珍宝館に行ってきた

ずっと前から友達が言ってた。存在は認知してた。

珍宝館は群馬ともう一つ静岡にもあるのかな?
名前の読み方でお察しの通り、性器を模った石像、木工、江戸時代の春画から西洋セクシーポラロイド、エロフィギュアからラブドールに至るまで展示している、エロの魔境の館である。
今回は群馬の方に行ってみた。

JR高崎駅からレンタカーを借りて30分ほどで着く。GWの南風は緩い湿った初夏を連れてきていた。ずっと前から「珍宝館に行きたい!」と喚いていた友達(女)と、俺。他に予定がなさそうなやつを誘って見たが、珍宝館の名前を口にするとスゲー変な顔してこれでもかというほどの遠慮を見せた。
俺らはアタオカである。頭がイカれちまってる。早起きしてギンギンの目をこさえてハイテンションでデカチンを見に行った。

群馬の珍宝館はたしか榛名山の麓にある。少し山道を入ったところだった。そこは日本三大うどんである水沢うどんなどのグルメや、少し進めば伊香保温泉もあって、榛名湖ではいろんなアクティビティもできるGWには匹敵のレジャースポットだった。
もう俺らの目はギンギンなのでデカチンデカマンをガン見するしかない。そんなものには目をくれない。
山道を少し進んだら「命と性のミュージアム」というミュージアムがあった。少し不穏だ。こんなイカれノリできてはいけなかったのかもしれない。その先に珍宝館はあった。

まず目を見張るのは岩でできたクッソデカいチンコ。イカれている。ここの人間は生殖についてガチだ。入場料は大人700円。子供はしらん。てか、入っていいのだろうか。中に入ると至る所に性器を模した木工や石工がある。よくよく説明を見てみるとこれら全て館長のちん子さんが集めた物だったりするらしい。大イカれだ。性にとことん真摯である。
奥へ進むと、春画のコーナーやヌードデッサン、リアルすぎる女体の木工、チンコっぽい石、マンコっぽい石を集めたの(数えてはないが200〜300個くらいあった気がする。)、性玩具、チンコとマンコの木工がチンコとマンコに別れておかれた神棚、流木をその形のまま性交渉ように置き換えた人の展示、春麗のエロフィギュア、推定云十万はするだろうラブドール、エロくて耽美な絵画、昭和のエロ漫画(紙芝居?)、昭和のポルノ女優の名鑑、極めつきに珍宝館オリジナルプリクラもあった。圧倒された。

俺はまだまだエロに未熟すぎる。木工や石工、絵画を見ていると、そこに、対象に現れる情熱が溢れていた。大学でやれ彼女が〜だの、やれこの前やった女が〜だの、やれ彼の〜がだの、やれ浮気相手がだの、全てがクソアホらしく見えた。俺は友達とプリクラを撮った。もちろん、ポーズは人差し指と中指の間に親指を入れたグー👍のポーズだ。もう涅槃開いちまって印刷されたプリでは2人とも清々しいほど少し目がデカくなった真顔だった。

全ての情報の処理が追いつかず、タバコの休憩を挟んでいると、何やら館長のチン子さんからツアーがあるみたいで召集された。まず自己紹介から下ネタを掛けたセクシュアルなジョークを交え、その猥談、いや講談は、芸術的な破壊力を持っていた。ありえないくらい下ネタを掛けた話術はiq1500とかでも思いつかないような大胆かつ流暢、だが性へのリスペクトを忘れずにおしとやかな口ぶりだった。

話している最中、何やら近づいてきていきなり俺の股間に触れてきた。ドキッとしたが柔らかく、繊細な触れ方で僕はもう、射精しそうだった。そして一言。「我慢汁出てる。あなたこれじゃラブ注入できないわよ」と言われた。

少子高齢化問題。富士山型から壺型、今では逆富士山型になりかけているほど少子高齢化は進んでいる。医療の発達に伴い、高齢者の寿命の増加が加速。若年層では、経済的な面やその他社会福祉の点でなかなか子供を作れないのは先進国の必ずと言っていいほどブチ当る問題であることは中学の授業で習った。Twitterではやれ託児所や保育園だとか婚活だとか税金とか言われてる。歳を重ねて結婚の話を聞くたびに自分のそれについて考えさせられる。なんだか自分には遠いようで近い話。それについて杞憂して自分の目の前のこと"やらねばならぬこと"に追われすぎて恋愛さえできていない。でも、俺はそれにも満たないのか…。涙がこぼれそう。

しかし、前に出てチン子さんはこう続けた。「もうこのまま乾いたおまんちょ、萎えたあんちゃんたちだと少子高齢化になるじゃない。あたしの年金あげてもらえる?あなたたち今夜はGOTOSEXで子供5人作ってちょうだい。」

なんだか元気が出た。
もう俺もエッチしちゃえばいいのか。大昔からそれだった。今で言うと、自分は自分の物事しか見えていない。俺で言えば課題がどうとか、バイトがどうとか、バンド・サークルがどうとか。就活だってそろそろみんなやり始めている。もう現実がいつだって気を緩めると襲ってくる。チン子さんもきっとそうだ。何か悩みはある。だがエロいことをする時、考えることはそのエロが全てである。目に映る、嗅ぐ、味わう、聞く、触れたそのものに対して集中してオルガズムに達する時、人は対象と自分の本質を視る。チン子さんは無責任に積極的な子作りをしろと言ってるわけではない。そうじゃない。自分が、相手が生きていてる証明をしろと仰っているのだ。自分が生きることができる証拠と証明をするために愛を知れ。そう仰っているのだ。その副産物が人間だ。それで人間が頑張って社会を回して年金を払うのだ。プラトニックで他力本願な感じになってきたが、生命エネルギーは湧いてきた。なんか絶妙な肩こりが軽くなったが頭は重くなった。

好きなものを愛そう。本質を知ろう。Have a Sex.
いい夢を。

オナニーした気分になった。

まぁ別に、その女友達とはヤらなかった。それはいい。それはいいが、その後車のドアで右手小指を思いっきり挟んだ。多分ヒビ入った。ちくしょう、このクソッタレが。まぁチンコ挟まないだけよかったと今では思ってる。えっちできなくなっちゃうからな!

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