忍殺TRPGリプレイ【パラノイア・エージェント】02
前回のあらすじ:ネオサイタマ南部、ドリームランド埋立地。ここに最近オイランドロイドのゾンビーが夜な夜な集団で現れ、住民や廃品回収業者を襲撃しているという。ソウカイヤはニンジャ案件ないしハッカー案件とみなし、二人の手練れニンジャを派遣して調査に当たらせるが、そこに……。
◆
「ドーモ、拙僧はスマイターと申します」
ただの尼僧ではない。ニンジャだ。その両腕には鋼鉄の鎖が巻かれ、両腿のホルスターには大型の聖職者拳銃が収まっている。「……ドーモ、ブラックマンバです」「ナウクラテーです」アイサツを返す。「あなた方も、オバケの噂を聞いて来られたようですね。拙僧も聞き込みを行っていました」
軽く話を聞くに、ザイバツやソウカイヤ、暗黒メガコーポやネオサイタマのテンプルなどには所属しておらず、海外から来たガイジンだという。実際怪しいが、相当な手練れであることは見て取れる。協力するに越したことはあるまい。「それを操る者が邪悪なら成敗し、善良なら話を聞きます」
「わ、わしは知っておる!」さっきの辻説法が近寄ってきた。「西だ!海の近くに、ジャンクを組み合わせた高い塔がある!そここそがオバケを使役する魔女のすみかだ!近寄るなかれ!」「本当ですか?」「デタラメだろ。他に情報はないか」「確かに、西の方には目撃証言が多い気がするな……」
いろいろ情報を集めた末、三人は西へ向かうことに決めた。後はニンジャ第六感やニンジャ感覚でなんとかなるだろう。「では、ともに参りましょうか。恥ずかしながら拙僧、方向音痴で」「じゃあ、ついてきてくれや」あたりはすでに暗いが、ニンジャ視力があれば問題ない。三人は西へ出発した。
???
情報を共有しつつ先へ進んでいくと、遠くから悲鳴が聴こえてきた!「アイエエエ!助けて!オバケ!」ニンジャ聴力でそれを聞きつけた三人は無言で頷き、現場へ急行する!……最初に駆けつけたブラックマンバは、複数のジャンク・オイランドロイドがトタン製の住宅を襲っているのを見た。
◆ジョルリキョンシー(種別:戦闘兵器)×6
カラテ 4 体力 4
ニューロン 1 精神力 -
ワザマエ 2 脚力 2
ジツ - 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 4/ 2/ 1/ 1
◇装備や特記事項
●跳躍移動:飛行移動(3マス)
●絞殺攻撃:拘束攻撃(脱出H)、痛打なし
次の手番に拘束中の敵へ回避不能の1ダメージ
●集中不可
能力値合計:7
「アイエエエ!」『『『アバー……』』』彼女らは泣き叫ぶ住人を無慈悲に取り押さえ、家具や食料を掠奪している!その額には禍々しい紫色の燐光を放つオフダ!「待て。貴様らは何者だ」ブラックマンバは進み出てオイランドロイドに問いかけるが、彼女らは反応を示さない。「助けてーッ!」
住人は……見るからにヤクザ崩れとおぼしい、人相の悪い老人だ。こんなところに住んでいる以上、ある程度の悪事はしていたとしても、ここまでされる謂れはなかろう。「返事はなしか。ならば、インタビューさせてもらうぞ」ブラックマンバはカラテを構えた。一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
「KILL'EM ALL!」ナウクラテーはその場のオイランドロイド全員に遠隔ハッキング!ZZZZZZTTTT!『『『『『『ピガガガーッ!』』』』』』痙攣!だが機能停止せず!額のオフダがなんらかの超自然的パワーで彼女たちを動かしているのだ!「ナムアミダブツ!」BLAMBLAM!スマイターが銃撃!
『ピガーッ!』老人を拘束していたドロイドが、オフダごと頭部を破壊され機能停止!「アイエエエ!」老人はその場にしゃがみ込み、頭を抱える!「イヤーッ!」ブラックマンバは老人の傍らへ側転し、周囲のドロイドへスリケン投擲!SMASH!『ピガーッ!』オフダごと頭部を破壊され機能停止!
『『『『AAARGHHHH!』』』』ドロイドたちはキョンシーめいて跳躍し、老人めがけ一斉に飛びかかる!「イヤーッ!」ブラックマンバは回し蹴りを繰り出し迎撃!『『ピガーッ!』』二体がのけぞる!「KILL'EM ALL!」ナウクラテーが再び遠隔ハック!『『『『ピガガーッ!』』』』機能停止!
戦闘終了
「シューッ……」「アイエエエ……ブッダ……」老人は頭を抱えてブルブルと震え続けており、インタビューできそうな状態ではない。三人は手分けして奪われた家財を彼に返してやり、機能停止したドロイドたちやオフダを観察する。「これは、どう見てもニンジャのジツですね」ナウクラテーが唸る。
オフダからはエテルの流れを感じる。古代ニンジャ文明の遺跡などには、しばしばケンドー・オートマトンと呼ばれる戦闘兵器がおり、侵入者を排除するため半永久的に待機しているという。これはそれに近い。ジョルリ・ジツのたぐいだろう。単純な命令を反復するだけで、複雑な行動はできない。
額のオフダは磁石めいて額に強く貼り付き、剥がせそうにない。ニンジャたちはドロイドの頭部を壊してオフダを回収し、持ち帰って調査することにした。「良い奴らだと聞いていたが、そうでもなさそうだな」「ニンジャですから、そんなものでしょ」「むむ……問いただしてみねばなりませんね」
???
三人はさらに西へ進み、海辺を探索する。オフダに籠められたエテルの糸を辿っていくと、髑髏めいた月の下、スクラップの荒野の中に、瓦礫を組み上げて作られた塔が立っていた。頂上には小屋があり、根元にはドラム缶が置かれている。カランカランカラン……!ナリコがひとりでに鳴った!
『アバー……!』『GRRRR……!』ナリコを鳴らしたのは、見張りとして配備されていたジョルリ・ドロイドたちだ。額にはオフダ。ドロイドばかりでなく、モーターヤブのジャンクもいる。やがて、頂上の小屋の窓から人影が現れ、オフダで隠された顔から訝しげな視線を向けつつ、アイサツした。
「ドーモ、私クグツシェンです。あなたら何か?」
◆クグツシェン(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 12
ニューロン 10 精神力 15
ワザマエ 12 脚力 6/N
ジツ 4 万札 24
攻撃/射撃/機先/電脳 6/12/15/16
回避/精密/側転/発動 12/12/12/14
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:4
◇装備や所持品
◆アサシンダガー:装備時側転難易度+1
●戦闘スタイル:フェイント
イニシアチブ値が自分より低い敵だけを攻撃する場合「崩れ状態」とみなし、
カラテ/ワザマエどちらで攻撃判定してもよい
●戦闘スタイル:精密攻撃 ワザマエで攻撃判定
殺伐は666、ナムアミダブツは6666で発生
◆パーソナルメンポ:精神力と緊急回避+1
◆ニンジャレガース:体力と緊急回避+1、脚力ダメージ軽減1
◇ジツやスキル
☆ハッカーニンジャ、ジツLV4:精神力・イニシアチブ・ニューロン判定+4
☆超自然IRC接続:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
生体LAN端子を持たずともハッキング系スキルをペナルティなしで使用可能
手番開始時に「ポート完全遮断」を宣言するとハッキング標的でなくなるが、
あらゆるハッキング系スキルが使えなくなる 「解放」すると通常の状態に戻る
◉タツジン:ハッカー
種別:ハッキングを持つ◉スキルを、次の手番開始まで記憶スロットから使用可
精神力か体力1消費 ジツ系スキルは不可
●戦闘スタイル
kill-all:ハッキング判定(H)を行い、最大でその判定成功数までkill-9
自分により近い者から優先して1体ずつ選択、同じ敵は選べない
LANケーブル直結攻撃:ワザマエHで近接攻撃(回避N)、連射値=連続攻撃回数
標的に軽減不可の1ダメージ+殺伐(出目1なら崩れ状態) 命中は1発だけ
●ワザ:カウンターハック 敵からのハッキングを出目6を含んで回避した時、
迎撃して回避N・ダメージ2を与える 敵との位置関係は問わない
◉kill-9:ハッキング(H)に成功すると軽減不可2ダメージ(回避N)
ニューロン7以上で連射2、13以上で連射3
◉sudo_kill-9:手番攻撃時に精神力1消費し標的1体へハッキング(UH)
回避H、出目666ならUH 命中するとハッキング判定Nで対抗判定勝負
成功数で負けた側が差分のダメージを受ける(回避・軽減不能)
◉スリケン乱射:回避ダイス2を消費し発動
スリケン/ナガユミによる射撃時に連射+1(時間差・チェーンターゲット可)
◉暗殺者の眼:崩れ状態以上のキャラへの近接攻撃時に痛打+1
◉緊急ブリッジ回避:回避判定直前に精神力1消費し発動 シナリオ中1回限り
この手番に1回の回避の判定難易度を-2し、この時のみ使用可能な緊急回避+6
他の回避難易度軽減効果とは累積しない
◉頑強なる肉体:体力+2、カラテによる毒抵抗判定+2
◉痛覚遮断:体力+3、攻撃や射撃による精神力ダメージ軽減1
●連射2、時間差、マルチターゲット
能力値合計:36
中性的な声と容姿だが女性のようだ。三人はアイサツを返す。「ドーモ、ソウカイ・シンジケートのエージェント、ブラックマンバです」「同じく、ナウクラテーです」「無所属、スマイターです」「何しに来たか?」クグツシェンは不愉快げに問う。「あなたのジョルリが問題を起こしています」
スマイターが進み出た。「子供たちや行き倒れを救い、悪党たちを懲らしめたのはいいとしましょう。でも、無力な老人まで襲って家財を奪っていたのはなぜですか」「知らないね。私のジツ、そこまで細かく標的コントロールできないね。そいつらに聞くね」クグツシェンはボリボリと頭をかく。
「では、お前の所属や来歴を問おう。ザイバツか?」「違うね。私、俗世間と関わりたくないよ。ほっといて」「我々としては、お前が野放しになっているのを放置はできん。ザイバツなど他の組織が来て、お前を手下に加えれば困るからな」ブラックマンバは淡々と告げる。「ソウカイヤに来い」
クグツシェンは鼻を鳴らし、神々しいダブルファックオフサインを突きつけた!「絶ッ対にお断りね!あなたら、私の自由を脅かす不法侵入者!排除するね!」『『『アバー……!』』』ジョルリたちが動く!一触即発!
戦闘開始
初期配置
◆キョンシーヤブ(種別:戦闘兵器)
カラテ 6 体力 8
ニューロン 2 精神力 -
ワザマエ 6 脚力 1
ジツ - 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 6/ 6/ 2/ 2
◇装備や特記事項
●跳躍移動:飛行移動(3マス)
●ジャンク・サスマタ(ノダチ):ダメージ3、攻撃難易度UH、リーチ+1
●戦闘スタイル:回転斬撃 ワザマエ判定Hに成功すると隣接敵全員に1ダメージ
痛打・殺伐なし、迎撃不可
●ガトリングガン・アーム:連射6、ダメージ1、チェーンターゲット
●銃弾の雨:3×3の範囲内の全員に1ダメージ(回避H)
●集中不可
能力値合計:14
1ターン目
「KILL'EM ALL!」ZZTZZTZZT!ナウクラテーはその場の敵全員に遠隔ハッキング攻撃!『『『『ピガーッ!』』』』ジョルリたちが痙攣!だが!「キエーッ!」クグツシェンは指の間に挟んだオフダを振るい、遠隔ハッキングを弾き返す!呪詛返しじみたカウンターハッキングだ!「イヤーッ!」回避!
「キテハァーッ!」クグツシェンは謎めいたシャウトを発し、側転しながらナウクラテーへ遠隔ハッキング!ZZTZZT!「い、イヤーッ!」必死で回避!クグツシェンの肉体には生体LAN端子が備わっていないが、彼女は超自然的なジツの力でIRC接続し、自在にハッキングを行えるのだ!実際強敵!
「キエーッ!」だがナウクラテーもダイダロス仕込みの凄腕ハッカーだ!クグツシェンめがけカウンターハック!「イヤーッ!」クグツシェンはオフダを振るって回避!「やるね!」「そちらも!」この勝負互いに譲らずだ!
「TAKE THIS!」BLAMBLAM!スマイターはよろめくナウクラテーをかばいつつ、ジョルリキョンシーへ銃撃!SMITE!『ピガーッ!』ジョルリ一体が機能停止!「そいつを頼む!シューシュシュシュ!」ブラックマンバは敵陣へ色付きの風と化して駆け込み、ジョルリキョンシーたちへトビゲリ!
SMAASH!『『ピガーッ!』』命中!一体の頭部をオフダごと切断、弾き飛ばす!だがもう一体はギリギリで動く!『『『『ピガーッ!』』』』ジョルリ化されたモーターヤブたちが凶悪なガトリングガン・アームを向ける!BRTTTTTTTT!「イヤーッ!」ブラックマンバは跳躍回避!ワザマエ!
「セイヤッサー!」キキキキン!スマイターはナウクラテーをかばい、鋼鉄の鎖を巻いた拳で銃弾を全て叩き落とす!『AARGHHH!』生き残りのジョルリキョンシーがブラックマンバに飛びかかる!「シュシューッ!」柔軟に回避し迎撃のキック!SMASH!『ピガーッ!』頭部が破壊され機能停止!
「ヌウーッ、なかなかやるね!けど負けないよ!」クグツシェンはジツの力を強める。彼女とキョンシーヤブ四体は健在!真のイクサはここからだ!
戦闘継続
【続く】
◆