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東急線全線完乗旅

 先日たまたま渋谷に行きました。すると前々から気になっていた動くガンダムの入場券と東急線・みなとみらい線の一日乗車券がセットになった切符が販売されていました(2023年7月4日時点では大人用は完売)。動くガンダムを見るだけでも1500円ぐらいするのでかなりお得ですね。

 そんなわけで今回はこの一日乗車券を限界まで使い倒します。骨の髄までしゃぶりつくしたいので全線に乗りたいですね。
 ただし、昼には動くガンダム(最寄り駅:みなとみらい線元町・中華街駅)を見に行きたいのでそれまでには終わらなければなりません。つまり、始発スタートです。

 この記事は2022年11月5日の投稿を2023年7月4日再編集したものです。

つまり、作戦はこうだ

筆者が作成した路線図。
当時は東急新横浜線は開通していなかったためこれ以外のすべてを乗りつぶす

 東急は路線が複雑に入り組んでいるため、当てずっぽうに乗りつぶすと時間が非常にかかります。今回は最後に元町・中華街に到達すればよいのでまずは田園都市線から攻略することにしました。

2022年11月2日、作戦決行

神奈川県大和市にある中央林間駅

 午前5時30分。中央林間にやってきました。長い一日が始まります。

①田園都市線各駅停車渋谷行き[中央林間5:29→長津田5:39]

2020系2137編成

 この列車は半蔵門線に直通せずに渋谷止まりです。渋谷で折り返すことによりラッシュ時間帯の上りにもう一度入ることができるようです。このころはまだ8500系が営業運転をしていましたが、この列車は最新鋭の2020系です。

 せっかく乗ったのですが早くも長津田で下車です。落ち着く暇もありません。

読みは「ながつた」

②こどもの国線こどもの国行き[長津田5:44→こどもの国5:51]

 長津田に着きました。ここでは改札を出ます。こどもの国線への乗り換えですが、こどもの国線の長津田駅ににはなぜか改札がありません。こどもの国や恩田の改札ですべてを管理しているようです。

Y001系Y002編成。Y001系は東急3000系がベースの車両

 この電車はこどもの国線の始発です。中央林間をどんなに早く出発してもこの列車まで待つことになります。終点のこどもの国は住宅街とこどもの国しかありませんから、さすがにこの時間では乗客はほとんどいません。

 こどもの国は陸軍の弾薬貯蔵施設の跡地を当時の皇太子(今の上皇陛下)のご成婚記念に再整備したもので、児童厚生施設というこどものための施設です。なお、こどもの国線も元は陸軍の物資輸送に使用された貨物線でした。

 こどもの国に着くと沢山の通勤客が始発電車を待っていました。ここからは通勤ラッシュに突入します。私は自動改札を抜けて駅舎の写真を撮るとまた改札を通って電車に戻りました。

薄明の空。この駅の一日が始まります

③こどもの国線長津田行き[こどもの国5:54→長津田6:01]

 始発でこどもの国まで来てすぐに折り返すのは、どう考えても不審人物です。乗ってきた電車で長津田へ戻ります。

 長津田に戻ると田園都市線でも通勤ラッシュが始まっていました。

④田園都市線準急押上行き[長津田6:02→二子玉川6:22]

 この電車では渋谷に7時前についてしまうのですが、乗客はどこまで通勤しているのでしょうか。

乗車した電車は左下にわずかに見える2020系2138編成。
右は清澄白河行き。清澄白河で折り返すと8時台の下りとして戻ってくることができます

 青葉台も鷺沼も飛び越し二子玉川へ向かいます。今思えば大井町線の各駅停車は溝の口始発なので、溝の口で乗り換えたほうが良かっただろう…

⑤大井町線各駅停車大井町行き[二子玉川6:24→大岡山6:38]

 大井町線は副都心線直通の時にはじき出された東横線の車両や、運用に制約のあった田園都市線の車両が転属してくる終の棲家です。

9000系9103編成

 乗車して車両も元は東横線の車両。東急の音といえばこの爆音走行音。なじみがあります。ところでこの列車は大岡山で急行の待ち合わせをするのですがなんとその電車は長津田を私の7分後に発車した長津田始発の電車です。それに乗った方がずっと楽だったでしょうね。失敗しました。

進捗状況。端から埋めている※並走路線は片方の乗車でよいことにする

⑥目黒線各駅停車日吉行き[大岡山6:45→多摩川6:50]

 ここでトイレ休憩です。早朝から動いているので体調管理は重要。

メトロ9000系9113編成(6両)

 目黒線は相鉄と直通を始めて大きく運行形態が変わってしまいました。6両編成も日吉行きも減ったものです。

 多摩川へ向けて進むと日が昇りました。

⑦多摩川線蒲田行き[多摩川6:55→蒲田7:06]

 かつて目黒線と多摩川線は一体に運用され「目蒲線」と呼ばれていました。いまでも目黒線の田園調布と多摩川線の多摩川との間に短絡線があるようですが、日常的な使用はありません。

7000系7102編成

 東急7000系は多摩川線と池上線の旧型車両を置き換えるために導入された車両で、ほかの路線の電車より一両当たりの長さが短いのが特徴です。しかし増備計画の変更により前期増備車と後期増備車では性能などに若干の差異があります。

⑧池上線五反田行き[蒲田7:08→五反田7:33]

 蒲田は高架の駅で、地方のターミナルを豪華にしたような作りです。ちなみに駅売店ではタバコを売っていました。なんというかすごく蒲田な感じがしますね。

7000系7101編成

 普段はのどかな池上線も朝は大混雑。すし詰めの乗客が五反田へ向かいます。しかし、一回の乗車は短いので負担はありません。

行先が点々バラバラで効率的な回り方がわかりにくい

「山手線でワープ」

 さて、五反田へ来ました。ここから効率的に回ることを考えるとここから山手線で目黒に行き目黒線に乗り換えるか、都営浅草線で中延に行き大井町線に乗り換えるしかありません。
 しかし、五反田から目黒までは一駅。本数を考えても山手線でのワープを決行します。

ホームは通勤通学の人で大混雑

 目黒にはJRから東急への乗り換え改札があるのですが、何を思ったのか地上に出てしまいました。再び地下へ潜り、東急の旅を続けます。

豪華4社局集合!この組み合わせは目黒だけ

⑨急行日吉行き[目黒7:45→大岡山7:52]

 今では絶滅危惧種の急行日吉行きですが、当時はこれがスタンダード。

メトロ9000系9114編成(6両)

 朝ラッシュだからか1分遅れての出発です。目黒線から地下鉄方面の混雑はもちろんのこと、沿線に学校や会社の多い目黒線方向も混雑します。
 この度南北線・三田線から東急目黒線を介して相鉄線まで繋がりましたが、今後は白金高輪駅からJR品川駅への延伸が予定されていますので目の離せない路線です。

 先程一度下車したはずの大岡山に戻ってきました。つまり、次は大井町線です。

⑩急行大井町行き[大岡山7:56→8:05]

後発の東急6020系6122編成

 朝の大井町線は尋常でない混み方をしています。田園都市線が混むというのは非常に有名な話です。これを回避しようとした結果大井町線も混んでしまっているようです。これでは座席指定車両が設定されるのも納得。

 混み方を見るに、早朝のうちにこちらから回収すべきだったかもしれません。各駅停車は比較的空いていますが、この後の乗り継ぎに響くため乗り換えられません。

  大井町に着くと、すし詰めの乗客が解き放たれ急ぎ改札へと向かって行きました。私は改札を出て入って、乗ってきた電車ですぐに折り返します。

⑪急行溝の口行き[大井町8:08→二子玉川8:27]

引き続き6122編成

 逆方面は空いています。今朝早く通った二子玉川へ戻ります。でも実は、もう3時間も東急線に乗っていますがまだ8時です。まだ朝なのです。

 ここで進捗を確認します。大井町線まで乗りつぶしたことで、残るは田園都市線の二子玉川以東、世田谷線、東急線(それとみなとみらい線)だけになりました。

最適解がわからなくなってきた

しぶそばで休憩

ちくわ天そば

 二子玉川のしぶそばで朝食を食べます。しぶそばは電鉄系の駅そばでは群を抜いています。個人的にはかき揚げそばが季節ごとに内容が変わるのが良いですね。

⑫各駅停車押上行き[二子玉川8:39→三軒茶屋8:52]

 乗車するのは08系。実は6本しかない為なかなかお目にかかれない車両です。

メトロ08系106編成

 田園都市線の各駅停車は桜新町で急行を退避するものがありますが、後続の準急も各駅に停車するため結局は終点まで先発の各停が逃げ切ります。そのせいなのか各駅停車なのにこの電車はかなり混雑しています。

 二子玉川を出ると田園都市線は地下に潜り、かつて新玉川線と呼ばれた区間に入ります。かつては大井町線の方がが田園都市線と呼ばれていたそうですね。

 三軒茶屋ももちろん地下駅。世田谷線は地上にホームがあるので地上へ上がります。地上に上がるとそこには国道246号と首都高速3号線が通っています。

⑬下高井戸行き[三軒茶屋9:01→下高井戸9:19]&⑭三軒茶屋行き[下高井戸9:22→三軒茶屋9:40]

300系304編成

 世田谷線は一日遊べる路線です。運賃は均一160円ですが一日乗車券は380円。つまり3回乗れば元が取れます。

乗ってきた編成で折り返します。

 国道246号線から追い出された玉電ですが、環状7号との交差点の踏切では車も電車も平等に信号待ちをします。路面電車らしい数少ない場所です。

⑮各駅停車押上行き[三軒茶屋9:46→渋谷9:52]

 三軒茶屋に戻ってきました。いよいよラストスパートです。

2020系2135編成

 二駅ですぐに渋谷に到着。地下のホームから地下のホームへの移動で、東横線へ向かいます。

⑯特急元町・中華街行き[渋谷9:54→横浜10:21]

 東横線の最速達種別の特急に乗車します。従来の急行は停車駅が多く、湘南新宿ラインと勝負になりませんでした。そこで停車駅を絞った特急が設定されました。ちなみに特急の設定の方が桜木町乗り入れ廃止より早いので特急桜木町行きももちろんあったようです。

 特急は地下鉄直通の優等種別Fライナーとして設定され、西武線と東武線から毎時2本が直通してきます。この列車は西武池袋線の飯能始発です。

5050系4000番台4105編成
5050系4000番台は、工場から最初の車両が出てきたときに
車番のつけ方かなり話題になりました。

 意外にもここまで東急5000系グループに一度も乗車していませんでした。最近では目黒線向け5080系の中間車が増備され、まだまだ勢力を拡大しています。

東急はこれでおしまい

⑰各駅停車元町・中華街行き[横浜10:28?→元町・中華街10:36]

 最後は5050系5163編成、8両編成に乗ります。横浜でごそっと乗客が降りていきましたので座れます。あとは座っているだけで全線完乗。動くガンダムが11時からなのでそれまでに全線完乗を達成できてしまいました。意外と簡単でしたね。

おわったぁ

ガンダムだ

着いた

 東急の1日乗車券自体780円と簡単に元が取れますので是非みなさんも挑戦してみてください。ちなみに1日乗車券は様々なセット売りもされていてそれぞれとてもお得です。おすすめは「横濱中華街 旅グルメきっぷ」。腹を空かせるために東急線に乗りまくりましょう。
 今後もなにか思いついて旅行をしたらここにまとめていきたいと考えているのでよろしくお願いします。


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