忍殺TRPGリプレイ【レッド:バースマーク】03
前回のあらすじ:メイライ社COO"ゴットリーブ"を暗殺するため、地下秘密施設に潜入したニンジャたち。数々の困難を乗り越え、ついに標的のいるプレジデントルームへ突入!だがそこで待っていたのは、ゴットリーブことニンジャ・ブラックソーサラーの操る無数のオイランたち!ヤバいぜ!
◆
「……ドーモ、サイバーメイヘムです」彼女は代表アイサツした。あの男こそが暗殺対象、メイライ社COO"ゴットリーブ"。そして、ニンジャだ。彼はダンスをやめ、アイサツを返す。「色々と好き勝手に呼ばれていたけれど、今はこう名乗るのが相応しいと思う。ドーモ、ブラックソーサラーです」
ざあっ……一糸乱れぬ動きでオーディエンス・オイランたちが一斉に立ち上がり、拍手を始めた。パチパチパチパチ……万雷の拍手!彼女たちはゾンビーかクローンヤクザめいているが、生身の人間だ。僅かにニンジャアトモスフィアを感じる。おそらくブラックソーサラーのジツの影響下にある。
万雷の拍手が響く中、ステージの上のニンジャとオイランはぎこちないダンスを再開する。「君たちは、私を暗殺しに来たのだろう?やってみせたまえ。可能ならね」ブラックソーサラーがそう言うと、客席のオイランたちはうつろな目で微笑みながらドス・ダガーを抜いた。……最終決戦だ!
戦闘開始
1ターン目
「イヤーッ!」ブラックソーサラーは席に座るオイランたちに芝居がかった仕草で腕を振り、何らかのエンハンスを与える!「イヤーッ!」アースハンドは前進しつつ周囲をハッキングで把握し、罠を仕掛けつつ戦略視界を二人と共有する。敵への遠隔ハッキング攻撃は……できないようだ。
客席オイランは数が多く不気味ではあるが、銃もないモータル。一度に攻撃できる人数も多くはない。相手をせずに駆け抜けるべし。ステージと最前列にいる改造オイランアサシンはオートマチック・チャカガンやバズーカを装備しておりやや危険か。どのみち狙うはブラックソーサラーただ一人!
「イヤーッ!」デッドリーパーがアースハンドの前に飛び出しつつ、ブラックソーサラーへチャカガンを撃つ!BLAMBLAM!「なんと無粋な」彼は躱そうともしない。彼に銃弾が命中する直前、緑色の01が虚空から湧き出して銃弾を包んだ。「「アバーッ!」」デッドリーパーの左右のオイランが即死!
「え」オイランたちは額に穴が空いている。跳弾か?「かわいそうに。彼女たちは私の代わりに犠牲となった。しかし無駄ではない」ぱちん、と彼が指を鳴らすと……「「アバーッ!」」死んだオイランたちが全身から黒い菌糸状の管を伸ばした!コワイ!「これが『アガト・ボム』だ。報いを受けよ」
◆アガト・ボム(種別:トラップ)
体力3を持ち、自身を中心とする5×5範囲内の「コネクター」に対して
近接および射撃を+1する(効果は重複)。
体力0以下になると爆発(3×3)し、敵にのみダメージを与え、
範囲内のモータル全員に「悪魔の爪」を付与し、「ミスター・デス」をPOPさせる。
術者は手番開始時にジツ発動判定UHを行い、判定に成功した数を上限として、
任意の数のアガト・ボムを起爆させられる。
隣接マスで停止し、ワザマエ判定Hに成功すれば、アガト・ボムを起爆せず切除できる。
これは行動権を消費しない。
「キエーッ!」サイバーメイヘムは通路を駆け降り、最前列の改造オイランアサシンへパルスダガーで斬りかかる!ZZTZZT!「ンアーッ!」命中!だが即死ならず!「「「キエーッ!」」」三人のオイランアサシンたちが動き、サイバーメイヘムへチャカガンを撃つ!BLALALALAM!「フン!」回避!
「「「「「「キエーッ!」」」」」」アースハンドへ六人のオイランが殺到する!うち四人は指先から黒い悪魔めいた爪を伸ばしており不穏!さらに背後からは二人がドス・ダガー攻撃!「ナメるな!イヤーッ!」アースハンドは難なく跳躍回避し、オイラン一人を蹴り倒して無力化!「アバーッ!」
「「キエーッ!」」デッドリーパーへも二人の強化オイランが殺到!「イヤーッ!」「アバーッ!」迎撃で即死!「おやおや」ブラックソーサラーが腕を振ると、倒された二体のオイランがアガト・ボム化!「「アババババーッ!」」ナムアミダブツ!「フン、強化されても所詮はモータルよ!」
……その時。周囲の壁のあちこちから赤黒い液体……鉄臭い血液がプレジデントルームへと噴出し始めた。部屋が蠢き、脈動する心臓のように、血液を送り込んできているのだ。「さあ、ステージまで来るがいい」
2ターン目
ぱちん。ブラックソーサラーがまた指を鳴らすと、KBABABAM!アガト・ボムのうち三つが爆発し、黒い胞子を撒き散らした!「「イヤーッ!」」デッドリーパーとアースハンドはマワシウケ回避!だがアガト・ボムのあった場所には、グレースーツを纏った異様な存在たちが忽然と出現していた。
頭は渦巻く黒い胞子の集まりから成り、朱く輝く二つの眼を持っている。それはアイサツした。『『『ドーモ、ミスター・デス(死神氏)です』』』
◆ミスター・デス(種別:■■■■■)×3
カラテ 6+1 体力 2
ニューロン 10 精神力 -
ワザマエ 3 脚力 6
ジツ 0 万札 0
攻撃/射撃/機先/電脳 9/ 3/10/10
◇装備や特記事項
☆リーサリティ:マップ上に存在するアガト・ボムの数だけカラテ値上昇
カラテ値7以上なら連続攻撃を自動取得する 13以上なら連続攻撃3
●記憶のグレースーツ(効果なし)
●悪魔の爪:ダメージ1、リーチ+1、連続攻撃+1、攻撃+2
●炎熱の眼:射撃、火炎ダメージ1ないし爆発(カトンLV1)
●連続攻撃、時間差、マルチターゲット
能力値合計20
ナムサン……ニンジャではないが、ブラックソーサラーのジツにより生成された危険な存在だ!さらに彼はステージ上の四人のオイランにもジツを施し、悪魔めいた黒い爪を生やさせる!「仕込みは面倒だし、いちいち奴隷を消費しなければならないが……発動してしまえば、私はほとんど無敵さ」
「イヤーッ!」アースハンドはオイラン包囲網から飛び出し、ステージ上のブラックソーサラーへトビゲリ!01010101……緑色の01が攻撃を受け止め、「「アバーッ!」」ステージ上のオイランたちが即死!さらにアガト・ボムと化す!「「アバババーッ!」」ナムアミダブツ!なんたる地獄絵図か!
『『『イヤーッ!』』』三人の「ミスター・デス」は悪魔じみた黒い爪を伸ばし、デッドリーパーへ一斉攻撃!BASHSHSHSHSH!「ンアーッ!」躱しきれず二発を食らう!なんたる厄介!「君たちの私への攻撃は、全て彼女たちが肩代わりする。死ねば甦り、カルマは巡る。君たちに勝ち目はない……」
「キエーッ!」デッドリーパーも包囲網を抜け出しステージへ飛び上がる!狙うはアガト・ボムだ!オイランの死体から黒い菌糸状の管を引きずり出し、もうひとつにはピストルカラテ!BLAMBLAMBLAM!「おやおや、乱暴な。爆発したら大変だろう?」「それをなんとかすればいいわけね!」
サイバーメイヘムもステージ上へ飛び上がる!「キエーッ!」オイランの死体から菌糸状の管を引きずり出し、ブラックソーサラーへパルスダガー攻撃!ZZTZZT!「無駄だというのに」01010101「「「「「アバババババババーッ!」」」」」ナムアミダブツ!最後列のオイラン五人が即死!
うち二人がアガト・ボム化するが、ステージからは遠く離れている!「あれを壊しに戻るかね?そんな暇があればだが」ブラックソーサラーは余裕の態度を崩さない。しかし、アガト・ボムを作るのには気力を消費する。その気力は無限ではない!ならば気力とオイランが尽きるまで殺し続けるべし!
「「「キエーッ!」」」改造オイランアサシンたちは距離をとり、デッドリーパーへチャカガンを連射!BLALALALAM!「イヤーッ!」デッドリーパーはオイランの死体を盾にして防御!ナムアミダブツ!「やれやれ……少々面倒だな」ブラックソーサラーは物憂げにため息をつき、肩をすくめた。
その時。ブラックソーサラーにしなだれかかっていた改造オイランが、そして客席の大量のオイランが沸騰し始め、その皮膚が、筋肉が、どろどろと溶け落ち、骸骨へと変わってゆく。「真のニンジャの世界を見せてやろう」
3ターン目
「い、イヤーッ!」アースハンドはブラックソーサラーへ回し蹴り!「うるさいな。イヤーッ!」ブラックソーサラーは難なく見切って躱し、踊るように裏拳を繰り出す!「グワーッ!」命中!「オイランに押し付けてばかりも悪いからね。さあ、踊ろう」「ハイ。ケケケケ!」骸骨オイランが嘲笑う!
『『『AARGGGHHHHH!』』』三人の「ミスター・デス」は真ん中の通路を駆け下りながら、ステージ上のアースハンドへ炎熱の眼を輝かせる!その眼から炎が!「い、イヤーッ!」アースハンドは転がって回避!「ははは、君のダンスは洗練されていないね。そこのレディたちはどうかな?」
「イヤーッ!」BLAMBLAM!デッドリーパーはアースハンドをかばいつつ、迫り来る「ミスター・デス」へ二挺拳銃を連射!『『AARGHHH!』』サツバツ!二人の「ミスター・デス」がヘッドショットを食らい掻き消える!「脆弱ね!イヤーッ!」サイバーメイヘムがスリケン投擲!『AARGHH!』
ヘッドショット殺ならず!だが残り一体!「「「キエーッ!」」」骸骨と化した改造オイランアサシンたちがアースハンドへチャカガンを射撃!BLABLABLAM!「イヤーッ!」デッドリーパーはオイランの死体で防御!「全く、面倒なことだ……」ブラックソーサラーは骸骨と踊りながら呟く。
4ターン目
01010101……ブラックソーサラーは何らかの強力なジツを発動した。部屋に飾られていた工芸品は犬の頭になっていた。犬。目がこちらを追う。赤黒い液体が部屋に満ちる。『アガト、アガト、アガト、アガト、アガト』
三人は恐るべき光景に圧倒され、がくりと膝をつく。これは。『アガト・ゲン・ジツ。ここは私のフーリンカザンだ。この劇場に足を踏み入れた時、すでに諸君の敗北は決定していた』ナムサン。視界が揺らぎ、うねり、歪んで溶け合っていく。異常な吐き気と快楽が脳内に満ちる。麻薬。薬物か。
ざああああ……天井から重金属酸性雨が降り始めた。屋内で、地下深くだというのに。それは流れ込む血液、襲い来るオイラン、果ては劇場そのものを、絵の具を流し溶かすように崩し……全てを洗い流していく。『ハハハハハハハハハ……!』ブラックソーサラーの哄笑が響き渡る。視界が、闇に。
???
【続く】
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