【短小説】命が燃え尽きるまで
「命が燃え尽きるまで」
セームシュルトは楽しそうにずっと喋ってる
周りがつまらなそうにしてる事なんてお構いなしだ
くそっ…誰がセームシュルトなんて呼んだんだ
さっきまで盛り上がってたコンパが台無しじゃないか
子供の頃、夢中で見てたK-1もセームシュルトが優勝するようになってからつまらなくなった、それはコンパでも変わらないようだ
「えっ?有名人なの!?」
急に女子たちが色めき立つ
セームシュルトはここぞとばかりにバッグからチャンピオンベルトを取り出した
くそっ…なんで持ってきてんだ
女子たちはすでに落ちてしまったようだ
1時間後、両肩に女子を乗せたセームシュルトを見送ってから何気なく彼のウィキペディアを見た
そこには格闘家生命が燃え尽きるまで戦った男の歴史が刻まれていた