲惑魔はサーチしても召喚権の関係で活かしづらかったが、新規の《キノの蟲惑魔》は召喚権を使わずに展開可能であり、これをサーチすると革命がおこる。
一例として、(召喚権を使ったとしても)任意のレベル4が2体さえ並べば、セラ+キノ+狡猾が確定するようになった。
展開の詳細は《キノの蟲惑魔》考察の項を参照されたい。
任意のレベル4を2体並べれば展開が成立する点に着目し、新機軸での構築も可能になった。
また、召喚権が残っている場面ではティオをサーチして展開を伸ばすことも可能である。
狡猾軸においては、返しのターンの盤面が「セラ+ティオ+狡猾(+墓穴)」という状況が多く発生するが、この状況からシトリスを絡めて総打点8300まで伸ばすことができるようになった。
セラ+ティオ+狡猾、墓地罠0枚から
パターン①
狡猾発動
セラ効果発動、ランカ特殊召喚
ランカ+ティオでシトリスX召喚
シトリス効果でティオサーチ(コストとするX素材はティオ)
セラ効果発動、デッキからホールティアセット
ティオ召喚、効果で墓地のティオ蘇生
ティオ特殊召喚時効果発動、墓地の狡猾セット
ティオ+蘇生したティオでアロメルスX召喚
アロメルス効果発動、X素材2つ取り除き、墓地のランカを特殊召喚
ランカ効果発動、7でセットした狡猾を手札に戻す
手札に戻した狡猾をコストにホールティア発動、自身を特殊召喚
ホールティア+セラでクラリアL召喚
シトリス(2500)+アロメルス(2200)+クラリア(1800)+ランカ(1500)
パターン②
狡猾発動
セラ効果発動、蟲惑魔特殊召喚
蟲惑魔+ティオでシトリスX召喚
シトリス効果でティオサーチ
ティオ召喚、効果で墓地の蟲惑魔蘇生
ティオ+蟲惑魔でデュガレスX召喚
デュガレス効果でシトリスの攻撃力2倍
デュガレス素材でヴェスペネイトX召喚
シトリス(5000)+ヴェスペネイト(2500)+セラ(800)=8300
(3)効果
《プティカの蟲惑魔》特殊召喚時効果の一時除外と組み合わせて完全除去を狙いたい。
(1)効果の耐性獲得を目的としてこちらから除去しにいく場面は少ないかもしれないが、狡猾軸においてはフリーチェーンで耐性を獲得できるため活躍の機会はあるかもしれない。
セラ+シトリス存在下で通常罠による相手モンスターの除去を行った場合、通常罠をトリガーとしたセラの効果をチェーン1、シトリスのこの効果をチェーン2とすることでセラに対する灰流を防ぐことができる。
アティプスの蟲惑魔
素材・ステータス
リンク3は重いが、《崔嵬の地霊使いアウス》で相手の《増殖するG》を奪って特殊召喚することも可能。ステータスは(2)効果込みで優秀といえる水準。
また、《騎甲虫アームド・ホーン》の展開効果(召喚権追加+自己蘇生)と組み合わせることでこのカードの重さを軽減できる。
(1)効果
いつもの耐性。
(2)効果
全体強化としては破格の上昇値であるが、リンク3であるこのカードを立てつつ蟲惑魔を並べるほどの展開力を蟲惑魔デッキで確保するのはそれなりに難しい。
もし並べられるとしたら、こちらが強く展開できるというマウントをとっている状況が基本的に想定されるが、そのような場面ではこのカードを使わずとも有利である。
(3)効果
破壊耐性の突破、厄介な永続効果への対処がテーマ内で可能になった。
また、追加効果で墓地の罠が除外可能であり、狡猾の発動条件を整えることができる。
ただし、リンク2の《クロスローズ・ドラゴン》+植物族で出すことのできる《ブラッド・ローズ・ドラゴン》は実質リンク3で自分の墓地の罠どころかお互いの墓地のカード全てを除外できるため、狡猾軸における墓地罠処理要員としてはローズに一歩劣る印象がある。
なお名称ターン1ではないが、特に影響はないと思われる。
キノの蟲惑魔
(1)効果
チェーンブロックを作る特殊召喚効果なので《増殖するG》のチェーンを許すわけであるが、そのようなデメリットは些事であるといえるほど「蟲惑魔の効果が発動する」ということが重要である。
具体的には、セラ(3)の罠セット効果のトリガーになる。
ランカを召喚し効果でキノをサーチ
ランカを素材にセラをL召喚
手札のキノ効果を発動し自身を特殊召喚
セラ効果を発動しデッキから任意の落とし穴をセット
(以降任意)セラ+キノでクラリアL召喚、エンド時にキノ蘇生
本質的には場にセラ+手札にキノを揃えればよいので、シトリスさえX召喚できればこの展開が可能ということになる。
展開の一例…手札誘発モンスター+パラレルエクシード初動
手札誘発召喚
《転生炎獣アルミラージ》L召喚
パラレル×2特殊召喚
シトリスX召喚
シトリス効果を発動しキノサーチ
シトリスを素材にセラL召喚(セラの素材指定は「リンクモンスター以外の蟲惑魔モンスター1体」)
以下略
特殊召喚効果はメインフェイズ中フリーチェーンなので、召喚した蟲惑魔に対する除去にチェーンしてこのカードを特殊召喚することで、セラが成立しない状況を避けることができる。
また、トリオン召喚時効果に妨害を撃たれた場合でもセラ+キノで落とし穴を構えることができる。
このように、蟲惑魔と一緒に手札に来た場合でも妨害貫通要員として活躍でき、蟲惑魔では珍しく手札にダブつくことが許されるカードである。(キノ同士で被ってもOK)
セラ存在下で、通常罠とキノの特殊召喚効果を同一チェーン上で発動した場合、その処理後、通常罠の発動をトリガーとするセラの効果②と蟲惑魔効果の発動をトリガーとするセラの効果③が同時に発動するため、チェーン1: セラ②効果(蟲惑魔リクルート)→チェーン2: セラ③効果(罠セット)という順番でチェーンを組むことで、《灰流うらら》をチェーンさせないプレイングが可能である。
※特殊召喚効果が発動可能なのは自分・相手ターンのメインフェイズのみ
(2)効果
いつもの耐性。
(3)効果
セットカードを守る永続効果。
(1)効果使用後、このカードは場に棒立ちさせておくことが多くなることが予想されるため、これは非常に嬉しい。
相手の《ハーピィの羽根箒》等の伏せ除去にチェーンして(1)効果で特殊召喚し、破壊耐性を発揮することも可能ではあるが、相手ターンに《増殖するG》でこのカードをドローする以外であまりこのプレイングはとらないように思われる。
狂惑の落とし穴
待望のフリーチェーン落とし穴だが、対象をとる破壊効果である点で狡猾と同様の弱点を抱えている。
狡猾とは異なり、召喚時等の最初動や攻撃力2000未満のモンスターを起点とした展開起点には撃てないという歯がゆさがある。
また、発動条件的に自分のターンに使いづらい(セラ効果のトリガーにしづらい)点もマイナスか。
追加効果は非常に優秀で、単純に相手の墓地リソースを奪えるほか、破壊後即時除外により墓地効果や「フィールドを離れた場合」系の効果も防ぐことができる。
召喚反応型かつ”時”の任意効果という弱いテキストによりルールに苦しまされてきた落とし穴が、ついにルールを逆手にとった強者になりはじめているかもしれない。
蟲惑の園
後述の《プティカの蟲惑魔》によりサーチ可能
(1)効果
蟲惑魔の召喚権追加。蟲惑魔デッキは元来、「蟲惑魔の採用枚数を増やすと手札に蟲惑魔が固まり、召喚権不足により手札の有効枚数が減少しやすくなる」「蟲惑魔の採用枚数を減らすとセラが成立しづらくなり、セラ不成立時のアドバンテージ創出能力不足が顕著になる」という二律背反を抱えていたが、この効果によりデッキ内の蟲惑魔枚数を増やしても手札の蟲惑魔を活用できるようになる。
また、ランカ、トリオン、ティオの召喚時効果はターン1縛りがなく、それらの効果を連打することもできる。例えば、ティオ召喚からシトリスをX召喚、シトリス効果でティオサーチ、園効果でティオ召喚からさらに展開を伸ばすということも可能。
しかしながら、「このカードもしくはプティカの蟲惑魔を引ければ」「プティカの効果を妨害されなければ」「この効果を発動できれば」という都合の良い仮定をおいて蟲惑魔の採用枚数を増やすのはかなり危険であると私は考える。
というのも、そもそも単体で妨害にならない上に基本的に召喚権を要求する蟲惑魔が手札に重なる事態は構築レベルで避けるべきであるという考えが根底にあるからだ。
この問題については《プティカの蟲惑魔》の項でも述べたい。
(2)効果
自分フィールドの昆虫族・植物族モンスター全てに対する1ターン1度の戦闘破壊耐性付与。
蟲惑魔は全体的にステータスが低く戦線維持が困難であることから、かなり有難い効果といえる。
相手が戦闘によってこちらの盤面突破を狙う際、セラで2体分、セラから特殊召喚したモンスターで2体分の攻撃宣言を消費させることができ、さらにセラから特殊召喚するモンスターを《プティカの蟲惑魔》にすればその除去効果により1体分を消費させることができるため、見た目以上に強固な盤面になる。
《フレシアの蟲惑魔》は他の蟲惑魔に戦闘破壊・効果破壊・対象耐性を付与するため、除去がなければ守備力2500のフレシアを2回戦闘破壊しないと他の蟲惑魔を突破できないという困難な状況に追い込むことも期待される。
相手が本格的に展開する前にモンスターでセラを攻撃してきた際、セラの効果を誘発してアドバンテージを確保するためだけに罠を“使わされる”状況が散見されたが、そういった事態も避けやすくなると思われる。
なお、戦闘破壊耐性は強制適用であり、セラが“サンドバッグ”になるおそれがあるほか、《波紋のバリア -ウェーブ・フォース-》や《台貫軽量》、《拮抗勝負》といった自分の盤面のモンスターが少ない方が強力になるカードとミスマッチである点には注意したい。
(3)効果
自分フィールドの任意のモンスターを除外し、手札/墓地から蟲惑魔モンスターを特殊召喚する効果。
最も基本的な使い方としては、蟲惑魔召喚(召喚時効果発動)→そのモンスターを素材にセラをリンク召喚→園(3)効果でセラを除外して墓地の蟲惑魔を特殊召喚(特殊召喚時効果発動)→そのモンスターを素材にセラをリンク召喚、という流れで蟲惑魔の召喚時効果と特殊召喚効果の発動回数を稼ぐという形であろう。
セラの消費が激しい動きであるが、園(3)効果ではセラも蘇生可能であり、損失をカバーすることは可能である。
※蘇生したセラは罠耐性がないことに注意
セラ存在下で蟲惑魔を特殊召喚し、セラの穴セット効果を狙いにいくことも可能。これにより《教導の聖女エクレシア》や機界騎士(ジャックナイツ)等、汎用的な特殊召喚モンスターから落とし穴にアクセスすることが可能になった。
例:トリオン+エクレシア+園が初動、トリオン召喚(落とし穴1枚目サーチ)→セラリンク召喚→エクレシア特殊召喚→園効果でエクレシアを除外しトリオン特殊召喚、強制効果発動→セラの穴セット効果発動(落とし穴2枚目セット)
セラの特殊召喚効果では「同名モンスターが自分フィールドに存在しない」蟲惑魔しか特殊召喚できず、目当ての蟲惑魔を特殊召喚できない状況も散見されたが、園の効果で除外すればその縛りを解除することも可能。
他には《三戦の才》や《大捕り物》等でコントロール奪取したモンスターをコストとして除去したり、毎ターンフレシアを蘇生して耐性付与により盤面を強固にしたり、アティプスを蘇生して《アクセスコード・トーカー》等の高リンクモンスターに繋げたり攻撃力を稼いだりと、活躍の幅は広そうだ。
★アクセス+アティプスの総攻撃力は8100であり、ワンショットキルに届く
(1)(2)(3)いずれの効果も優秀であることからこのカードを過大評価しがちになるが、このカード自体、「妨害能力がない」「事故解消能力が低い」「強く使うためには、本来望ましくない手札の蟲惑魔被りを積極的に招く必要がある(構築ごと変えることが求められる)」「通常罠ではない」といった性質を抱えることも加味して評価していきたい。
プティカの蟲惑魔
(1)効果
《蟲惑の園》のサーチ。
同カードが召喚権追加効果を持つことから、プティカと他の蟲惑魔モンスター1体を重ねて引いても召喚権被りが生じないため、プティカはジーナやキノに続く「他の蟲惑魔とダブって引いても問題ない蟲惑魔」であるといえる。
一方で、この効果に妨害を撃たれると、ダブって引いた、プティカを含め全ての蟲惑魔(キノやジーナ以外)が召喚権不足という枷により行き場を失うことになる。
さらに、次に述べるとおり、このモンスターはそもそも妨害を受けやすいという性質も理解しておく必要がある。
召喚権追加という性質上、プティカを引いている場合はプティカを最初に召喚することが多くなると考えられる(プティカの召喚は後回しにできず、他のモンスターを召喚する場合は手札でプティカが行き場を失う)
セラに《無限泡影》が効かないうえ、セラ成立後はセラの効果を誘発させてしまう同カードを撃ちづらいことから、セラ成立前の蟲惑魔召喚時(すなわちプティカの召喚時)に泡影を撃つプレイングが相手視点では合理的である
園のサーチを許すことはその後の展開と盤面維持を許すこととほぼ同義であり、相手視点で明確な妨害ポイントになっている
「園があるから」「プティカがいるから」という理由でデッキ内の蟲惑魔の濃度を高めていくことは、妨害1つで手札全体が機能停止になるリスクと隣り合わせであることは強調しておきたい。
(2)効果
特殊召喚した「場合の任意効果」(ティオ違ってタイミングを逃さない!)で、相手モンスター1体の一時除外。
この効果を適用した次のスタンバイフェイズに相手は除外されているモンスター1体を帰還させることができるが、プティカ効果で除外したモンスター以外も特殊召喚可能な点には注意すべきであり、安直に狂惑の除外効果を使用すると自分の首を絞める可能性がある。
メジャーな一時除外と異なり、「戻す」ではなく「特殊召喚する」であるため、その特殊召喚時に落とし穴を発動することができる。「狡猾と狂惑以外の落とし穴は既に場にいるモンスターに対処できない」という落とし穴の弱点を克服できるほか、特殊召喚が自分のターンに行われるようにすれば(すなわち相手ターンにプティカを特殊召喚すれば)、「狡猾と絶縁以外の落とし穴は自分のターンに発動できず、セラ効果の誘発に使うことができない」という展開の難しさの克服にも繋がる。
相手ターンにセラの効果で特殊召喚すれば相手の展開を鈍化せることができたり、自分の後攻時に「プティカ召喚、効果で園サーチ→プティカを素材にセラリンク召喚→園効果でセラを除外してプティカを特殊召喚、効果で相手モンスター除外→プティカ素材にセラリンク召喚」という流れで除去を挟みつつ「セラ+園(すなわち召喚権)」を構えて後攻展開を始めることができたりと、従来の蟲惑魔の弱点を大きく改善するポテンシャル秘める。
なお、シトリス存在下でこの除外効果を発動すると、除外したモンスターをシトリスのX素材として吸収できるため、そのモンスターの完全除去が成立する。
(3)効果
いつもの耐性。
蟲惑の誘い
(1)効果
星4昆虫/植物または通常罠をコストとした2ドロー。
ドローソースに期待することといえば手札増強や事故解消、手札の質向上が挙げられるが、まずコストを要求が足を引っ張って手札増強にはならない。
事故解消については、手札に罠が無い時に手札でダブった蟲惑魔をコストに罠をドロー、あるいは蟲惑魔が手札に無い時に通常罠をコストに蟲惑魔をドローできたら理想的であるが、果たしてそのような理想的な使い方ができるか冷静に考えていきたい。
そもそも、このカードの採用にあたって、基本的には蟲惑魔モンスターではなく罠カードを減らし、その枠にこのカードを投入するケースが多いと考えられる。
というのも、蟲惑魔モンスターは初動であり枚数を削りにくい一方、個々のカードで考えれば使わない(引けない)可能性の高い罠は削っても戦略レベルに影響しづらいからである。その前提に立った時、「蟲惑魔ばかり引いたけど誘いによって事故が解消できた」というケースにおいて、そもそも手札の誘いが罠カードなら事故っていないという強い反論を許すことになる。
罠ばかりに偏ったケースにおいては、蟲惑魔を引くまで罠で耐久する選択肢もとれるが、誘いによって蟲惑魔を引きにいく選択肢をとった場合、初手5枚を除くデッキ35枚中蟲惑魔が15枚(多め想定)入っているとして、2枚ドローによって蟲惑魔を引く確率は68%と信用に足らない数字である。同じケースにおいて《金満で謙虚な壺》を発動し6枚めくった場合は98%であり、その信用度は大きく差がある。
金謙の例を持ち出したが、誘いの効果はドローであり金謙の制約とバッティングするため、誘いか金謙どちらかしか同一ターンに発動できない点も誘いの評価を下げる一因である。
手札の質向上についても、蟲惑魔デッキの主要な構成要素である蟲惑魔や通常罠をランダムに変換したところで果たして質向上につながるのか、そもそも誘い自体が罠だったら問題ないのではないかという疑問は尽きない。
また、発動時のコスト要求があるため、相手に《灰流うらら》をチェーンされると自分は「誘い+コスト」を損失しているのに対し相手は灰流1枚しか損失していないため、いわゆる“1:2交換”を許すことになる。
ここまでネガティブな意見ばかり述べたが、手札が強い時のこのカードはそこそこ強力で、ティオ召喚時効果の蘇生対象を用意できたり、セラやプティカといった灰流がクリティカルヒットするカードに対する灰流を回避できる可能性があったりといったメリットは存在する。
墓地で活躍する蟲惑魔や通常罠が少ない現状、早い話、このカードの評価は「別に手札が増えるわけでもなく、蟲惑魔デッキにおいて重要な要素である蟲惑魔と通常罠を捨て、灰流を撃たれるリスクを負ってまでドローしたいカードがあるか?」という問いに集約される。
(2)効果
蟲惑魔デッキにおいて、蟲惑魔や通常罠が除外されている状況がそもそも多くないが、そういった状況下で発動しても除外されている特定のカードをデッキに戻すだけで、(1)の効果とともにアドバンテージを得る効果ではない。
この状況を蟲惑魔内で創り出されるとすれば、ティオ効果でセットしたけど発動せずに除外された罠、リセ効果でセットした後に除外された罠、アティプス効果で除外した罠、墓地効果で除外したジーナ、園の効果で除外した蟲惑魔等がデッキに戻すカードとして挙げられる。
落とし穴の貧弱さを憂慮して構築段階で落とし穴の枚数を減らしている場合、デッキ内の落とし穴が枯渇するケースもあるので、そういった場面でデッキ内のリソース回復が有効になるかもしれない。
狡猾軸のように墓地の罠を積極的に除外するデッキタイプにおいて、除外された罠は基本的に再利用不可であるが、この効果でデッキに戻せば再利用可能になる。なお、狡猾軸においては(1)効果で罠を墓地に落とすと自分の首を絞めることになるため、このカードは基本的に採用されないと考えられる。
ホールティアの蟲惑魔
要点
「ホール」名称の通常罠であり、トリオン、セラからアクセス可能
「蟲惑魔」名称のモンスターであり、セラの素材になれる
レベル4植物族
誘発貫通&初動安定化&初動展開強化
自分のターンに能動的に使える穴
墓地効果は墓地に送られたターンにも発動可能で、レベルや表示形式の指定がないことからセラやクラリア、フレシアも蘇生可能
墓地に溜まらない通常罠(狡猾とバッティングしない)
(1)効果
「ホール」名称の通常罠であり、トリオン、セラ等からアクセス可能。
通常罠を手札コストにしてセットしたターンに発動可能であり、先攻においてセラ効果でセットしたりトリオン効果でサーチしたりする形で容易に展開に絡めることができる。
レベル4でありシトリスや《深淵に潜むもの》、《クロノダイバー・リダン》等のランク4エクシーズの素材になれる点、植物族でありクラリアの素材になれる点も非常に展開で活用しやすい。
展開の種類は非常に多いため、2枚初動で不純物少なめの展開に限って後述する。
蟲惑魔召喚時効果を無効にされた場合でも、セラ成立後にこのカードを発動すれば強力な展開が可能であり、”誘発貫通”的な側面も有する。
発動後は「蟲惑魔」名称のモンスターであり、セラのリンク素材になれることから、蟲惑魔モンスターの召喚時に除去を撃たれてセラが成立不可になった状況から強引にセラ成立に向かうことができる。
貴重な自分のターンにおいて能動的に使用可能な穴である点を活かし、初動での使用に限らず、相手ターンにセラ効果でセットし、返しのターンで強く展開する役割としても強力。
(2)効果
墓地効果は墓地に送られたターンにも発動可能で、レベルや表示形式等の指定がないことからセラやクラリア、フレシアも蘇生可能。
フレシアを蘇生して耐性を付与したり、アトラを蘇生して罠の無効化を防いだり、プティカを蘇生して除去を行ったりと活用の幅は非常に広い。
墓地に溜まらない通常罠であり、狡猾と競合しない点も非常に嬉しい。
細かいプレイングとしては、セラが存在する状況において、通常罠と同一チェーン上でこの効果を発動し、プティカまたはティオといった特殊召喚時効果を有する蟲惑魔モンスターを蘇生した場合、セラのリクルート効果をチェーン1、特殊召喚した蟲惑魔の効果をチェーン2とすることで、セラに効果に灰流を撃たせないプレイングが可能。
※ティオを蘇生する場合、ホールティア(2)効果をチェーン1にしないとティオ効果がタイミングを逃す。
※トリオンの特殊召喚時効果は強制効果であり、チェーン1がトリオン、チェーン2がセラになってしまう
以上、非常に強力なカードであることは疑いようもないが、1枚でも十分に展開力向上に寄与すること、蟲惑魔というテーマの課題である後攻時の弱さの改善にはあまり寄与しないことから、3枚採用はややピーキーな印象。
ホールティア2枚初動基本展開
穴:「落とし穴」+「ホール」両方をまとめた名称とする
①トリオン+穴:攻めの型
→セラ+クラリア+シトリス+キノ+狡猾+穴
”クラリア狡猾”+”プティカシトリス”の構え
トリオン召喚、効果でホールティアサーチ(初手にホールティアがある場合、任意の穴をサーチ)
トリオンを素材にセラをリンク召喚
ホールティアセット、手札の穴をコストに発動
セラのリクルート効果発動、デッキからティオを特殊召喚
ティオの特殊召喚時効果発動、3でコストにした墓地の穴をセット
セラの穴セット効果発動、デッキから狡猾セット
ティオ+ホールティアでシトリスをX召喚
シトリス効果発動、デッキからキノをサーチ
キノ効果発動、自身を手札から特殊召喚
シトリス+キノを素材にクラリアをリンク召喚
(エンド時)クラリア効果発動、墓地からキノを特殊召喚
(相手ターンドローフェイズ)ホールティア墓地効果発動、墓地からシトリスを特殊召喚 ※ここで墓地の罠が0枚になる
(相手の展開にあわせて)狡猾発動、クラリアの効果で再セット
セラのリクルート効果発動、デッキからプティカを特殊召喚
プティカ特殊召喚時効果発動、相手モンスターを除外
シトリス効果発動、手順15で除外した相手モンスターをX素材化
②トリオン+穴:守りの型
→セラ+クラリア+フレシア(X素材無)+狡猾+穴
”クラリア狡猾”+フレシアによる耐性付与の構え
展開例①の手順6から分岐
ティオ+ホールティアを素材にフレシアをX召喚
フレシア+セラを素材にクラリアをリンク召喚
(エンド時)クラリア効果発動、墓地からフレシアを特殊召喚
(相手ターンドローフェイズ)ホールティア墓地効果発動、墓地からセラを特殊召喚 ※ここで墓地の罠が0枚になる
(相手の展開にあわせて)狡猾発動、クラリアの効果で再セット
セラのリクルート効果発動、デッキからプティカやトリオン等を特殊召喚
③ランカ+穴:守りの型
→セラ+クラリア+フレシア(X素材無)+キノ+穴
”クラリア穴”+フレシアによる耐性付与の構え
ランカ召喚、効果でキノサーチ
ランカを素材にセラをリンク召喚
手札のキノ効果発動、自身を特殊召喚
セラの穴セット効果発動、デッキからホールティアをセット
手札の穴をコストにホールティア発動
セラのリクルート効果発動、デッキからティオを特殊召喚
ティオの特殊召喚時効果発動、5でコストにした墓地の穴をセット
ティオ+ホールティアを素材にフレシアをX召喚
フレシア+セラを素材にクラリアをリンク召喚
(エンド時)クラリア効果発動、墓地からフレシアを特殊召喚
(相手ターンドローフェイズ)ホールティア墓地効果発動、墓地からセラを特殊召喚 ※ここで墓地の罠が0枚になる
(相手の展開にあわせて)穴発動、クラリアの効果で再セット
セラのリクルート効果発動、デッキからプティカやトリオン等を特殊召喚
展開例②より妨害数が1つ少ない代わりにキノが追加される。
展開例①と同様に攻めの展開をする場合、キノ効果を展開序盤で使用しているため、シトリス効果でサーチしたキノが相手ターンにしか特殊召喚できず、少し無駄が生じる。
④ランカ+園:最強展開
→セラ+クラリア+フレシア(X素材有)+シトリス+狡猾
”クラリア狡猾”+”プティカシトリス”+フレシアによる耐性付与+デッキから穴の構え
ランカ召喚、効果でトリオンサーチ
ランカを素材にセラをリンク召喚
園発動、効果でトリオン召喚、効果で狡猾サーチ
セラの穴セット効果発動、ホールティアセット
手札の狡猾をコストにホールティア発動
セラのリクルート効果発動、デッキからティオを特殊召喚
ティオの特殊召喚時効果発動、5でコストにした狡猾を墓地からセット
ティオ+ホールティアを素材にシトリスをX召喚
シトリス効果発動、デッキからキノサーチ
手札のキノ効果発動、自身を特殊召喚
キノ+トリオンを素材にフレシアをX召喚
シトリス+セラを素材にクラリアをリンク召喚
(エンド時)クラリア効果発動、墓地からシトリスを特殊召喚
(相手ターンドローフェイズ)ホールティア墓地効果発動、墓地からセラを特殊召喚 ※ここで墓地の罠が0枚になる
(相手の展開にあわせて)狡猾発動、クラリアの効果で再セット
セラのリクルート効果発動、デッキからプティカやトリオン等を特殊召喚
(相手の展開にあわせて)フレシア効果発動、穴適用
展開例⑤(プティカ+トリオン初動)と並んで、蟲惑魔デッキにおける不純物なしの最高展開であると考えられる。
手順13で守備力300しかないシトリスが守備表示で蘇生されるが、フレシア効果と園効果で戦闘耐性を獲得している
⑤プティカ+トリオン:最強展開
→セラ+クラリア+フレシア(X素材有)+シトリス+狡猾+穴
”クラリア狡猾”+”プティカシトリス”+フレシアによる耐性付与+デッキから穴の構え
プティカ召喚、効果で園サーチ
プティカを素材にセラをリンク召喚
園発動、効果でトリオンを召喚、効果で狡猾サーチ
以降展開例④と同様
なお、クラリアを経ない次のような変形がある。
上の展開では「狡猾による2枚破壊」と「プティカ+シトリスによる1枚除去」が同時に発生するのに対し、こちらはフレシアのX素材として墓地に送ったホールティアの効果により好きなタイミングでプティカを特殊召喚することで、異なるタイミングで除去を発動でき、利便性の面で優れる。
上の展開と異なりティオの消費が激しい(ティオ2枚採用の場合、返しのターンにシトリスでサーチするティオが枯渇する)こと、フレシアで耐性付与されたクラリアによるリソース維持能力が発揮できないことが気になるが、手札や構築、環境をみて展開を使い分けたい。
⑥プティカ+トリオン:後攻ワンショット
→シトリス(2500)+アロメルス(2200)+トリオン(1600)+ティオ(1700)=8000ダメージ
展開例④の手順9から分岐
シトリス効果発動(ティオをコストに)、デッキからキノサーチ
キノ+トリオンを素材にアロメルスをX召喚
アロメルス効果発動、墓地のティオを特殊召喚
園効果発動、セラを除外してトリオンを特殊召喚
キルに失敗してもセラ+クラリア+シトリス+キノ+狡猾を構えることができ、リソースを失わないためワンショットキルではなく単純にダメージを加速する目的でも◎
⑦プティカ+ランカ ※アトラ使用
→セラ+クラリア+フレシア(X素材無)+ティオ+狡猾
”クラリア狡猾”+フレシアによる耐性付与の構え
※アトラ採用型における、ホールティアの発動コストが捻出できない場合の展開テクニックの提示的な側面が強い。
捻出できる場合は展開例④と同様の形で展開する。
プティカ召喚、効果で園サーチ
プティカを素材にセラをリンク召喚
園発動、効果でランカを召喚、効果でアトラをサーチ
セラの穴セット効果発動、ホールティアセット
ランカ効果発動、ホールティアを手札に戻す
園効果発動、ランカを除外して手札のアトラを特殊召喚
(アトラ効果適用、ノーコスト)手札からホールティア発動、自身を特殊召喚
セラのリクルート効果発動、デッキからティオを特殊召喚
ティオ+アトラを素材にシトリスをX召喚
シトリス効果発動、デッキからキノをサーチ
手札のキノ効果発動、自身を特殊召喚
キノ+ホールティアを素材にフレシアをX召喚
フレシア効果発動(キノをコストに)、シトリス+セラを対象にとってデッキから狡猾適用 ※フレシアの耐性付与により破壊されない
シトリス+フレシアを素材にクラリアをリンク召喚
(エンド時)クラリア効果発動、墓地からティオを特殊召喚
ティオの特殊召喚時効果発動、13で墓地に送った狡猾をセット
(相手ターンドローフェイズ)ホールティア墓地効果発動、墓地からフレシアを特殊召喚 ※ここで墓地の罠が0枚になる
(相手の展開にあわせて)狡猾発動、クラリアの効果で再セット
セラのリクルート効果発動、デッキからプティカやトリオン等を特殊召喚
ランカもプティカも手札に罠を供給できないことから、アトラ不採用型において手札に通常罠がない場合はホールティア展開は不可であり、セラ+クラリア+キノ+園+狡猾のような形になる。
ホールティア展開とは関係ないが、手順4でセットする穴を狡猾にすることで後攻最強の動きである”アトラ狡猾”が可能になる形であり、こちらも記憶しておきたい。
⑧プティカ+ティオ+穴:結界像ロック
→セラ+クラリア+シトリス+干ばつの結界像+穴
”クラリア狡猾”+”プティカシトリス”+結界像の構え
プティカ召喚、効果で園サーチ
プティカを素材にセラをリンク召喚
園発動、効果でティオを召喚、効果でプティカ特殊召喚
セラの穴セット効果発動、ホールティアセット
プティカ+ティオで《御影志士》をX召喚
御影効果発動、デッキから《干ばつの結界像》サーチ
手札の穴をコストにホールティア発動
セラのリクルート効果発動、ティオを特殊召喚
ティオの特殊召喚時効果発動、7でコストにした穴をセット
ティオ+ホールティアを素材にシトリスをX召喚
シトリス効果発動(ティオをコストに)、キノをサーチ
手札のキノ効果発動、自身を特殊召喚
園効果発動、御影を除外して墓地のティオを特殊召喚
キノ+ティオを素材に《神羊樹バロメット》をX召喚
シトリス+セラを素材にクラリアをリンク召喚
(エンド時)クラリア効果発動、墓地からシトリスを特殊召喚
(相手ターンドローフェイズ)ホールティア墓地効果発動、墓地からセラを特殊召喚 ※ここで墓地の罠が0枚になる
(相手ターン)穴発動
チェーン1でセラのリクルート効果、チェーン2でバロメット効果発動
(逆順処理)バロメット効果で手札の結界像特殊召喚、セラ効果でプティカを特殊召喚
プティカ特殊召喚時効果発動、相手モンスターを除外
シトリス効果発動、手順21で除外した相手モンスターをX素材化
※結界像不採用の場合は展開例⑤を参考に、キノを場に残しながら展開することで次の形になる
セラ+クラリア+フレシア(X素材有)+シトリス+キノ+穴
”クラリア穴”+”プティカシトリス”+フレシアによる耐性付与+デッキから穴の構え
⑨トリオン+キノ:2妨害+リソース
→セラ+フレシア(X素材有)+キノ+狡猾
トリオン召喚、効果で狡猾サーチ
トリオンを素材にセラをリンク召喚
手札のキノの効果発動、自身を特殊召喚
セラの穴セット効果発動、ホールティアをセット
手札の狡猾をコストにホールティア発動
セラのリクルート効果発動、デッキからティオを特殊召喚
ティオの特殊召喚時効果発動、5でコストにした墓地の狡猾をセット
ホールティア+ティオでフレシアをX召喚
展開にホールティアの墓地効果を使わないため、返しのターンにおける展開リソースになる。
フレシア+キノが並ぶとモンスターにもセットした魔法罠にも耐性が付与され、非常に強固な盤面になる。
未来の構築の可能性
初動で蟲惑魔で目指すべき盤面はとりあえずセラ+罠であるが、これに繋がる単体初動はトリオンと(キノ採用時の)ランカがまず挙げられる。
そして、先で述べた通り、レベル4が2体並べばセラ+罠を作ることができるようになったので、手札1枚からランク4を作ることを主眼においた構築も可能になった。
本項では、それが可能なカードの案について示す。
カード案については、「コンパクトさ」「初動枚数」「事故回避」の3項目で独自に評価し、それを5段階で評価した。
「★★★★☆」は5段階中の評価4を表す。
コンパクトさ
必要な枠が少なく、蟲惑魔に関係ないカードの採用が少ないほど高評価
★が多いほどコンパクト
初動枚数
サーチカードを含め、単体初動として機能するカードの枚数が多いほど高評価
★が多いほど枚数が多い
事故回避
デッキに特定のカードがないと発動できない、蟲惑魔に関係ないカードをたくさん採用しなければならない場合は低評価
★が多いほど事故率が低い
【1】フォーマッドスキッパー
(メイン)
スキッパー 3
パラレルエクシード 2-3
サイバネット・マイニング 0-3
ワン・フォー・ワン 0-1 (制限)
(EX)
閃刀姫-カガリ 1
閃刀姫-ハヤテ 1
コンパクトさ:★★★★★
初動枚数:★★★★☆ (最大3枚+3枚+1枚)
事故回避:★★★★★
(展開)
スキッパー効果でハヤテ名称&風属性に変化
カガリL召喚
スキッパー効果でパラレルエクシードサーチ
カガリ素材でハヤテL召喚
4.↑をトリガーにパラレル特殊召喚
パラレル効果でパラレル特殊召喚
シトリス展開
この出張の優れている点は、なんといってもスキッパーもパラレルも蟲惑魔デッキに普通に採用されうるカードであるという点である。
ゆえに事故率も低く、すんなりデッキに溶け込むことは間違いない。
スキッパー召喚時に増Gを撃たれた場合、スキッパー効果で自身を「セラの蟲惑魔」名称にし、そのままセラをリンク召喚することでドロー1枚に抑えることも可能。
手札コストこそ必要だが、《サイバネット・マイニング》や《ワン・フォー・ワン》により初動枚数を増やすことができる。
特に後者は蟲惑魔にとって念願の「召喚権を使わない1枚初動」として、召喚した蟲惑魔に妨害を受けた後のリカバリーや展開が通った後の上振れカードとしても活躍することが期待される。
スキッパーからサーチ可能なカードとして、パラレルエクシード以外に《人攻智能ME-PSY-YA》を採用し、相手の魔法罠の墓地利用を防いだり、狡猾の発動条件を満たしやすくしたりといった工夫も可能。
パラレルも召喚可能な攻撃力1000以下のモンスター(手札誘発等)との組み合わせでランク4を作れるほか、蟲惑魔を引いている場合に展開を伸ばすための上振れ札としても強力。
パラレル2体から《スプラッシュ・メイジ》をL召喚し、その効果でスキッパー蘇生することで、リンク4まで伸びる展開になるため、《アクセスコード・トーカー》等によるフィニッシュを狙うの形も考えられる。
【2】スクラップ・ラプター
(メイン)
ラプター 3
スクラップ・キマイラ 1
化石調査 0-3
スクラップ・エリア 0-3
(EX)
なし
コンパクトさ:★★★★☆
初動枚数:★★★★★ (最大3枚+3枚+3枚)
事故回避:★★★★☆
(展開)
ラプター召喚
ラプター効果発動、自身を破壊し召喚権追加
ラプターキマイラサーチ
キマイラ召喚
キマイラ効果発動、墓地からラプター特殊召喚
シトリス展開
この出張の魅力は初動枚数の多さと、《化石調査》が相手の灰流を消費させるカードになりうる点にある。
しかし、ラプターが通る前提なら専用デッキでもっと派手に展開した方が強力という反論(論点のすり替え)は当然あると思われる。
【3】レスキューラビット
(メイン)
レスキューラビット 3
昆虫族レベル4の通常モンスター 2-3
(EX)
なし
コンパクトさ:★★★☆☆
初動枚数:★★☆☆☆ (最大3枚)
事故回避:★★★☆☆
(展開)
ラビット召喚
ラビット効果でデッキから昆虫族レベル4の通常モンスター2体を特殊召喚
シトリス展開
この出張の魅力は、《G・ボールパーク》や《ゴキポール》等を採用して昆虫族厚めの構築にできる拡張性がある点、レスキューラビットの効果で特殊召喚した昆虫族モンスターから直接クラリアが特殊召喚可能な点にある。
【4】終末の騎士
(メイン)
終末の騎士 1 (制限)
幻影騎士団サイレントブーツ 1-2
幻影騎士団シェード・ブリガンダイン 1-3
増援 1 (制限)
(EX)
なし
コンパクトさ:★★★☆☆
初動枚数:★☆☆☆☆ (最大1枚+1枚)
事故回避:★★★☆☆
(展開)
①終末召喚
②終末の効果で、デッキからブーツを墓地に送る。
③ブーツ墓地効果発動、ブリガンサーチ
④ブリガンセット、そのまま発動
この出張の魅力は、ブリガン自体が蟲惑魔デッキと親和性が高いため空いたスペースに採用しやすい点、他の墓地効果もち闇属性に対する拡張性が高い点にある。
終末が無制限に緩和される未来があれば採用を検討したい。
【5】ヒーローアライブ
(メイン)
ヒーローアライブ3
E・HERO エアーマン 2
(EX)
なし
コンパクトさ:★★★☆☆
初動枚数:★★☆☆☆ (最大3枚)
事故回避:★★☆☆☆
(展開)
アライブ発動、デッキからエアーマン1特殊召喚
エアーマン1効果でエアーマン2サーチ
エアーマン2召喚
(任意)エアーマン2効果で魔法罠除去
シトリス展開
この出張の魅力は、アライブを単純にレベル4を1体立てるだけのカードとして使うことができる点、エアーマンでサーチしたエアーマンを手札コストとして使用することもできる点、2体目のエアーマン召喚時に魔法罠除去が可能な点にある。
アライブは自分のライフを半分にすること、自分のフィールドにモンスターが存在する場合には発動できないことに注意したい。
【6】クロノダイバー・レギュレーター
(メイン)
クロノダイバー・レギュレーター 3
クロノダイバー・ベゼルシップ 1-2
クロノダイバー・リューズ 1
クロノダイバー・アジャスター 0-1
(EX)
なし
コンパクトさ:★★☆☆☆
初動枚数:★★☆☆☆ (最大3枚)
事故回避:★★☆☆☆
(展開)
レギュ召喚
レギュ効果で自身リリースしてデッキからベゼル+リューズ特殊召喚
(任意)リューズ効果でクロノダイバーカードをサーチ
ベゼル+リューズ素材にシトリスX召喚
シトリス効果でキノサーチ
ベゼル墓地効果発動、シトリスの素材取り除いて自身を墓地から特殊召喚
以下略
この出張の魅力は、シトリスのX素材を取り除いて墓地からベゼルを特殊召喚することで、最終的にキノ+ベゼルで《フレシアの蟲惑魔》等のランク4、セラ+キノ+ベゼルで《アティプスの蟲惑魔》等のリンク3を立てられる点にある。
この際、キノの制約で昆虫/植物族しかEXから出せなくなっていることに注意したい。
問題点はいくつかあるが顕著なものは次の3点で、採用にあたってはこれを許容する必要がある。
ベゼル以外のクロノダイバーと蟲惑魔にシナジーが薄く、事故要因になる(実際はベゼルですら事故要因になる)
レギュレーターの効果はデッキからしか特殊召喚できないうえ、レギュレータ自身は特殊召喚不可かつ同名モンスターは特殊召喚不可であり、カード名がバラバラなクロノダイバーを複数採用する必要がある
レギュレーターの効果は自分フィールドに他のモンスターが存在しない場合にしか発動できず、2ターン目以降は発動すらできないリスクがつきまとう
【7】おろかな副葬
(メイン)
副葬3
救いの架け橋1-2
宝玉獣 サファイア・ペガサス3
究極宝玉獣 レインボー・ドラゴン1
究極宝玉神モンスター 1-2
(EX)
なし
コンパクトさ:★☆☆☆☆
初動枚数:★★★☆☆ (最大3枚+3枚)
事故回避:★☆☆☆☆
(展開)
副葬発動、救いの架け橋墓地へ
架け橋効果で《蟲惑の園》とペガサスサーチ
ペガサス召喚
ペガサス効果で獣レインボーを宝玉化
獣効果でペガサス特殊召喚
ペガサス×2でシトリスX召喚
シトリス効果で蟲惑魔サーチ
《蟲惑の園》発動、効果で手順7においてサーチした蟲惑魔を召喚
この出張の魅力は、ペガサス単体で引いた場合もランク4を立てられる点、副葬で墓地に送るカードとしてホールティアも選択可能な点、そして何より架け橋の効果でデッキから《蟲惑の園》をサーチ可能な点にある。
《蟲惑の園》の召喚権追加によりサーチした蟲惑魔の召喚が可能であり、展開の伸び方は凄まじい。
セラ+シトリス+キノ+落とし穴を構え、相手ターンにプティカを特殊召喚してその効果でモンスター除外、除外したモンスターをシトリスで吸収といった動きも可能。
ただし、評価の星が示すように、事故が非常に怖く、かつ枠が嵩む出張になっている。というのも、
副葬→デッキから落とすため、架け橋が全て手札に来ると展開不成立(手札に来た架け橋は《ホールティアの蟲惑魔》や《蟲惑の誘い》で墓地に送ることは可能)
究極宝玉獣→デッキから宝玉獣特殊召喚&デッキから究極宝玉神サーチ(強制)なので、いずれか一方でもデッキにいないと展開不成立
架け橋や究極宝玉神は単体で仕事が無く完全な事故要因であるが、デッキに存在しないと展開が成立しないというジレンマを抱える。究極宝玉獣自体も事故要因。
さいごに
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