タダより高いものはない
「タダより高いものはない」とはよく言ったもので、わずかな手間や出費を惜しんだばかりにかえって痛い目にあうことってありますよね。
私も制作の現場で何度も経験しました。不思議なことにちょっと手の込んだ修正箇所の不具合には気づくのに、単純なミスに限って見逃しがちだったりします。簡単だからこそ注意力が薄れるのでしょう。誤字脱字などは脳内で正しく変換されがちだし。
そうして制作側で気づくべき不具合を残したままクライアントに提出してしまい、先方から指摘されようものなら恥ずかしい思いをするし、校了が出て印刷が進んだ後で不具合が発覚すれば責任問題になったり、刷り直しの追加コスト負担を求められることも。
いや、そもそもクライアント側が校了を宣言したならそれでOKのお墨付きが出た意味合いのはずだけど、実際には仕事を依頼する側と受ける側の力関係によって、こちらが泣くことになりがちです。
そうして痛い目に遭ったときに思います。「あのときもう少し丁寧に修正内容を確認していれば、こんなことにならなかったはずだよな…」と。
とはいえ反省や気合いではスキルは上がらないし、むしろ疑心暗鬼になって以後の確認作業に余計な時間をかけるようにもなりかねません。「あつものに懲りてなますを吹く」という状態ですね。
よって確認クオリティの向上に最も有効な手段は「新たなツールを導入すること」です。すでに何かを使っているなら違う特徴を備えたツールを併用すると良いでしょう。
例えばAdobe Acrobat PRO DCのPDF比較機能は解析方式なのでデータとの相性次第では差異の検出もれが起こります。
Proof Checker PROには解析方式だけでなくビットマップ比較があるものの、締め切りが重なればドングルの順番待ちが発生します。ツール自体は素晴らしいのに、「大丈夫だろうとタカを括って検証を省いたら拙い不具合が混入していた」なんてことが起きかねません。
そこでXORの導入をご検討いただけると幸いです。月額2,000円は安くはないかもしれないけど、1日100円(x20日)で致命的なミスを防げるかもしれないし、事が起こってしまえばもっと厳しい出費を強いられかねないので。