忍殺TRPGリプレイ【チェイス・ユー!】04
前回のあらすじ:ネオサイタマのノビドメ・シェードでタケダチック・アガキ社のサラリマン2人が暗殺された。下手人はサイバーツジギリを請け負ったフリーランスの女ニンジャ・マッドガンナーだ。タケダ社のエージェントの追跡をどうにか振り切った彼女だったが、新たな追手が現れる!
◆
数時間後。夜明け前。マッドガンナーはコインランドリーにいた。バズキルの方は仲間が足止めしてくれたが、エレクトリックイールは強敵だった。しかし、彼が電磁ワイヤーウィップを武器としていたことが幸いした。ノビドメ・シェードの運河、水中に飛び込み、どうにか追跡を逃れたのだ。
あの後コバヤシノと連絡をとり、試作武器を返還し、報酬を受け取った。それなりだったが、色々とツイてない。色々と。彼女はランドリー内のベンチに腰掛け、陰鬱に、テレビモニタに映るトゥーンを眺めていた。ドブ水に浸かった汚れはシャワーを借りて洗い流したが、衣服はそうもいかない。
これからどうするか。カネはあるし、どうにかなるだろう。暗黒メガコーポを敵に回したとなると、顔やニンジャネームも変えねばならないかもだ。あるいは中立非戦地帯のニチョームへ逃げ込むか。ストリークとデッドリーチェイサーは……ガララッ。「ドーモ」ドアが開き、客が入ってきた。否!
「初めまして、マッドガンナー=サン。俺はソウカイ・シンジケートのニンジャ、ナッツクラッカーです」
「……ドーモ」マッドガンナーは青ざめながらアイサツを返す。「驚いているか? タケダチック・アガキ社のサラリマン2人を殺した下手人だな。同行願おうか。そして協力者……依頼人を吐け」「嫌だと言えば?」「命乞いさせてやる。その後、貴様の身体に訊問し、愉しませてもらう」「断る」
マッドガンナーは吐き捨てた。「では、そうさせてもらうぞ」狭い室内にカラテが満ちる!一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
「イヤーッ!」BLAMBLAM!マッドガンナーは二挺拳銃をヌキウチ!「イヤーッ!」ナッツクラッカーは見切って躱し、トラバサミめいたサイバネ顎を開いて噛みつき攻撃を繰り出す!「イヤーッ!」BLAMBLAM!マッドガンナーは側転回避し二挺拳銃連射!だが当たらぬ!「無駄だ!イヤーッ!」
ナッツクラッカーの恐るべきトビゲリが襲う!「い、イヤーッ!」マッドガンナーはブリッジ回避!ワザマエ!「ククク、カラテは俺の方が上のようだなァ」ナッツクラッカーはガチガチとサイバネ顎を鳴らし、よだれを垂らした。「ニンジャに銃弾などめったに当たらん。カラテでかかってこい」
2ターン目
「イヤーッ!」マッドガンナーは二挺拳銃を納め、トビゲリを繰り出す!「イヤーッ!」ナッツクラッカーは側転回避し、噛みつき攻撃で反撃!SMASH!「ンアーッ!」命中!鮮血が飛び散る!「く、クソッタレ!」マッドガンナーは飛び離れてスシを補給、負傷を癒やす!ジリー・プアーだ!
3ターン目
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」2人のニンジャは色付きの風と化し、狭いコインランドリーを飛び回りつつカラテを応酬!応酬!応酬!「……グワーッ!」ナッツクラッカーは反撃を食らい、たたらを踏んでよろめく!「どうだッ!」
4ターン目
マッドガンナーは絶望的状況で闘志を燃やし、ナッツクラッカーにトビゲリを放つ!SMASH!「グワーッ!」命中!だが彼のニンジャ耐久力はこれに耐える!そして!「つかまえた……ぞ!」SMAASH!サツバツ!サイバネ顎がマッドガンナーの足首に重篤なダメージを食らわした!「ンアアーッ!」
マッドガンナーは足首をくわえこまれたまま、ナッツクラッカーの足元へぶら下がる。彼女は……とっさに二挺拳銃を抜き、敵の両膝へゼロ距離射撃を食らわせる!BLAMBLAM!「グワ……アバーッ!?」サツバツ!ナッツクラッカーは仰向けに崩れ落ち、マッドガンナーは拘束から逃れた!
「ザッ……ケンナコラー!」ナッツクラッカーは必死でヤクザスラングを叫んでキアイを入れ、マッドガンナーのもう一方の足首にかじりつく!「ンアーッ!」「うおおおーっ!」そのまま大きく首を振り、壁に叩きつける!ナムアミダブツ!KRAAASH!「ンアアーッ!」マッドガンナーは昏倒!
戦闘終了
「ハァッ、ハァッハァークソッ!思い知ったか!」ナッツクラッカーは荒い息を吐きながら勝ち誇る。紙一重の勝利であった。クローンヤクザ部隊や、仲間のニンジャを連れていれば、もう少しラクに取り押さえられただろう。だが倒した。単独で。彼はIRC端末で自分の手柄を報告しようと、した。
???
SMASH!彼の無防備な背中に、スリケンが突き刺さった。「え」ドアガラスを突き破って飛来したそれは、ナッツクラッカーの筋肉を突き破り、骨を砕き、心臓を貫通した。恐るべき試作武器、スナイパースリケン・カタパルトであった。「アバッ……サヨナラ!」KABOOOM!彼は爆発四散した。
数ブロック離れたビルの屋上。ストリークはニンジャ視力で標的の爆発四散を確認した。「仕留めた。回収に向かってくれ」「アイアイ」デッドリーチェイサーはビルから飛び降りた。ストリークからの抗議と、マッドガンナーからの救援要請を受けたコバヤシノが、両者の問題を解決したのだ。
マッドガンナーがソウカイヤに連行され、依頼主や協力者の名を自白させられれば、今後やりにくくなる。欠陥品を掴まされてカネ払いが悪かったとストリークが悪評を流せば、うまくない。ゆえに彼女は状況判断した。
「我が電臣ニストソリューションシステムズの商品をご活用いただき、大変ありがとうございます」コバヤシノのバストは豊満である。「我々の商材は革新性をもたらします。つまりカネの流れを作る。信頼してもらっていいですよ。システムにショックを与える、それが生きがいですから」
【チェイス・ユー!】終わり
リザルトな
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