忍殺TRPGリプレイ【カウント・ユア・シンズ】01
邦題：お前の罪を数えろ（Count Your Sins）
ドーモ、三宅つのです。これはぺりかん＝サンのシナリオ案「イン・トゥ・ザ・キルゾーン」および原作小説「キルゾーン・スモトリ」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。
殺戮遊戯施設の禁止区域に踏み込んだモータルたちを始末するミッションです。この次元のアイアンヴァイス＝サンはどうなったのか知りませんが、似たような施設は他にもあるでしょう。サンシタ・ニュービー用のシナリオですので、今回は彼らを派遣します。
◆クイックランナー（種別：ニンジャ）
カラテ ５ 体力 ５
ニューロン ５ 精神力 ５
ワザマエ ５ 脚力 ５/Ｅ
ジツ ０ 万札 ２０＞１０
ＤＫＫ ２ 名声 ２
攻撃/射撃/機先/電脳 ５/ ５/ ５/ ５
回避/精密/側転/発動 ６/ ５/ ５/ ０
即応ダイス：５ 緊急回避ダイス：０
◇装備や所持品
▶ヒキャクLV１：脚力と回避ダイス＋１
◆ZBRアドレナリン注射器
◇ジツやスキル
○生い立ち：元ヒキャク・パルクール
◉常人の三倍の脚力：脚力＋１、連続側転難易度－１
◉ランスキック：脚力値で近接攻撃判定（N、回避N）
命中すると殺伐出目１（痛打＋弾き飛ばし） 殺伐が出たら殺伐出目D６も可
脚力７以上で連続攻撃２可能 迎撃回避不能
◉トライアングル・リープ：連続側転で壁に触れて移動した時、
直後の近接攻撃の難易度上昇を無視し、一発目に痛打＋１
◉知識：サイバネティクス
能力値合計：１５前回の冒険で万札22と余暇2日、DKK2を獲得しましたが、レッドスリケンに万札5を貸したので手持ち万札は+17、現有20です。例によって「ランスキック」「トライアングルリープ」を入れ、残り10。
◆レッドスリケン（種別：ニンジャ）
カラテ ６ 体力 ７
ニューロン ４ 精神力 ５
ワザマエ ６ 脚力 ３/Ｎ
ジツ ０ 万札 －１
ＤＫＫ ４ 名声 ２
攻撃/射撃/機先/電脳 ６/ ６/ ４/ ４
回避/精密/側転/発動 ６/ ６/ ６/ ０
即応ダイス：５ 緊急回避ダイス：０
◇装備や所持品
▶クロームハートLV１：体力と精神力＋１
◆ZBRアドレナリン注射器
◇ジツやスキル
○生い立ち：錠前破り 鍵や罠の解除判定ダイス＋１
◉知識：セキュリティ
◇ザゼン鍛錬蓄積１
能力値合計：１６前回の冒険でDKK4を獲得し、ニンジャスレイヤーイビルに脚部損傷を負わされたうえ有り金を全部取られ、連絡したら今後もカネを寄越せと脅されました。クイックランナーに万札5を借金し、余暇1日を消費して損傷は治りましたが、残り余暇は1日です。仕方ないのでモータルハントし、6-1D6[2]＝4。借金が4減って1になりました。あと1獲得したら借金返済できます。
前回は散々な目に遭いましたが、今回の相手はバイオスモトリと武装モータル程度ですからダイジョブでしょう。では、始めます。
◆◆◆
序
ブーンブンブン。ブーンブブ。ブーンブンブン。「安い、安い、実際安い」のフレーズで御馴染み、コケシマートのテーマである単調なベース音が不気味に鳴り響いていた。廃墟と化した巨大ショッピングモールを、ニンジャ装束に身を包んだ2人の男が、色付きの風と化して駆け抜ける。
コケシ第七商業地区は、かつて中産階級の市民たちで賑わっていたが、ヨロシサン製薬とオムラ・インダストリが共同開発したバイオスモトリの育成プラントが爆発事故を起こしてから、政府の命令により無人地区に指定された。市民は新たな集合住宅をあてがわれ、強制退去させられた。
プラントを脱走し野生化した大量のバイオスモトリがコケシ第七商業地区全域に放たれ、コメというコメを食い尽くしてしまったからだ。その後、ヨロシサンとオムラ・インダストリは、この地区を富裕層のための巨大殺戮遊戯施設に変えるという斬新なアイディアを思いつき、実行に移した。
もちろん、これらの計画はすべて秘密裏に実行されたものだ。いくらインターネットを検索しても、ヨロシサンとオムラ・インダストリ、バイオスモトリを結びつけるような情報はヒットしない。爆発事故に興味を持ったジャーナリストもいたが、皆ソウカイヤのエージェントに始末されている。
あまつさえ、現在のコケシ第七地区は「バイオスモトリ駆除のボランティアを募り、狩ったスモトリの耳と引き換えに政府から報奨金が支払われる」という名目で運営されているのだ。殺人快楽だけでなく、自らの行動が社会貢献とエコに役立っているという自尊心をも同時に満たせるのである。
「いいよなあ。バイオスモトリ1匹で、いくらだって？」「耳が1ダースで200万円だかだとよ。てことは1匹だと、えーと……30万円ちょっとか」「いいよなあ、カチグミは。ズルいよなあ」2人のニンジャは周囲を警戒しつつも、リラックスしている。「そいつらを殺せば、いくら？」「知らねえ」
彼らがここに派遣されたのは、バイオスモトリの駆除のためではない。バイオスモトリ・ハンティングに興じるあまり、立入禁止区域に入ってまでも殺戮を続けてしまったカチグミたちを救助……否、始末するためだ。ソウカイヤが管理するゲーム場でルール違反を犯せば、死。それがルールだ。
標的は地下13階にいる。そこへ行くにはエレベーターに乗らねばならない。「「「「AAARGHHHH……！」」」」ズシン、ズシン。だがエレベーターの前には4体のバイオスモトリがたむろし、うごめき、焼かれたイカなどを貪っている。「邪魔だな！」「ブッ殺すぜ！」一触即発アトモスフィア！
戦闘開始
◆バイオスモトリ（種別：バイオ生物）×４
カラテ ３ 体力 ４
ニューロン １ 精神力 ２
ワザマエ ２ 脚力 ２
ジツ － 万札 ３
攻撃/射撃/機先/電脳 ３/ ２/ １/ －
◇装備や特記事項
◉突撃
◉脆弱性：火炎（１）
能力値合計：６イメジはmidjourneyで作りました（召喚呪文：bionic Sumo wrestler,unreal engine、Vを1回）。元シナリオでは3体ですが、4つできたので4体です。
イニシアチブ：クイックランナー/QR（5）→レッドスリケン/RS（4）→バイオスモトリ/BS×4（1）
QRはトライアングルリープ&ランスキック/TLLK、[23246][51314]成功。BS1体へ激突含め4ダメージを与え、一撃で倒す。RSは側転&カラテ、[346151][616132]2成功&殺伐[1]弾き飛ばし。モブ敵ゆえ即死。
「「イヤーッ！」」2人のニンジャは壁を蹴り、左右に分かれてトビゲリ！KRAAAASH！「「アバーッ！」」2体のバイオスモトリが壁に叩きつけられ即死！ナムアミダブツ！「「AARGGGGHH！」」残った2体が突撃！
BSは[6][1]RSとQRへ突撃、[536][615]成功。QRは[23123246]回避、RSは[61444651]回避&迎撃！BSに1ダメージ。QRはTLLK、[66621][25633]成功。残り1体。RSは集中してカラテ、6D6[263666]ナムアミダブツ[6]即死。万札12を獲得する。
「「イヤーッ！」」2人のニンジャは恐るべきブチカマシを跳躍回避！「「イイイ……イイイヤァアアーーーッ！」」KRAASH！「「アバーッ！」」ニンジャたちの反撃が直撃！即死！ナムアミダブツ！
戦闘終了
「へっ、ちょろいもんだぜ」「肩慣らしにはなったかな」ゴウランガ……！常人なら重武装でなければ対処できないバイオスモトリを、瞬時に4体殺戮した。これがニンジャの戦闘力なのだ！「4匹で120万円とか貰える？」「カチグミになりゃあな」「ニンジャだし、カチグミだと思うけどなあ」
死体の後始末は清掃員の仕事だ。2人はエレベーターの中に入ると、しめやかに「地下13階」のボタンを押した。ガゴン……！彼らを載せた鋼鉄の箱は、落下するかのような速度で下降していく。
地下13階
……KRAAASH！「「うおっ！？」」エレベーターは最深部、地下13階に叩きつけられるように到着した。ロープが老朽化していたのだろうか。鋼鉄の箱は激しく揺れ、ボタンと階数を示す緑色のディスプレイから火花が散る。「ええ、これ帰りはどうすんだろ」「歩きかなァ」「ファック！」
ブーンブンブン。ブーンブブ。ブーンブンブン。「安い、安い、実際安い」のフレーズで御馴染み、コケシマートのテーマである単調なベース音が、地下13階にも不気味に鳴り響いていた。スリルは感じても、恐怖はない。いざとなれば救援メッセージを送りさえすればよいのだ。
2人がエレベーターから出ると、ひんやりとした冷気の触手が彼らの体を絡め取った。床からはチーズのような黴臭い匂いがした。どうやらこの階はかつて食肉保存エリアとして使われていたらしい。銀色の巨大な冷蔵庫が、さながら整列したハカイシのように際限なく並んでいる。
天井からは「国産バイオ和牛100％」「美味しい」などの垂れ幕が下がっている。天井には黄色と黒のストライプが斜めに入った肉吊りウィンチのレールが、ショウギ盤の目のように走る。少し進むと、それらの冷蔵庫の間に赤い漆塗りの柵が現れて2人の行く手を遮る。……否、破壊されている。
BLAM！BLAM！KABOOOM！奥から銃声や爆発音。「カチグミどもが、バイオスモトリを好き放題に殺ってやがるな。気を大きくして先へ進んじまったのか」「スゴイ・バカだね。いたぶって殺そうよ！」「ああ」ニンジャたちは喜々として先へ進む。危険なモータルハントゲームの始まりだ！
肉の焼け焦げるにおい、バイオスモトリの死体、バイオ血液から立ち上る異臭、そして銃声と爆発音。後を追うのはベイビー・サブミッションだ。冷蔵庫の中に詰まって寝ているバイオスモトリまでも無差別に殺戮している。立ち入り禁止区域ではなく、ボーナスステージだとでも思っているのか。
……そして。「アイエエエ！」「アイエエエ！」銃声と爆発音がやみ、悲鳴が聴こえてきた。怒り狂ったバイオスモトリの群れが一箇所に集結していく。あの中心に、カチグミ・サラリマンたちがいるというわけだ。「ダイジョブです！今救援を呼びました！」「ユウジョウ！」「ユウジョウ！」
ケンドー型装甲服に身を包んだ2人組。間違いない。ウットコ建設の副係長、サトウとナガムだ。
◆サトウ（種別：モータル）
カラテ ３ 体力 ５
ニューロン ３ 精神力 ３
ワザマエ ３ 脚力 ２
ジツ － 万札 ５
攻撃/射撃/機先/電脳 ３/ ５/ ４/ ５
回避/精密/側転/発動 ３/ ４/ －/ －
◇装備や特記事項
▶生体LAN端子LV１：ニューロン判定＋２、イニシアチブ＋１
▶サイバネアイLV１：ワザマエ判定＋１、射撃時さらに＋１
◆火炎放射器：射撃、隣接３×３範囲に火炎ダメージ１ 燃料タンク×３
◆バクチク・グレネード×１：射撃、着弾３×３範囲に火炎ダメージ１
◆ケンドー型装甲服：体力＋２、火炎・電磁・毒ダメージ軽減１
◇カルマ：善
能力値合計：９◆ナガム（種別：モータル）
カラテ ３ 体力 ５
ニューロン ３ 精神力 ３
ワザマエ ３ 脚力 ２
ジツ － 万札 ５
攻撃/射撃/機先/電脳 ３/ ５/ ４/ ５
回避/精密/側転/発動 ３/ ４/ －/ －
◇装備や特記事項
▶生体LAN端子LV１：ニューロン判定＋２、イニシアチブ＋１
▶サイバネアイLV１：ワザマエ判定＋１、射撃時さらに＋１
◆ショットガン：射撃、ダメージ２
◆バクチク・グレネード×１：射撃、着弾３×３範囲に火炎ダメージ１
◆ケンドー型装甲服：体力＋２、火炎・電磁・毒ダメージ軽減１
◇カルマ：善
能力値合計：９ウットコ建設のカチグミ・サラリマンたちです。ちょっとステータスを調整しました。サイバネと装備と鍛錬によりケンドー機動隊にも匹敵する戦闘力を誇り、難易度Hで回避も可能です。
周囲にはバイオスモトリがまた4体。さらに正面にいるのは、ひときわ巨大なバイオスモトリだ。座り込んで動こうとはしないが、体から新たなバイオスモトリが這い出している。なんたる冒涜的な光景であろう。「あれが、マザースモトリか」「殺しちゃダメなんだよね？」「ああ」
◆マザースモトリ（種別：バイオ生物/大型２×２）
カラテ ６ 体力 ２４
ニューロン ３ 精神力 ６
ワザマエ ４ 脚力 －
ジツ － 万札 １０
攻撃/射撃/機先/電脳 ６/ ４/ ３/ －
◇装備や特記事項
●大型２×２：側転不可、即死耐性、リーチ＋１、近接攻撃ダメージ２
●増殖：１ターンに１回、バイオスモトリ１体を生み出す
●捕食：近接攻撃で与えたダメージぶん体力を回復させる
◉脆弱性：火炎（１）
能力値合計：１３ここに派遣される前に、上司ソニックブームからきつく命令されている。あれがほぼ無尽蔵にバイオスモトリを産み出すからこそ、この殺戮遊戯施設は成り立っているのだ。だが恐慌状態のサトウとナガムは、マザースモトリに銃口を向けた！あれを殺されればソウカイヤの損だ！「待て、貴様ら」
クイックランナーは巨大冷蔵庫の上から見下ろし、アイサツを繰り出す。「ドーモ、クイックランナーです」「レッドスリケンです」「「アイエッ！？」」サトウとナガムは驚愕したが、常用している薬物のためNRSは軽微だ。「ど、ドーモ。ウットコ建設のサトウです」「ナガムです」
「貴様らはルール違反を犯した。ケジメをつけてもらう。ウットコ建設グループなど、我々のバックについている財力に比べれば、ダニかノミにも等しい」クイックランナーは極力無感情に、ソニックブームから教わったセリフを告げた。「ケッヒヒヒヒヒ！このままほっといても死ぬよね！？」
レッドスリケンは無慈悲な笑い声をたてた。サトウとナガムは震え上がった。彼らは救助者などではない！自分たちを抹殺しに来たエージェント……ニンジャなのだ！「「う……ウオオーーーッ！」」2人は狂ったような雄叫びをあげ、背中合わせに武器を構えた！一触即発アトモスフィア！
戦闘開始
【続く】
◆
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