忍殺TRPGリプレイ【サプライズ・シャーク・アタック】04
前回のあらすじ:ソウカイニンジャのチーム・ランタンシャークに、電脳部門筆頭ダイダロスから、敵組織ザイバツと手を組んだ傭兵ハッカーニンジャ「エンキドゥ」を始末せよとの命令が下された。相手は凄腕のハッカーであり、ザイバツの護衛ニンジャも二人いる。シマッテコーゼ!
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ドボン!ランタンシャークは再びドトン・ジツを発動し、床を泥のように柔らかくして地中へ沈む!狙うはトキシンシューター!「AARGHHHHH!」トキシンシューターは先程のクナイ投擲により距離感を掴み、致命的な攻撃を……SMAASH!「グワ、アバーッ!」一発命中!無視できぬダメージだ!
「う、ウオーッ!」トキシンシューターは目を強く輝かせ、全身に毒液を行き渡らせる!恐るべきチドク・ジツだ!「キエーッ!」天井を飛び跳ねつつアルビオンへ頭上からモウドク・ダートを降り注がせる!アブナイ!「い、イヤーッ!」アルビオンは間一髪で横に転がり回避!ワザマエ!
「まずは手負いからブッ殺すね!」マーフィーは無慈悲な視線をトキシンシューターに向ける。エンキドゥの援護は厄介だが、カラテ勝負なら三対二、圧倒的有利!確実に一人ずつ仕留めるべし!『ファーッカカカ!どうした、ザイバツ=サン!しっかりせよ!』「ええい、わかっている!」
戦闘継続
マップ
5ターン目
『ファーカカカ!kill-9 U!』ZZTZZTZZT!BRTTTTTT!アルビオンへエンキドゥの遠隔ハッキングと自律ドローン射撃が同時に襲う!SMASH!「グワーッ!」ハッキング攻撃は躱すが射撃を躱しきれない!大きく体勢を崩す!あのダイダロスのハッキングを凌ぎながら、なんたるタイピング速度か!
「イヤーッ!」マーフィーはアルビオンをかばう位置に連続側転移動し、アローヘッドへ牽制のクナイを連射!「イヤーッ!」アローヘッドは側転回避し、トキシンシューターをかばう位置へ移動!ソウカイヤの三人は奥へ、ザイバツの二人は出口近くへ集まった形だ!「逃がすかよ!イヤーッ!」
アルビオンは壁やUNIXサーバを蹴ってトキシンシューターへトライアングルリープキック!アローヘッドがかばう!SMASH!「グワーッ!」命中!痛烈!だが致命的ではない!「ハァーッ、ハァーッ!来やがれ、サメ野郎!」トキシンシューターは毒息を吐き、毒血液を垂らして待ち構える!
「AAARGHHHH!」ランタンシャークがアローヘッドとトキシンシューターの足元から出現!「グワーッ!」アローヘッドは轢殺攻撃を食らい転倒!だが狙うはトキシンシューターだ!どくん……!彼は毒とともにアドレナリンを過剰分泌し、これを……「イイイヤァアアアーーーッ!」紙一重で回避!
「ハハハハハ!この俺を!ナメるんじゃねェーッ!」トキシンシューターはハイになって高笑いし、アローヘッドの背後からアルビオンへ毒液を浴びせかける!「グワーッ!」命中!恐るべき神経毒だ!「い、一番弱いのは、テメエだな!」「ンなこたァわかってるぜ!だがテメエは、俺より弱い!」
6ターン目
『ファーカカカ!kill-9 U!』ZZTZZTZZT!アルビオンへエンキドゥの遠隔ハッキングが襲う!「イヤーッ!」ポートを閉じて回避!自律ドローンは……マーフィーを狙う!BRTTTT!「イヤーッ!」側転回避!UNIXサーバや扉は頑強で破壊不可能!とにかくザイバツニンジャを先に仕留めるしかない!
「死ねーッ!」マーフィーは背負ったニンジャソードを抜き払い、壁やUNIXサーバを蹴りながら渾身のイアイ!狙うはアローヘッド!「イヤーッ!」アローヘッドは側転回避しナガユミでアルビオンを狙う!BOOMBOOM!「イヤーッ!」マーフィーはアドレナリンをみなぎらせ紙一重でかばう!
「ウオーッ!」アルビオンはトキシンシューターめがけてトライアングルリープキック!アローヘッドがアドレナリンをみなぎらせてかばSMAAASH!「グワ、アッバーッ!」ナムアミダブツ!アルビオンの渾身のキックが、アローヘッドの右膝を破壊!トキシンシューターともども満身創痍だ!
「死ねーッ!」ランタンシャークがドトン・ジツで襲いかかる!「「グワーッ!」」二人は轢殺攻撃を食らい負傷!だが!「うおおーッ!」トキシンシューターは死神めいたサメの噛みつきから必死で逃げ回りつつ、マキビシか機雷めいてモウドク・ダートをバラ撒く!サメの動きを読むために!
7ターン目
『ファーカカカ!kill-9 U!』ZZTZZTZZT!BRTTTTTT!アルビオンへエンキドゥの遠隔ハッキングと自律ドローン射撃が同時に襲う!「グワ……アバーッ!」サツバツ!遠隔ハッキングを防ぎきれず、脳内UNIXが焼かれる!アルビオンは目・鼻・耳・口から出血し、大きく体勢を崩す!危険な状態だ!
「死ねーッ!」マーフィーは再びトライアングルリープ・イアイ!渾身のカラテをこめた刃がアローヘッドへ迫る!右膝を砕かれた彼は……躱しきれない!SLAASH!「グワ……アバーッ!」サツバツ!両脚が切断され大量出血!ニンジャ耐久力で即死は免れたが昏倒!戦闘不能!「残るはテメエだ!」
「イヤーッ!」アルビオンのトライアングルリープキック!「死ねーッ!」地中からはランタンシャークが迫る!トキシンシューターは死を覚悟した。「ザイバツ・シャドーギルド……バンザイ!」アルビオンの飛び蹴りをブリッジ回避!「AARGHHHH!」ランタンシャークが大顎を開いて襲いかかる!
瞬間、トキシンシューターの脳裏にソーマト・リコールが起きた。……数年前、ガイオン東部のゴリラ門スラムで蔓延した疫病に罹り、彼は死線をさまよった末ニンジャとなった。やがてザイバツに見出されるが、スラム出身の彼に出世の目はなく、ネオサイタマへ左遷され……イサオシを求め……!
SMAAAAASH!「「アバババーッ!」」ナムアミダブツ!サメの大顎は、アローヘッドとトキシンシューターを同時にとらえ、噛み砕いた!KRASH!KRASH!KRASH!「「サヨナラ!」」KABOOOM!同時に爆発四散!インガオホー!だが!「ゴボッ……オゲーッ!」ランタンシャークは嘔吐した。
二人のニンジャの生首も吐き出され、床に転がった。毒だ。トキシンシューターのチドク・ジツ。一矢……一死報いられ、一杯食わされた。だがそれだけだ。ランタンシャークの頑強な肉体には致命的ダメージとはならない。「シューッ、クソ不味かったが……ブッ殺したぜ!」ゴウランガ!
『ファーカカカ……やれやれ、ダメだったか』エンキドゥは、天井モニタの中でハンズアップする。自律ドローンも射撃をやめ、遠隔ハッキングも飛んで来ない。『やむを得ん、降参しよう。諸君の勝ちだ』エンキドゥは所詮は傭兵であり、ザイバツに忠誠を誓っているわけではない。命が大事だ。
戦闘終了
エピローグ
『01010101……All your base are belong to us』天井モニタの画像がノイズまみれになり、ダイダロスのメッセージが表示された。『お疲れ様でした。こちらもうまくいきました』彼はエンキドゥのアジトに集中ハッキング攻撃をかけ、救援信号の送り先を突き止め、別のチームを向かわせていたのだ。
『ザイバツの救援は来ません。そしてエンキドゥ=サン、あなたの才能は素晴らしい。歓迎しますよ』ダイダロスは喜んでいる。『光栄の至り』ガゴンプシュー……サーバルームの奥の扉が内側から開かれ、エンキドゥ本体が姿を現した。『実を言えば、ザイバツには無理やり協力させられていたのだ』
エンキドゥは黄金のザゼン・ルームでハンズアップしている。彼のカラテは乏しい。ゲームオーバーだ。『イサオシを求めていた監視役を唆し、わざと私の居場所を開示して、諸君を誘き寄せたというわけだ。こうでもしなければ殺されるところだった。礼を言う……』「それはよかったね」
「どこまで本当かねェ」アルビオンは頭を抑え、顔の血液を拭い、スシを食べて負傷を癒やす。相当ダメージを受けたが、比較的弱い彼が囮となって敵の攻撃を引き付けるのは任務のうちだ。死ななければ安い。「ドトンでそいつを先にやっつけりゃ……」「テメエらが二対二になるだろ」「アイアイ」
……その時!
01010101010101Wasshoi!』KABOOOOOM!突如ザゼン・ルームのUNIXが爆発し、中から何者かが飛び出した!『アババババババーッ!?』それはエンキドゥにぶつかり、激しい電子ノイズとともに融合していく!「な、なんだ!?」やがてそれは、緑色の奇怪なユーレイとなった!
『010101ドーモ、グリーンゴーストです01010101ヨメェ010101……』
【続く】
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