生成AIと協働するデザインの可能性②
みなさん、こんにちは!
大学院で生成AIとデザインの研究をしている梅津憂剛です。今回、私が取り組んだ「ガラスベース」プロジェクトについて、3回に分け、お話ししようと思います。第2回では、生成AIとのやり取りを通じて、どのようにデザインを拡張させていったのかをご紹介します!
生成AIを活用したデザイン
今回制作したガラスのフラワーベースは近未来的なY3Kを参考にし、画像生成AIでスタディしました
◆トレンド
Y3K は、3000 年代を想定した近未来的なファッションスタイルを表現したトレンドで、SF 映画やアニメ、AI、VR などからインスピレーションを得た未来的なデザインです。シルバーやメタリックな素材、タイトなシルエット、ネオンカラーの使用などが特徴的です。このトレンドのスタイルを画像生成するために分析し、要素に分けました
◆スタイル分析
この要素を分析するところはデザイナーの分析眼にかかっていると思います。ChatGPTで画像に写っているものを列挙してもらってもいいんですけど、結局はそれを自分がどのような評価指標で選び、分析結果を位置付けするのかがとても重要だと思います。
◆プロンプト構文
スタイル分析した結果をプロンプト構文に当てはめ、画像生成をします。プロンプト構文は安定して同じようなバリエーションを画像生成するための公式みたいな感じです。また、プロンプトにアーティスト名を入れるのは避けています。
プロンプトを少しずつ変更し、その結果を比較することで、どの要素がデザインにどのような影響を与えるかを学びました。例えば:
これらの微調整を通じて、画像生成したY3Kスタイルのフラワーベースを参考にスタディをしました。
生成AIを活用する良し悪し
◆人間の目による選別と統合
AIが生成した多数のデザイン案から、最も可能性を感じるものを選び出す作業は、完全に人間の感性に委ねられています。私は以下の基準で選別を行いました:
選別したデザインの中から、特に魅力的な要素を抽出し、それらを組み合わせて新たなデザイン案を作成しました。例えば、コンセプトに合ったリバーシブルのフラワーベースと画像生成した流動的な形状を組み合わせるなどです。
◆デジタルからフィジカルへ:ガラス造形への落とし込み
デジタル上で完成したデザインを実際のガラス作品として実現するのは、制作を担当する本郷さんと廣瀬さんとの綿密なコミュニケーションが不可欠でした。コミュニケーションの齟齬をなくすため、AIで画像生成したものを部分的に使用し、全体像として共有したり、バリエーションを見せて一緒に方向性を決めるなど効果的に生成AIを活用し、最終的なデザインにたどり着きました。
学びと気づき
このプロセスを通じて、以下のような重要な学びがありました:
まぁ、結局のところ、使う人次第ってことです。生成AIは、色々な領域や分野に興味がある人には持ってこいですし、それによってできることが拡張されているように感じます。みなさんも私と一緒に良き生成AIライフを送りましょう笑
第3回
次回は、このプロジェクトから得られた学び、そして生成AIとデザインの未来について考察します。お楽しみに!
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