忍殺TRPGリプレイ【ユナイテッド・ウィー・スタンド】28
前回のあらすじ:謎の荒野で次々と目覚める、すでに死んだはずのニンジャたち。周囲には不可視の壁が張り巡らされ、磁気嵐が荒れ狂う。駆け引きと殺し合いの果てに、生き残ったのは……!
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「AARGHHHH!」ジェムボーグは獣めいて叫び、プレイグへ飛びかかりつつ黒檀ヌンチャクを振り下ろす!KRAASH!「AARGHHH!」プレイグは辛うじて二発を躱すが、一発命中!大きく体勢を崩す!「イイイ……イイイヤァアアーーッ!」グレイヘロンが追撃!SLASHSHSH!「AARGHH!」まだ動く!
「シ・ニンジャ……!」ヤモトは呟き、カタナにカラテを注ぐ。桜色の光がカタナに集まり、切れ味を高める。そのカタナは……卑しきツジギリスト、シルバーカラスより奪いし業物、ウバステである!「イアイ!」カイシャク!SLASH!きれいな一撃が、プレイグの首を切り落とした!
「サヨナラ!」KABOOOOOM!プレイグは爆発四散!ナムアミダブツ!
67名死亡、残り3名…+1名
???
「シューッ……!」ヤモトはザンシンした。「お見事。で、どうする」グレイヘロンは問う。「ここから現世へ戻れるのか?」「それは……」ヤモトは複雑な表情を浮かべた。ここはオヒガン、アノヨのどこか。おそらく休眠中のリアルニンジャたちの夢の中。そこに死せるニンジャたちが集められた。
主催者らは何を目論んでいたのか。単なる気晴らしなのか、何らかの儀式なのか。どのみち、シ・ニンジャには……死者をアノヨから蘇らせるようなことはできないし、しない。現世で縁のある者だったとしても、生と死の境は守らねばならない。神代からのルールだ。「……まあ、そうだろうなァ」
グレイヘロンは肩をすくめた。声音と表情だけで充分伝わる。では、彼女は何のためにここへ……「GRRRRRRRR……AARGHHHHH!」「「「!」」」突然、ジェムボーグが唸り声をあげた!彼が手に持つ黒檀のヌンチャクから金属質な黒い結晶が伸び、ジェムボーグの全身を覆い始める!「何だ!?」
トキシンハリテはたじろいだ。ニンジャソウルの……否、あのヌンチャクの暴走か?「アタイがここに来たのは……たぶん、あのヌンチャクのため」ヤモトはカタナのエンハンスを解かず、ジェムボーグに切っ先を向けた。「あれがアタイを呼び寄せたんだ」「アレをなんとかしろってのかよ……」
『こんなことはあってはならぬ』『ケオス要素を……』上空から声が響く。『あれは三種の神器のひとつ、破壊のヌンチャク』ヤモトの口から、別人めいた力あるコトダマが放たれた。『メンポ、ブレーサー、そしてヌンチャク。三神器が揃えば災厄がもたらされる。ゆえに三箇所に分かたれた』
『然り……』『ドーモ、シ・ニンジャです。アイサツせよ』ヤモトは、シ・ニンジャとして上空に呼びかけた。『ドーモ……イキマ・ニンジャです』『ミマシ・ニンジャです』『ミマワキ・ニンジャです』『ナカテ・ニンジャです』上空に磁気嵐の渦が寄り集まり、四つの影となった。
平安時代に眠りについた古きニンジャたちだ。『我らはただヌンチャクを守り、定期的にニンジャを集め、力を注いでいたに過ぎぬ……』『そうせねば、あれは眠れる我らを食らい、地上に現れると告げられた……』『誰に』『……ソガ・ニンジャ=サン……』四つの影は歪み、ねじれ、悶え苦しむ。
役目に縛り付けられていた、というわけか。ならばヌンチャクを破壊、ないし別の場所に遷せば、彼らは……『ゴアオオオオオン!』ジェムボーグは全身を黒い結晶に覆われ、恐るべき怪物と化した!
◆ジェムボーグ(種別:ニンジャ)
カラテ 12>17 体力 12
ニューロン 6>4 精神力 6>4
ワザマエ 8>6 脚力 7>11/-
ジツ 3 万札 30
攻撃/射撃/機先/電脳 23/ 9/ 4/ 4
回避/精密/側転/発動 15/ 6/ -/10
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆***聖なるヌンチャク/ヌンチャク・オブ・デストラクション***(第2版)
特殊近接武器(素手扱い)、タツジンスキル対応なし、所持・装備ペナルティなし
ダメージ3(エンハンス可)、迎撃ダメージ2、攻撃ダイス+3、スロット1
●ソウルの侵食:使用したフェイズの終わりに精神力1、戦闘スタイルを使用すればD3失う
●戦闘スタイル:いずれも2ターン連続使用不可
肉体破壊 出目5+が2つで殺伐、3つでナムアミダブツ
乱打:連続攻撃+4、ワザマエHで標的1体に攻撃(連射値で連続攻撃)
1発につきダメージ2固定(エンハンス・痛打・殺伐なし)、迎撃不能
回転斬撃:ワザマエUHで判定、2マス以内の敵味方全員に2ダメージ3発(回避N)
出目6が4つで回避H、6つで4発(回避H) 迎撃不可、エンハンス可
●神器暴走獣化:不可逆のグレーター・ヘンゲヨーカイ化
カラテ+5、ワザマエとニューロン-2、脚力+3、素手ダメージ2、連続攻撃+1
側転不可、回避ダイス-2 体力は増加しない サイバネは全て失われる
タツジン系スキルやヒサツ・ワザは一切使用不可
●連続攻撃3
◇ジツやスキル
☆ムテキ・アティチュードLV3:使用するとダメージ軽減2、即死耐性
☆◉瞬時の解除
◉◉タツジン:ジュージツ 獣化により使用不可
◉ニンジャソウルの闇(3):体力および攻撃・射撃・ジツ判定+3
能力値合計:32>33
どくん……どくん……どくん……どくん……!ジェムボーグの肉体から脈打つような光が漏れ、凄まじいカラテを発散する!まるでジゴクのデーモンだ!「……行くよ!」「「おう!」」最終決戦!
戦闘開始
1ターン目
「イヤーッ!」ヤモトはカラテミサイルを伴いつつ、エンハンスメントしたカタナで斬りかかる!『GRRRR!』ジェムボーグは頑強な腕を振るい防御!そこへグレイヘロンが斬りかかる!「イアイ!」SLASHSH!『AARGHH!』一発命中!攻撃が通るならば殺せる!『GRRRRRR……ゴアアアアアア!』
ジェムボーグは獣めいて咆哮し、トキシンハリテへヌンチャクを振るって飛びかかる!どくん……致命的な攻撃が、トキシンハリテの首を刈り取ろうと迫る!彼はアドレナリンをKRAAAASH!「グワ、アバーッ!」サツバツ!ヌンチャクが頭蓋骨にめり込み眼球が飛び出す!「ゴボッ……サヨナラ!」
KABOOOM!トキシンハリテは頭を砕かれ昏倒!爆発四散!頑強なスモトリニンジャを一撃とは、なんたる威力か!「クソッ!だが二対一だ!」
68名死亡、残り2名…+1名
2ターン目
「イヤーッ!」ヤモトはカラテミサイルを伴いジェムボーグへ斬りかかる!狙うは脚!KBAMKBAM!SLAAASH!『アババーッ!』命中!致命的な一撃は躱されたが、カラテミサイルと痛打を食らわせた!黒い血液が噴出する!「イヤーッ!」グレイヘロンも続く!『ムテキ!』ガキィン!防御!
『ゴアアアアオオオン!』ジェムボーグはヌンチャクを振り上げ、グレイヘロンへ必殺の攻撃を……振り下ろす!グレイヘロンは薄く笑った。これは、躱せない……!「イヤーッ!」ヤモトがグレイヘロンにタックルをかけ、突き飛ばしてかばう!SMAASH!「ンアアアーッ!」だが脚に一撃を受ける!
ナムアミダブツ……ヤモトの右足がヌンチャクの一撃で破壊された。即死は免れたが、これでは……!「ちょっとばかり寿命が伸びたか」グレイヘロンはヤモトに駆け寄り、支える。「バカなことを」「アタイを……もう一人のアタイを、グレイヘロン=サンはかばってくれた。だから……!」
『GRRRRR……』ジェムボーグは二人に死神めいて歩み寄る。その肉体はボロボロと崩れ始めている。ヌンチャクのもたらす凄まじいパワーに、彼の肉体が耐えきれなくなっているのだ。ヌンチャクでの攻撃は、できてあと一発。ならば……「次は、俺がかばう。それで勝てる」「……先に倒す!」
3ターン目
「イイイ……!」ヤモトはジツの力を高め、カラテをカタナに注ぎ込む。自分自身をカタナに変える。死線を超え、生きる道を見出す!「イイイヤァアアアーーッ!」SLAASH!カラテミサイルと同時にイアイ!研ぎ澄まされた一閃がジェムボーグを襲う!『AARGHHHH!』命中!だが……浅い!
「充分だ、ヤモト=サン」グレイヘロンは渾身のカラテをカタナに込めた。捨て身にあらず。自分はすでに死に、ここはアノヨ、ジゴクの底だ。相手はジゴクのオニ一匹、現世で積んだ罪の罰。「キリステ・ゴーメン」
SLASH!十文字の斬撃が、ジェムボーグの正中線をとらえた。『アバッ……サ・ヨ・ナ・ラ!』KABOOOOOOOM!ジェムボーグは爆発四散した。
69名死亡、残り1名…+1名
【続く】
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