忍殺TRPGリプレイ【デア・ハイムリヒ・アウフマーシュ】03
前回のあらすじ:オムラ社の奴隷ハッカーに、ニンジャソウルが憑依して脱走した。彼は機密データを持ち出し、アナキスト組織イッキ・ウチコワシと手を組んで、オムラの廃棄された地下秘密施設に立てこもっている。彼を捕縛するため、ソウカイ・シンジケートはニンジャチームを派遣した!
◆
ガゴンプシュー……!ついに三人はセキュリティ・ドアを開け、戦闘兵器のテストルームへ足を踏み入れた。四方八方をトーフめいた白一色で覆われた、やや広い縦長の空間だ。入って左側の奥には戦闘兵器モーターヤブが鎮座し、その左右には設置型マシンガン。しかし右側のは爆発している。
『ドーモ、暗黒メガコーポの尖兵諸君。私はゼロキットです』モーターヤブに備わったスピーカーから神経質そうな男の声。モニタールームにいるのだろう。「ドーモ、ゼロキット=サン。ソウカイ・シンジケートのクイックランナーです」「レッドスリケンです」「キリングウォーカーです」
三人はアイサツを返す。「たかがモーターヤブで、ニンジャ三人を止められるかよ」『ただのモーターヤブではない。それは私だ。私がそれなのだ』ゼロキットの声はゼンめいている。『私の自我は今、戦闘兵器の中にいるのだよ。これが私のジツ。ジョルリ・カゲムシャ・ジツとでも言おうか』
◆ゼロキットinモーターヤブ(種別:戦闘兵器/ニンジャ)
カラテ 8 体力 18
ニューロン 8 精神力 -
ワザマエ 8 脚力 6/N
ジツ 3 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 8/ 8/ 8/ 8
回避/精密/側転/発動 8/ 8/ 8/11
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆ショック・サスマタ:テック近接武器、ダメージ1+電磁1
◆ガトリングガン・アーム:連射6、ダメージ1、チェーンターゲット
射撃スタイル:銃弾の雨 3×3範囲内に自動的に1ダメージ(回避H)
◇ジツやスキル
☆ジョルリ・カゲムシャ・ジツLV3:精神力2を消費し手番開始フェイズに発動(H)
戦闘終了か術者の気絶ないし死亡まで、マップ内の戦闘兵器1体を強化して操作
操作される戦闘兵器は体力+6、カラテ・ワザマエ・脚力が+2され、
連続攻撃+1、かばう、マルチターゲット、時間差、回避ダイスを得る
イニシアチブや回避能力は術者と同じ
●連続攻撃2、かばう、マルチターゲット、時間差
能力値合計:
ガションキュイーン……モーターヤブは逆関節の脚で立ち上がり、カラテを構えた。ニンジャアトモスフィアを放って!『これは性能テストだ。降伏は認めない』「上等だ!スクラップにしてやるぜ!」一触即発!
戦闘開始
1ターン目
『TAKE THIS!』BRTTTTTT!ゼロキットはガトリングガン・アームから銃弾の雨を降り注がせる!「「「イヤーッ!」」」三人は側転回避!クイックランナーがまず設置型マシンガンへトビゲリだ!KRASH!BOMB!破壊!さらにレッドスリケンとキリングウォーカーがゼロキットへトビゲリ!
『イヤーッ!』ゼロキットは機械の腕で二人のニンジャのカラテを捌き、レッドスリケンへ迎撃!「イヤーッ!」紙一重回避!「なるほど、油断ならない強敵だ……三対一でなければな!」『ではもう一台出そう』ガゴンプシュー……!壁の一方がスライドし、モーターヤブが追加!「げえッ!?」
◆モーターヤブ(種別:戦闘兵器)
カラテ 6 体力 12
ニューロン 3 精神力 -
ワザマエ 6 脚力 2
ジツ - 万札 6
攻撃/射撃/機先/電脳 6/ 6/ 3/ 3
◇装備や特記事項
◆ショック・サスマタ:テック近接武器、ダメージ1+電磁1
◆ガトリングガン・アーム:連射6、ダメージ1、チェーンターゲット
射撃スタイル:銃弾の雨 3×3範囲内に自動的に1ダメージ(回避H)
●移動スタイル:跳躍移動 3マス以内の好きな地点へ移動
能力値合計:15
2ターン目
『イヤーッ!』ゼロキットは俊敏に連続側転を繰り出し、レッドスリケンへ背後から電磁サスマタ連続攻撃!ZZZZT!「グワーッ!?」致命的な頭部への攻撃は躱したが一発命中!無視できぬダメージだ!モーターヤブのボディに、ニンジャの機動力とカラテ!これがジョルリ・カゲムシャ・ジツだ!
「クソッ、どっちから……!」クイックランナーは状況判断する。狙うべきはゼロキットか、モーターヤブか?ここは……「キエーッ!」ジョルリ・ジツの支配下にないヤブへトビゲリ!一体ずつしかジツが効かないのなら、スペアを先んじて潰すべし!KRAASH!『ピガガーッ!』命中!壁に激突!
「「イヤーッ!」」KRASH!SLASH!『ピガガーッ!』レッドスリケンとキリングウォーカーもヤブへ猛攻!だが破壊には至らず!『モーターヤブは賢く強い!』ヤブは跳躍して包囲網を突破し、三人に銃弾の雨!なんたる的確な状況判断か!「「「イヤーッ!」」」三人は紙一重で側転回避!
3ターン目
『TAKE THIS!』BRTTTTT!ゼロキットはガトリングガンアームを振るい銃火横一文字!「「イヤーッ!」」「グワーッ!」レッドスリケンに命中!このままでは!「「キエーッ!」」クイックランナーとレッドスリケンは死物狂いでモーターヤブへダブル・トビゲリ!KRAAAASH!『ピガガガーッ!』
サツバツ!ヤブのガトリングガンアームとサスマタがへし折られ、沈黙!「残るは貴様だけだ!キエーッ!」キリングウォーカーはゼロキットへ斬りかかる!『イヤーッ!』「イヤーッ!」反撃を回避!『かかって来い、ファシストどもめ!』大気にカラテが満ちる!真のイクサはここからだ!
4ターン目
『イヤーッ!』ゼロキットは電磁サスマタを構え、クイックランナーに飛びかかる!「イヤーッ!」クイックランナーは側転回避し、壁を蹴ってトビゲリ!『イヤーッ!』回避!「イヤーッ!」『イヤーッ!』レッドスリケンのカラテも回避!キリングウォーカーが斬りかかる!「キエーッ!」SLASH!
『ピガーッ!』命中!だが浅い!鉄のボディとジツに守られた巨体には掠り傷!「チッ、硬いな」「再び三対一。囲んで殴れば勝てるぜ!」ゼロキットは追加のモーターヤブを……出せない!
5ターン目
『TAKE THIS!』BRTTTTT!ゼロキットは連続側転しながら銃弾の雨を降らせる!「「「イヤーッ!」」」三人は側転回避!クイックランナーはそのまま壁を蹴って反撃のトビゲリ!KRAASH!『ピガガーッ!』命中!ゼロキットは壁に激突!「「イヤーッ!」」残る二人が追撃!『ヌウーッ!』
ゼロキットはレッドスリケンのカラテを防ぐ!そこへキリングウォーカーの致命的な刺突攻撃!『ウオーッ!』ガキィン!鋼鉄のボディで防御!
6ターン目
『イヤーッ!』ゼロキットは側転しつつレッドスリケンへサスマタ攻撃!「イヤーッ!」回避!「イヤーッ!」クイックランナーはゼロキットの脚部関節めがけトビゲリ!『イヤーッ!』側転回避!なんたる俊敏性!「「イヤーッ!」」KRASH!SLASH!『ピガガーッ!』二人の攻撃が命中!
7ターン目
『イヤーッ!』ゼロキットは負傷したレッドスリケンから始末すべく飛びかかる!「い、イヤーッ!」レッドスリケンはブリッジ回避して蹴り上げる!KRASH!『ピガーッ!』迎撃命中!ワザマエ!「キエーッ!」クイックランナーの必殺のトビゲリ!KRAAASH!『ピガガガーッ!』命中!壁に激突!
「「イヤーッ!」」KRASH!SLAASH!『ピガガガーーッ!』二人の猛攻!ゼロキットは脚部にダメージを受けてよろめく!もう少しだ!
8ターン目
『イヤーッ!』ゼロキットはクイックランナーへ致命的なサスマタ攻撃を繰り出す!どくん……クイックランナーはアドレナリンを過剰分泌させ、これを「イヤーッ!」ブリッジ回避!アブナイ!「イイイヤァアアアーーッ!」お返しとばかりゼロキットの脚部へ致命的トビゲリ!『イヤーッ!』回避!
「イイイ……」レッドスリケンはカラテを高め、体勢を崩したゼロキットの心臓部めがけチョップ突き!「イイイヤァアアアーーッ!」KRAAAASH!『ピガガガガーッ!』ナムアミダブツ!正確に動力炉を貫通破壊!ゼロキットの……モーターヤブの鋼鉄のボディがガクガクと痙攣し、膨れ上がる!
『SAYONARA!』KABOOOOOM!ゼロキットのボディは爆発四散!「「グワーッ!」」散弾めいた破片がクイックランナーとキリングウォーカーに命中し、大きなダメージ!だがレッドスリケンはギリギリで躱していた。ワザマエ!そして!『アババババーッ!』モニタールームで断末魔の声!
ジツの力を投射して一心同体となっていたゆえ、本体もフィードバックを受けたのだ。「生きてりゃいいがな。なかなか強敵だったぜ」
戦闘終了
???
三人は施設の最も奥、モニタールームに踏み込んだ。ゼロキットらしきサラリマンスーツ姿の男が、生体LAN端子の穴や鼻の穴から煙をあげてUNIXの前に倒れ伏している。爆発四散していないのなら、治療を受ければ命は取り止めるだろう。ダメならそれまでだ。「ZBRでも射っとけ」「アイアイ」
クイックランナーはUNIXデッキに直結し、データの回収にかかる。ここで失敗すれば水の泡だ。キアイを入れるべし!「イイイヤァアアアーーッ!」『データフロッピー排出ドスエ』ウィーン……UNIXからは二枚のフロッピーディスクが吐き出された。『シャナイ級』『シャガイ級』と書かれている。
「おお、やったぜ」クイックランナーは小さくガッツポーズした。上々だ。上司のソニックブームも褒めてくれるだろう。「金目のものがいくらかあったよ。LAN直結型ハンドガンとか」「それは俺がもらおう。生体LAN端子を空けてるのは俺だけだからな」「チェッ。まあいいよ、カネはもらうし」
レッドスリケンがZBRを注射したゼロキットは、どうにか一命をとりとめたようだ。ニューロンにいくらか損傷はあろうが、研修を受ければ役に立ってくれるだろう。「モシモシ、ソニックブーム=サン。終わりました」クイックランナーは上司に秘密IRCで連絡し、結果を報告する。
……こうして、激闘の末にイッキ・ウチコワシのアジトのひとつが滅び、有用なジツを持つニンジャが回収された。ソウカイニンジャチームは見事な手柄を立てたのだ。暗黒メガコーポ・オムラとソウカイヤのWIN-WIN関係が続く限り、両者はこれからもネオサイタマを牛耳って行くことだろう!
【デア・ハイムリヒ・アウフマーシュ】終わり
リザルトな
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