
伝えきれていないシグニファイア:デザイナーはさいごまで責任を持ってユーザーにメッセージを届けるべき
ひどい肩こり
最近、肩こりがひどくなり、ついにマッサージ器を購入しました。使い始めたばかりですが、肩や背中を広範囲にほぐせるので、とても楽になっています。

購入にあたって、事前にいくつかのレビューをチェックしました。その中で「性能は良いけれど、アダプターのケーブルが外れやすい」というコメントが複数見受けられました。実際に使ってみると、確かにケーブルが簡単に外れてしまい、一瞬「自分も同じようなレビューを書こうかな」と思ったほどです。
しかし、よくよく構造を観察すると、口の部分がゴムのようなとところに入れられたようになっています。そもそもなぜこのようになっているのだろうという疑問が湧いてきました。

そこで、最初の状態のまま使うのではなく、ゴムの穴から口の側を外して、本体のゴムの穴にケーブルのほうの配線を通すと、安定するのではないかと考えました。試しに配線を付け替えてみたところ、驚くほどしっかり固定され、ほとんど外れなくなりました。

シグニファイアの役割
この経験を通して、改めてシグニファイアについて考えさせられました。シグニファイアとは、対象物と人間との間のインタラクションの可能性を示唆する手がかりやサインのことを指します。そして、アフォーダンスが環境に存在する情報であるのに対して、シグニファイアはデザイナーが意図的・恣意的に「つける」ことができます。
おそらくメーカーのデザイナーの意図としては、最初にケーブルをゴムの穴に通しておくことで、「ここを通すべき」というシグニファイアを提示したつもりなのかもしれません。しかし、実際には多くのユーザーがその意図を読み取れず、最初の状態のまま使い続けた結果、「ケーブルが外れやすい」という不満につながってしまったのです。
このように、デザイナーの意図とユーザーの理解の間にギャップが生じることは少なくありません。製品デザインにおいて、シグニファイアは適切に伝わらなければ意味をなさず、時に誤解や不便を生むこともあります。
伝わるシグニファイアとは?
今回のケースでは、「ゴムの穴にケーブルを通して使うと外れにくい」という情報が、ユーザーにとっては明確に感じ取ることができていませんでした。そのため、ユーザーは初期状態のまま使用し、不便さを感じることになったのです。
これを防ぐためには、
視覚的なガイド(ゴムの穴の周りに矢印マークをつける)
説明の明記(「ケーブルを通すことで安定します」と記載する)
初期状態の見直し(最初からケーブルを穴に通した状態で梱包する)
といった工夫が考えられます。
デザイナーはシグニファイアをユーザーに伝え切るべき
今回の気づきを通して、普段何気なく使っているものにも「意図された使い方」と「実際の使われ方」のズレが潜んでいることを改めて実感しました。デザイナーの意図がユーザーに伝わらなければ、せっかくの設計も意味をなしません。デザイナーはデザインの意図をシグニファイしたのだとしたら、さいごまでそれをユーザーに伝え切るべきだと思います。
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