忍殺TRPGリプレイ【オペレイション、オペレイション・レスキュー】03
前回のあらすじ:ネオサイタマの北、中国地方に広がるタマチャン・ジャングル。ヨロシサンに追われてここに逃げ込んだサヴァイヴァー・ドージョーは、バイオインゴット不足と分断工作により追い詰められていた。ドージョーの長フォレスト・サワタリの前に、恐るべきニンジャが立ちはだかる!
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「イヤーッ!」サブジュゲイターは初めて動き、ディスターブドの傍らに降り立つとジツを発動!ZZZZT!標的の体表面にさざなみが立つ!「い……イヤーッ!」ディスターブドは危うく側転回避!「フフフ、惜しい」「テメエ!クソ、なんかヤバいぞ!」「俺がかばう!」サワタリは油断なく構える!
「ホーチミン!」サワタリはディスターブドの近くへ駆け寄りつつヨロシ・トルーパーへ毒矢を発射!「ダオラー!」ガキィン!ライオットシールドで防御!だがハイドラが飛びかかる!「イヤーッ!」SMASH!「アバーッ!」トビゲリが命中、トルーパーの首が飛ぶ!残るは一人!「い、イヤーッ!」
ディスターブドは高速で低く地面を這い回り、サブジュゲイターの足元へ切りつけながらサワタリの傍らへ動く!「イヤーッ!」サブジュゲイターは難なく回避!「テメッコラー!」ヨロシ・トルーパーがディスターブドへショットガンを撃つ!BLAMN!「サイゴン!」ガキィン!サワタリがかばう!
「グエン・グエン・グエン・グエン……!」サワタリは目を充血させ、口角からヨダレ泡を垂らし、危険な状態だ。彼に憑依したニンジャソウルが、高まるカラテと部下の危機によって暴走し始めているのだ!「た、大将ッ!」「撤退だ!指示通りに……!ベトコンの襲撃に気をつけろ……!」狂気!
戦闘継続
5ターン目
「イヤーッ!」ZZZZT!サブジュゲイターは飛び回りながらサワタリとディスターブドへジツを放つ!「ジェロニモ!」サワタリはかろうじて回避!だが!「グワーッ!?」ディスターブドは激しく苦悶!二人は大きく体勢を崩し、体表面がボコボコと泡立つ!「フフ」サブジュゲイターは不敵に笑う!
ヨロシ・トルーパーを操っていたジツの力を、攻撃に向けているのだ!「サブジュゲイト(sub-jugate/服従させる)。これがヨロシ・ジツです。ヨロシ遺伝子を体内に持つ以上、ヨロシサンからは逃れられませんよ」「グワーッ……畜生!」ディスターブドは緑色の体液を嘔吐!このままでは!
その時!BOMB!サワタリが瞬時に設置したブービートラップが発動!非人道兵器マキビシを撒き散らす!「ヌウッ!」サブジュゲイターは危うく跳躍回避!「ジェロニモーッ!」怒り狂ったサワタリがマチェーテ二刀流で斬りかかる!SLASHSH!サブジュゲイターはジュー・ジツの構えで迎撃!
「……グワーッ!」命中!反撃のキックは紙一重で躱された!「イヤーッ!」ハイドラは残る一人のヨロシ・トルーパーへ回し蹴り!SMASH!「アバーッ!」即死!「イヤーッ!」ディスターブドはサワタリにかばわれながらサブジュゲイターへ襲いかかる!SLASHSH!「イヤーッ!」側転回避!
6ターン目
「イヤーッ!」ZZZZT!サブジュゲイターは跳び回りながらヨロシ・ジツを放つ!「「イヤーッ!」」サワタリとディスターブドは必死に側転回避!BOMB!「イヤーッ!」サブジュゲイターはマキビシ・ボムを跳躍回避!「AAARGHHH!」サワタリは獣めいて叫びながら飛びかかる!
SLASHSH!「グワーッ!」命中!だが浅い!「俺も相手だーッ!」飛び戻るハイドラ!ほぼ同時にディスターブドが襲いかかる!「「イヤーッ!」」SLASHSHSH!「無駄な抵抗です!イヤーッ!」サブジュゲイターはジュー・ジツの構えで巧みに回避!タツジン!三対一だというのに余裕を崩さぬ!
「とはいえ……」流石に厳しいか。数で押せばいけそうだが、ヨロシ・トルーパーやバイオニンジャの増援も、まだ来ない。……その時だ!
???
「ニィィーッ!」異様なシャウトとともに、巨大かつ異様なシルエットが密林から飛び出す!おお、それは大鹿の下半身とニンジャの上半身を持つバイオニンジャ、セントールだ!頭巾からは雄鹿めいた角が飛び出し、その手にはサスマタを持つ!彼は顔の前に手刀を構え、無言でアイサツした。
「ドーモ、セントール=サン。サブジュゲイターです」「フォレスト・サワタリです。間に合ったか!」サワタリは力強く頷き、ディスターブドをセントールの背中に載せた。彼は負傷とバイオインゴット不足とヨロシ・ジツの影響でぐったりしており、もはや戦力とはならない。「……うむ、了解」
サワタリはセントールと彼らにしか通じぬ符丁で意思疎通し、サブジュゲイターへマチェーテを向けながらじりじりと後退する。ハイドラも彼らを守るように、長い手足を広げて立ちはだかる。「逃げられはしません。バイオインゴットが必要なのでしょう。このあたりのヨロシ施設は掌握しました」
サブジュゲイターは距離をとりつつ、敵戦力を推し量る。展開済み戦力のヨロシ反応……少数。かなりの数を殺されたようだ。だがセントールも負傷しており、バイオインゴットなしでは戦闘継続は難しかろう。イチモ・ダジーンは難しくとも、徐々に弱らせればよい。彼は冷静に状況判断した。
「我々はサヴァイヴする!」サワタリは言い放ち、セントールを駆け出させる。周囲には罠が張り巡らされ、サワタリとハイドラがしんがりを守る。サブジュゲイターは構えを解き、彼らの撤退を見送った。ドローンなどで後をつけさせれば敵のアジトも突き止められよう。すでに彼らはネズミ袋だ!
戦闘終了
「フーッ……!」サブジュゲイターは深呼吸してニューロンの昂りを鎮めつつ、ヨロシ・ジツを用いて周囲のヨロシ存在に指示を伝達する。ストームタイガー、ラハブ、アサイラム、それに自分。非バイオニンジャのエルトリアトを含め、五名のニンジャチームと多数のトルーパーを動かす包囲作戦。
敵戦力は八名。長期の追跡、毒餌、サブジュゲイターのジツで強化したトルーパーやバイオスモトリ部隊による掃討作戦により、彼らは目的の領域まで追い込まれた。廃棄されたヨロシ施設が点在し、バイオインゴットの倉庫も実在するが、各々に罠や毒、ニンジャ戦力やトルーパーが配備済みだ。
リーダーのフォレスト・サワタリはバイオ率が低く、長期のバイオインゴット不足にも耐えるものの、彼を倒せば残りは各個撃破できよう。相手の負傷やバイオインゴット不足を鑑みるに、動かせる戦力はあと半分、四名いるかいないか。そして、この領域には……自分が求めるものが、あるはず。
サブジュゲイターはヨロシ・トルーパーの増援を要請し、包囲の輪を縮めさせつつ、注意深くヨロシ施設の配置を地図で確認し、その一つへ向かう。必要物資を補給・回収し、彼の秘密の計画を進めねばならない……。
【続く】
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