忍殺TRPGリプレイ【キック・バック】
邦題:跳ね返り(KICK BACK)
ドーモ、三宅つのです。これはニンジャスレイヤー公式のAoS-SLATE0025【路地裏のダート】を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。
ネオサイタマの一般市民やアウトローであるモータル(非ニンジャ)が、ヤクザ絡みの危険な事件に巻き込まれ、死に、ニンジャ(ニンジャソウル憑依者)となって復活するシナリオです。このようなことはいつどこで起きていてもおかしくありません。つの次元には何人かモータルのアウトローや一般市民がいますが、彼ら・彼女らをあまりニンジャ化させると活躍させられるモータルが減りますし、今回は例によって新たなPCを作成します。
では、モータルPCを1人作成します。アウトローでも非アウトロー(一般市民)でも構いませんが、とりあえず生い立ち表を振ると[63]=放火魔。いきなり危険人物です。アウトローの放火魔なのか、一般市民が鬱憤晴らしに放火行為を行っているのか知りませんが、火炎放射器を初期装備しているのでアウトローでしょう。ニンジャ化した場合、最初からDKK1を持っていることになります。初期知識は1D6[6]割って3、「交渉:煽り」を獲得します。すでにヤバそうです。性別は1D6を降って奇数なら男性、偶数なら女性として(中性や異性装者もいるでしょうが)1D6[6]=女性。
モータルのアウトローPCは、ダイスロールではなくカラテ・ニューロン・ワザマエに9ポイントを任意に割り振って基本能力値を決定します。各能力値のスタート時の最大値は4で、ジツ値は持ちません。脚力の最低値は2となり、好きな知識系スキル1個を持ち、万札30+ローン10までで装備やサイバネや◉スキル(1個万札10)を購入できます(単品万札10まで)。知識系スキルをD66で決めると、[52]=犯罪。完全に危険人物です。特に秀でた能力もないとして、カラテ・ニューロン・ワザマエを3ずつとしましょう。
武器は火炎放射器(万札15)を生い立ちにより初期装備しています。使用直後に即応ダイスを1消費すればリチャージされ再射撃可能になりますが、ニンジャ化すればたぶんカトン使いになるので不要でしょう(そうとも限りませんが)。だいたいニンジャ化しても装備すると側転難易度が+2されて邪魔です。危険なアウトローなのですから、ガスバーナめいてサイバネに火炎放射器を内蔵しましょう。万札10でテッコLV1を、万札10で内蔵型火炎放射器を装備します(もとの火炎放射器を内蔵型にしたとみなしますがカネは取ります)。これで装備ペナルティはなくなりますね。さらに万札10で生体LAN端子LV1を装備します。借金は…やめておきます。
名前は…つのが前に作ったランダム人名ジェネレーターを使います。
名字は[2612]=Bの表6の12、宮城。個人名は源氏名で[414]=下の表の14、浮舟。ミヤギ・ウキフネ、あるいはウキフネ・ミヤギとなります。これで行きましょう。すぐニンジャネームに変わりますが。整理すると、こうです。
◆ミヤギ・ウキフネ(種別:モータル)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ - 万札 0
名声 1
攻撃/射撃/機先/電脳 4/ 3/ 4/ 5
回避/精密/側転/発動 4/ 3/ -/ -
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶テッコLV1:カラテ判定と回避+1
▷内蔵型火炎放射器:射撃N、連射1、カトンLV1 装備・所持ペナルティなし
使用回数1、即応1を支払ってリチャージ1(シナリオ中1回だけ)
射撃時出目666で2連射(回避N、時間差可)
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
◇スキル
○生い立ち:放火魔
◉知識:犯罪
◉交渉:煽り
能力値合計:9
最初からフルスロットルでイカれているサイコ放火魔女性です。もともと邪悪な犯罪者なので、ニンジャ化しても大して変わりません。ネオサイタマにはこの程度のサイコ女は掃いて捨てるほどいるでしょう。事件に巻き込まれてヤクザクランに殺されてもインガオホーみがあります。そこそこ強いものの、モータルなので回避難易度はH、銃弾をまとめて回避できず、アドレナリン・ブーストや連続側転はスキルを取っていないため使えません。
では、始めます。
◆◆◆
序
「うーん、カネがありませんね。誰か殺して稼いで来ますか」
ネオサイタマ、ツチノコ・ストリート、ウシミツ・アワー。安ホテルの宿泊代が払えなくなった放火魔サイコ女「ミヤギ・ウキフネ」は、明るくそう宣言した。売春は彼女のプライド、というか、奇妙な思考回路が許さない。そもそも宿屋の主人は、彼女と関わり合いになりたくなさそうだった。
窓から見える誘蛾灯マトリックスめいた屋台街ネオンに誘われ、ウキフネはふらふらとストリートに出ていく。懐にはチャカガンもIRC端末もなく、ポケットには小銭もないが、知恵と暴力があればなんとかなる。彼女はそのようにして、このマッポーのストリートを生き抜いてきた。心は穏やかだ。
彼女はヤクをキメ過ぎたのか、もともとか、ブッダめいた多幸感に満ちた表情で街をそぞろ歩く。軽い夕食とケモビールがあれば、この都市の全てを許し、受け入れられる。そのあとはどこかに放火して、炎の揺らめくさまや焼け焦げる人間をうっとりと眺めたいものだ。彼女は狂っていた。
遭遇
少し歩くと屋台街だ。電子的な祭囃子、不規則なLEDボンボリの灯りが、ウキフネを迎える。「ミステリー・ボール……ワタアメ……なんにしましょうかね。ウフフフ」彼女はくるくると、踊るように夜店の前を歩き、ごった返す人波をすいすいと避けて通る。スリテクを試してみる機会だろう。
ワザマエ判定、難易度H。3D6[356]成功!1D6[6]割って万札3をゲット。
「ウフフフ」彼女は滑らかな動きで、アホそうな観光客のポケットから財布を盗み取った。「結構持ってた。ツイてるね!」ウキフネは路地裏に滑り込み、肩を揺すって笑った。夜食代と今夜の寝床ぐらいは確保できるだろう。ブッダは起きていたようだ。……しかし、その時。「あの……」
不意に、その娘と目が合った。ネオンのメッシュ髪をした、おかしな目つきのマイコ。IRC端末でも落としたか、必死で何かを探していた様子。マイコは人混みをかき分け、明確にウキフネに近づいた。「あの、もしかして」マイコは破顔し、安堵の声をあげた。「ドーモ、カワイコ。誰ですか?」
ウキフネは肩をすくめる。少し好みだが、憶えがない顔だ。あったとしても忘れている。そもそも目つきがおかしい。ヤクでもキメているのだろう。そうでなければツツモタセだ。「やっと会えたね。お願い、これを」マイコは頬を紅潮させ、潤んだ瞳でウキフネの手を握り、なにかを託した。
それはマキモノほどの大きさの、ゼンめいた顔つきをしたネオン・コケシだった。「この中に、世界を揺るがすほどの機密デー……」ZZZZZZT!「アイエッ」マイコは突然白目を剥き、後頭部の端子穴から白い煙を吹き出し、うつ伏せに倒れ込んだ。ウキフネは思わず支えた。マイコは痙攣している。
「アバ、アバ……」マイコはガクガクと首や四肢を動かし、涙と鼻血を流して、ウキフネの腕の中で事切れた。ほんの数秒の出来事。「え?」ヤバイ。彼女のアウトローとしての生存本能が、警告を発した。完全にヤバイ。脳にまとわりつく霧めいた酩酊が、次第に晴れ始めた。厄介事に巻き込まれた。
襲撃
大通り側から、今度はヤクザが現れ、こちらへ駆けてきた。黒いスーツ、黒いサングラスのいかつい三人組。まるで三つ子のようにそっくり。『メン・イン・ブラックに気をつけろ』の格言が脳裏をよぎる。「宇宙人?」ウキフネは訝しみ、踵を返して路地の奥へ駆け出す!「スッゾコラー!」
威圧的なヤクザスラングが響き、路地の別方向から同じ姿のヤクザが現れた。わけもわからず、ウキフネは走った。コケシを握りしめたまま。……そして、スラム高層雑居ビルの谷間に追い詰められた。瓦礫やガラクタが小道を塞ぎ、ジャンク品で作られたバスケットゴールやネオン看板が輝く。
いまや四つ子になった同じ顔のヤクザたちは、数メートルほど離れて一斉に立ち止まり、一斉にタンを吐き、一斉に同じヤクザスラングを叫んだ。「「「「ザッケンナコラー!」」」」威圧感!ウキフネが油断なきアウトローでなければ、恐怖のあまり失禁していたかも知れない。「誤解です!」
ウキフネはコケシを豊満な胸元に隠し、ハンズアップした。「私は清廉潔白な一般市民です」欺瞞!「「「「…………」」」」ヤクザたちは黙って顔を見合わせると、一斉にチャカガンを懐から抜いた!
戦闘開始
1ターン目
イニシアチブ:ウキフネ/MU(4)→クローンヤクザ/CY×4(1)
MUは駆け寄って内蔵型火炎放射器を射撃、[656]成功!CY4人が即死!即応ダイス1を消費し(残り4)リチャージ。
「キャハハハ!燃えちゃえよォーッ!」ウキフネは狂乱の表情でヤクザたちに駆け寄り、サイバネ腕の掌を向ける!すると瞬時に掌に穴が開き、爆炎を噴いた!KABOOOM!「「「「アババーッ!」」」」ナムアミダブツ!全員即死!これぞ彼女がサイバネ・インプラントした軍用の火炎放射器である!
戦闘終了
「アーイイ……!」ウキフネは焼け焦げ、悶え死んでいくヤクザたちを見て恍惚とする。彼女は実際危険で邪悪な放火魔なのだ!「フーッ……」ウキフネは達しながら、火炎放射器の燃料をリチャージする。タンクを背負っていないため多用はできないが、サイバネによりカラテも強化されてはいる。
「いいもの見せてくれて、ありがとうございました」ウキフネは掌を合わせて四つの焼死体にオジギする。さっきのマイコは生体LAN端子を焼かれて死んだようだが、全身が焼け焦げたわけではなかった。いい香りはしたが、それは、つまらない。「オイオイオイ、やってくれたなァ……」新手が来た。
???
服装はヤクザかギャング。さっきの黒服ヤクザたちとは、体格も顔つきも異なる。やや小柄だ。目は完全に据わっており、電子ドラッグをガンガンにキメている。「テメエ、なんだ?サイコ女」「私はウキフネです。そちらこそ誰ですか?」「……イビルドクダミ・クランのワカガシラ、ヤクバネだ」
◆ヤクバネ(種別:モータル/ヤクザ/重サイバネ)
カラテ 3 体力 7
ニューロン 4 精神力 5
ワザマエ 4 脚力 3
ジツ - 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 4/ 6/ 5/ 6
回避/精密/側転/発動 6/ 5/ -/ -
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶▶▶▶▶▶サイバネLV1FURU SETTO(クロームハートはLV2) 反映済み
カラテ・ワザマエ・イニシアチブ・脚力+1、ニューロン・体力・回避・射撃+2
精神力+2は過剰サイバネ化による-2で相殺
◉重サイバネ化:体力+2、●脆弱性:電磁(1)
◆オノミチ・カスタムハンドガン:連射2
◆ブードゥー/聖遺物:精神力+1
能力値合計:11
イメジと装備はジュウヤク=サン、サイバネと能力値はラッキー・ジェイクのコンパチです。実際強敵ですね。
ヤクバネは面倒くさそうに右手を差し出す。「さっきコケシを受け取っただろ。悪いこた言わねえからこっちに渡しな」「ふーん。やぶさかではありませんが、中身はなんですか?」「言えねえな」ヤクバネの背後から、さっきの黒服ヤクザたちがまた四人、駆け寄ってくる。全く同じ顔と服装だ。
「それと……こいつらもタダじゃねェんだ。賠償金支払って貰うか」「カネならないです」「じゃあ死ねや。暇じゃねンだ」ヤクバネは無感情に銃を構えた。眼の前のサイコ女はなかなかの戦闘力だが扱いにくそうだ。バラしてサイバネや内臓を売り払えばカネにはなろう。一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
イニシアチブ:ヤクバネ/YB(5)→ウキフネ/MU(4)→クローンヤクザ/CY×4(1)
YBはハンドガン連射、[141][651]2発成功。MUは[5][4]1発命中!残り体力2!CYはYBの背後、離れた位置におり射撃が届かない。MUはYBに駆け寄りカラテ、[2244]2発成功。YBは[542241]回避。CY×4はチャカガン一斉射撃、[164][546][363][562]4発成功。MUは[3][1]全弾命中、体力-2になり即死。
「スッゾコラー!」BLAMBLAM!ヤクバネはオノミチ・カスタムハンドガンを連射!「ンアーッ!」ウキフネはテッコで銃弾を一発弾き落とすが、躱しきれない!黒服ヤクザたちはかなり離れた位置でチャカガンを構えており、駆け寄って火炎放射を行っても届かない。すでにオーテ・ツミか?否!
「イヤーッ!」ウキフネは嗤いながらヤクバネに殴りかかる!頭を潰せば!「イヤーッ!」だがヤクバネは難なくテッコの攻撃を躱す!彼は全身をサイバネで固めたツワモノなのだ!「ヤッチマエ!」「「「「ハイヨロコンデー!」」」」BLAMBLAMBLAMBLAM!「アババーッ!」ナムアミダブツ!
ウキフネは全身に銃弾を浴びた。それは視えないワイヤーのように彼女を前に引っ張り、体を重くさせた。恐ろしい勢いで血が流れてゆく。致命的。
戦闘終了
「ハイ、オシマイ」ヤクバネは鼻を鳴らし、スーツの埃を払った。「アバズレが。テメエのサイバネパーツと内臓は、有効利用させてもらうぜ。ありがたがれや」「ア……」ウキフネは路地裏の汚泥に倒れ、痙攣した。体温が、意識が、生命が、失われていく。薄れゆく意識の中、水溜りが視えた。
重金属汚水の水溜りは、上空から降り注ぐ多彩なネオン光をきらびやかに反射している。ヤクバネはヤクザブーツでウキフネの体を蹴り、仰向けにさせた。そして胸元をまさぐり、ネオン・コケシを探り当てた。「手こずらせやがって、サイコ女どもがよ。ああ、あいつの死体も回収しとくか……」
遠のくヤクバネの下卑た声。ウキフネのソーマト・リコールの中に、あの名も知らぬマイコの笑顔が現れた。なぜあの時、コケシを受け取ってしまったのか。それを持ち去り、ヤクザに渡さなかったのか。稼ぎのにおい?たぶんそうだ。これほどの追手が掛かるものなら、さぞ価値のあるもののはず。
否。あんなふうに誰かに信じられ、何かを託されたことなど、一度でもあっただろうか。たとえ彼女が狂っていたとしても。せめてあのコケシに、本当に世界を揺るがすほどの機密データが隠されていたのなら。この理不尽な死にも、きっと意味が……ヤクバネはコケシの頭を、無造作に、捻った。
コケシの首が外れ、ヤクバネはそれを傾けて、中身をほんの少しだけ指先に取り、SNIFFした。「遥かに良い」……ナムサン。コケシの中身は、何の変哲もない薬物。白い粉状に加工されたトロ粉末だ。あのマイコと自分を殺して、取り戻す価値がある程の。「クローンヤクザ代には見合わねえかなァ」
ヤクバネはため息をつき、頭をかいた。……ウキフネは軽い失望と、諦念に襲われた。ああ、やはり。ありふれた、くだらない死。発狂した放火魔のアウトロー女にはふさわしい、泥まみれの無価値な死。きっと……あのマイコも……。視界が暗転し、彼女は永遠の闇に……否。否。否!
どくん。
???
ニンジャソウル憑依現象。獲得能力は1D6[6]=ニンジャソウルの闇。MUの種別がニンジャとなり、連続側転およびアドレナリン・ブーストを自動取得する。生い立ちによりDKK1を獲得。体力と精神力、即応ダイスは限界まで回復。さらに憑依直後により暴走しているとして一時的に強化する。具体的には、公式のニンジャメーカーにモータル名を入力し、カラテ・ニューロン・ワザマエ・ジツ値(1D6-3)等を決め、もとの能力値に一時的に加算する(つの次元のハウスルール)。戦闘終了とともに能力は減衰する。
ミヤギ・ウキフネ=サン、おまえはニンジャになった
◆ニンジャネーム:ポイズンカタナ→フレイムツルギ
【カラテ】3
【ニューロン】5
【ワザマエ】6
【ジツ】0(代わりに初期スキルを1個選択)1D6[3]=ランスキック
……どくん。ミヤギ・ウキフネは、闇の中で目を覚ました。眼の前には、燃え盛るツルギを手にした女ニンジャが立っている。『ドーモ、ミヤギ・ウキフネ=サン。フレイムツルギです』ニンジャはアイサツを繰り出した。「……ドーモ」ウキフネはアイサツを返した。アイサツは大事だ。
『お前は常人としては死んだ。だが、蘇る。今から私はお前だ。私の力を貸してやる』フレイムツルギはツルギをウキフネの胸に突き刺した。そのまま彼女はウキフネの体内に溶け込んでいく。『お前はニンジャになったのだ』自分が。ニンジャに。フィクションの怪物に。『さあ、立って戦え!』
◆ミヤギ・ウキフネ/フレイムツルギ(種別:ニンジャ)
カラテ 3>6 体力 3>7
ニューロン 3>8 精神力 3>9
ワザマエ 3>9 脚力 2>5/N
ジツ 0 万札 0
DKK 1 名声 1
攻撃/射撃/機先/電脳 8/10/ 9/10
回避/精密/側転/発動 10/ 9/ 9/ 0
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶テッコLV1:カラテ判定と回避+1
▷内蔵型火炎放射器:射撃N、連射1、カトンLV1 装備・所持ペナルティなし
使用回数1、即応1を支払ってリチャージ1(シナリオ中1回だけ)
射撃時出目666で2連射(回避N、時間差可)
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
◇ジツやスキル
◉ニンジャソウルの闇:体力および攻撃・射撃・ジツ発動+1
◉ランスキック
○生い立ち:放火魔
◉知識:犯罪
◉交渉:煽り
能力値合計:9>23
戦闘再開
1ターン目
イニシアチブ:フレイムツルギ/FZ(9)→ヤクバネ/YB(5)→クローンヤクザ/CY×4(1)
FZは側転&YBとCYへ火炎放射器、アンブッシュとして攻撃難易度-1。[322435315][1543131223]成功。CY全滅!YBはアンブッシュのため回避難易度+1、[452152]命中!1D6[4]割って2ダメージ!残り体力5!火炎放射器はこのシナリオ中はもう使えない。
「イヤーッ!」ウキフネは瞬時に色付きの風と化して跳躍し、IRC通話を行っていたヤクザたちに、掌の炎を再び叩きつけた。KABOOOOOM!「グワーッ!?」「「「「アババーッ!」」」」ナムアミダブツ!黒服ヤクザらは炎に包まれ全滅!ヤクバネは辛うじて転がって回避!否、ダメージありだ!
YBはNRS判定、難易度N。[34613]成功。YBは距離を取って連射2、[163][456]2発成功。FZはまとめて回避、12D6[224414655441]回避!
「ワッザファック!?テメエ、死んだフリしてやがったか!」ヤクバネは毒づき、自慢のカスタムハンドガンを構える!「もういっぺん死ねーッ!」BLAMBLAM!「イヤーッ!」ウキフネは瞬時に姿を消し……否、ジグザグに動いて銃弾を躱す!「バカな!?」「アハハハ!アーハハハハ!」
ウキフネは化け物めいて嘲笑すると、両掌を合わせてオジギし、アイサツを繰り出した。「ドーモ、ヤクバネ=サン。私は今日からフレイムツルギです」「……ドーモ」ヤクバネは訝しんだ。フレイムツルギ?ツルギも持っていないのに?完全に狂ったのか?否、この異様なアトモスフィアは……!?
2ターン目
イニシアチブ(一騎打ち):フレイムツルギ/FZ(9)→FZ&ヤクバネ/YB(5)→YB(3)
FZは駆け寄ってカラテ2連発、[141611211][62542234]2成功、4成功。YBは[662][433]1発命中!残り体力4!YBは即応ダイス5をつぎ込みカラテ2連発、[4122][16616446]1成功、6成功&痛打2!FZは[462][6121664]1発迎撃!YBの残り体力3!
「イイヤーッ!」BOOMBOOM!フレイムツルギは一瞬でヤクバネの懐に飛び込み、凄まじいカラテラッシュを放った!ハヤイ!KRASH!「グワーッ!」のけぞるヤクバネ!「ザッ……ケンナコラー!」ヤクバネは全身のサイバネを躍動させ、カラテラッシュを返す!BOOMBOOM!「イヤーッ!」
フレイムツルギはブリッジ回避し、ブレイクダンスめいて動きながら、ヤクバネに迎撃のカポエイラじみたキックを食らわせる!KRASH!「グワーッ!?」きしむサイバネボディ!信じがたい強さだ!ヤクバネのミハル・オプティ社製サイバネアイにもとらえられぬ速度!「まさか……テメエ!」
ヤクバネの目に恐怖が浮かぶ。フレイムツルギの目には黒い殺意と歓喜が燃えた。自らを強者と信じ込んでいたモータルを、非ニンジャのクズを、逆に恐怖のどん底に叩き込み、いたぶって殺す。なんと心地よい体験か!
3ターン目
FZは集中しランスキック2連発、2発目に即応ダイス5をつぎ込む![13145][4312656226]3成功、6成功&ナムアミダブツ[1]弾き飛ばし。YBは回避H・UH2![45][2314]ナムアミダブツ命中!2+1+1=4ダメージを受け残り体力-1、死亡!
「イイイ……イイイヤァアアアーーーッ!」フレイムツルギは路地の壁を蹴って跳躍し、ヤリめいたトビゲリを繰り出した!ヤクバネは必死でクロス腕ガード!だが!KRAAAAASH!「アッバーッ!」ゴウランガ!フレイムツルギのキックはヤクバネの鉄壁の防御を打ち破り、弾き飛ばした!KRASH!
「グワ……アバーッ!」ナムアミダブツ!ヤクバネはくの字になって宙を飛び、向かいのビル壁面、ジャンク品で作られたバスケットゴールに背中から突き刺さった!無慈悲!「ゴボッ……」それは生体LANの断末魔めいた火花を散らし、虹色のLEDライトの輝きと共に電子ファンファーレを鳴らした。
『スリーポイント、ドスエ』単調な電子マイコ音声が偉業を称えた。ヤクバネはそのままジーザスめいてハリツケにされ、おびただしい血を流し、痙攣して……事切れた。彼は生き返らなかった。
戦闘終了
エピローグ
「アハ……アハハハ!キャーッハハハハハ!」フレイムツルギは大きくのけぞり、産声めいて哄笑した。そのおぞましい声は壁面に跳ね返り、狭い空間に響き渡る。ZZZZTTT……バチン!火花がスパークし、可燃物に燃え移った!「いいぞ!いいぞ!燃えちゃえよォーッ!」フレイムツルギは舞い踊る!
全ては一瞬の、半ば無意識の出来事だった。自分の中に、何かが宿った。それが自分を蘇らせ、作り替えたのだ。彼女は重金属酸性雨の水溜まりを見下ろした。ヤクザの死体から転がり落ちたネオン・コケシがそこにあった。フレイムツルギは屈み、無造作にコケシを拾い上げた。
……その時、水溜まりの鏡面に、己の姿を見た。変貌したもうひとりの自分を。怪物を。前よりも邪悪で、素晴らしい力の持ち主を。この日ミヤギ・ウキフネは死に、フレイムツルギとなって蘇った。急激な力の減衰を感じつつも、彼女は満足げに笑った。力を手に入れた。この世の王にもなれる。
彼女は、ニンジャになったのだ。
【キック・バック】終わり
◆ミヤギ・ウキフネ/フレイムツルギ(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 2/N
ジツ 0 万札 13
DKK 1 名声 1
攻撃/射撃/機先/電脳 5/ 4/ 4/ 5
回避/精密/側転/発動 4/ 3/ 3/ 0
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶テッコLV1:カラテ判定と回避+1
▷内蔵型火炎放射器:射撃N、連射1、カトンLV1 装備・所持ペナルティなし
使用回数1、即応1を支払ってリチャージ1(シナリオ中1回だけ)
射撃時出目666で2連射(回避N、時間差可)
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
◆トロ粉末入りのネオン・コケシ
◇ジツやスキル
◉ニンジャソウルの闇:体力および攻撃・射撃・ジツ発動+1
◉ランスキック
○生い立ち:放火魔
◉知識:犯罪
◉交渉:煽り
能力値合計:9