忍殺TRPGリプレイ小説【ユー・アー・ゴート・ファッカー】
邦題:きみはヤギ前後する人(You are Goat Fucker)
ドーモ、三宅つのです。これは、ニンジャスレイヤーTRPG公式の【トレジャーボックス・オブ・ニンジャ】AoS-021「ラッキー・ジェイク」に記されたシナリオアイディア【シナリオタイプ:争奪(人間)】を元にしたリプレイ小説です。臨機応変かつ自由にしていますが、ネタバレにご注意下さい。
ソウカイヤ系列のヤクザクランがラッキー・ジェイクに賞金をかけた。君たちはこのガイジンが逃げ込んだと思しき廃ビルを捜査し、彼を追い詰めねばならない。ただし、ジェイクに恨みを持つ他のヤクザやギャングやローン回収業者も、この廃ビルへ"兵隊"を送り込んできているようだ。彼らは君たちを見境なく攻撃してくるだろう。これらの障害を排除しながら、ラッキー・ジェイクを生け捕りにして帰還せよ。
ラッキー・ジェイクはタフな重サイバネのアウトローで、海外からキョート経由でネオサイタマに不法入国した金髪のガイジンです。「ナイス・クッキング…」では既に1年以上ネオサイタマに滞在しているので、第一部時点でいても不思議はありませんし、ここはAoSのつの時空なので問題ありません。ネオサイタマに来るのが原作時空より少しばかり早かったのでしょう。
挑むのは誰にしましょうか。ニンジャなら比較的イージーモードですし、モータルのアウトローならやや手こずるでしょう。つのもモータルのアウトローPCを数人作成しましたが、初版のモータルPC作成ルールはまだ第2版にきっちりコンバートされていません。一応第2版でも作れますが、作りたてではジェイクに勝てそうにありません。まずはニンジャにしましょう。
重サイバネとはいえモータル相手に、そこそこ強くなったニンジャをぶつけるのも考えものです。チーム・ブラックマンバや、ディマカエルス&スキッソールのコンビをぶつけたら、勢い余ってジェイクを殺しかねません。ジェイクがニンジャに守られているとしたらヤバイですが、いつもの展開です。とすると、例によって、新たなサンシタニンジャを無から創造しましょう。弱すぎたらコンビでも組ませればいいのです。
ダイスを振らずに診断メーカーで作ってみましょう。ドルドルドルドル……
キルキラー。完全に、恐るべき殺人の意気込みを感じさせるニンジャネームと生い立ちです。殺人犯を殺す正義漢気取りの殺し屋かも、殺し屋を好んで殺す殺人鬼かも知れません。ジツはありませんが、第2版なのでスキルを持たせてあげましょう。これをベースにいろいろいじると、こうなりました。
◆キルキラー(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 6
ニューロン 6>5 精神力 6>5
ワザマエ 2>3 脚力 3>4
ジツ 0 万札 -12(ローン)
DKK 0 名声 1
◇装備や特記事項
◉常人の三倍の脚力:脚力+1、連続側転難易度-1
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
○生い立ち:キラーマシーン教育 ニューロン-1、ワザマエ+1
◉知識:犯罪
◆オーガニック・スシ:体力3回復(使い捨て)
○立ち位置や性格:反抗心や嫌悪
能力値合計:14 回避ダイス:6
スキルで1、立ち位置で5を振ったのでこうなります。ワザマエが低いので二挺拳銃は宝の持ち腐れだと思い、初期装備はもとのままスシにします。反抗的!ソウカイヤには反抗心や嫌悪を抱いており、ソニックブーム=サンにお仕置きされそうな跳ねっ返りのパンク野郎です。盗聴機を外したらヌケニンしてシマナガシに加入するかも知れません。それも彼の人生でしょう。
作りたてのニュービーの割に能力的にはそこそこ強いため、ソロでやらせてみます。ではリプレイを通して、彼の生き様を見ていきましょう。
◇🎲◇
序
ウシミツ・アワー。ネオサイタマの歓楽街のはずれ、タッコウ・ストリートのとある廃ビルに、重サイバネのアウトローが身を潜めていた。彼の名は、ラッキー・ジェイク。少し前、ネオサイタマに不法入国したコーカソイド系のガイジンで、手術費のトラブルで闇サイバネ医を殺し、追われる身だ。
心身ともにタフな彼は、揉め事が起きるたびに痛い目に遭ったものの、持ち前の悪運と機転でいつも生き延びてきた。しかし、今度ばかりはヤキが回ったらしい。既に廃ビルの周囲には、彼に恨みを持つ複数のヤクザやギャングやローン回収業者が展開し、兵隊を送り込んで来ている。「ツイてるぞ」
彼は必死でそう思った。単一の相手なら、そいつから逃げるしかない。だが複数の相手なら、誰がジェイクを捕獲するか、あるいは殺すかで揉めるはずだ。ジェイク自身にはカネがなくとも、賞金首としてカネにはなるし、恨みを晴らすには単に殺すより拷問を選ぶかも知れない。つまり、ツイてる。
だが、やはり彼はツイていないかも知れない。このネオサイタマの闇社会を牛耳る暗黒組織ソウカイ・シンジケートは、彼を捕獲するため恐るべきエージェントを送り込んだのだ。彼の名は、キルキラー。幼い頃から殺し屋として育てられ、犯罪知識に通じる油断ならぬ男。そして、ニンジャであった。
◇
「ッたくよォ……この俺様に殺しじゃあなく、ガイジン野郎を生け捕りにして来いだ?」カリアゲ・ヘアーをガリガリとひっかきながら、ビルの上を飛び渡る影がひとつ。「あの悪趣味なクソ野郎がよ……怒りで血管ブチ切らせてやるぜ……勝手に人様のアタマに穴空けて、ローン組みやがってよ……」
ブツブツと愚痴をこぼし、苛立つ声を吐き散らしながらも、その足は止まらない。彼の脚力は常人の三倍にも達する。身のこなしはニンジャとしては並程度だが、カラテは実際強く、アタマもキレる。ただし、極めて反抗的な男であった。彼は自分に首輪をつけたソウカイヤに心底ムカついている。
生体LAN端子には、当然ながら盗聴機や発信機も搭載され、ハッキングなどでごまかしたり解除したりしない限り動向は筒抜けだ。あまりに反ソウカイヤ的な行動を取れば、起爆装置でBOMB!ということもありうる。それも彼をムカつかせた。どうにかこの首輪を外さねば、おちおち昼も寝られない。
『うるさいね。さっさとやるね』「アイアイ」無線IRC通信が届く。彼にもナビゲート用ドローン「モーターロクメンタイ」がつけられたが、掴み取って分解しようとしたため取り上げられ、直接IRCで遠隔指示を飛ばすことにされた。ナビはAIではなく、なんとかいうセンパイのニンジャだ。
『ソニックブーム=サンの悪口言ったら、あの人むしろ喜ぶよ。サディスティック趣味ね。あなた大変なことになるよ』「アイアイ。じゃあ俺がわざわざ機嫌とってあげてるってことでヨロシク」『ランタンシャーク=サンの方がまだ扱いやすいね。ソウカイヤに逆らうの、ダメよ』「ボーシッ!」
退院間もないマーシレスフィンガーは、この跳ねっ返りニンジャのナビゲートを任された。もし重大な反ソウカイヤ的行動を犯せば、その場で無慈悲にBOMBしていいとも言われている。ただしキルキラーの行動は自分の責任となり、ケジメやセプクを迫られるかも知れない。彼は胃袋を押さえた。
探索
目的の廃ビルに到着すると、周囲には他組織の兵隊たちがたむろしている。彼らに先を越されるわけにはいかない。「あいつらに先に捕獲させてよォ、それを横取りってのは?」『別組織を敵に回してどうするね。面倒事増えるだけよ』「ケッ。で、どのフロアにいそう?」『それはあなた調べるよ』
ワザマエかニューロンで判定、難易度NORMAL。「知識:犯罪」「ストリートの流儀」のどちらかでダイス+2。生体LAN端子と「知識:犯罪」で+4。9D6で[312314243]=成功。ジェイクがいそうなフロアにあたりをつける。
キルキラーはニューロンと脳内UNIXをリンクさせ、素早く推理を巡らせる。廃ビル内部の見取り図は既にソウカイヤから入手済みだ。「バカとケムリは高いところに登りたがる」彼は隣のビルの屋上から複雑な配管を駆け渡り、目的の廃ビルの屋上にしめやかに潜入した。「下から来りゃ、上へ逃げる」
『ごもっともね』下の階には、既に他組織のエージェントが突入済みだ。上は手つかずなら、上へ逃げるのは理にかなっている。足止めトラップも下側へ重点されるだろう。「アッコラー?」そう考えたのは彼が初めてではないらしい。屋上にも数人のレッサーヤクザが展開し、突入しようとしていた。
◆レッサーヤクザ(種別:モータル/ヤクザ)×3
カラテ 2 体力 1
ニューロン 2 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ 0 万札 1
◇装備や特記事項
◆チャカ・ガン、ドス・ダガー
◆ショットガン:射撃、ダメージ2
「ダッテメッコラー!」「ジェイク渡さねッゾコラー!」「先客か。片付けるぞ」『待って、エンブレム確認。……非ソウカイヤ系のレッサーヤクザ。問題なし。じゃ、よろしくね』「オーケイ」一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
イニシアチブ:キルキラー(6)→ヤクザズ(2)
1ターン目
トーン、トーン、とその場で片足ジャンプし、足を慣らす。「先手必勝!イヤーッ!」常人の三倍の脚力でケリ・キック!
6D6で[246164]=4成功&殺伐、出目は3、急所破壊!痛打+1、ニューロンダメージ1、精神力ダメージ2、部位損傷:胴体を与える。レッサーヤクザ1人は体力が-1となり即死。殺伐ボーナスなし。万札1ゲット。
「アバーッ!」サツバツ!キルキラーの情け容赦ないキックがヤクザの腹部を貫通し、内臓をぶち撒ける!「ケッ、汚ェ!クリーニング代出せコラ!」無慈悲!「う、ウォーッ!?」「く、クタバレーッ!」BLAMBLAM!2人のヤクザが恐れおののきながらショットガンを発射!
3D6を2つで[443][213]=1発成功。6D6で回避し[261461]=成功。
1人は焦って手元がブレ、明後日の方向を射撃!しかし、もう1人の銃弾が!アブナイ!「ハン!」キルキラーは虫でも払うように裏拳ではたき落とす!「「アイエエエ!?」」「テメエらヤクザならよォ、殺人したことあんのかコラ?殺人クエストしてンだろ?」「「アイエエエ!あります!」」
2-3ターン目
「じゃあ死ねよ。覚悟はしてんだろ?イヤーッ!」慈悲はない!
6D6で[244614]=成功、1体即死。ショットガン攻撃、3D6で[611]=成功、6D6で[566315]=回避成功。6D6で[142233]=成功、ヤクザ全滅。万札2。
「アバーッ!」ヤクザ即死!「ヒィーッ!」BLAMN!ショットガン発射!回避!「イヤーッ!」「アバーッ!」瞬時にヤクザ全滅!ナムアミダブツ!
戦闘終了
「ケッ、肩慣らしにもならねえ」『敵対ヤクザ倒したから、万札3インセンティブよ』「多少の足しにはなったかよ。ローン返済まであと9か」ヤクザたちはバーナーで屋上の鉄扉を焼き切ろうとしていたようだ。ちょうどいいのでそこを蹴って穴を空け、廃ビルの最上階にしめやかに潜入する。
廃ビル上層部
キルキラーは聞き耳を立てる。上層部は静かだが、下からは爆発音や銃声、怒号。ラッキー・ジェイクとやらが仕掛けたトラップに、突入班が引っかかったのだろう。幸い、上層部にはまだトラップはなさそうだ。ジェイクはここを抜けて屋上に出、闇に紛れて逃走する腹積もりに違いない。
『ここで待ち構えるね?他にも窓とか出口あるかもだけど』「バリケードを築いておくか」近くにはジャンクパーツや廃棄されたネオン看板がいくつか転がっている。積み上げればそれなりに時間は稼げるだろう。背後の穴をそれで封鎖すると、キルキラーは気配を探り、相手の動きを推理する。
先ほどと同じく9D6で判定、難易度HARD。[551636141]=4成功&殺伐。何かラッキーなことが起きる。落ちていた貨幣素子をD3ゲット。D6の出目は[5]=万札3を獲得。ローン返済まで残り6。やったぜ!
ジャンクパーツから拾い集めた貨幣素子を手の中でもてあそび、キルキラーは廃ビル上層部の見取り図を脳内に投影し、ニューロンを回転させる。「こっちだ、たぶん」見当をつけたのは、階段を降りて右側。ただの直感だが、大気中のエテルの流れをも読み取るニンジャの第六感は侮れない。
……その時!下の階から多数の足音!キルキラーは物陰に隠れる。
「ウオーッ!コロセー!コロセー!」「ジェイクの首を斬れ!」後方からはブラックメタルが大音量で響く!『スパイラル破滅アーマゲドン/俺は極めて不吉なマサカリを振り上げ/聖徳太子の軍勢と戦う/俺の血は黒/俺は死者の王/俺はブッダの大敵/暗黒の橋が現れ/神無き河を超えて攻める』
◆アンタイブディズム・ブラックメタリスト(種別:モータル)×多数
カラテ 2 体力 2
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 2 脚力 2
ジツ - 万札 0
◇装備や特記事項
◆鎌バット、フランベルジュ、グレートソードなど:近接武器、2ダメージ、攻撃難易度HARD
◉血の狂乱:体力が1になると「突撃」してくる(痛打+1)
◉儀式的自傷:自分自身に1ダメージ(自動成功)
『アンタイブディズム・ブラックメタリスト(ABBM)ね。なんでこんなとこに』「ジェイクとかいうやつ、ブディストだったのか?」『知らないね。たぶんブッダとか聖徳太子でもないと思うけど』「ブッダを連れてるかも知れないな」軽口を叩くが、事態は面倒だ。ジェイクが殺されてはまずい。
「前後しなさい!」近くの部屋の扉が開き、コーカソイド系ガイジンの重サイバネ男が姿を現した。画像データと一致。ラッキー・ジェイクだ。キルキラーは笑う。「こいつはラッキーだぜ!『フジサンが噴火してネズミが逃げ出した』とかいうやつか?これってよォー」コトワザの引用!高い知性だ!
◆ラッキー・ジェイク(種別:モータル/重サイバネ)
カラテ 3 体力 8
ニューロン 4 精神力 6
ワザマエ 4 脚力 3
ジツ - 万札 10
◇装備や特記事項(サイバネは反映済み)
▶︎テッコLV1:カラテ判定ダイスと回避ダイス+1
▶ヒキャクLV1:脚力と回避ダイス+1
▶サイバネアイLV1:ワザマエ判定ダイス+2
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
▶︎▶︎強化骨格(クロームハートLV2):体力と精神力+2
◉重サイバネ化:体力+2、精神力-2、●脆弱性:電磁(1)
◆電磁ダガー:特殊近接武器、攻撃難易度+1、ダメージ1+電磁ショック1
戦闘スタイル:精密攻撃(ワザマエ判定攻撃)/フェイント(回避ダイス低下)を選択可能
◆LAN直結型ハンドガン"ヤマダ社カスタム":
遠隔武器、連射2、時間差、マルチターゲット、射撃ダイス+1(7D6で射撃可能)
◆グレネード:手榴弾、使い捨て、爆発3×3、カトンLV1
◆ノイズ・グレネード:手榴弾、使い捨て、爆発3×3
範囲内の戦闘兵器と重サイバネのみ電磁ショックダメージ1(2倍により2)
◆ヤマダ型ディスラプター・デコイ:ワザマエ判定(難易度HARD)
精巧なホログラフ発生装置。手番終了フェイズに使用を試みられる。
発動するとブンシン・ジツLV2の効果をもたらす(使い捨て)。
自分を中心とする5×5マスに最大2個までのデコイを発生させる。
デコイは攻撃を受けると取り除かれるが、本体と残りデコイは無事。手数は増えない。
●悪運:シナリオ中1回だけ判定を振り直せる
●賞金首の疫病神:彼を捕縛してシナリオを終えたPCは万札1D6×5で売り飛ばせるが、
出目1が出るとそのPCの万札10を盗んで逃走する。
能力値合計:11 回避ダイス:6(回避難易度+1) 近接:4 射撃:6
整理してみると、なかなか油断ならぬ男です。計算すると体力7で精神力4になる気がしますが、タフなのでそのままにしておきます。
このままならジェイクはABBMの群れに追われて屋上へ逃げようとする。窓は封鎖されているか、隣のビルまでがモータルに飛び渡れる距離ではない。待ち構えていればいいわけだ!「ラクな作業だぜ!来いや」近づいてきたところで、階段の上に立ちはだかる。「ドーモ、ラッキー・ジェイク=サン」
「アイエエエ!?」「俺の名はキルキラーだ。このままじゃあんた、殺されるぜ。俺が救出してやるよ」「ど、どこのエージェント?」「どこでもいいだろが。ABBMどもに首斬られてェか?それともヤクザやギャング、ローン回収業者のがいいか? 俺を信頼してくれよ」キルキラーは手招きする。
交渉。ワザマエ判定、難易度HARD。「知識:犯罪」でダイス+2。5D6で[56563]=成功。
「アッハイ、ヨロシクオネガイシマス」ジェイクはあっさりハンズアップした。彼は生き残るためなら手段を選ばないタフなアウトローなのだ。キルキラーは怪しいが、申し出を今断って得するとも思えない。状況判断だ。「よーし。屋上から別のビルへ飛び移るぜ。あんたもそうする気だったろ」
「ハイ」キルキラーは先ほどのバリケードを動かし、屋上への出口を解放する。ジェイクは両腕を頭の後ろに組み、キルキラーに背後を守られながら脱出した。これで一安心だ。「見ィーつけた」「!」次の瞬間、彼は視界いっぱいに広がるサイバーブーツの爪先を見た。「グワーッ!」
ジェイクは顎をしたたかに蹴り上げられ、重金属酸性雨に濡れる屋上に仰向けに倒れた。彼は闇の中で、白い肌にミステリーサークルめいて青く光るタトゥーを見上げるハメになった。「アーララララ、手間が省けちゃった」デジタル・チョコレートのように甘く艶かしい電子エフェクト音声。
黒髪を頭の上で4つに束ねた彼女は殆ど半裸で、円環型サイバーサングラスは単眼めいた青い光を放ち、非人間性を高めている。「ここへ出てくるって思ってたわ。私は賢いから」ナムサン……重サイバネ・スラッシャーの賞金稼ぎ、ミコチ2だ。残忍で異常なスラッシャーの中でも度し難いサイコ女。
◆ミコチ2(種別:モータル/重サイバネ)
カラテ 3 体力 8
ニューロン 3 精神力 5
ワザマエ 4 脚力 3
ジツ - 万札 10
◇装備や特記事項(反映済み)
▶︎テッコLV1:カラテ判定ダイスと回避ダイス+1
▷電磁クローアーム:ダメージ1+電磁ショック1 攻撃難易度EASY、連続攻撃上限2
▶ヒキャクLV1:脚力と回避ダイス+1
▶サイバネアイLV1:ワザマエ判定ダイス+2
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
▶︎▶クロームハートLV2:体力と精神力+2
◉重サイバネ化:体力+2、精神力-2、●脆弱性:電磁(1)
◆軍用サイバーサングラス:射撃ダイスとイニシアチブ+1
◆LAN直結型ハンドガン"ヤマダ社カスタム":
遠隔武器、連射2、時間差、マルチターゲット、射撃ダイス+1(8D6で射撃可能)
◆サイバーブーツ(レガース):緊急回避ダイス+1
能力値合計:10 回避ダイス:6(回避難易度+1) 近接:4 射撃:7
ボス級のキャラとしてラッキー・ジェイクのコンパチにまで強化しました。これぐらいタフでないとネオサイタマでソロ賞金稼ぎとか難しいかもです。つの時空では「ミコチ」と名乗る重サイバネ・オイランアサシンがたくさんいますが、彼女はその第2号です。128までいると思います。
「おやおやおや」キルキラーが顔を出した。『重サイバネ・オイランアサシンで賞金稼ぎのミコチ2ね。サイコ女で有名よ』「ドーモ、ミコチ2=サン。キルキラーです。ジェイクは渡さねェぜ」「ドーモォ、キルキラー=サン。変な名前!あんた、ジェイクとネンゴロなの?」「ブッダ・アスホール!」
キルキラーは唾を吐き、中指を立てた。「殺していいよな」『こいつも賞金首ね。インセンティブ重点。でもジェイクを優先……』「なああんた、何人ぐらい殺した?」「スシの米粒数えたことある?バーカ」「ジェイク=サン、協力しろ。逃げたらジゴクの底まで追い詰めて殺す」「ヤギ前後!」
『スパイラル破滅アーマゲドン/俺は極めて不吉なマサカリを振り上げ/聖徳太子の軍勢と戦う/俺の血は黒/俺は死者の王/俺はブッダの大敵/暗黒の橋が現れ/神無き河を超えて攻める』恐るべきアンタイブディズム・ブラックメタルが廃ビルの中から大音量で響く!一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
イニシアチブ:キルキラー(6)→ジェイク&ミコチ2(5)
1ターン目
「ケツ・ノ・アナ!イヤーッ!」キルキラーの恐るべき殺人キック!
6D6で[144336]=3成功。ミコチ2は3D6で難易度HARD回避、[344]=失敗!残り体力7、回避ダイス3。
「ンアーッ!」手練れの重サイバネでも避けきれぬ鋭いカラテだ!「俺はカラテやってるからな。テメエごとき素手で殺せるぜ!」「サノバビッチ!」ジェイクは状況判断する。場所は孤立した屋上、隣のビルに飛び移るには、自分でもやや不安がある距離。廃ビル内に帰れば死ぬ。ならば!「庶子!」
LAN直結型ハンドガン・ヤマダ社カスタムでミコチ2へ射撃!BLAMBLAM!
3D6と4D6で連射2。[235][3416]=2発とも成功。ミコチは1D6と2D6で難易度HARD回避![2][21]=失敗!2発食らって残り体力5!
「ンアアーッ!」ブルズアイ!白い肌に銃弾が撃ち込まれ、ネオンタトゥーを傷つけ、赤い血液と蛍光ブルーのネオン液が流れ出る!「マザファカ!」怒り狂ったミコチ2は、テッコに仕込まれた電磁クローアームを振るってジェイクに襲いかかる!「脳ミソをブチ撒けろォーッ!」ZZZZT!
4D6で難易度EASY、[5115]=2成功。ジェイクは6D6で難易度HARD回避して[122654]=2成功回避。
「貴方自身を前後しなさい!」ジェイクは奇妙なシャウトとともに間一髪でスウェー回避!「俺もネオ・ロポンギ仕込みの殺人カラテだ」キルキラーが彼をかばうように動く。「下がってろジェイク=サン!カラテは俺!あんたは銃だ!」「前後了解!俺たちで彼女を激しく前後します!」前後イェー!
2ターン目
「バカハドッチダー!イヤーッ!」カポエイラじみた回転殺人キックだ!
6D6で[641414]=4成功。ミコチ2は4D6で回避し[6143]=1成功回避。残り回避ダイス2。
「ブッダミット!」ミコチ2はギリギリしゃがみ回避!だが体勢が崩れる!「死んでください!貴方!前後している!庶子!」ジェイクがバックステップで距離をとり、トドメとばかり銃弾をブチ込む!BLAMBLAM!
3D6と4D6で[513][5262]=成功。ミコチ2は緊急回避ダイスを消費し、1D6と2D6で全力回避![6][35]=両方回避成功!
「チィーッ!」ミコチ2はサイバーブーツのバネ機能を最大限に活用して回転回避!ワザマエ!しかし2対1では実際不利、このままでは死ぬ!「ケッ!ここは撤退よ!感謝しなさい!」ミコチ2は屋上の柵に駆け寄ると、ひらりと身を翻し、下へ落ちていった。ナムサン!
戦闘終了
「エッ」「下に準備してたか」ジェイクとキルキラーがビルの下を覗き込むと、長いフックロープがビルの壁面に垂れ下がっており、ミコチ2はそれを伝って一気に路地裏まで滑り降りていく。そこにはクッションを荷台に積んだバイク。ミコチ2は仰向けで中指を立て、壁面からフックを外した。
「アバヨ!また逢いましょ!マザファカ共!」ブロロロ……バイクが発進して、ミコチ2はそのまま去っていった。『これ以上追跡する必要ないね。ラッキー・ジェイクを優先』ナビゲーターの声がIRCで届く。仕方あるまい。
「やれやれ、因縁はできたが、これであんたは安心だ。一緒に行こうぜ」「どこへ?」「トコロザワ・ピラーってクソビルさ。逆らうんなら、俺の殺人カラテを叩き込むぜ」「庶子!」ジェイクは再びハンズアップした。このカラテカに逆らえばヤバイ。「で、どう脱出する?」「そりゃよォ」
キルキラーはジェイクを片手で軽々と持ち上げ、米俵のように肩に担ぎ上げた。「アイエッ」「さっき言ったろ!こうやってさ!」「アイエエエ!?」隣のビルへ向けて大ジャンプ!「うおっとっ」ジェイクの重さにややふらついたが、どうにか脱出に成功した。「カラテカをナメんなよ」「アッハイ」
「賞金首の疫病神」判定。ラッキー・ジェイクを捕縛してシナリオを終えたPCは万札1D6×5で彼を売り飛ばせるが、この時に出目1が出るとジェイクはそのPCの万札10を盗んで逃走する。出目は…[6]!なんと万札30をゲット!
エピローグ
……ソウカイ・シンジケート本拠地、トコロザワ・ピラー。上司ソニックブームとナビゲーター・マーシレスフィンガーの指示通り、キルキラーは賞金首のラッキー・ジェイクを生け捕りにして持ち帰った。「ドーモ、ご苦労さんね」「全く、ラクな仕事だったぜ。ヤクザを3人殺しただけだ」
「もっと殺しがしてェか」のそり、と背後から大きな影が現れた。ソニックブームだ。キルキラーの肩に手を置き、カラテの差を知らしめる。「アイエッ、ドーモ」「ドーモ、マーシレスフィンガー=サン。報酬はこれだ。エアコン代ぐれェにはなるだろ」「アリガトゴザイマス。じゃ、これで」
「……で、キルキラー=サンよ。お使いは退屈か?」みし、みし、と肩の手に体重がかかる。「ああ、まァな。殺し屋にさせる、仕事じゃあ、ねェ」
カラテ対抗判定。12D6で[445523132416]=成功数6。これ以上の成功数を出せば振りほどける。6D6で[524353]=成功数3、失敗。
ボクン。恐ろしい力でキルキラーの肩が外される。「ぐあッ」「アイサツしろよ、ヤジマ・キルジ=クンよォ」ソニックブームは眠たげにあくびした。「……ドーモ、ソニックブーム=サン」「あるけどよォ、うちも、暗殺部門ってのが。インフェクション=サンが今筆頭だが、キツいぜマジ」
ボクン。キルキラーの肩が戻される。「ぐあッ」「スカウト部門に向かねェんなら、威力部門、集金部門、電脳セキュリティ部門とかいろいろございますよォ、進路。せっかく生体LAN端子入れてやったんだしさァ、行くかァ?電脳部門」「行かねえ……」「ドサンコやキョートへ転勤させっぞコラ」
ソニックブームは手を離し、IRC端末を見せた。「ラッキー・ジェイクには万札30のインセンティブがかかってた。そこから諸々差っ引いて、テメエに渡せるのは万札6だけだ。ローンが返せてよかったなァ、エエッ?」「全部寄越せよ」「テメエのねぐら、メシ代、通信料他、タダじゃねェんだよ」
いきいきとした表情で笑うソニックブームに、キルキラーはヘドを吐きそうな表情をした。(ねぐら?あの独房が?メシ?あのゲロが?通信料ぐらいは感謝してやってもいいが、気に入らねえ)キルキラーは歯を食いしばった。
(ブッダ・ゴート・ファック!いずれこんなクソ組織は、利用するだけしてブチ壊してやるぜ!)
【ユー・アー・ゴート・ファッカー】終わり
リザルトな
◆キルキラー(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 6
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 3 脚力 4
ジツ 0 万札 0(ローン返済)
DKK 0 名声 1
◇装備や特記事項
◉常人の三倍の脚力:脚力+1、連続側転難易度-1
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
○生い立ち:キラーマシーン教育 ニューロン-1、ワザマエ+1
◉知識:犯罪
◆オーガニック・スシ:体力3回復(使い捨て)
○立ち位置や性格:反抗心や嫌悪
能力値合計:14 回避ダイス:6
つのにサポートすると、あなたには非常な幸福が舞い込みます。数種類のリアクションコメントも表示されます。