【結界像/Gサーチ】春化精狡猾軸蟲惑魔詳論
構築
今回のサンプルレシピは次の通り。
本デッキとメイン40枚とEX13枚を同じくする構築にて、45人規模の大会「すりみCS」で優勝を達成した。
これは《S:Pリトルナイト》登場以前の結果であり、春化精蟲惑魔は同カードを非常に上手く活用できるデッキであるため、今回解説するデッキは優勝当時より強力になっている。
概要
先攻では「セラ+結界像+狡猾」あるいは「セラ+マスカレーナ+狡猾 & 増Gサーチ」といった形を基本展開とする、妨害を前後(+手札)に構えるタイプの展開系。
結界像/増Gが手数による捲りを拒否/抑止できる構造となっており、使い切りであり手数で越えられやすいという落とし穴の弱点をカバーしている。
また、結界像の戦闘破壊を狡猾やバグースカによって防ぐことができ、特にバグースカは結界像突破に繋がる召喚時効果(*)すら封じることのできる鉄壁の布陣である。
*《蛇眼の炎燐》の召喚時効果から《反逆の罪宝-スネークアイ》をサーチ等
搭載したメインシステムは「狡猾ループ」と呼ばれる、ティオの特殊召喚時効果等で狡猾を使い回し、往復ターンで相手のモンスターを破壊しつつセラ効果でモンスターを増やし続けるというもので、蟲惑魔デッキの中でも「狡猾軸」として異質なアーキタイプを形成している。
狡猾ループを回転させながら盤面をコントロールし、隙を作って勝負を決める、曲芸のようなプレイングを楽しむことができる。
本デッキは「春化精」ギミックを導入し、初動の安定感と手数の多さを重視して構築している。
1枚初動が4枚、コスト要求1枚初動が9枚、その他複数パターンの組み合わせ初動等、多くの初動を搭載している。
先攻において相手の妨害を考慮せずに最大値を目指す場合、「セラ+結界像+狡猾」以上の盤面は60%を超える初手で到達し、「セラ+罠」にも到達できない確率(事故率)は約7%である。
妨害の存在を考慮しても、誘発は手数で越えたり、セラやシトリスがそもそも《無限泡影》を受けなかったりと盤面形成のハードルが低い。
標準的な蟲惑魔デッキと比較して召喚権への依存度が圧倒的に低く、初動が多いとはいっても”手札に初動が重なると妨害貫通力が無くなる”という構造ではない点も魅力で、手数を活かした妨害貫通を狙うこともできることから展開の再現性は高い。
一方で、罠デッキらしく、少ない手数で妨害にアクセスすることもでき、いわゆる"G受け"は展開系の中では良好な部類といえる。
後攻では豊富な手数を活かし、結界像、バグースカ、狡猾等のカードを並べて捲り/制圧を狙う。
特に結界像は、現代遊戯王の定番である、自分/相手ターンに妨害効果持ちのモンスターを特殊召喚しつつリソースを構える動き(スネークアイ系、炎王系、マスカレーナ、咎姫等)を1枚でシャットアウトできることから、制圧のみならず捲りの起点としても優秀である。
構築思想
蟲惑魔は手数が足りない
蟲惑魔はセラさえ成立すればとりあえず盤面が形になるという強みがあるが、逆に蟲惑魔を除去され、セラが成立しない場合はアドバンテージ面で大きく後れを取る。
また、セラは展開の核も担っており、セラが存在しなければホールティアを絡めた展開もできない。
一方で、蟲惑魔はその展開手段を大部分通常召喚に依存しており、セラを立てるための手数は不足していると評さざるを得ない。
"展開起点が召喚権依存であり蟲惑魔が除去されたら盤面形成も展開も困難"という弱点は蟲惑魔というテーマの後攻での弱さに直結しており、様々な形で手数を補う工夫がなされるのが構築のスタンダードとなっている。
その中でも《幸魂》や《パラレルエクシード》といったモンスターは蟲惑魔に不足しがちな手数を補う手段として広く採用される。
ただし、蟲惑魔が除去された場合、幸魂1体ではランク4Xに繋がらず、パラエクはリンク先が無くなってそもそも出力不可となることから、これらのカードは除去に対して必ずしも手数になるとはいえない。
あらゆるデッキに採用される《S:Pリトルナイト》の存在を考えた時、「相手の先攻展開に増Gや無効系誘発を撃ったのに、妥協展開のリトルナイトが越えられなくて負け」というケースは容易に想像され、召喚権に依存しない手数は以前よりも強く求められるようになったといえる。
そこで、場に蟲惑魔を供給する形(除去に強い形)で手数を稼ぐギミックとして「春化精」を採用することにした。
春化精によって可能になること
春化精は地属性天使族のモンスターを中心としたカテゴリで、「手札から自身と任意のモンスターをコストとして捨てて発動し、固有効果を適用した後、墓地から地属性モンスター(自身含む)を特殊召喚することができる」というのが基本特性である。
召喚権を使用しない(=手数になる)こと、春化精側から蟲惑魔にアクセスできることが採用の決め手となった。
今回採用した春化精モンスターと固有効果の概略は次の通り。
《森と目覚の春化精》:レベル4
デッキ内の地属性モンスターの墓地送り
《丘と芽吹の春化精》:レベル4
同名以外の春化精モンスターのサーチ
《苗と霞の春化精》:レベル3
地属性天使族モンスターのサーチ
「苗→丘→目覚」あるいは「丘→苗→目覚」という形で連鎖するため、苗や丘は3つ分の手数になる。
この手数を用いて召喚権を使わずにシトリスを立てる、あるいは目覚の効果で墓地に送ったゴキポールの効果を発動することでトリオン(最も召喚権を充てたい蟲惑魔、1枚初動)をサーチ可能であり、本デッキは実に13枚のカードからトリオンにアクセスできる設計となっている。
こういった初動の安定性向上はもちろん、春化精共通効果の蘇生効果は蟲惑魔も蘇生可能であるため、除去された蟲惑魔を場に供給する手数になる。
除去を手数で越え、セラをとにかく成立させることの重要性は先に述べた通りである。
蟲惑魔は召喚権依存度が高いため、手札に蟲惑魔が重なって召喚権要求が渋滞すると手札の有効枚数が減ってしまうのが基本特性であり、「セラは立てたい(蟲惑魔は引きたい)一方で、蟲惑魔が手札に重なってほしくない」という二律背反との格闘から蟲惑魔デッキの構築は始まる。
そのような中、重なった蟲惑魔は春化精のコストとして活用できること、そもそも召喚権をトリオンに集約できる設計であり、構築段階で蟲惑魔の採用枚数を抑えられることから、「蟲惑魔を手札に重ねずにセラを立てる」という理想を実現させることができた。
春化精を採用するにあたり、コストとしてモンスターカードが要求されることから、必然的に構築上モンスターの比率は高く、罠の比率は低くなる。
そこで、採用する罠を狡猾のみに絞ってそれを使いまわす「狡猾ループ」システムを導入し、狡猾軸として構築した。
狡猾軸の長所:狡猾の圧倒的性能/構築自由度の増加
多くの落とし穴カードが先攻用、発動タイミングが限定的、アドバンテージ獲得能力が低い、既に場にいるモンスターに対処できないといった課題を抱えているのに対し、狡猾だけは既に場にいるモンスターに対処可能なフリーチェーンで、かつ2枚破壊と破格の性能である。
後攻で捲りにいく際にも活用できることから、狡猾軸は後攻の動きを素引きの汎用罠に依存せず、ギミック内で完結させるという発想で構築される。
狡猾は当然先攻でも強力であるため、先攻札/後攻札を狡猾に一本化でき、かつ既に場にいるモンスターを処理するための罠が採用不要になるので、採用枠を圧縮できる。
狡猾軸の短所:罠採用が困難/盤面形成が不安定
一方で、狡猾は"罠が墓地にあると発動不可"という特性から、《無限泡影》等の汎用罠との共存がやや難しく、そのまま構築すれば罠による対応力や妨害力が下がるというのが懸念点である。
また、構築に罠が少ないということで、召喚した蟲惑魔の効果に妨害を撃たれた場合に手札に罠が無く、「セラ+罠」すら作れないシーンも当然増え、盤面形成が不安定になる点は課題といる。
そもそも狡猾軸自体、罠が少なく妨害数が不足しがちであり、モンスター側でも妨害を構える形が求められる。
盤面形成の不安定性、モンスター側で妨害を構える重要性から、狡猾軸は手数が多い形で構築するのが妥当であるというのが私の理論である。
春化精に関する一般論と筆者の認識
春化精型は灰流が重い?
これは間違いなく真であるが、アドバンテージやゲーム展開の観点からはセラに撃たれる灰流の方が重く、春化精が灰流を受けてくれるならOKという場面が多いのもまた真である。
狡猾軸においてセラが止められるということは、後続と妨害の確保が絶たれ、墓地に罠が溜まることで狡猾が機能しなくなるということであり、潜在的にはカードアドバンテージ-3程度(特殊召喚されるはずの蟲惑魔・その蟲惑魔の効果・続くセラの穴セット効果)と重く、かつ狡猾ループというデッキのエンジンが止まることによるテンポアドバンテージの損失も無視できない。
特に、相手ターンにおいてセラに灰流を撃たれるとかなり苦しくなることは誰もが経験する。
一方で春化精が受ける灰流はカードアドバンテージこそ-1であるが、召喚権は使わないため、そこからのリカバリーやエンジンの起動は可能である。
イメージとしては、セラが目標であるのに対し、春化精は数ある手段の1つにすぎず、他の手段も(ギリギリではあるが)選べるといったところである。
春化精はG受けが悪い?
前提として、春化精がGを受けるのは多くの場合2回目の効果発動時であり、1回目の春化精効果には増Gを撃たないのが定石のプレイである。(相手目線、1回目にGを撃つと灰流やγに無効化されるが、2回目以降なら春化精の制約でそれらは発動されない)
また、春化精の蘇生効果の適用は任意であり、たとえば目覚の効果でゴキポールを落として蘇生効果は破棄、ゴキポール効果でサーチしたトリオンを召喚するだけでストップすることもできる。
そのうえで、春化精型蟲惑魔のG受けは主に次の3パターンを基本とする形になる。
「春化精が絡むG受け展開例」の章にて詳述
『リトルナイト & 手札に増G』:特殊召喚2回
『結界像+セラ+狡猾』:特殊召喚2回
『セラ+狡猾』or『バグースカ+狡猾』:特殊召喚2回
特に1や2は本デッキを代表するG受けの形であるが、2024年の環境デッキと比較して決して悪い形ではなく、ここに素引きの狡猾や墓地のムドラが乗ってくるので、むしろ展開系の中では優秀な部類であるといえる。
そもそも蟲惑魔デッキ自体、《パラレルエクシード》発動時(→0妨害・相手1ドロー)やホールティア発動時(→穴2枚・相手2ドロー)等、相手が上級者である場合はG受けが良いとは言い切れないデッキである。
春化精型は罠の採用枚数が少ないため、Gストップ時の罠による妨害が少ない点は確かに不安要素である。
しかし、春化精型は増Gサーチや結界像設置の形でGを受け、相手ターンの手数を大きく抑制することができるという固有の強みがある。
また、ホールティア発動時やパラエク発動時等のクリティカルなタイミングより前に"増Gを撃たせることができる"という点は見逃せない。
すなわち、春化精型がG受けが悪いという言説はイメージが先行している印象はある。
数学的見地からの構築解説
〔春化精のコスト確保〕
モンスターカード、およびモンスターカードに変換可能なカードは計32枚以上採用し、期待値が初手5枚中4枚以上がモンスターカードとなるよう調整したい。(デッキ枚数は40枚という前提)
この調整の意図は次の通り。
春化精を複数枚引き、1枚目の春化精が灰流によって無効化された場合に備え、2枚目の春化精の効果発動コストを抱えておきたい
「丘→苗→目覚」または「苗→丘→目覚」とストレートに連鎖させる場合、コストは3枚要求となるため、春化精含めてモンスターカードが計4枚あるとスムーズ(※展開中にランク4Xを出力して手札のモンスターを補充可能であるため、妨害が無ければコストは1-2枚要求となる)
「トリオン+苗」および「トリオン+丘」初動はいずれもコスト2枚要求展開であり、初手にモンスターカード4枚が必要である
〔蟲惑魔の採用枚数〕
召喚権要求が過度に被らないようにしつつ、蟲惑魔が1枚もない事態は避けたいという二律背反の中で最適水準を見出す必要がある。
そこで、今回導入した観点は次の2点である。
※今回《ランカの蟲惑魔》は不採用としている。
詳細な理由は「主な不採用カード/採用候補カード」の章を参照されたい。
初手で召喚したい蟲惑魔(=トリオン+プティカ)に召喚権を使うべく、召喚したい蟲惑魔およびそれらに繋がるカード(=トリオン+プティカ+春化精+おろ埋)が引けない確率を5%未満にすること
キノ(召喚権を使用しない)を除く蟲惑魔について、初手5枚の中で3枚被る確率を5%未満にすること…プティカや春化精の存在もあるので、蟲惑魔2枚被りは許容
観点1
トリオン、プティカ、春化精3種、おろ埋(制限)の合計採用枚数の最大値は16であるが、16枚採用した場合でも、《金満で謙虚な壺》を加味して引く確率は94.78%(⇒引かない確率が5%超)である。
そのため、若干目標未達であるが、それらのカードは全てフル投入でFIXした。
観点2
蟲惑魔の召喚権が渋滞しない条件は「蟲惑魔の採用枚数が8枚以下」であることがわかった。
すなわち、トリオンとプティカを除く蟲惑魔の採用枠は2枚以下となるが、狡猾軸である以上ティオ1枚は必須であり、残りは実質1枠となる。
〔手札誘発〕
手札誘発の採用枚数は8枚、つまり初手5枚中1枚になることが期待される調整としたい。
これはすなわち、こちらが後攻の場合は手札5枚でスタートしやすいということであり、後攻から捲りにいくための手札枚数を確保する狙いもある。
特定のメタ対象にのみピンポイントで刺さる誘発(《原始生命態ニビル》等)は、メタ対象外の対面においては春化精のコストとして活用できるため、ピンポイント気味なハイパワー誘発を多く採用する方向性で構築することも可能。
ここまでの議論で構築された大枠は次の通り。
モンスターカード、およびそれに変換可能なカードは計32枚以上
蟲惑魔…トリオン3枚、プティカ3枚、ティオ1枚、キノ1枚は確定、残りは1枚(2枚目以降のキノも視野)
春化精…目覚3枚、丘3枚、苗3枚
手札誘発…8枚
〔妨害貫通/手数の創出〕
筆者の理論:現代のデッキは手札誘発を16枚程度(⇒初手5枚中2枚程度)採用するのがスタンダードであり、手数を3つ作れば手札誘発を貫通して盤面形成できる
上の理論に基づき、手数を創出できるカードの採用枚数については、期待値が初手5枚中3枚以上、すなわち計24枚以上を基準に考え、最終的には次の形で構築した。
単独で妨害を受けにいくことができるカードおよびそれに直結するカード(赤枠)が17枚、組み合わせで妨害を貫通できるカード(黄枠)が8枚であり、手数になるカードの期待値が初手5枚中3枚以上となるとう構築した。
黄枠のカードで妨害貫通能力を上乗せしつつ、赤枠のカードを1枚以上通せば「セラ+狡猾」以上には到達できるというイメージである。
丘や苗はその効果が無効化されなければ1枚から手数を3つ以上作り出せること、セラやシトリスは泡影や除去罠の効果を受けないことから、見た目の印象以上に無効系誘発や除去に対する耐性はかなり高い。
また、妨害を受けた場合でも伏せれば妨害となる罠カードも採用しているため、盤面形成の安定感は高いといえる。
しかし、次に挙げるように、理論の実践としてはまだ不完全な部分は存在している。
プティカは妨害を撃たせる能力が高い一方で1枚初動ではない
召喚権被りを考慮せずに手数として計上している(蟲惑魔が3枚以上被る確率は5%未満としているが)
素引きした狡猾をセットすれば蟲惑魔を立てるだけで「セラ+狡猾」に到達でき、狡猾は手数ではないが盤面形成には寄与するという点で扱いが難しい
〔事故率/展開成功率〕
上に示した構築において、展開成功率および事故率を計算すると次のようになる。
「セラ+4体以上+罠」展開例
・セラ+フレシア+リトルナイト+結界像+狡猾
・セラ+クラリア+バグースカ+結界像+狡猾
「セラ+3体+罠」展開例
・セラ+結界像+狡猾(+御影)
・セラ+クラリア+マスカレ+狡猾
・セラ+クラリア+バグースカ+狡猾
「セラ+2体+罠」展開例
・セラ+マスカレーナ+狡猾
・セラ+バグースカ+狡猾
なお、これらの確率計算にあたっては、こちらの記事にて提供されるツールを使用した。
採用カード詳説
【モンスター】31枚
トリオンの蟲惑魔 ×3
昆虫蟲惑魔で、召喚時に妨害をもらわなければセラ+狡猾が揃う1枚初動。
ホールティア登場後はそちらをサーチし、展開に繋げていく場面も増えた。
ティオとは異なり、特殊召喚時効果は名称ターン1のない強制効果であり、タイミングを逃すことがないうえ、相手に魔法罠がなくても強制発動する。
ゆえに、先攻において相手の場に魔法罠が存在しない状況においても「蟲惑魔モンスターの効果が発動した」ことになり、セラの穴セット効果を誘発することができる。
たとえば次のように、トリオン+春化精初動では簡単に「セラ+トリオン+ホールティア+手札に狡猾」が揃い、ホールティア展開に直結する。
トリオン召喚時効果で狡猾サーチ
トリオン素材にセラをL召喚
春化精効果でトリオン蘇生
トリオン特殊召喚時効果発動
セラの穴セット効果発動、デッキからホールティアセット
狡猾等のフリーチェーン通常罠をトリガーとしてセラ効果を発動する、あるいはホールティアの墓地効果を発動することで任意のタイミングでトリオンを特殊召喚し、相手の魔法罠を破壊することもできる。
本デッキは春化精の効果によってトリオンの特殊召喚時効果を連打でき、罠ビート対面は有利に立ち回ることができる。
プティカの蟲惑魔 ×3
植物蟲惑魔で、召喚時効果は《蟲惑の園》のサーチ。
園が召喚権追加効果を持つことから、プティカと他の蟲惑魔モンスター1体を重ねて引いても召喚権被りが問題にならないため、プティカはキノと同様「他の蟲惑魔と重なって引いても問題ない蟲惑魔」であるといえる。
本デッキでは様々なルートからシトリスやゴキポールを介して蟲惑魔にアクセスでき、蟲惑魔の採用枚数が少なめではあるが、園の追加召喚効果を活かしやすい。
プティカは最初に召喚すること、《無限泡影》が効かないセラが展開の後ろに控えていること、相手目線は園から手数やリソースが伸びることは避けたいことから、プティカ召喚時効果はそもそも妨害を受けやすい。
手数を作りづらい構築では妨害を受けた後に展開が続かず、手札の蟲惑魔が行き場を失うケースもそれなりにあるが、手数の豊富な春化精型では積極的に相手に妨害を撃たせる役割を担うことができる。
このように、召喚時効果が通れば以降の展開が伸びる(トリオンに召喚権を集約するというコンセプトから逸脱しない)、通らなければ春化精展開に撃たれる妨害が減るため、召喚権をこのカードに充てる裏目は極めて小さい。
特殊召喚時の相手モンスターの一次除外効果は、「戻す」ではなく「特殊召喚する(ことができる)」であるため、結界像の効果で帰還を阻止したり、増G効果でドローしたりといったテクニックは後攻から捲りにいく際の必須テクニックである。
なお、シトリス存在下でこの除外効果を発動すると、除外したモンスターをシトリスのX素材として吸収できるため、そのモンスターの完全除去が成立するほか、アロメルス存在下では永久コントロール奪取となる。
春化精発動前に灰流を受けられる存在であり、積極的に初手に持ちたいため3枚採用。
なお、ランカも同様の役割を担える存在ではあるが、誘発を撃たせる能力はプティカより低く、かつ召喚時効果が通ったところでホールティア展開に直結しないこと、そもそもトリオンに召喚権を集約するというコンセプトから外れることから、"召喚に裏目が存在する"点を憂慮し不採用とした。
ジーナの蟲惑魔 ×1
植物蟲惑魔で、主に墓地から狡猾を拾う役割を担う。
罠を墓地に送って自身を特殊召喚する効果も有し、特にホールティアを墓地に送ることでホールティアの墓地効果と合わせて召喚権に依らない手数を2つ作り出すことができることから、通常召喚前にリトルナイトを立てて捲りの起点とすることもできる。
特殊召喚効果はスペルスピード1でチェーンブロックを作るという使いづらさはあるが、セラの穴セット効果の誘発は可能。
役割上ティオと重なる部分は多いが、ティオと比較したメリット/デメリットは次の通り。
特に、ホールティア展開後のティオ特殊召喚時効果(名称ターン1)に無効系妨害を受けると狡猾が拾えず、別途リカバリーが必要なので、1番目のメリットを重視しての採用。
【メリット】
春化精等様々なルートを活用して墓地に置くだけで良く、ティオと比べて狡猾を拾うハードルが低い(狡猾ループをティオに依存する場合、ティオを特殊召喚するためのセラや春化精の効果に灰流等の妨害を受けるリスク、ティオ特殊召喚時に泡影等の無効系妨害を受けるリスクが回避できない)
目覚1枚初動やトリオン+ジーナ初動等、ジーナ不採用によって弱体化or不可能になる展開が存在する
ホールティアとの組み合わせで召喚権を使わずに手数を2つ作ることができる(⇒召喚前リトルナイト)
【デメリット】
相手ターンに狡猾を拾えない⇒ジーナ採用に伴ってティオ採用枚数を減らす場合、狡猾2連打に支障をきたす可能性がある
狡猾を拾う効果は使い切り
2ターン目以降、トップで引いて強いのは多くの場合ティオ
ティオの蟲惑魔 ×1
植物蟲惑魔で、特殊召喚時に墓地から狡猾をセットする狡猾ループの要。
特殊召喚時効果は「時の任意効果」であるため、セラのリクルート効果やホールティアの蘇生効果がチェーン2となった場合はティオの効果がタイミングを逃す点は絶対に忘れてはならない。(例:相手ターンにおいて墓地効果を有するモンスターを狡猾で破壊した場合)
テクニックとして、ホールティアの蘇生効果をチェーン1(ティオ対象)、狡猾をチェーン2で発動すると、使った狡猾をティオ特殊召喚時効果ですぐに拾うことができる。
召喚時効果は墓地の蟲惑魔モンスターの蘇生で、春化精や園が絡まないと初動で活用しづらいものの、2ターン目以降では、召喚からランク4を作ってアーゼウスに繋ぐ捲りの起点としたり、シトリス効果でサーチしたこのカードから展開を伸ばしてライフを詰めたりと、蟲惑魔メインモンスターで随一の展開要員として活躍が見込める。
キノの蟲惑魔 ×1
昆虫蟲惑魔で、特殊召喚効果を有することから召喚権被りが気にならず、他の蟲惑魔とダブって引いても問題ない蟲惑魔である。
特殊召喚効果はチェーンブロックを作り、お互いのメイン時でのフリーチェーンである。
そのため、相手に増Gのチェーンを許す(逆に増Gに対してチェーンすることもできる)ものの、蟲惑魔の効果が「発動」することから、セラの穴セット効果のトリガーになる。
また、このカードが手札にある場合は、トリオンやプティカの召喚時効果を止められた場合でも、セラ成立後結果的に穴を構えることができ、引いているといわゆる"誘発貫通"のような形になる。
フリーチェーンである点も重要で、召喚した蟲惑魔が除去されるとセラが成立しないという盤面形成の泣き所があるが、除去効果にチェーンしてキノを特殊召喚することでセラ成立が可能になる。
なお、セラ存在下において、通常罠と同一チェーン上でこのカードを発動した場合、セラの穴セット効果とリクルート効果が同時に誘発されるため、リクルート効果に穴セット効果をチェーンする形で灰流をチェーンする隙を与えないテクニックも存在する。
永続効果も優秀で、伏せカードを破壊から保護することで罠カードの妨害性能が格段に上がるほか、罠が破壊されて墓地に溜まる事象が減ることで狡猾の信用度も高まる。
また、相手の伏せ除去にチェーンして特殊召喚し、相手の伏せ除去を無駄撃ちさせることも可能。
なお、表側のカードは保護できず、園の維持には寄与しない。
ここまで有用さを散々述べてきたが、「他の蟲惑魔とダブって引いても問題ない」というより「むしろダブらないと活躍しづらい」という点がネックであり、採用枚数の検討は難しい。
本デッキは蟲惑魔の採用枚数を一般水準よりは絞っている関係上、偶発的なダブりは発生しづらくなる。
春化精ギミック(ゴキポール)やシトリスからのアクセスが可能であり、都合の良い時にだけサーチすることができると考えたため、今回は最低枚数の1枚で構築した。
干ばつの結界像 ×1
《御影志士》からサーチ可能な相手だけに縛りを課す擬似《虚無空間》。
春化精効果や通常召喚によって展開することが可能であり、このカードの成立は存外にハードルが低い。
多くの相手はモンスターを通常召喚し戦闘によってこのカードの突破を狙ってくるが、そのプランは狡猾で破綻させることができるため、このカードの拘束力は非常に高い。
地属性縛りにより相手の《原始生命態ニビル》を発動不可にすることができることから、5手以内にこのカードを立てることが可能な点でも本デッキは他の展開系と差別化される。
似たようなところで、相手の《超融合》の出力先を大きく制限、かつ《倶利伽羅天童》や地属性以外の壊獣が特殊召喚不可と、定番の捲り札を封じることができており、先攻盤面に対する安易な捲りを許さない。
昨今の競技シーンでは定番となった、相手ターンに妨害持ちモンスターを何度か特殊召喚し、多段的な妨害を構える先攻展開(例:スネークアイ、炎王、マスカレーナ、咎姫等…)に対して、このカードを通常召喚することでそれらを無力化し、春化精で手数を作って狡猾を集めることで捲りにいく形も非常に強力。
また、このカードの存在下でプティカを特殊召喚し、帰還阻止により一時除外を永久除外に昇華させて捲りにいくプランも積極的に採りたい。
極端な話、この先遊戯王がどれだけインフレしたとしても、”モンスターを特殊召喚してそれが次のモンスターを呼び、そのモンスターから妨害を作り…”という遊戯王の根幹が変わらない限り結界像は遊戯王を否定する存在として君臨し続けるため、「結界像を守って相手のリソースを拒否し、自分だけ優位を維持する」というコンセプトの本デッキは廃れないと考える。
森と目覚の春化精 ×3
デッキからゴキポールを落としてトリオンやキノ、応Gにアクセスしたり、ムドラを落としたりしつつ、墓地の地属性を蘇生することができる。
コスト要求はあるがこのカード1枚から3妨害とリソースを構えられるので、初動として大変優秀である(展開例の章を参照されたい)。
春化精共通の蘇生効果の適用は「任意」であり、ゴキポールからサーチしたトリオンを召喚するだけで展開を止めることも可能である。
春化精効果発動に対して増Gを撃たれた場合、サーチ先を目覚に切り替え、目覚からサーチしたトリオンや応Gに召喚権を充てることで早期に展開ストップが可能。
ホールティア展開に失敗した場合、デッキからジーナやティオ、ムドラを落とすことで狡猾DLを解除できるリカバリー能力も魅力。
★春化精共通の蘇生効果ではEXモンスターも蘇生可能であり、「長期戦になってセラが枯渇した」「金謙でセラを飛ばしたことが災いしてセラが枯渇した」といった状況から復帰できる。
丘と芽吹の春化精 ×3
効果は目覚や苗のサーチで、アドバンテージ損失なく、かつ召喚権を使用せずレベル4の自身を展開でき、以降の展開にも繋がる。
このカードの効果で目覚をサーチしつつ自身を特殊召喚し、目覚を通常召喚することでレベル4が2体揃う(⇒シトリス成立)ためコスト要求1枚初動となる。
もっとも、実際このような形でランク4Xを立てることは稀で、サーチした春化精の効果も使用して展開を伸ばすことが多いが、増Gや《ドロール&ロックバード》を撃たれて展開を止める場合にはランク4Xを立ててストップすることも選択肢。
春化精全員に対する破壊耐性付与効果があるため(気づかない相手が多い)、このカードの効果で目覚をサーチしつつ自身を蘇生、目覚の効果でムドラを落として目覚を蘇生することで、相手の咎姫を完封できる。(もし咎姫を蘇生されても春化精は破壊されず、以降の展開をする前にムドラによって墓地の咎姫を排除可能)
苗と霞の春化精 ×3
効果は地属性天使族のサーチで、春化精およびムドラがサーチ可能。
そのため、このカードと春化精を同時に引いた際、このカードの効果でサーチしたムドラを春化精の効果で捨てる動きも可能。
丘よりもサーチ範囲が広い一方、採用している春化精の中で唯一のレベル3であるため、地属性レベル4が手札か墓地に存在しなければ場にレベル4を供給できない。
このカードのG受け展開としては、ムドラをサーチして召喚し、蘇生した自身とでリトルナイト+墓地ムドラを作る形が最短。
ゴキポール ×1
墓地効果によりLV4昆虫族(トリオン、キノ、応G)のサーチが可能。
このカードを春化精のコストにすると、春化精が灰流を受けてもこのカードの効果でトリオンサーチを通すことができ、春化精との組み合わせにおいては貫通札としての役割を持つ。
剣神官ムドラ ×1
相手の墓地リソース排除
《墓穴の指名者》回避
墓地罠処理による狡猾ループ再起動
セラから出力されるデッキリソース(蟲惑魔/穴)補充
デッキから落としたいゴキポ、枯渇したEXモンスター等の再使用
特殊召喚効果による盤面へのレベル4供給
この通り、役割は多岐にわたる。
フリーチェーンであり、墓地メタ性能が非常に高い。
春化精のコストとして捨てるだけで妨害として成立するほか、相手の墓地から発生する妨害を消したり、春化精や手札誘発の天敵である《墓穴の指名者》を不発にできたりと春化精との相性は良好。
昨今は墓地を活用した妨害が多く、《賜炎の咎姫》や《斬機超階乗》、《教きの聖女クエム》等枚挙にいとまがない中で、春化精でムドラを捨てつつ手数を稼ぎ出す行為は捲りにおいて非常に有用。
妨害や捲りの目的においては、目覚の効果でデッキから墓地に送ることができるため、アクセシビリティも申し分ない。
ほぼ同様の役割を持つ《宿神像ケルドウ》も採用候補であるが、ケルドウはムドラと共に採用しなければ自身を特殊召喚する効果が発動できないため、2枚目のムドラという扱いになる。
PSYフレームギア・γ ×2
(+PSYフレーム・ドライバー ×1)
モンスター効果無効+破壊という破格の妨害性能を有し、後攻勝率向上に寄与する誘発。
発動条件上、こちらが先攻のゲームにおいて使いづらいのは否めないが、増Gサーチリトルナイト展開(展開例の章に詳述)においては、リトルナイトが自主退場でして場を空けることができるため、増Gで引いてきたγは発動条件を満たす。
本デッキにおいては場にモンスターがいない状態で春化精の効果を発動して相手の誘発を誘い、それをγで咎めるという、リターンの大きな指名者のような使い方も可能。
もちろん相手目線このカードはケアできるが、実際のところ、最初の春化精の効果さえ通れば場にモンスター(多くの場合LV4)が立つため、仮に次の春化精の効果に妨害を受けた場合でも、召喚権を使ってランク4を成立させることでリカバリーが可能。
相手がγケアするか否かはこちらの構築とは関係ない話に思われるかもしれないが、ドライバーを捨てて春化精の効果を発動することで相手にγケアを強要できる。
このように、本来手札で役割のないドライバーや腐ったγをコストの形で有効活用できるのは春化精型の特徴である。
★細かいプレイング
《群雄割拠》《センサー万別》等の永続が越えられない時、ドライバーをアドバンスセット(種族の情報を隠す)してから春化精の効果でトリオンを蘇生することで突破可能な局面が存在する。
灰流うらら ×3
相手の展開妨害はもちろん、増Gの無効化も可能であり、先攻でも後攻でも強力。
春化精制約下では増Gを無効化する機能を失うので、先に蟲惑魔側で展開する構えを見せ、春化精発動前に増Gを誘いたい。
本デッキは手札のモンスターの枚数が手数に直結するため、手札誘発の重ね撃ちは狙わずに手数(手札枚数)に懸けた方が後攻から捲りやすく、効力の低い手札誘発は採用しづらい状況にあるが、このカードのパワーはそのハードルは越えていると判断した。
増殖するG ×3
最強の展開抑止力を有する手札誘発。
多くのデッキはこのカードを無効化するカードを大量に投入しており、特にあらゆるデッキに投入される灰流や指名者により無効化される場面は非常に多い。
ただし、両カードを使わせること自体にも価値があり、セラや春化精に対して撃たれる灰流/指名者を消費させたと換言できる。
本デッキは応Gの墓地効果によるこのカードのサーチギミックを採用しており、先攻展開のバリエーションの1つになっている。
一方で、増G発動後に投げることができる誘発が少ないと突っ張ってワンショットキルを通される可能性が高まるが、手札枚数が重要な本デッキにおいて、誘発を多数採用して連打する形は望ましくないため構築のバランスが難しい。
応戦するG ×1
手札誘発として自身の効果で特殊召喚した場合に有効になる永続効果は、墓地に送られるカードの除外であり、「墓地に送って発動」のコストが払えなくなる。
R-ACEや烙印、スネークアイ等、このカードが重く刺さる対面は多く存在するが、相手がこのカードをケアして展開することは実際上ほとんど無い。
スネークアイ系統のデッキは応Gを処理しなければ満足に展開できないため、《反逆の罪宝-スネークアイ》を展開中にサーチしてくることが多いが、同カードは結界像に対する数少ない解答でもあり、それを消費させることが裏の目的でもある。
このカードのパワーの本質は場から墓地に送られた"場合"の効果にあり、キノや増G、ゴキポがサーチできるうえ、なんとターン1が存在しない。
ステータスに恵まれており、ゴキポによるサーチや目覚による墓地送りに対応しているほか、アロメルスや春化精から蘇生して繰り返し墓地効果発動を狙う事も可能であり、本デッキの泣き所の一つである手札消費の激しさをリカバリーしてくれる存在であるといえる。
【魔法】6枚
墓穴の指名者 ×2
汎用的な手札誘発対策で、その他でも墓地メタ等有用な場面は多く、腐る対面はほぼ存在しない。
春化精やセラに対する灰流は重く、このカードの採用は外せない。
抹殺の指名者 ×1
誘発に加え、墓穴の指名者も無効化できるため、先攻後攻問わず強力。
春化精のコストとならない点だけは欠点といえる。
おろかな埋葬 ×1
ここまでで述べた通り、落とされて強力なカードを多数採用しているため、目覚同様このカードも強力で、ゴキポ経由でトリオンに繋がる1枚初動である。
春化精と組み合わせると、デッキ内の地属性モンスター全てを特殊召喚できることになる。
春化精やセラに対する灰流を代わりに受けてもらう、あるいはMD特有であるが"ラグ読み"によって相手の持つ誘発を把握するという役割もある。
また、蟲惑魔召喚時に手札誘発を撃たれて展開が止まった際、おろ埋からゴキポールを落としてキノをサーチし、"誘発貫通"して盤面を補強することも可能。
金満で謙虚な壺 ×1
手札の蟲惑魔の価値は他の手札の状況に大きく左右される(手札に蟲惑魔がない時は蟲惑魔が欲しいが、蟲惑魔がある時は召喚権の都合で活用できないため欲しくないことが多い)ことから、手札に蟲惑魔がない時は蟲惑魔を探し、ある時は他のカードを探すという切り替えが可能。
このカード自体も灰流を撃たせることができるカードでもあり、初動が揃っている時に指名者を探しにいく形で使用するのも強力。
蟲惑の園 ×1
(1)効果
蟲惑魔が手札に溜まって召喚権を食い合うという最悪の事故を軽減できる。
プティカ召喚時にこのカードをサーチした上で、春化精の効果を絡めてシトリスから蟲惑魔をサーチ、あるいはゴキポールからトリオンをサーチすればそれを追加召喚可能で、非常に展開が伸びる。
なお、トリオン、ティオの召喚時効果は名称ターン1制約が存在しない。
(2)効果
リソース維持に寄与する。
セラの突破にモンスター2体分の攻撃宣言が必要となるため、相手は狡猾が見えていても2体目を展開するしかなく、狡猾のプレッシャーが非常に大きくなる。
(3)効果
全てのモンスターを墓地か手札の蟲惑魔に変換できることから、場にモンスターさえ供給できればそれをコストにしてティオを蘇生して狡猾ループを維持することも可能であり、半永久リソース源として長期戦にかなり強くなる。
《原始生命態ニビル》を撃たれた後、原始生命態トークンを除外コストとして蟲惑魔を再展開できるため、ニビルに対するリカバリーとしても使用可能である。
EX蟲惑魔も蘇生可能であり、中でもフレシアは毎ターン蘇生しつつ強固な耐性付与、除去がなければ守備力2500のフレシアを2回戦闘破壊しないと他の蟲惑魔を突破できないという固い盤面形成が可能。
【 罠 】3枚
狡猾な落とし穴 ×2
フリーチェーン2枚破壊という破格の性能から、妨害から捲りまで役割が広く、先攻および後攻、自分ターンおよび相手ターンどのような場面でも強い唯一の落とし穴。
落とし穴の中でも単体性能は最強といえ、フリーチェーンゆえセラのポテンシャルを強く引き出すことのできるカードでもある。
対象を取る破壊効果であり、これらに耐性があるモンスターが出てくる直前のタイミングを見極めてその素材を破壊したい。
蟲惑魔(素材のない蟲惑魔Xモンスターを除く)は穴耐性を持っているため、狡猾で蟲惑魔2体を対象にとる空撃ち的な使い方をすることも多い。(むしろ毎ターン発動しないとティオの制約上盤面の狡猾が減ってしまう)
狡猾発動後にセラの効果でデッキから狡猾をセットしたい場面が多いこと、手数が豊富な相手に対し1ターンに2回発動したい状況も多いこと、フレシア効果でデッキから適用したいことなどから2枚採用とした。
ホールティアの蟲惑魔 ×1
このカードの要点は次のように表すことができる。
「ホール」名称の通常罠であり、トリオン、セラ等からアクセス可能
セットしたターンに発動可能であり、誘発貫通&初動安定化&初動展開強化の役割を兼ねる
「蟲惑魔」名称のモンスターであり、セラのリンク素材になる
レベル4の植物族であり、セラやランク4Xに繋がる
自分のターンに能動的に使える穴であり、相手ターンにセットして返しの自分のターンに活用する展開リソースになる
墓地効果は墓地に送られたターンにも発動可能で、レベルや表示形式の指定がないことからセラやクラリア、フレシアも蘇生可能
墓地効果を上手く使えばセラに対する灰流をかわすことができる
かなり墓地に溜まりにくい通常罠である(狡猾DLを誘導しない)
(1)効果
「ホール」名称の通常罠であり、トリオン、セラ等からアクセス可能。
通常罠を手札コストにしてセットしたターンに発動可能であり、先攻においてセラ効果でセットしたりトリオン効果でサーチしたりする形で容易に展開に絡めることができる。
初動においてセラ存在下でこのカードを発動してセラのリクルート効果およびその後の罠セット効果を誘発することで、展開の中で爆発的なアドバンテージを生み出すことができる。
また、発動コストにする通常罠を穴にした場合、セラ効果でリクルートする蟲惑魔をティオまたはジーナにすることで、その効果によりコストの穴を回収できる。
レベル4でありシトリスや御影志士等のランク4エクシーズの素材になれる点、植物族でありクラリアの素材になれる点も優秀で展開で活用しやすい。
蟲惑魔召喚時効果を無効にされた場合でも、セラ成立後にこのカードを発動すれば展開が可能であり、”誘発貫通”的な側面も有する。
発動後は「蟲惑魔」名称のモンスターであり、セラのリンク素材になれることから、蟲惑魔モンスターの召喚時に除去を撃たれてセラが成立不可になった状況から強引にセラ成立に向かうこともできる。
貴重な自分のターンにおいて能動的に使用可能な穴である点を活かし、初動での使用に限らず、相手ターンにセラ効果でセットし、返しのターンで強く展開する要員としても重要。
(2)効果
墓地効果は墓地に送られたターンにも発動可能で、レベルや表示形式等の指定がないことからセラやクラリア、フレシアも蘇生可能。
相手の除去にチェーンしてフレシアやキノを蘇生して耐性を付与したり、トリオンを特殊召喚して相手の魔法罠を除去したり、プティカを蘇生して除去を行ったりと活用の幅は非常に広い。
細かいプレイングとしては、セラが存在する状況において、通常罠と同一チェーン上でこの効果を発動し、プティカやティオを蘇生した場合、セラのリクルート効果をチェーン1、特殊召喚した蟲惑魔の効果をチェーン2とすることで、セラのリクルート効果に灰流を回避することが可能。
同様のテクニックで、このカード効果で蘇生した蟲惑魔モンスターの特殊召喚時効果と同一チェーンで通常罠を発動した場合、セラのリクルート効果をチェーン1、穴セット効果をチェーン2として灰流回避が可能。
※発動した通常罠が除去罠の場合、蘇生対象をシトリスにすることで、チェーン1がセラのリクルート効果、チェーン2がシトリスのX素材化効果となり、同様に灰流回避が可能
※ティオを蘇生する場合、ホールティア(2)効果をチェーン1にしないとティオ効果がタイミングを逃すため、灰流回避にならない
発動後は場に残り、墓地に送られた後はフリーチェーンで除外できることから、墓地に溜まっている期間が極めて短く、狡猾DLを引き起こしにくい点も非常に嬉しい。
それどころか、ティオを特殊召喚すれば墓地の穴が単純に1枚減るため、狡猾ループの再起動に長けた存在である。
このように展開要員として何も不足は無いが、後攻時は使いづらいこと、引いても春化精のコストにできないこと、少数採用でもアクセスは容易であることから1枚採用とした。
★ホールティア絡みの細かいプレイング
セラ+ホールティア展開を行う際、ホールティアをセットしてから蟲惑魔を召喚し、相手の増Gにチェーンしてホールティアを発動、1枚ドローに留めながらランク4をX召喚して最低限の妨害を立てるという保険があることを覚えておきたい。
一方、これを逆手にとり、ブラフによってトリオンやプティカに対する灰流やヴェーラーを回避するプレイングが存在する。
相手プレイヤーが蟲惑魔に対する理解度が高い場合、「何かしらの魔法罠をセット→トリオン召喚」というこちらのプレイに対して、相手はセットしたこちらの魔法罠がホールティアであることを疑い、蟲惑魔の召喚時効果に対して灰流やヴェーラーを発動しない(セラ+ホールティア展開時、セラのリクルート効果に対して使うために温存する)ことがある。
つまり、召喚時効果を通さないと0妨害になる危険性があるような、初動の蟲惑魔召喚時効果を是が非でも通したい場面では、ブラフをセットしてから蟲惑魔を召喚するというプレイングもあるということを覚えておきたい。
【 EX 】15枚
セラの蟲惑魔 ×3
妨害および展開の要。
このカードを維持しながら、狡猾ループを回して往復ターンで継続的にアドを稼いでいくのがコンセプトである。
《神の通告》や《無限泡影》を初めとするあらゆる罠による除去や妨害を受けない(ただし召喚無効は受ける)ため、ステータスのわりに維持しやすい。
セラのリクルート効果に対して灰流を撃たれるのはかなり苦しく、後続の蟲惑魔の確保やその特殊召喚時効果の発動、それに伴う穴の確保が絶たれる。(春化精に灰流を撃たれる以上にゲーム展開が悪くなりがち)
特に本デッキではティオかジーナを特殊召喚できないと狡猾DLに突入するので、致命傷になる可能性がある。
セラに対する灰流およびヴェーラー無効化できない、あるいは春化精側が手札に無い等、手札誘発のケアができない状況において、先攻展開の中でホールティア展開するのはあまりにリスクが高い。
キノ、シトリス、ホールティアをうまく使えばセラに対する灰流を防ぐことができ(カード解説参照)、プレイングの面でも灰流の対策は可能。
自分のターンに狡猾ループを回す場合、それがメインフェイズだとセラがヴェーラーを受け、罠耐性を失ったセラが狡猾に破壊された挙げ句リクルートもできず、狡猾ループも途切れるという最悪の事態になりかねないので気をつけたい。
クラリアの蟲惑魔 ×1
発動した穴を再セットするルール介入効果により、セラ+クラリア盤面を作れば1ターンに2枚の穴を使ってもなお墓地に罠が溜まらなくなる。
エンド時の蘇生効果は、トリオンを蘇生して相手の魔法罠を剥がす、ティオを蘇生して狡猾DLを解消する、フレシアを蘇生して耐性付与する等の役割が想定され、罠に頼らず(⇒墓地に罠を溜めることなく)この効果を継続的に使うことができる点は強力。
クラリアは盤面の罠を増やせないため初動での仕事は少ないが、2ターン目以降から徐々に仕事がなくなってくるセラとは対照的に、維持すればするだけアドバンテージに繋がる。
狡猾ループを維持することや再起動することに長けた縁の下の力持ちであり、デュエルが長引いた際のリソース戦には強くなる。
アティプスの蟲惑魔 ×1
全蟲惑魔の攻撃力を1000上げる効果を有し、本デッキの特長である展開力を打点に変換できる。
L素材は「昆虫族・植物族モンスターを含むモンスター2体以上」と緩く、春化精側で展開を伸ばした場合でも大きな問題なく出力可能。
(3)効果は相手の表側カードの効果無効で、破壊耐性の突破、厄介な永続効果への対処が可能。
自分が優位な状況でしか使わないカードであるが、相手に無駄なターンを渡さない(優位なうちにゲームを終わらせる)ことも重要。
崔嵬の地霊使いアウス ×1
相手の墓地から増Gを奪取してクラリアやアティプスはじめ各種Lモンスターの素材としたり、《クシャトリラ・フェンリル》を奪取してアタッカー運用したりできる。
戦闘/相手効果による被破壊で発動する②効果も優秀で、本デッキでは貴重な"盤面から手札を作ることができる"カード。
サーチ対象は結界像や苗、ティオはじめ幅広く、自爆特攻からこれらのカードをサーチして盤面に蓋をしたり手数を作ったりといった場面はかなり多い。
▼使用例(01:13あたり)
I:Pマスカレーナ ×1
相手ターンL召喚を可能とするモンスターで、多くの場合《S:P リトルナイト》のL召喚に利用する。
本デッキにはセラやホールティア等、相手ターンにL素材を供給する手段がメインギミック中に存在するため、それを活用する形。
効果発動は相手ターンのみなので、春化精の制約を受けない。
セラ等のLモンスターをこのカードのL素材とできない点は注意したい。
S:Pリトルナイト ×1
融合/S/X/Lモンスターを素材にL召喚した場合に発動する①効果は、モンスター/魔法罠/表裏を問わない場のカードの除外、あるいは蟲惑魔ギミックだけでは実現できない墓地除外といずれも強力。
マスカレーナを活用し相手ターンにこの効果の発動を狙う展開パターンも多い。
積極的に狙いたくはないが、自分の墓地のカードも除外可能であり、狡猾DL解除にも役立つ。
②効果は相手の効果発動にチェーンする形での一時除外で、自身を一時除外すれば場持ちを活かしてこの効果の発動を繰り返し狙うことが可能。
単純に妨害としても活用できるほか、相手の除去を躱すエスケープとしても優秀で、《拮抗勝負》や二ビル等の全体除去にチェーンして自分のモンスター2枚(※リトルナイトを含む必要はない)を一時除外することで自分のリソースを守ることが可能。
①効果にチェーンして相手が妨害を撃ってきた場合にさらにチェーンして②効果を発動することもできる。
①効果に泡影等を撃たれても②効果で逃げて効果を通すことができたり、①効果で相手の咎姫を除外対象としつつ、②効果で咎姫の破壊対象となった相手の炎モンスターを除外することで咎姫の蘇生を阻止したりと凄まじい活躍を見せてくれる。
さらに、シトリス存在下で相手モンスターを一時除外した場合、相手モンスターをシトリスのX素材として吸収できることから、完全除去に昇華する。
同様にアロメルスの1素材効果によるコントロール奪取も可能で、選択肢として頭に入れておきたい。
トリオン+罠初動の際、セラ効果が妨害されてホールティア展開に失敗し、セラ+ホールティア盤面となった場合、次の形で妨害を構えつつ、墓地に狡猾を残さずにリカバリー可能。
ホールティアを素材にセラL召喚
セラ×2を素材にリトルナイトをL召喚
リトルナイト効果発動、墓地の狡猾を除外
なお、相手にリトルナイトを出された場合、②効果は「どちらか1体でも除外できない場合は不発になる」という特性を利用し、リトルナイトの②効果の対象となったモンスターを狡猾で破壊するプレイは覚えておきたい。
天霆號アーゼウス ×1
同一チェーン上で複数回発動可能なフリーチェーン全体墓地送りという暴力的な捲り・制圧性能を誇るパワーカード。
忘れられがちな自分の場のカードが破壊された際に発動する効果では、デッキからゴキポールやムドラを供給できる。
アーゼウスの隣に結界像を添える場面、あるいは自爆特攻時においてもこの効果も強く活用できる。
塊斬機ラプラシアン ×1
地属性ランク4(⇒春化精制約下でも使用可)であり、対象をとらない墓地送りという質の高い形で3面除去が可能。
本デッキは対象耐性/破壊耐性の処理に難儀することが多いが、《クロノダイバー・リダン》や《厄災の星ティ・フォン》は地属性ではないためこちらを優先。
X素材はLV4×3体と重く、リソースを残せる効果でもないため、このカードの使用後は必勝でなくてはならず、先攻においてハンデス目的で使用するのは推奨されない。
シトリスの蟲惑魔 ×1
(2)効果の蟲惑魔サーチがメイン。
春化精を使って召喚権使用前にシトリスを成立させると、シトリスを素材にL召喚したセラを置いた状態でサーチした蟲惑魔(=そのとき一番召喚したい蟲惑魔)に召喚権を使うことができ、爆発的な展開が可能。
特に、セラ存在下でトリオンを召喚し、罠を2枚集めてホールティア展開に繋げるのが基本パターンである。
また、このカードの効果でキノをサーチし、このカードを素材にセラをリンク召喚した後にキノを特殊召喚することで、セラ+キノ+穴の構えが完成する。
これはすなわち、召喚権の使用状況問わず、レベル4が2体並びさえすれば最低限の初動は成立することを意味する。
もし召喚した蟲惑魔に誘発を撃たれて展開が止まっても春化精を絡めてシトリスを立てることで初動を成立させることができ、いわゆる"誘発貫通"の形になる。
展開起点としての役割を持ちながら、(1)の罠耐性により泡影に対して耐性がある点も優秀。
(3)効果も優秀で、狡猾やプティカ、リトルナイト等で除去した相手モンスターをX素材化し、リソース化の回避や完全除去、(1)効果の耐性獲得に繋げることができる。
また、セラ存在下で通常罠による相手モンスターの除去を行った場合、通常罠をトリガーとしたセラの効果をチェーン1、シトリスのこの効果をチェーン2とすることでセラに対する灰流を防ぐことが可能。
チェーン1のホールティア墓地効果でシトリスを蘇生、チェーン2の狡猾効果で相手モンスターを破壊というパターンを狙うとこのテクニックを活用できる。
細かいところでは、ティアラメンツモンスターの融合効果では自身を含んで融合する必要があるため、効果で墓地に送られたティアラメンツモンスターをシトリスのX素材として取り込むことで融合を不発にできる。
アロメルスの蟲惑魔 ×1
(2)効果でティオを蘇生することで狡猾DL解消ができたり、トリオンでバック破壊を行ったり、単純に総打点を上げたりと役割が多い。
多くの蟲惑魔デッキにおいて先攻展開では役割が薄くなりがちであるが、本デッキでは、目覚から落とした応Gを蘇生し、その墓地効果で増Gをサーチするという重要な役割を担う。
細かいところでは、セラは場のモンスターと同名のモンスターはリクルートできないため、一時的にその制約を解除するため蟲惑魔をアロメルスの下にX素材として格納しておく役割もある。
2素材では(2)効果使用後にバニラ化してしまうため、(3)のコントロール奪取効果が活用されることは多くはないが、プティカや狡猾を絡めた永久奪取は意外と強力。
なお、X素材は2体「以上」なので、3体でX召喚し4素材アーゼウスにしたり、蘇生効果使用後に2素材アーゼウスにしたりといった選択肢もある。
フレシアの蟲惑魔 ×1
デッキから落とし穴の効果を適用できるため単純に妨害を厚くしたり、後攻から狡猾を適用して盤面を捲ったりできる。
先攻展開において、自分の蟲惑魔を対象にとって狡猾を発動し、ジーナやティオの効果でそれをセットする展開も稀に行うので、なかなかその場で思いついて実行するのが難しいこの展開は記憶しておきたい(「展開例」の章にて詳述)。
自身以外の蟲惑魔全体に戦闘および効果破壊・対象耐性を付与する効果も非常に優秀で、こちらの効果を目当てにX召喚することもしばしばである。
この効果により、伏せカードを保護するキノに対して耐性を付与でき、前も後ろも盤面が非常に堅牢になる。
X素材が無くても耐性付与効果は適用されるため、クラリアやティオ、園、ホールティアの効果によって蘇生した場合でも活躍する。
なお、落とし穴の効果を「適用」するだけで、実際に「発動」されるのはフレシアの効果であり、セラのリクルート効果を誘発できない(⇒狡猾DL突入が確定)。
また、罠耐性のある自身をも破壊する(フレシアの効果で他の蟲惑魔は破壊耐性を持っている)。
主に使用するのは守備表示時の永続効果であり、レベル4が2体並んで優先権を得た瞬間にモンスターによる相手の制圧を無力化できる可能性がある。
お互いに守備表示&効果無効を強制されることから、相手は基本的にリトルナイトに代表されるリンクモンスターの効果あるいは戦闘による突破を狙ってくると考えられるが、このようなリンクを作ってくる動きは狡猾や結界像で抑止することができる。
特に、モンスター召喚時効果から結界像の突破を狙う動き(例:《蛇眼の炎燐》を召喚し《反逆の罪宝-スネークアイ》をサーチ)はバグースカ効果で無効化しつつ、守備表示化によって戦闘による突破も封じられることから、結界像とバグースカはお互いに守りあう無類の相性を誇る。
バグースカが地属性であり、結界像成立後に添えることができる点も含めて非常に噛み合いが良い。
返しのターンにはバグースカを攻撃表示にし、適当な守備モンスターを攻撃してアーゼウスに繋ぐのもよい。
攻撃表示の時の対象/破壊耐性効果も優秀で、対象を取る妨害を防ぎながら攻撃を通し、アーゼウスを成立させる役割も担う。
御影志士 ×1
春化精の制約下でも活躍できる地属性。
結界像のサーチ要員で、盤面のリソースを手札に変換し、春化精のコストを稼ぐことができる。
レベル4が並んだタイミングでこのカードをX召喚し効果を発動、サーチした結界像を春化精の効果で特殊召喚することも多い。
先攻展開以外で使う場面も非常に多く、盤面に余ったリソース、あるいは相手ターンにセットしたホールティアを活用し、このカードを介して結界像にアクセスし、リソース戦に終止符を打つ使い方も強力。
展開例
全展開ルートに共通する基礎
春化精型の展開は一見複雑であるが、本質的には次の2ルートにほとんど集約される。
トリオンの穴サーチ効果とセラの穴セット効果を使い、ホールティア展開を行う
ルートA:トリオンを召喚し、セラをL召喚した後にトリオンを蘇生する(例:トリオン+春化精)…トリオン特殊召喚が複数回可能
ルートB:セラを立てた状態でトリオンを召喚する…泡影耐性が高い
ルートB-1:召喚権を使わずにシトリスを立てる(例:丘or苗)
ルートB-2:セラをL召喚後、園の追加召喚でトリオンを召喚する(例:プティカ+トリオン)
手札を見てルートAかBを選び、目標とする最終盤面(後の章で記述)から逆算してAB以降の展開ルート分岐を構築するというのが筆者の手法である。
手札と最終盤面の概要
展開解説動画
結界像型展開
【プティカ+丘or苗】
★4手目で結界像着地してニビルケア
盤面:クラリア+バグースカ+結界像+狡猾
墓地:ホールティア+セラ+プティカ
※コスト1枚(苗初動の場合は地属性LV4のコスト要求)
プティカ召喚、園サーチ
丘or苗発動、目覚サーチ、LV4特殊召喚
プティカ+LV4素材に御影X召喚
御影効果(プティカコスト)、結界像サーチ
結界像捨てて目覚発動、ゴキポ墓地、結界像蘇生
ゴキポ効果発動、トリオンサーチ
園効果発動、御影除外してプティカ蘇生
プティカ素材にセラL召喚
(園適用:召喚権追加)トリオン召喚、効果で狡猾サーチ
セラ穴セット効果発動、ホールティアセット
ホールティア展開後、クラリア+バグースカへ
【トリオン+丘or苗】
盤面:バグースカ+リトルナイト+結界像+狡猾
手札:キノ
墓地:セラ+ホールティア
※コスト2枚、内1枚は地属性LV4モンスター
トリオン召喚、狡猾サーチ
トリオンを素材にセラL召喚
モンスター捨てて丘or苗効果発動、効果を使っていないもう一方(丘or苗)をサーチ、その後トリオン蘇生
トリオン特殊召喚時効果発動
セラの穴セット効果発動、ホールティアセット
手札の狡猾捨ててホールティア発動、自身を特殊召喚
セラのリクルート効果発動、ジーナを特殊召喚
ホールティア+ジーナを素材に御影X召喚
御影効果発動(ジーナコスト)、結界像サーチ
ジーナ墓地効果発動、墓地の狡猾セット
御影+セラを素材にリトルナイトL召喚
手順3でサーチした春化精効果発動、目覚サーチ、丘蘇生
丘+トリオンを素材にバグースカX召喚
結界像を捨てて目覚効果発動、デッキからゴキポールを墓地、その後墓地から結界像を特殊召喚
ゴキポール効果発動、キノをサーチ
【狡猾+丘or苗】
盤面:バグースカ+リトルナイト+結界像+狡猾×2+園
墓地:セラ+ホールティア
※コスト2枚、内1枚は地属性LV4モンスター
LV4捨てて丘or苗効果発動、効果を使っていないもう一方(丘or苗)をサーチ、その後墓地からLV4を特殊召喚
コストを捨てて手順1でサーチした春化精効果発動、目覚をサーチ、その後墓地から丘を特殊召喚
LV4と丘を素材にシトリスX召喚
シトリス効果発動、プティカをサーチ
シトリスを素材にセラL召喚
プティカ召喚、効果で園サーチ
セラの穴セット効果発動、デッキからホールティアセット
手札の狡猾捨ててホールティア発動、自身を特殊召喚
セラのリクルート効果発動、ジーナを特殊召喚
ホールティア+ジーナを素材に御影X召喚
御影効果発動(ジーナコスト)、結界像サーチ
ジーナ墓地効果発動、墓地の狡猾セット
御影+セラを素材にリトルナイトL召喚
結界像を捨てて目覚効果発動、デッキからゴキポールを墓地、その後墓地から結界像を特殊召喚
ゴキポール効果発動、トリオンをサーチ
園発動、効果を適用しトリオン召喚、効果で狡猾サーチ
トリオン+プティカを素材にバグースカX召喚
【丘or苗】
盤面:フレシア+リトルナイト+結界像+狡猾
墓地:セラ+ホールティア
※コスト2枚、内1枚は地属性LV4モンスター
LV4捨てて丘or苗効果発動、効果を使っていないもう一方(丘or苗)をサーチ、その後墓地からLV4を特殊召喚
コストを捨てて手順1でサーチした春化精効果発動、目覚をサーチ、その後墓地から丘を特殊召喚
LV4と丘を素材にシトリスX召喚
シトリス効果発動、トリオンをサーチ
シトリスを素材にセラL召喚
トリオン召喚、効果で狡猾サーチ
セラの穴セット効果発動、デッキからホールティアセット
手札の狡猾捨ててホールティア発動、自身を特殊召喚
セラのリクルート効果発動、ジーナを特殊召喚
ホールティア+ジーナを素材に御影X召喚
御影効果発動(ジーナコスト)、結界像サーチ
ジーナ墓地効果発動、墓地の狡猾セット
御影+セラを素材にリトルナイトL召喚
結界像を捨てて目覚効果発動、デッキからゴキポールを墓地、その後墓地から結界像を特殊召喚
ゴキポール効果発動、キノをサーチ
キノ効果発動、自身を特殊召喚
キノ+トリオンを素材にフレシアX召喚
★セットの狡猾を破壊されても墓地のホールティアでティオを蘇生し狡猾を拾うことで墓地罠処理可能、フレシア狡猾もあるため妨害消失回避
★手順12にてトリオン+御影からリトルナイトL召喚、手順16にてセラ+キノからクラリアをL召喚することで、「クラリア+リトルナイト+シトリス+結界像+狡猾 w/墓地ホールティア+セラ」という変形も可能で、リトルナイトとシトリスが両立する
なお、上の展開にて地LV4のコストが手札に存在しない場合、次の展開を行う。
盤面:クラリア+マスカレ+シトリス+アロメルス+狡猾
手札:増G
墓地:セラ+ホールティア
※コスト3枚
コストを捨てて丘or苗効果発動、効果を使っていないもう一方(丘or苗)をサーチ、その後墓地から自身を特殊召喚
コストを捨てて手順1でサーチした春化精効果発動、目覚をサーチ、その後墓地から自身を特殊召喚
コストを捨てて目覚効果発動、デッキから応Gを墓地、その後墓地から自身を特殊召喚
目覚+丘を素材にシトリスX召喚
シトリス効果発動、トリオンをサーチ
シトリスを素材にセラL召喚
トリオン召喚、効果で狡猾サーチ
セラの穴セット効果発動、デッキからホールティアセット
手札の狡猾を捨ててホールティア発動、自身を特殊召喚
セラのリクルート効果発動、ジーナを特殊召喚
ホールティア+ジーナを素材にアロメルスX召喚
アロメルス効果発動、応Gを蘇生
ジーナ墓地効果発動、墓地の狡猾セット
応G+苗を素材にマスカレーナL召喚
応G墓地効果発動、増Gサーチ
トリオン+セラを素材にクラリアL召喚
(エンド時)クラリア効果発動、シトリスを蘇生
【目覚+園】
盤面:セラ+結界像+狡猾 w/園
※コスト1枚
コスト捨てて目覚発動、ゴキポ墓地、自身蘇生
ゴキポ効果発動、トリオンサーチ
園発動
(園適用:召喚権追加)トリオン召喚、効果で狡猾サーチ
目覚+トリオン素材に御影X召喚
御影効果発動(トリオンコスト)、結界像サーチ
結界像召喚
園効果発動、御影除外してトリオン蘇生
トリオン素材にセラL召喚
増Gサーチ型展開
【プティカ+目覚】
盤面:クラリア+マスカレ+シトリス+狡猾 w/園
手札:増G
墓地:セラ+ホールティア
※コスト1枚
プティカ召喚、園サーチ
目覚発動、応G落とし、自身蘇生
プティカ+目覚素材にシトリスX召喚
シトリス効果発動、トリオンサーチ
シトリス素材にセラL召喚
園発動
トリオン召喚、効果で狡猾サーチ
(園適用:召喚権追加)トリオン召喚、効果で狡猾サーチ
セラ穴セット効果発動、ホールティアセット
ホールティア展開後、アロメルスで応G蘇生する展開へ
★展開中継でシトリスを使用しているため、エンド時にクラリアでシトリスを蘇生可能→リトルナイトの一時除外が完全除去に
【トリオン+目覚】
盤面:クラリア+マスカレ+狡猾(+アロメルス)
手札:増G
墓地:セラ+ホールティア
※コスト1枚
狡猾+リトルナイト(2妨害分)の計3妨害
増G発動
セラによるリソース拡大とクラリアによるリソース維持
展開ルート
トリオン召喚、狡猾サーチ
トリオンを素材にセラL召喚
モンスター捨てて目覚効果発動、デッキから応G墓地送り、トリオン蘇生
トリオン特殊召喚時効果発動
セラの穴セット効果発動、ホールティアセット
狡猾捨ててホールティア発動
セラのリクルート効果発動、ジーナ特殊召喚
ジーナ+ホールティア素材にアロメルスX召喚
アロメルス効果発動、応G蘇生
応G+アロメルスを素材にマスカレL召喚
応G墓地効果発動、増Gサーチ
トリオン+セラを素材にクラリアL召喚
ジーナ墓地効果発動、墓地の狡猾をセット
(エンド時)クラリア効果発動、アロメルス蘇生
【狡猾+目覚】
盤面:セラ+クラリア+シトリス+キノ+狡猾
手札:増G
墓地:セラ+ホールティア
※コスト1枚
増G発動
セラによるリソース拡大とクラリアによるリソース維持
展開ルート
モンスター捨てて目覚効果発動、デッキからゴキポ墓地送り、自身蘇生
応G召喚
目覚+応G素材にシトリスX召喚
シトリス効果発動、キノサーチ
シトリス素材にセラL召喚
キノ効果発動、自身を特殊召喚
セラの穴セット効果発動、ホールティアセット
狡猾捨ててホールティア発動
セラのリクルート効果発動、ジーナ特殊召喚
ジーナ+ホールティア素材にアロメルスX召喚
アロメルス効果発動、応G蘇生
応G+アロメルスを素材にクラリアL召喚
応G墓地効果発動、増Gサーチ
ジーナ墓地効果発動、墓地の狡猾をセット
(エンド時)クラリア効果発動、シトリス蘇生
【丘or苗】
盤面:フレシア+リトルナイト+結界像+狡猾
墓地:セラ+ホールティア
※コスト3枚
コスト捨てて丘or苗効果発動、効果を使っていないもう一方(丘or苗)をサーチ、その後墓地から自身を特殊召喚
コストを捨てて手順1でサーチした春化精効果発動、目覚をサーチ、その後墓地から自身を特殊召喚
コストを捨てて目覚効果発動、応Gを墓地に送り、その後墓地から自身を特殊召喚
LV4と丘を素材にシトリスX召喚
シトリス効果発動、トリオンをサーチ
シトリスを素材にセラL召喚
トリオン召喚、効果で狡猾サーチ
セラの穴セット効果発動、デッキからホールティアセット
手札の狡猾捨ててホールティア発動、自身を特殊召喚
セラのリクルート効果発動、ジーナを特殊召喚
ホールティア+ジーナを素材に御影X召喚
御影効果発動(ジーナコスト)、結界像サーチ
ジーナ墓地効果発動、墓地の狡猾セット
御影+セラを素材にリトルナイトL召喚
結界像を捨てて目覚効果発動、デッキからゴキポールを墓地、その後墓地から結界像を特殊召喚
ゴキポール効果発動、キノをサーチ
キノ効果発動、自身を特殊召喚
キノ+トリオンを素材にフレシアX召喚
目覚1枚初動
【目覚】
展開①
盤面:セラ+マスカレ+狡猾
3妨害,セラから出力されるリソース
※コスト1枚
コスト捨てて目覚効果発動、ゴキポール墓地、自身蘇生
ゴキポール墓地効果発動、トリオンサーチ
トリオン召喚、効果でホールティアサーチ
トリオン+目覚を素材にシトリスX召喚
シトリス効果発動、ジーナサーチ
シトリスを素材にセラL召喚
ホールティアセット
手札のジーナ効果発動、ホールティアを墓地へ送り自身を特殊召喚
セラの穴セット効果発動、狡猾セット
ホールティア墓地効果発動、シトリス蘇生
シトリス+ジーナ素材にマスカレーナL召喚
展開②
盤面:セラ+フレシア+キノ+狡猾
2妨害,セラから出力されるリソース,ホールティア
※コスト1枚
コスト捨てて目覚効果発動、ゴキポール墓地、自身蘇生
ゴキポール墓地効果発動、トリオンサーチ
トリオン召喚、狡猾サーチ
トリオン+目覚を素材にシトリスX召喚
シトリス効果発動、キノをサーチ
シトリスを素材にセラL召喚
手札のキノ効果発動、自身を特殊召喚
セラの穴セット効果発動、ホールティアセット
狡猾捨ててホールティア発動、自身を特殊召喚
セラのリクルート効果発動、デッキからティオを特殊召喚
ティオの特殊召喚時効果発動、墓地から狡猾をセット
ホールティア+ティオを素材にフレシアをX召喚
春化精が絡むG受け展開例
春化精を引いていない時、すなわち蟲惑魔や手札誘発、罠を多く引いている時はセラ+狡猾+手札誘発で増Gを受ける形であり、単純なので説明は省く。
リトルナイト w/増Gサーチ
(春化精の効果で目覚をサーチ)
目覚効果発動、ゴキポールを落とし、自身を蘇生
ゴキポール墓地効果発動、応戦するGサーチ
応G召喚
リトルナイトをL召喚
応G効果で増Gをサーチ
リトルナイトが自身を除外して場を空けてくれるため、相手ターンで増Gから引いたγを妨害+壁として活用可能
丘や苗から目覚をサーチできるため、あらゆる春化精はこの形で増Gを受けることが可能
最初のモンスターの特殊召喚に増Gを撃たれなかった場合、相手に与えるドロー枚数は1枚となる
このパターンの応用で、春化精で応Gを捨てて蘇生するだけでG受けを成立させることも
セラ+狡猾 or バグースカ+狡猾
(春化精の効果で目覚をサーチ)
目覚効果発動、ゴキポールを落とす(★蘇生効果は適用破棄)
ゴキポール墓地効果発動、トリオンをサーチ
トリオン召喚、狡猾サーチ
トリオン素材にセラL召喚 or トリオン+場にもう1体存在すればそれを素材にバグースカX召喚
セラ+結界像+狡猾
手札要求:結界像orおろかな埋葬orゴキポール
(春化精のコスト等でゴキポールを墓地に落としてトリオンをサーチしつつ、手札か墓地に結界像を用意する)
コスト(手札にあれば結界像)捨てて目覚効果発動、ゴキポールを落とし、結界像蘇生
ゴキポール墓地効果発動、トリオンをサーチ
トリオン召喚、狡猾サーチ
トリオン素材にセラL召喚
春化精+蟲惑魔→セラ+トリオン+狡猾2枚
(春化精の効果で目覚をサーチ)
蟲惑魔コストに目覚効果発動、ゴキポールを落とし、蟲惑魔蘇生
ゴキポール墓地効果発動、トリオンをサーチ
蟲惑魔を素材にセラL召喚
トリオン召喚、狡猾サーチ
セラの穴セット効果発動、狡猾セット
★トリオン効果が無効になってもセラの穴セット効果は発動し、かつセラは泡影を受けないため、セラ存在下でトリオンを召喚する動きは無効系誘発に対してかなり強力
さいごに; 有料部分の概要
ここまでお読みいただきありがとうございます!
あなたにとって、春化精狡猾軸への理解が進む記事となれば光栄です。
さて、このデッキに興味が湧いたという方に問いたいことがあります。
実戦においてこの初手を見た時、どのように先攻展開するかわかるでしょうか?
この記事をよく読んでくださった方なら「γもある、苗+LV4展開だ!」と気づくかもしれませんが、実はこの手札の時、苗で目覚を捨てる行為は敗北に直結する最大の”落とし穴”です。
この意味がわからなければ、あなたは真の意味でこのデッキを扱うことはできていないと断言できます。
春化精蟲惑魔には誘発の受け方、誘発貫通の狙い方のセオリーが存在します。
そのセオリーを体系化し、たった4つの項目で整理したものが有料部分に記載してあります。
あわせて、初手を10パターン提示し、それぞれどのように展開するのがベターなのか詳細に解説しています。
★今後も何か示唆があれば追記します(公開時点約9000字)
また、現時点での主な不採用カード、採用候補カードも提示しています。
こちらも今後さらに拡張予定です。(公開時点約2000字)
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